▽ヤンデレフラグ回避検証・演算・考察リプレイ

万雪 マリア

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検証・その1【かぐや姫のおねだり戦法】

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選択肢・有 優先行動・我儘 行動方針・妨害

▽「私、ウィル様のもとにはまいれません」
▽まぶたを少し閉じ、目を細め、悲壮感あふれる表情でノーリは言った。
▽それを聞いたウィルは、目を見開いた。

1 対象が精神的に落ち着いている状態で検証開始。まずはウィリアム氏お得意の曲解やらを防ぐためにはっきりとお断りします。ちなみにですがノーリ氏がウィリアム氏のもとに自ら参ったことはありません。

▽「……え?」
▽「あ、もしかして首輪の色が気に入らなかったのか? お前の髪の色になら青が似合うと思ったんだけど、それなら他にもあるし……あ、もしかしてロープよりチェーンがよかったのか? 困ったな、チェーンは今……」
▽「とりあえずどっちでもいいので落ち着いてくれませんか」
▽綺麗な金髪も、珍しい緑色の目も、うっとりするような顔立ちも、手に持っている首輪と縄で台無しである。

2 病んだ言動が目立ちますが気にせず検証を続けます。こういう作戦はテンポが大事、相手にリズムをもっていかれないように注意しつつ、相手に「どちらの拘束具がいい」という言質をとられないようにしましょう。

▽「ウィル様の気持ちは嬉しく思うのですが、我がエヌマーティッド当家にはしきたりがありまして……」
▽「私のような生娘が嫁ぐとき、決まりがあるのです」
▽「そう、千年続いた我が家のしきたりにのっとると夫は『仏の御鉢』『蓬莱の玉の枝』『火ねずみの皮衣』『龍の首の五色の珠』『燕の子安貝』を備えていなければならないのです。しかし千年の間にそのありどころは薄れてしまい今や伝説となってしまって五つの宝は入手困難なのです。ものによってはそれこそ命をかけなければならず私もそのような行為を貴方にさせるのは非常に心苦しく、ウィル様には申し訳ないのですがウィル様の屋敷に参る事は難しいので………」
▽口元を袖で隠し、本家竹取物語さながらにノーリは言った。

3 とりあえずわからないであろう単語をだーっと並べて無理感を出して、自分としても非常に不本意なのだがやめてくれと伝えます。こんな方法普通は使えないので良い子はマネしないでね!

▽「そうか………わかった」

4 そ し て 実際これでわかってくれるのは特殊技能「空気を読む」をインプットされている人ぐらいですよねー。無理でした。

▽「万物の頂点に君臨する精霊の王の龍の首から珠を奪えるだけの力、まがい物の中から本物の仏の御石の鉢を見分ける慧眼をもつ夫に、安産と子孫繁栄を表す子安貝、ありとあらゆる災厄を退ける皮衣、富と名声を表す玉の枝……」
▽「備えれば幸せな未来を約束する5つの宝、これをもって夫の条件とするのは、なるほど技術貴族であるエヌマーティッドらしい合理性を兼ね備えたものだな」
▽そう言って五宝を装備するウィル。
▽完全にラスボスである

5 はい。魔導士団に籍をおく人にファンタジーで対抗するのは無理がありました。

▽「これでいいんだろ、ノーリ……」
▽「さぁ、祝言をとげよう」
▽恍惚とした表情で、五宝を装備しついでに拘束具を持ったウィル。
▽完全に魔王である

 ナニコレ怖い! ノーリは恐怖した。そして無言で『リセット』をとりだしたのであった。

 リセットしますか?
 
 Y▼
 N




 ぴろりん♪




 ~蛇足~

▽バグの深度を検証します
▽これまでのデータをセーブし、検証を開始しますか?

 Y▼
 N


 ぴろりん♪

「ノーリ……今日はもうはなさない……」
「え、いやあの、これ別れのハグでは」
「むしろ俺の屋敷から離さない……」
 微妙に生ぬるいウィルのコートにつつまれながらノーリ氏は思った。それ、ただの監禁なのでは? と。確かにノーリ氏の生家であるエヌマーティッド侯爵と王家は長い間協力・主従関係にある。だけどこれは何か違うのではなかろうか。正確にはアップルヴァーン子爵家とエヌマーティッド家には何もつながりがないのだから、どちらかというとノーリ氏はヒューヴェンタール王家と交流を深めるべきであって、決して魔術師団長と交流を深めてトクがあるわけではないのだ。
「というかそもそも私達ってそんな関係じゃ……」
「大丈夫だ、魔術師団はエヌマーティッド侯領にも優秀な団を2個師団ほど派遣している」
「何が大丈夫なんですかっ……」
 そこまで言ってノーリ氏は気付いてしまった。この男は腐っても魔術師団長、2個師団程度動かすなど小指をたてるようなもの、造作もない。本来職権乱用で捕まってもいいのだが仮にも王家の御子であるウィルを捕まえられるものなどどこにいるのだろうか__。
「嬉しくないのか? 俺と結ばれることが。お前別の誰かがいいとか言い出すのか? まさかヴィンの方がいいというのか? なぁ、ノーリ」
 なにこれ怖い。弟が絡むととたんにヤンデレが悪化するアップルヴァーン氏。とりあえず平手打ちして逃げ出すノーリ氏。あくまでウィルは「紳士」(前に「変態」とつけばほぼそれで正解である)であるため、最初は逃がしてくれる。「何で逃げるんだよ、のーりぃぃ……」顔と声だけ可愛い・かっこいいと形容していいだろう。病んでるけど。

「ずっとずっと二人きりで俺の屋敷でくらそうなお前が好きだって言っていた紅茶用意して待ってるからな俺ん家の家紋の林檎もヒューヴェンタールの家紋の薔薇もエヌマーティッドの家紋の百合も全部植えた庭を用意するからな食べてもらいたい料理も見てもらいたい景色もたくさんあるからはやく来てくれよな俺がお前の言葉の本当の意味に気付けないわけじゃないんだから」

 ふと、ノーリ氏は悪寒を感じてふりかえった。

「でも次は、逃がさない」

 目が完全に死んでるいい笑顔で、ウィルがこっちを見ていた。


▽バグの深度の検証が完了しました
▽これまでのデータをセーブし、検証を続けますか?

 Y
 N▼


 ぴろりん♪
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