6 / 9
6 府に落ち無いのよ
しおりを挟む言う迄もなく呑み仲間ができた和茂が嬉しくないはずはない
「うわー熊肉、最高に美味しい!脂身が最高!」
葵(ひとみ)は箸が止まらない
「それにしても弥生がスーパーのパートやるとはね?」
葵(ひとみ)が熊肉を頬張りながら言う
「うん、私も最初は週に3日だし楽ちんかと思ってたんだけど品出しとか凄く大変で重労働よ」
「私、絶対そういうの無理」
きっぱり葵(ひとみ)が言う。弥生は何だかバカにされている様な気がした
「そう言えば葵(ひとみ)ちゃんは仕事どうすんの?」
和茂が聞いた
「私は銀座で夜働こうと思ってます」
「何でまた?」
和茂が不思議そうに聞くと
「結婚式の件で前の会社関係は全部無理なんで」
葵(ひとみ)が答えた
「成る程」
と和茂
「あっ、もしも夜働いても絶対2人で来たりしないで下さいよ」
葵(ひとみ)が慌てて付け加えた
「えっ?ダメなの?つまんないの~」
和茂ががっかりしたように言うと
「ここで一緒に呑めば良いじゃないですか?」
葵(ひとみ)が和茂を諭したので和茂も一応納得した様子だった
葵(ひとみ)が銀座で働く様になったある日の事
弥生が夕飯を作ろと、冷凍庫を開ける。
「ギャー!何!これ?」
そう、冷凍ネズミの大群だ
弥生は緊急事態でも起きたかの様に仕事中の葵(ひとみ)に電話する
「もしもし?葵(ひとみ)?」
「何?今仕事中なんだけど。どうしたのよ?」
不機嫌な葵(ひとみ)
「何かって、ネ、ネ、ネズミが…」
と弥生
「あっ、それ?通販で安かったから買っといた。丁度良かった。今日帰り遅くなるから360°に上げといて」
何ともあっけらかんと言うと葵(ひとみ)はさっさと電話を切った
(上げといてって言われても…)
弥生は葵(ひとみ)と違って動物が苦手なのだ
その上、肺に疾患を持っている。ふくろうの抜け落ちた毛が舞うのが更に弥生を動物嫌いにさせていた
葵(ひとみ)は自宅では放し飼いにしていたようだがここではそうはいかない
恐る恐る冷凍庫から割り箸でつまみだしたネズミを、ケージの中の360°に差し入れる
鋭い嘴でそれを咥えると一気に丸飲みだ。嘴からネズミのしっぽが垂れ下がっている。それを最後まですすり終えると360°はまるでオヤジがニコッと笑っているかの様な満足気な顔をした
「わー気持ち悪りぃ」
と弥生は身震いがした
「何やってんだ?」
と先程から、ワーとかギャーとか言っている弥生の様子を見に隣の部屋から和茂がやって来る
「今日、葵(ひとみ)が帰り遅いから360°君にご飯上げておいてって頼まれたのよ」
「なんだ、葵(ひとみ)ちゃん遅いのか」
何となくつまらなそうに言う和茂の肘をつかんで弥生がキッチンに誘導する。
「これ見てよ?」
冷凍庫を開ける。
「何だこれ?」
驚く和茂
「360°君の餌なんだって」
「ハハハ。こんなに大量じゃあ、俺達の餌は入らねーな」
和茂は笑った
「それより、飯にしようぜ。飯」
「う…ん…」
2人で夕食を食べる
今までは会話も弾み楽しかった夕食なのに葵(ひとみ)が居ないと何だか気が抜けた様だ。そこへ追い打ちをかけるかの様に
「やっぱり呑める人が居る方が楽しいな」
和茂が全く余計な一言を言う
「そーよね」
と言いながら、弥生はウーロン茶をごくごくと飲み干した
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる