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反撃開始
新緑の女王
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ルミウルに案内され向かう先には、大きな宮殿が見えて来ていた。
森に馴染む淡い緑色の屋根と丸みを帯びた窓ガラスがはまる白を基調とした壁面。
厳かな白銀の国の城とも、豪華絢爛な黄金の国の城とも違う。
どこか親しみのある宮殿だと感じた。
太陽の国の宮殿とも似たような作りなのに一体何が違うのだろうかと少し考えを巡らせる。
もしかして、人の出入り、だろうか。
宮殿はとても広く、当然騎士や働いている宮殿務めの人がいる。
しかし、太陽の国はすれ違う人の人数がとても少ないのだ。
今新緑の宮殿を進んでいるが、かなり人とすれ違う。
でも、太陽の宮殿の廊下はとても静かだ。
それがどこか、近寄りがたい雰囲気さえ醸し出していた。
太陽の国王は閉鎖的な人ではない。
しかし、一人で抱えていた物は多かったように思う。
代々受け継がれてきた太陽の国の規則のせいか否か。
転移してくる人間への対応を速やかにするために、宮殿への出入りを最低限にしていた可能性もある。
闇魔法の人間の場合、いい顔をしない国民がいるだろうから。
「すみませんが、ドラゴンの皆さんは中庭でお待ちいただけますか。宮殿の扉の大きさでは通れませんので。」
ルミウルがそう言うので、ウミたちには中庭で待ってもらうことにした。
『分かってるだろうな、俺たちに何かあればあんたも死ぬ。』
ウミがそう言って私を引き留めるので、振り返る。
「分かってます。とはいえ、ウミたちもみすみす殺されてやるような弱いドラゴンでもないでしょ。」
『それはそうだが、守ってくれるんだろ?俺たちの騎士様。』
ウミがふっと息を吐けば、目の前にいた私たちの髪が凍る。
「ええ、血の契約をしているのであなたたちの危険は分かるはずです。」
そう言いつつ凍った髪を手で払う。
隣にいたアルとヒメもパリパリと氷を払い落とす。
ルミウルの耳も尻尾も凍っていて申し訳ない。
「あの、大丈夫ですか?」
「え、は、はい。あまりに魔法の純度が高いので驚いてしまって。リビ様にとっては日常なのですね。」
ルミウルは耳をぱたぱた、尻尾を振って氷を払いのける。
かわいい。
私の思考がバレたのかヒメには睨まれ、アシャレラに肩を抱かれる。
「それ浮気だよ、リビちゃん。はいはい、早く王様のとこ行こうね。」
浮気と言われて納得はいかないが、今は王様の元へ行かなければならない。
王の間の大きな量扉が開くと、通例通り騎士がずらりと両脇に並んでいる。
そうして、二つある玉座に王様と女王様が並んで座っていた。
そういえば、太陽の国は王様しかいないな。
真ん中まで進み、それから騎士のように膝をたてて礼をする。
アシャレラは私に倣い同じようにする。
アルとヒメは騎士ではないので頭を下げているだけのようだ。
「白銀の国の騎士リビと申します。この度は、今各地で起きている魔獣の暴走について説明させていただくために参りました。」
「顔をあげてください。先ほど騎士たちからドラゴンが魔獣を凍らせたという報告を受けています。あなた方であれば、あの魔獣たちに対処できるということですね?」
顔をあげれば女王様と目が合った。
白い丸っこい耳は白熊だろうか。
大きな体と包容力のありそうな声だ。
「はい、それに関しても話をさせて頂きたく思います。」
「分かりました、お聞かせ願います。」
私は火森の村で話したことを新緑の国でも話すことにした。
騎士たちが顔を見合わせて戸惑っているのがうかがえる。
女王様は深刻な顔をして聞いており、隣の王様は朗らかな表情で聞いている。
「現状は、把握致しました。今各国では闇魔法の人間を国内に入れてはならないという知らせを太陽の国から受けております。ですが魔獣の暴走により国を囲う壁が壊され、人の出入りを確認することが非常に困難です。あなた方のように空から来られれば対処のしようもありません。あなた方が敵ではなかったことが不幸中の幸いです。」
「すみません、非常事態でしたので。」
「黄金の国からの伝令によりリビさんのことは伺っています。ですから、あなたの話を信じたい。私たちにできることはなんでしょうか。」
女王様は全ての話を理解してくれたわけではないだろう。
それでも、知らない悪魔の話を信じようとしてくれている。
「できるだけ一人で行動しないようにしてください。操られる可能性をできるだけ排除するために、怪しい人間には近づかない事。」
「リビちゃんひとついい?堕ちた者は気配や魔力が感知しづらいわけだ。だから、鑑定士を持っている騎士や、戦闘に長けた者はその異質さに気づきやすいはずだよ。勘や経験による違和感は馬鹿に出来ない。それを踏まえて警備をするといいかもね。」
アシャレラがそう言うと、女王様は少し眉を顰めた。
「有難い助言ですが、私はあなたの気配こそ感じ取ることが出来ないのですが、それはどういうことでしょう。」
この女王様、結構強いのかな。
アシャレラは私と契約している悪魔で、実体がない。
気配がないのは当然だ。
「己の発言で首を絞めちゃったか。俺はリビちゃんに首輪を嵌められている犬のようなものだから、安全だよ。」
その冷たい笑顔が全然安全ではない。
「申し訳ありません女王様。ですが私の味方です。危害を加えることはないとお約束致します。」
女王はため息をつくと、背筋を伸ばす。
「ドラゴンを連れた闇魔法の人間がいる。その噂を聞いていたときから私は未だ見ぬ世界があるのかと半信半疑に思っていました。ドラゴンと話せることや、黄金の国王の命を魔法で救ったことも信じがたくとも事実なのでしょう。人間である貴方が白銀の騎士になれたことも、幻と言われる翼のエルフが今ここにいることも、事実なのですから。」
女王様は立ち上がるとルミウルを指名した。
「ドラゴンを、見せて頂けますか。」
中庭には4頭のブルームーンドラゴンが待っている。
女王様はその光景を見て、目を見開いた。
「生きているうちに守り神であるブルームーンドラゴンをこの目に映すことがあるなんて思いもしませんでした。」
『お会いできて光栄だ、女王陛下。』
「ドラゴンの、声が・・・。」
信じられないというように後ずさる女王の体を王様が支える。
「きみが会いたがっていたドラゴンと話も出来るなんてよかったね。」
初めて喋ったかと思えば王様は穏やかにそう言った。
「今はそれどころじゃないけれど、ええ、そうですね。守り神の話は皆が知っている憧れですから。」
ブルームーンドラゴンが魔法によって戦争を止めた。
それが絵本となって語り継がれ、この下界で知らない者はいない。
しかし、ブルームーンドラゴンは月の神が堕ちた成れの果ての姿だ。
それが月の加護を受けているドラゴンだとねじ曲がって伝わっている訳だが。
このねじ曲がったという部分、太陽の神の記憶操作によるものだとしたら理解できる。
堕ちた神の存在は知らせるわけにはいかないからだ。
だがしかし、レビン先生の調べで堕ちる存在が示唆されている部分がある。
誓約を完璧に守る太陽の神ならば、そんな文章自体記憶を操作すべきだろう。
しかし、それをしなかった。
いや、できなかったのではないか。
太陽の神はひとりしかいない。
誓約を破らないために、それに触れる記憶を操作することが出来る太陽の神は今まであらゆる記憶を操作・消去している。
おそらくその記憶操作されていることに気づいた人が今までにもいたはずだ。
その人たちが、太陽の神の記憶操作をされないぎりぎりのヒントを残してくれているのだとしたら。
守り神の絵本も、レビン先生が調べた神の御言葉も、夜明けの国に描かれる壁画もそのためだとしたら。
「リビちゃん、どうかした?」
「いえ、太陽の神の好きにさせない方法を考えていました。太陽の神にも弱点はあるはず、そこを突けば記憶を維持できるのではないかと。」
アシャレラは私の肩をひじかけにして寄りかかる。
「誓約に関わる記憶の改ざんがどこまで行われるのか、だね。でも、リビちゃんのように各国に誓約の話をしたのは初めてだと思うよ。各国の繋がりが増え始めた今だからこそ、聞く耳を持つ人が増えている。一昔前なら、こうはならない。今までで一番、誓約に触れる人間が多いだろうね。」
私の話を信じているか否かは関係なく、誓約に触れている人間は確かに増えている。
それを知った人間すべての記憶を操作するとなると、いくら太陽の神でも一瞬とはいかないだろう。
いっそのこと、神の誓約をこの世界の皆が知れば記憶を消す意味も無くなるのではないだろうか。
でも、誓約を守らされているのは均衡を保つためだ。
もしかしたら今私は、その均衡を崩しているのかもしれないのか?
「これからすべきことがたくさんありますね、リビさん。」
考え込んでいた私に女王様は言う。
「そうですね、新緑の国は壁が壊されていますしまずはその修復をしなければいけませんね。また、魔獣が来ないとも限りません。少しでも頑丈な外壁を作った方がいいと思います。教会建設に火森の村が協力してくれているのでその負担をできるだけ減らせたら一番いいのですが。」
「わかりました、教会建設の人手をこちらでも確保致しましょう。ですので、出来る限りリビさんたちには魔獣の対処をお願い致します。」
人数が増えれば増えるほど教会建設の出来上がりも早まるだろう。
魔獣を止められる方法を突き止め、教会建設にも着手出来ている。
順調に事が進んでいるのに、何故だか先ほどよぎったことが頭から離れない。
私は均衡を保つために動いているはずなのに、同時に均衡を崩している。
誓約は神が守り、生き物は守らされている。
その誓約に関わる知識が与えられることを許されない。
その許されないことを私は今皆に与えていることになる。
勿論、こうして説明できているからこそ皆が協力しようとしてくれるのだ。
そして、それが誓約に関わるから記憶を消されるかもしれない。
世界の均衡が崩れたら、どうなるのだろうか。
そう考えた瞬間、宮殿の外から大きな爆発音が聞こえた。
「女王様!!あちこちで国民の魔法が暴走をしています!!」
駆けこんできた騎士の言葉で、私たちは宮殿を飛び出した。
森に馴染む淡い緑色の屋根と丸みを帯びた窓ガラスがはまる白を基調とした壁面。
厳かな白銀の国の城とも、豪華絢爛な黄金の国の城とも違う。
どこか親しみのある宮殿だと感じた。
太陽の国の宮殿とも似たような作りなのに一体何が違うのだろうかと少し考えを巡らせる。
もしかして、人の出入り、だろうか。
宮殿はとても広く、当然騎士や働いている宮殿務めの人がいる。
しかし、太陽の国はすれ違う人の人数がとても少ないのだ。
今新緑の宮殿を進んでいるが、かなり人とすれ違う。
でも、太陽の宮殿の廊下はとても静かだ。
それがどこか、近寄りがたい雰囲気さえ醸し出していた。
太陽の国王は閉鎖的な人ではない。
しかし、一人で抱えていた物は多かったように思う。
代々受け継がれてきた太陽の国の規則のせいか否か。
転移してくる人間への対応を速やかにするために、宮殿への出入りを最低限にしていた可能性もある。
闇魔法の人間の場合、いい顔をしない国民がいるだろうから。
「すみませんが、ドラゴンの皆さんは中庭でお待ちいただけますか。宮殿の扉の大きさでは通れませんので。」
ルミウルがそう言うので、ウミたちには中庭で待ってもらうことにした。
『分かってるだろうな、俺たちに何かあればあんたも死ぬ。』
ウミがそう言って私を引き留めるので、振り返る。
「分かってます。とはいえ、ウミたちもみすみす殺されてやるような弱いドラゴンでもないでしょ。」
『それはそうだが、守ってくれるんだろ?俺たちの騎士様。』
ウミがふっと息を吐けば、目の前にいた私たちの髪が凍る。
「ええ、血の契約をしているのであなたたちの危険は分かるはずです。」
そう言いつつ凍った髪を手で払う。
隣にいたアルとヒメもパリパリと氷を払い落とす。
ルミウルの耳も尻尾も凍っていて申し訳ない。
「あの、大丈夫ですか?」
「え、は、はい。あまりに魔法の純度が高いので驚いてしまって。リビ様にとっては日常なのですね。」
ルミウルは耳をぱたぱた、尻尾を振って氷を払いのける。
かわいい。
私の思考がバレたのかヒメには睨まれ、アシャレラに肩を抱かれる。
「それ浮気だよ、リビちゃん。はいはい、早く王様のとこ行こうね。」
浮気と言われて納得はいかないが、今は王様の元へ行かなければならない。
王の間の大きな量扉が開くと、通例通り騎士がずらりと両脇に並んでいる。
そうして、二つある玉座に王様と女王様が並んで座っていた。
そういえば、太陽の国は王様しかいないな。
真ん中まで進み、それから騎士のように膝をたてて礼をする。
アシャレラは私に倣い同じようにする。
アルとヒメは騎士ではないので頭を下げているだけのようだ。
「白銀の国の騎士リビと申します。この度は、今各地で起きている魔獣の暴走について説明させていただくために参りました。」
「顔をあげてください。先ほど騎士たちからドラゴンが魔獣を凍らせたという報告を受けています。あなた方であれば、あの魔獣たちに対処できるということですね?」
顔をあげれば女王様と目が合った。
白い丸っこい耳は白熊だろうか。
大きな体と包容力のありそうな声だ。
「はい、それに関しても話をさせて頂きたく思います。」
「分かりました、お聞かせ願います。」
私は火森の村で話したことを新緑の国でも話すことにした。
騎士たちが顔を見合わせて戸惑っているのがうかがえる。
女王様は深刻な顔をして聞いており、隣の王様は朗らかな表情で聞いている。
「現状は、把握致しました。今各国では闇魔法の人間を国内に入れてはならないという知らせを太陽の国から受けております。ですが魔獣の暴走により国を囲う壁が壊され、人の出入りを確認することが非常に困難です。あなた方のように空から来られれば対処のしようもありません。あなた方が敵ではなかったことが不幸中の幸いです。」
「すみません、非常事態でしたので。」
「黄金の国からの伝令によりリビさんのことは伺っています。ですから、あなたの話を信じたい。私たちにできることはなんでしょうか。」
女王様は全ての話を理解してくれたわけではないだろう。
それでも、知らない悪魔の話を信じようとしてくれている。
「できるだけ一人で行動しないようにしてください。操られる可能性をできるだけ排除するために、怪しい人間には近づかない事。」
「リビちゃんひとついい?堕ちた者は気配や魔力が感知しづらいわけだ。だから、鑑定士を持っている騎士や、戦闘に長けた者はその異質さに気づきやすいはずだよ。勘や経験による違和感は馬鹿に出来ない。それを踏まえて警備をするといいかもね。」
アシャレラがそう言うと、女王様は少し眉を顰めた。
「有難い助言ですが、私はあなたの気配こそ感じ取ることが出来ないのですが、それはどういうことでしょう。」
この女王様、結構強いのかな。
アシャレラは私と契約している悪魔で、実体がない。
気配がないのは当然だ。
「己の発言で首を絞めちゃったか。俺はリビちゃんに首輪を嵌められている犬のようなものだから、安全だよ。」
その冷たい笑顔が全然安全ではない。
「申し訳ありません女王様。ですが私の味方です。危害を加えることはないとお約束致します。」
女王はため息をつくと、背筋を伸ばす。
「ドラゴンを連れた闇魔法の人間がいる。その噂を聞いていたときから私は未だ見ぬ世界があるのかと半信半疑に思っていました。ドラゴンと話せることや、黄金の国王の命を魔法で救ったことも信じがたくとも事実なのでしょう。人間である貴方が白銀の騎士になれたことも、幻と言われる翼のエルフが今ここにいることも、事実なのですから。」
女王様は立ち上がるとルミウルを指名した。
「ドラゴンを、見せて頂けますか。」
中庭には4頭のブルームーンドラゴンが待っている。
女王様はその光景を見て、目を見開いた。
「生きているうちに守り神であるブルームーンドラゴンをこの目に映すことがあるなんて思いもしませんでした。」
『お会いできて光栄だ、女王陛下。』
「ドラゴンの、声が・・・。」
信じられないというように後ずさる女王の体を王様が支える。
「きみが会いたがっていたドラゴンと話も出来るなんてよかったね。」
初めて喋ったかと思えば王様は穏やかにそう言った。
「今はそれどころじゃないけれど、ええ、そうですね。守り神の話は皆が知っている憧れですから。」
ブルームーンドラゴンが魔法によって戦争を止めた。
それが絵本となって語り継がれ、この下界で知らない者はいない。
しかし、ブルームーンドラゴンは月の神が堕ちた成れの果ての姿だ。
それが月の加護を受けているドラゴンだとねじ曲がって伝わっている訳だが。
このねじ曲がったという部分、太陽の神の記憶操作によるものだとしたら理解できる。
堕ちた神の存在は知らせるわけにはいかないからだ。
だがしかし、レビン先生の調べで堕ちる存在が示唆されている部分がある。
誓約を完璧に守る太陽の神ならば、そんな文章自体記憶を操作すべきだろう。
しかし、それをしなかった。
いや、できなかったのではないか。
太陽の神はひとりしかいない。
誓約を破らないために、それに触れる記憶を操作することが出来る太陽の神は今まであらゆる記憶を操作・消去している。
おそらくその記憶操作されていることに気づいた人が今までにもいたはずだ。
その人たちが、太陽の神の記憶操作をされないぎりぎりのヒントを残してくれているのだとしたら。
守り神の絵本も、レビン先生が調べた神の御言葉も、夜明けの国に描かれる壁画もそのためだとしたら。
「リビちゃん、どうかした?」
「いえ、太陽の神の好きにさせない方法を考えていました。太陽の神にも弱点はあるはず、そこを突けば記憶を維持できるのではないかと。」
アシャレラは私の肩をひじかけにして寄りかかる。
「誓約に関わる記憶の改ざんがどこまで行われるのか、だね。でも、リビちゃんのように各国に誓約の話をしたのは初めてだと思うよ。各国の繋がりが増え始めた今だからこそ、聞く耳を持つ人が増えている。一昔前なら、こうはならない。今までで一番、誓約に触れる人間が多いだろうね。」
私の話を信じているか否かは関係なく、誓約に触れている人間は確かに増えている。
それを知った人間すべての記憶を操作するとなると、いくら太陽の神でも一瞬とはいかないだろう。
いっそのこと、神の誓約をこの世界の皆が知れば記憶を消す意味も無くなるのではないだろうか。
でも、誓約を守らされているのは均衡を保つためだ。
もしかしたら今私は、その均衡を崩しているのかもしれないのか?
「これからすべきことがたくさんありますね、リビさん。」
考え込んでいた私に女王様は言う。
「そうですね、新緑の国は壁が壊されていますしまずはその修復をしなければいけませんね。また、魔獣が来ないとも限りません。少しでも頑丈な外壁を作った方がいいと思います。教会建設に火森の村が協力してくれているのでその負担をできるだけ減らせたら一番いいのですが。」
「わかりました、教会建設の人手をこちらでも確保致しましょう。ですので、出来る限りリビさんたちには魔獣の対処をお願い致します。」
人数が増えれば増えるほど教会建設の出来上がりも早まるだろう。
魔獣を止められる方法を突き止め、教会建設にも着手出来ている。
順調に事が進んでいるのに、何故だか先ほどよぎったことが頭から離れない。
私は均衡を保つために動いているはずなのに、同時に均衡を崩している。
誓約は神が守り、生き物は守らされている。
その誓約に関わる知識が与えられることを許されない。
その許されないことを私は今皆に与えていることになる。
勿論、こうして説明できているからこそ皆が協力しようとしてくれるのだ。
そして、それが誓約に関わるから記憶を消されるかもしれない。
世界の均衡が崩れたら、どうなるのだろうか。
そう考えた瞬間、宮殿の外から大きな爆発音が聞こえた。
「女王様!!あちこちで国民の魔法が暴走をしています!!」
駆けこんできた騎士の言葉で、私たちは宮殿を飛び出した。
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