▽ヤンデレフラグ回避検証・演算・考察リプレイ

万雪 マリア

文字の大きさ
3 / 10

検証・その2【甘やかして好き放題させてみる】

しおりを挟む
選択肢・有 優先行動・甘やかし 行動方針・従順



▽「べ、べつに、お前のためじゃないぞ、俺のために、ノーリを屋敷に招くんだからな!」
▽(心の底からごもっともです)
▽手に首輪とチェーンを持ったウィルは、その手のものが別の何かであれば絵画にできそうな美青年である。ただしヤンデレ。

1 いまだかつてこれまで嬉しくないツンデレがあっただろうか。いやない。紳士(笑)の出オチ監禁予告にひるまずに検証開始。ひるむと何か変なフラグが立ちそうなのでひるみません。その度胸、ついでに紳士の病んだ言動、プライスレス。

▽「……わかりました、あなたの申し出を受けましょう」
▽ノーリは真顔でもってウィルを受け入れた。

2 彼の申し出を受け入れましょう。蓄積したものを発散させることによってフラグぽっきりを狙います。この時ふざけていると思われないように真剣な表情でいるとなおよし。

▽「……え?」

3 案の定アップルヴァーン氏の意表を突くことに成功しました。ちょろい、ちょろいぞウィリアム・アップルヴァーン! この調子でペースを崩されないようにしましょう。

▽「……そうか」
▽ウィリアムは、「にたぁ」という擬音が似合うような厭らしい笑みをうかべた。彼の脳内でどんなことが繰り広げられているのか……彼の脳内のノーリはどうなっているのか。そんなこと知ったらノーリが倒れてしまいそうな顔で……
▽「嬉しい」
▽とつぶやいた。
▽まさに悪魔である

4 覚悟を決めても怖いんですが。……いえ、人にはできないことだってあるんです。気にしちゃ負けです。検証を続けましょう。
 とはいっても今回はほぼ彼のやりたいように進めるのでオートで進みます。ミスだけしないようにすれば一応「紳士」の表情は崩さないはずです……たぶん。

▽そして
▽半年ほど、月日が流れた。
▽初めの内こそ四六時中監視を続けていたというのに、最近ではノーリに背をむけることが多くなった。
▽「ノーリ」
▽「紅茶を淹れたぞ」
▽ひどく懐かしい味がした。
▽甘い香りが脳内に染みつくような、美味しい、美味しい、アップルティー。彼の姓に入っている果樹を使った紅茶。それを、「おいしい」と感じるのは、脳まで侵された気がして嫌だった。
▽だってノーリはあくまで「脇役」だから。主人公が安心して彼らを攻略するための、リセットボタンと、本質的にはなにも変わらない……。
▽「どうだ? 今日のは」
▽「……とても、美味しいです」
▽温かくて、暖かい__
▽………ウィリアムは、
▽とても幸せそうに笑うようになった。
▽(まぁここまでくるのに半年も要してしまったわけですが)と口にするのはご法度だろう。
▽「うちの林檎はな、エヌマーティッド領にも輸出しているやつなんだ。王家のお気に入りでもある。甘い、生食に向く種じゃないんだが、酸味と香りが強いから、こうやって紅茶に香りを移したり、お菓子に混ぜたりすると美味しいんだ……あ、そのパイにも、例の林檎が使われてるんだぞ」
▽私に向けて笑わないで
▽……私に向けて、笑わないで
▽ノーリは、叫びだしたい衝動にかられた。だって、ノーリはただのサポートキャラ。ましてや今の記憶など、ノーリがヤンデレフラグを片っ端から折ったら消えてしまうような、
▽たとえ監禁されていたとしても、検証と考察のためでも
▽心が痛むのです

5 ……監禁でも、愛があるならハッピーエンド、ととらえるかたもいるでしょう。しかし、この検証は、この考察は、この演算の全ては、正しい方向に軌道修正し、「主人公」が筋道通り攻略するためのもの。勝利条件は「ヤンデレフラグを折る事」なのです。……エンディング確定するとリセット的な意味で終わりますけど。

▽「……ウィルさん」
▽「あの、私そろそろ実家に帰りたいのですが、何日かここを開けてもいいでしょうか。着替えを取りに行ったり、家族にも………」

6 とりあえず、目に見える症状が治まってきたら少しずつ距離を取ります。前回のリセット記憶から、アップルヴァーン氏は技能「空気を読む」をプログラミングされていないことがわかっているので、できるだけはっきりと。ただ、離れても「いなくなる」わけではないことを明確に伝えましょう。症状がどれくらい回復したかの確認も踏まえて、いったん検証として選択してみます。

▽「え?」
▽先ほどまでの大天使のような穏やかで慈悲にあふれた笑顔が一転。同じ笑顔だけど目が死んでる。あときっと、字体もかわっていると思う。一段階低くなった声で聴いた。
▽「ごめんな、ノーリ。ちょっと俺、聞き逃しちゃったんだ」
▽「もう一回、言ってみてくれないか?」

7 悪魔だ。悪魔がここにいる。悪魔は本当にいたんだ、ごめんねお父さん信じていなくて! 地道な努力でもフラグは折れそうですが、転生期間等も踏まえて100年はかかることを覚悟しなければいけません。そしてその間に誰かが邪魔してくれる可能性が0です。誰だこいつに権力つけたやつ表出ろ。そして一見平和に見えてもフラグが折れていない可能性も十二分にあるので注意が必要。
 ……上記の理由により、ひたすら甘やかすだけではフラグ折りは困難であると思われます。


 リセットしますか?


 Y▼
 N



 ぴろりん♪
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)

miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます) ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。 ここは、どうやら転生後の人生。 私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。 有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。 でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。 “前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。 そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。 ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。 高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。 大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。 という、少々…長いお話です。 鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…? ※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。 ※ストーリーの進度は遅めかと思われます。 ※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。 公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。 ※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。 ※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中) ※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
恋愛
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。 さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった! しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って? いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

嫌われ公女に転生したけど、愛されたい願望を捨てたら全員がデレてきた

桃瀬さら
恋愛
嫌われ公女ナディアは、婚約破棄され学園で孤立し、家族からも見放されていた。 どれほど努力しようが周囲からは「嫌われ公女」と蔑まれ、誰も味方なんていない。 「もういい。愛されたいなんて、くだらない」 そう心に誓った瞬間から、状況が一変した。 第二王子が婚約破棄を撤回し跪き、寡黙な騎士団長が「君を守りたい」と熱く迫ってくる。 そして、冷ややかな兄まで「婚約など認めない。家を出ることは許さない」と……。 愛されることを諦めた途端、なぜか執着される。

わんこ系婚約者の大誤算

甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。 そんなある日… 「婚約破棄して他の男と婚約!?」 そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。 その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。 小型犬から猛犬へ矯正完了!?

死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について

えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。 しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。 その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。 死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。 戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

処理中です...