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14 遊び相手
しおりを挟む弥生は隼人と会わないと誓ったのにも関わらず隼人からの強引な誘いに押しきられ会うことを止めなかった
何とも卑劣な女だ
「隼人君、どうして天文学者になったの?」
「弥生さん、天文学は自然と会話する為の言葉なんですよ」
宇宙と対話する弥生にとって何とも気が合う相手だった
「弥生さん?LAでの事覚えてます?」
「勿論よ。隼人君」
「僕の気持ち変わって無いですから」
と言う言葉を弥生は信じ切っていた
デキル男とデキナイオヤジ
弥生の気持ちは揺らいでいた
あの日の和茂からの言葉などそっちのけで再び浮かれまくる日々が1ヶ月程続いていた
いつもの「儀式」を終え水晶の前に座る
般若心経が流れる
「はい、雲蘭です」
「始めまして。主人の事で相談なのですが…。」
「どういったご相談でしょうか?」
「最近、主人の様子がおかしくて…どうやら女が居るみたいなんです」
「わかりました。ご相談者様のフルネーム教えていただけますか?」
「はい。東海林恵(しょうじめぐみ)です」
「生まれた時のお名前は?」
「東海林です。私、婿養子もらったもので」
「そうですか。では、ご主人のフルネームを教えて下さい」
「東海林隼人です」
「生まれた時のお名前は?」
「鈴木隼人です」
「えっっ!!」
弥生の頭の天辺から爪先まで電流が流れた
(隼人君?でも、独身て言ってたじゃない!)
弥生は、恐る恐る聞いてみる
「差し使えなければ、ご主人のご職業を…」
「はい。ちょっと特殊なんですが、天文学者です」
(間違いない!隼人君だ!)
弥生は、動揺を隠しながらも、占いを続けた
水晶にかざす手は震え、心臓の鼓動は破裂しそうである。深呼吸をして何とか気を静めると
「お待たせしました。奥さん大丈夫、ご主人は奥さんの事が1番大事です。その女とはただの遊びですよ。水晶からのお告げです」
震える声で言っていた
「本当ですか?良かった。先生、有り難うございます」
「神の御加護を…」
弥生は放心状態寸前の自分自身にそういった
弥生は到底仕事など手に付かない
今日の仕事は早々に切り上げる事にした
そしてなりふり構わず仕事中であろう隼人に電話する
「もしもし?隼人君?」
「弥生さん?どうしました?
「隼人君、今から会えない?」
「昼休みならいいですよ」
「何処にする?隼人君に合わせるわ」
「じゃ、会社の近くの大帝国ホテルのロビーで待ち合わせましょう」
大帝国ホテルロビー
先に来ていた隼人が弥生に向かって手を振る
「弥生さん。こっちこっち」
弥生がゆっくりと近づき2人でロビーの奥のラウンジに入る
席に座ると
「どうしたんです?こんな時間に呼び出しとは?」
隼人が不思議そうに聞いた
「隼人君っ!結婚してるでしょっ!?」
隼人は一瞬キョトンとしたが
「参ったなぁ~。分かっちゃいました?」
と笑いながら言う
「でも、どうしてバレました?」
「女の勘よ!どういう事なの!」
詰め寄る弥生に隼人は高笑いをして
「嫌だなぁ~マジになってました?僕がオバサンなんて本気で相手する訳ないでしょ?遊びですよ。遊びっ!」
といいのけた
「このっ!最低男っ!」
と言ってラウンジを飛び出した弥生。
しかし、良く良く考えれば最低なのは弥生の方だ
ガンどころか心まで病んでいた事にやっと気付く
(和茂さん…)
涙をこらえながらロビーに向かう。すると、目の前を仲の良さそうなカップルが通りすぎる
「えっ?和茂さん?…と葵(ひとみ)?…」
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