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第2章 魔姫の救済
第2話 街でデート
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呪いを解く方法を探さないといけないが、あの呪いは些か強力なものらしい。俺の解呪魔法どころか、アルの解呪魔法も効かなかった。俺は第七階位呪、アルは第九階位呪まで解呪出来るがそれでも無理だった。恐らく禁忌呪と呼ばれる第十階位以上──最高第十三階位──の呪いだろう。
「和葉がそこまで気にしなくていいよ。まだ生きれるんだから!」
「すまない・・・」
俺たちは各自家へと帰って行った。
「くそぉ!!何か他にもなかったか!?呪いを解く方法が!!!」
「お、落ち着くのじゃ!今そんな事言って呪いが解けるわけじゃないじゃろ!」
・・・カグヤの言う通りだ。
「すまない、熱くなりすぎた。ありがとな、カグヤ。」
プルルルル...プルルルル...
あれ?エリーからだ。
「もしもし、エリー?」
『急にごめんなさい。明日ひまですか?』
「うん?暇っちゃ暇だな。」
『良ければ買い物に付き合ってもらえませんか?』
「あ、いいぞ!俺も気分転換したかったからな。」
『ありがとうございます!では明日の12時に新東京駅前で待ってますね!』
「了解だ。じゃあな。」
電話が終わるとカグヤがニヤニヤしながらこちらを見る。
「いやぁ、モテ男は大変じゃのぅ。にひひ、デートのお誘いとはこれはこれはめでたいのじゃ。」
どつきたい気持ちはあるが抑える。
「別にデートの誘いじゃないさ。ただ買い物に付いてきてほしいだけだろ。」
するとカグヤが顔を真っ赤にし叫んだ。
「このばっかもーーーん!!相手の気持ちも考えずにそう易々と否定から入ってはダメなのじゃ!もしエリーが本当にデートに誘ったつもりだったとしたらすごい勇気を振り絞ったのじゃぞ?それを粗末にするのは男として最悪じゃ!クソじゃクソじゃ!!!」
女の子がクソを連呼するなよ・・・
でもこれは俺が悪いよな。
「そうだな。ありがとう。今日はお前に感謝してばかりだ。」
すると、カグヤは頬を朱に染めた。
「わ、分かったならいいのじゃ!!」
そう言って部屋へと戻って行った。
「?よくわからん奴だ。」
side.カグヤ
「ずるいのじゃ・・・」
妾は部屋へと戻り布団に潜った。和葉に感謝された時、和葉の笑顔がとてもかっこよかった。
「妾も和葉とデートしたいのじゃ。」
でも、多分和葉はエリーが好きなのだろう。あの二人を見ていると分かる。和葉はまだ気づいてないだろうがエリーは完全に自分の気持ちに気づいていた。
「いや、妾もまだチャンスはある筈なのじゃ!!」
日本は50年前より一夫二妻制になった。日本は古来より1人の異性を愛し尽くすという伝統があったが、人口の減少と不妊症の女性が増えたことにより、一夫二妻制が採用された。もし自分の結婚相手が不妊症の場合、もう1人娶ることが出来るのだ。
「絶対に和葉を振り返させて見せるのじゃ!!!」
「うるさいぞー。」
「はーいなのじゃ・・・」
side out.
午前11時50分、新東京駅前。
「まだかな?」
何故か早く着きすぎてしまい、時間を潰していた。正直いってすごく楽しみにしてたのだ。もしかして俺、エリーの事、
「好きなのかな?」
「何が好きなんですか?」
「わ、わぁ!!」
後からエリーが声掛けてきた。
今日の彼女は黒のスキニーパンツに黒のタンクトップシャツ、その上にグレーのジャケットを羽織っている。そして頭に黒のフェルトハットを被っていた。いつもの彼女に比べてとても大人らしく、長い金髪が大人っぽさを倍増させた。
「き、綺麗だな。」
「え、そ、そうですか?嬉しいです・・・」
お互い頬を赤く染め恥ずかしくなったので歩き始める。
「お腹空かないか?」
「そう言えば何も食べてませんでした。」
「ここら辺に美味しいパスタの店があるんだ。行かないか?」
「パスタ!食べたいです!」
子供のようにはしゃぐエリーはとても可愛らしかった。
どうやら着いたようだ。
「Un bel momento?どういう意味なんですか?」
「イタリア語で幸せな時間って意味なんだ。」
「へぇー、ロマンチックな店名ですね!」
「いらっしゃいませー!!」
店に入ると狭いが、人が多くても忙しさを感じさせないような店作りだった。客に対して幸せな時間を提供するために色んなことをこだわっているのだろう。いい店だ。
「ご注文が決まりましたら、チャイムを鳴らしてくださいね!」
俺はほうれん草とベーコンのクリームスープパスタにしようかな?
「私は半熟たまごのカルボナーラにします!」
「分かった。すいませーん!」
「はーい。何にしますか?」
「ほうれん草とベーコンのクリームスープパスタと半熟たまごのカルボナーラを1つずつ。」
「はい!ご注文を繰り返しますね。ほうれん草とベーコンのクリームスープパスタと半熟たまごのカルボナーラ、以上で大丈夫ですか?」
「はい、お願いします。」
どうでもいいけど店員さんと話す時緊張するよね。
「和葉は凄いですね。私、店員さんに注文するの苦手で・・・」
「そんな事ないぞ?俺だって中学生の冬、ファイブイレブンでファイチキ頼もうとしたんだ。寒くて舌が回らなくて、店員さんにめちゃくちゃ笑われたぞ?」
ちなみにファイブイレブンは大手コンビニエンスストアだ。
「ハハハハハ!流石和葉です。笑わせるのも得意ですね。」
「実話話しただけだけどな。」
「ふぅー美味かったな。」
「また来ましょう!」
「あぁ、そうだな!」
「そこの雑貨屋さん寄ってもいいですか?」
「いいぞ。」
「いらっしゃいませー」
ここはアンティーク的な雑貨屋さんのようだ。オルゴールや古びたヘアピンなどがある。
「和葉!これどうですか?」
エリーは猫のヘアゴムで髪をまとめている。
「おお!似合ってるぞ!」
「本当ですか?買おうかなぁ・・・」
「エリー!ちょっと行きたいところあるんだけどいいか?」
「いいですよ。では行きましょうか。」
「ちょっと待っててくれ!トイレ借りてくる。」
「あ、分かりました。」
エリーが外に出たのを確認し、エリーが着けてた可愛い猫のヘアゴムを探す。
「これと、このヘアピンをください。ラッピングお願いします。」
「彼女さんにですね?分かりました!」
違うのだが、そう言われるとこそばゆい。
「はいどうぞ!またのお越しをお待ちしております!!」
「お待たせ!」
「では行きましょうか。」
そして、俺がエリーを連れてきたのは街が見渡せる展望台である。
「ここさ、俺が嫌な事があった時や、嬉しいことがあった時、よく来てたんだ。ここから見る景色は俺の考えてる事がちっぽけに感じるんだ。嬉しいことがあったら、ここは俺だけの場所だって、優越感にも浸れた。エリーをここに連れてきたかったんだ。」
過去に連れてきたことがあるのはカグヤだけである。
「これ、さっきのヘアゴムと、エリーに似合いそうなヘアピンだ。」
「え!?ありがとうございます!!」
いよいよ決意する時が来た。男だろ!勇気を出せ!
バシッ
「よし!エリー!!俺はエリーが好きだ!!俺と付き合ってください!!」
頭を下げ本気で告白した。頭をあげてみると、エリーが泣いていた。
「私なんかでいいんですか?」
「エリーがいいんだ! 」
「良かった・・私も和葉が好きでした。」
俺たちは抱き合い、唇を重ねた。
「夢みたいだよ、何か嬉しいな。」
「私もです。」
「本当はさ、葛藤があったんだ。エリーが好きな気持ちがあったんだけど、カグヤの事も好きな自分がいた。糞だよな?2人も好きになるなんて。」
「いいじゃないですか。素敵ですよ。誰これ構わず告白する訳では無いんですから。それに、カグヤちゃんがもし、和葉が好きなら付き合ってあげてください。」
「え?でも・・・」
「私は和葉が私のことを好きって言う気持ちだけでも嬉しいんです。和葉みたいな素敵な人、独り占め出来るなんてハナから思ってませんよ。」
「ありがとう。確かにまだカグヤが好きだ。カグヤが俺の事が好きって言ってくれたら告白するよ。」
俺は昨日カグヤが言ってくれたことをエリーにも話した。
「カグヤちゃん・・・感謝してもしたりないですね。」
「そうだな。」
そう話しながら、手を繋ぎ帰って行った。
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