俺が行く異世界はホモだらけだった

虹の番人兼シチ

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ギルドにて

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【ギルドにて】

大きな街に入ると人がわんさかといて少し驚いた。そんな俺にバルトは案内しながらギルドの方へ向かっているようだった。

「賑やかだろう?僕はこの街が好きなんだ。」

そして無邪気に笑う。クソイケメンが。

「そうか。まぁ、俺も嫌いじゃない。」

「それは良かった。」

そして、数分ほど進むがまだギルドらしきものは見えない。まさか、あの大きい城とか言うんじゃないだろうな。

「おい!勇者様じゃないか!?」

思わずビクリとしてしまう。大声を上げたのは街の男らしい。その男が発した一言で周りの住人がザワザワと騒ぎ出した。

「勇者様!この前は助けてくださってありがとうございます!」

「当然の事だよ。」

「勇者様!お礼に俺の出来立てパンを貰ってください!」

「ありがとう。とても美味しそうだ。」

「勇者様!これからも頑張って下さい!」

「期待に必ず応えるよ。」

街の人達はバルトを勇者様勇者様と呼び喝采している。そして、バルトはそれを爽やかに答えていた。やはり勇者だからいいんだろうなぁ。あ、パン美味しそう。
だが、問題があった。

「あの、」

「ん?なんだい?」

変わらないその爽やか笑顔にムカつきながらも質問してみた。

「女の人っていないんですか?」

「女の人?」

俺の質問を聞いてバルトはキョトンとした顔で俺を見つめた。あれ?俺の質問間違ってた?

「うーん、女の人はいるにいるよ。でも人口が少なすぎてあんまり見かけないかな?国に保護される場合もあるけど普通に街にいる時もあるよ。でも、滅多に外に出てこないから見た事のない人が多いのかな?」

「え!?じゃあ人口とか減っていくんじゃ……。」

「それも知らないの?同性でも妊娠できるんだ。」

え、えええええええ!?衝撃の一言。まさか、そんな世界だとは……!じゃあ、この世界は俺のいた世界と概念が全く違う!?やばいぞ。男が男を狙う可能性が大きく跳ね上がる。そんな世界だと女顔の男どもは危険じゃないか!?そいつらも国に保護される義務がある!
そんな衝撃の言葉に頭を抱えていると段々と喝采が大きくなっていった。
え、やば。まさかのパレード的なものになっている。俺ってそんな奴の隣にいるんだよね?目立つな!

「ちょっと、あの。」

「今度はなんだい?」

毎回呼び止める俺にバルトは当然ながらも優しい。だが、俺は顔面蒼白でちょっと落ち着きがなかった。

「カ、カケル!?どうしたんだ!?」

「ひ、人、多すぎて…酔った。」

「ええ!?」

まさかの自体でバルトは今まで一番の慌てぶりに少し面白かったがそんな場合じゃない。

「わかった。急いでギルドに向かおう。」

キリッとしたかと思うとバルトは俺を抱えて走った。え、抱え方知りたい?……お姫様抱っこだよ!



かなり遠かったがやっとギルドに着いた。走っている途中街中の人達は驚いていたし俺も恥ずかしくて何も言えなかった。それなにの長い距離を男1人を抱えて走ったバルトは全然息切れしていない。しかもまだピンピンしている。やっぱ勇者凄い。

「カケル大丈夫?」

「大丈夫から降ろせよ。」

ギルドに慌てて入ったバルトと抱えられた俺はもちろん中にいる冒険者の注目を浴びた。

「バ、バルト、誰だ?そいつ。」

そんな様子に戸惑いながらも聞いてくる40代の男性。この人はなんて言うか。ダンディーみたいな人?やはりイケメン。類は友を呼ぶのか…。

「あ、マスター。久しぶりだね。この子はカケル、森で見つけて記憶喪失だから連れてきたんだ。」

「森で?大丈夫だったのか?」

「うん、少しの怪我だったし僕の回復魔法でどうにかなったよ。」

「そうか。魔物とか大丈夫だったのか?」

「問題なかったみたいだよ。」

ね?と俺を振り向くバルトはどうやら俺に気をつかってくれてるみたいだ。なんと優しいんだ。しかし、こいつは誰だ?

「カケルだな。俺はオリバード・ヘンリー。ここのギルドマスターを務めているんだ。」

「よろしく。」

「それより、カケル。さっき人酔いしてたみたいだけど大丈夫?」

「まぁ、良くなった。ありがとう。」

それを聞いてバルトは安心したようでオリバードに事情を話した。

「オリバード、悪いんだけどこの子の身分証とか仕事とか探しているみたいたがら説明してくれないか?」

「ああ、もちろんだとも。」

こっちにおいでとオリバードは奥の方へ入っていった。バルトを見ると少し心配そうだった。なんか、僕のついて行こうか?とか言われそうだからさっさと行こう。

「じゃあ、カケル。この書類を書いてもらえるかな?」

オリバードは俺にA4サイズの紙とペンを渡す。書類を見ると簡単な事柄だったので少し安心した。記憶喪失って言うことにしているから難しかったらどうしようって思ったんだよな。
スラスラと書くが日本語でいいんだろうか。発している言語は聞き取れる日本語だが字が違う可能性がある。とりあえず全部書いて渡してみよう。
案の定オリバードは俺の日本語を気にせずその書類を流し読みすると何か水晶を取り出した。

「これに手をかざすと魔力、身体能力、スキル、レベル、属性などの詳しい情報を取り出したこのカードに記してくれるものなんだ。これで出来る職業も分かる。」

「へー。」

のんびりと答えたがこれはまずい昨日自分を鑑定した時勇者よりもチートだったもんなどうしよう。………まぁ、どうにかなるか。
めんどくさい思考をやめ俺は水晶に手をかざした。






後書き

こんにちは皆さん。虹の番人です。
この『俺が行く異世界はホモだらけだった』を投稿してお気に入り数が100を超えました。
ありがとうございます。
まさか、こんな人気が出るとは思いませんでした。
まだまだ学生で投稿がバラバラですが今後とも応援よろしくお願いします。
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