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記憶喪失
しおりを挟む長野県
荒井病院
白いタイル張りの4階建て
車20台分の駐車場が有る総合個人病院
203号室
頭に包帯を巻きベッドで眠っている長谷部真理子(40歳)
小白川蘭子(42歳)と仲村流星(36歳)が入って来る
もうろうとしながらもうっすらと目覚める真理子
「長野県警の小白川蘭子です。長谷部真理子さんですね、殺人の容疑で逮捕状が出ています」
蘭子が逮捕状を見せる
「私が殺人?一体何で......」
「あなたのお姉さんの内藤咲(43歳)さん、殺害の容疑です」
蘭子が言う
「私が姉を?......」
戸惑う真理子
「まだ動ける状態じゃ有りません。それに長谷部さん、記憶を失っている様で......」
側にいた荒井病院の一人息子で看護師の荒井直樹(25歳)が言う
パリッと糊のきいた白衣が清潔感をかもし出している
「それではまた来ます。状態が安定したら連絡下さい」
蘭子、荒井に名刺を渡す
「分かりました」
「病室の警備はさせてもらいますからね」
荒井が病室の入口を見ると両側に男と女の警官が二人立っている
蘭子と仲村、警備の警官に挨拶をして病室を後にする
病院
廊下
「どう思う?長谷部真理子」
蘭子が言う
「記憶を失っている様ですが状況証拠は揃っているし目撃者も多数いますから真理子の犯行で間違いないと思います」
仲村がキッパリと言う
「でもまだ遺体が上がってないじゃない」
蘭子、シャツの胸元を指で摘まんでパチンと弾く
「匂います?胸のカトレアのタトゥーから?」
仲村が言う
「そうね」
蘭子が言う
病室
203号室
「私が殺人なんて......」
こめかみを押さえながら呟く真理子
「無理に思い出さなくて大丈夫ですよ」
荒井が優しく言う
「ありがとうございます......」
「もう、消灯の時間ですからゆっくり休んで下さい」
「はい......お休みなさい」
荒井、病室を出て行く
三日後
203号室
荒井が入って来てカーテンを開ける
朝日が差し込み真理子が目覚める
「おはようございます」
荒井が真理子に声を掛ける
「看護師さん、私......」
「どうしました?長谷部さん」
「私......私が殺したのかもしれません......」
「記憶、戻ったんですね!」
荒井が慌てて蘭子に電話する
「長谷部さんの記憶が戻りました!」
「分かりました。今から伺います」
電話の向こうで蘭子が言う
長野県警
取調室
蘭子と真理子が向かい合って座っている
側には仲村が立っている
「姉とは元々仲は良かったんです。でも、私が最近離婚して......病気がちの私は一人で子供は育てられず4歳の息子の修斗を元の旦那さんに渡しました。でも私が修斗を元旦那に預けた事が気に入らなかった姉が私を酷く中傷し始めました」
静かに語りだす真理子
「それで、口論になって咲さんのご自宅近くの木曽の大橋から突き落としたんですね?」
蘭子が問い詰める
「いいえ!突き落としたりなんかしてません。私が修斗に会いたいって言ったら、離婚して旦那に子供を渡したあんたに母親の資格なんて無いって罵られて......私だって修斗を手放したくなかったのに......それで、揉み合いになって.....姉が転落して私がそれを助け様と手を差し伸べて......それで一緒に......」
「橋から落ちた。でもあなただけが助かったって訳ですね」
「そうです」
泣きながら訴える真理子
「監視カメラには肝心な所が死角になっていて良く映ってないのよね......」
と蘭子、仲村の耳元で囁く
「転落させたのは間違いなく真理子さん、あなたッスよね?」
仲村が言う
「そ、それは......そうです。私のせいです......私が死ねば良かったんです......どうせ私なんて生きていても仕方ないんです......だからいっその事捕まった方が......」
真理子はうなだれながら警官に連行されて行かれる
「一件落着ッスね」
「何か匂うのよね」
蘭子、胸元を人差し指でパチンと弾く
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