バージン・クイーン -強面のイケメンのところに、性欲解消目的で呼ばれるデリヘル嬢の話-

福守りん

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6.バージン・クイーン2

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 一月の、最後の金曜日。
 定時すぎに仕事を終わらせてから、スマートフォンの通知を確認した。
 祐奈から着信があった。
 LINEではなく、電話の。めずらしいなと思った。
 気になって、会社が入っているビルを出るタイミングで電話をした。
 紘一のところにいると言われて、焦ってしまった。紘一と歌穂さんが親しくなった時点で、こういうことが起こりえると、分かってはいたはずだった。だが、実際にこうなってみると、戸惑いの方が勝っていた。

 マンションの部屋に帰って、着がえを用意した。
 車で出かけた。

 紘一の部屋に行くと、すっかりくつろいだ様子の祐奈がいた。
 歌穂さんと二人で、紘一のために、料理の作りおきを作ったりしていた……らしい。
 紘一の食生活が適当なのは重々承知してはいたが、なぜ、祐奈が紘一のために料理をすることになったのだろうかと考えてしまって、胸が苦しいような気分になった。
 俺は、心が狭い。
 紘一は、全面的に幸せそうだった。それはいい。
 祐奈が作ったものを、紘一が一人で食べるのかと思うと、嫉妬する気持ちを抑えるのが難しかった。ここまで独占欲が強かったのかと、自分に驚いてもいた。

 紘一と酒を飲むのは、楽しかった。いつもよりも、飲みすぎた気がする。紘一に対して嫉妬してしまったことで感じる後ろめたさを、忘れたかったのかもしれない。
 祐奈は、あまり話さなかった。俺の横にいて、目が合うと笑いかけてくれた。メイクをしていない素顔が、かわいかった。
 そうしているうちに、勝手にささくれ立っていた心が、いつもどおりになっていくのを感じた。
 祐奈のそばにいると、自分がいかにちっぽけで、小さい人間かを思い知らされる。
 大事にしたいなと思った。

 紘一と寝室に引き上げた後で、祐奈から電話がかかってきた。甘えてくるような声に、どきっとした。
 紘一が、にやついているのだけは、多少いらっとした。
 飲み足りないような気がして、リビングに戻った。
 ソファーでビールを煽っていると、歌穂さんが客間から出てきた。
 二人だけで、話をした。話せて、よかった。
 デリヘル嬢としての歌穂さんとは違う、等身大の歌穂さんだったと思う。祐奈が、歌穂さんのことをかわいい、かわいいと言う理由が、俺にも分かった。

 浴室を借りて、シャワーを浴びた。
 シャンプーを借りた。
 髪についた匂いは、祐奈の髪から漂っていたものと、同じだった。紘一とも同じ。歌穂さんとも同じだ。これで、全員同じ匂いになったんだなと思った。
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