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10 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
しおりを挟む和茂と弥生の家
1階リビング
「輪心(わこ)ー、輪心(わこ)ー、輪心(わこ)ったらどこ行ったのかしら?」
「好きにさせとけ」
おちょこの泡盛を舐めながらテレビに観入る和茂
「酒はやっぱりストレートに限るな」
ご満悦な様子
「全く、また昼から呑んでるの?少しは輪心(わこ)の事考えてよ」
「昼からじゃねーよ、あ·さ·か·ら。それに、輪心(わこ)の事もちゃんと考えてるさ」
「私が抗がん剤してた病院に連れて行こうかしら?」
「気にすんなって。弥生ちゃんだって昔は、自分はこの世の救世主だ、なんて言ってたじゃないか?血は繋がってないけど似た者同士だぜ」
相変わらずのんきだ。
「シー、輪心(わこ)が聞いたら大変よ」
そこへ、輪心(わこ)が帰って来る
「どこ行ってたの?」
「ちょっとね」
輪心(わこ)は嬉しそうだった
「輪心(わこ)、明日、出掛けるわよ」
「どこ行くの?」
「病院よ」
「ヤダッ。輪心(わこ)おかしくないもん」
翌日
完治病院看板
精神科の待合室で無言の弥生と輪心(わこ)
30分程すると呼び出し機が鳴る
ノックをして診察室に入る2人
「こんにちは」
70代位のおじいちゃん先生が輪心(わこ)に優しく話し掛けた。院長だ
「お名前は?」
「マリー」
「どこから来たの?」
「アイリーン星」
院長がゆっくりと相づちを打ちながら話を聞く
今度は弥生に
「いつからですか?」
「半年位前からです。地球が滅亡するとか、それを自分が救うんだとか、最近では変な文字まで書き初めて…」
パソコンにそれらを打ち込む院長。手を止めて静かに弥生を見ると
「統合失調症ですな」
確信した様に言う
「統合失調症?」
弥生が聞き返すと
「幻覚、幻聴、が起きる症状です。いじめにあって少しショックが大きすぎたかな?」
輪心(わこ)の顔を見て言う
「そんなんじゃないもんっ!本当の事だもん!」
輪心(わこ)が院長に喰って掛かる様に言ったので
「精神状態も不安定のようだね。少し入院しようか?」
輪心(わこ)はそっぽを向いて黙る
「そんなに悪いですか?」
入院と聞いて弥生も戸惑う
「橘さん、ご自宅、吉祥寺ですよね?ここからは少し遠いから近くの病院紹介しますよ」
「じゃあ…お願いします」
弥生も渋々納得する
会計時に紹介状を受け取ると家路に付いた
帰り道
「輪心(わこ)、入院なんてしないもんっ!だって、もうすぐダーマが来るんだから」
「輪心(わこ)ちゃん…。分かったわ」
弥生は輪心(わこ)を哀れみながら相づちを打った
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