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5 熊肉
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午前6時
弥生が葵(ひとみ)を起こさない様にそおっとキッチンで朝食を作っている
弥生は「儀式」も「占い」もやめて近所のスーパーにパートに出るいわゆる普通の主婦になっていた
和茂も家で仕事をするし、抗がん剤治療も頻繁になってきたので週に3日の仕事に転身したのだ
そこへ和茂がそおっと起きてきた
「おはよう」
と小声で言うと弥生の唇に軽くキスをする
「おはよう」
弥生も言って料理を続ける
「葵(ひとみ)ちゃん、起きないかな?」
和茂が言って葵(ひとみ)を覗き込む
「大丈夫よ」
弥生も覗き込む
すると葵(ひとみ)のバスローブがはだけてもう少しでTバックが見えそうである
「エロぃなぁ~、葵(ひとみ)ちゃん」
ニタニタと嬉しそうに言う和茂
「この! エロオヤジっ!そんなにTバックが見たかったら、私が履いて上げるわよ」
弥生が言うと
「あー無理無理。弥生ちゃんが履いたら森三中に成っちゃうよ」
全く失礼なオヤジである
午前8時
「私、もう行かなくちゃ」
「行ってらっしゃい」
弥生は和茂と葵(ひとみ)を残して近くのスーパーに仕事に出掛ける
スーパー「サンキュー」の看板
レジに立つ弥生。家に残してきた2人が気になって落ち着かない
「あらやだ、お釣り違うわよ」
と客に叱られる
「す、すみません!」
と謝る弥生
(今頃2人で…)
妄想が止まらない弥生
相変わらずだ
午後4時
速攻で仕事場を後にすると急いで家路に着く
和茂と弥生のマンション
7階の一番奥の部屋のドアの鍵を開け中に入ると案の定、和茂と葵(ひとみ)の笑い声
部屋に上がり慌ててリビングに行くとまだバスローブ姿の葵(ひとみ)と短パン一丁の和茂。
2人ともすっかり出来上がっている
赤い水片手に和茂が
「お帰りっ」
と、弥生を見て言う
「ただいま…」
「弥生っ!お疲れ様っ!」
と葵(ひとみ)も機嫌が良い
「何?その格好?」
弥生が言って和茂のグラスを取り上げると
「あっ?俺?俺は家に居る時は裸でいたい人なの」
と笑いながら平然と言う
葵(ひとみ)も特に不思議がる様子もない
驚いている弥生をよそに和茂が
「弥生ちゃん、今日熊のすき焼きしようぜ。あっただろ?熊肉?」
と言ってきた
北海道に住む和茂の従弟が、趣味の狩猟で獲った貴重な熊肉を送ってくれたのだ
弥生と和茂の結婚記念日に食べようと冷凍しておいた代物である。
「あるけど…あれは…」
弥生が口後もると
「えっ! 熊? 私食べた事なぁーい。食べたーい」
葵(ひとみ)が喜ぶ
「だろ?うまいぜ」
和茂が言う
「じゃあ、決まりな」
和茂が弥生の気持ちなどお構い無しにキッチンへ行く
冷凍庫からジップに入った熊肉を取り出して、それを切り始めた
「これ、凍ってないと薄く切れないんだ」
和茂は熊肉と苦戦していた
弥生との約束などすっかり忘れて嬉しそうだ
弥生は寝室に行き部屋着に着替えキッチンに戻ると和茂を手伝った
葵(ひとみ)はリビングでテレビを見ながら大爆笑している
「さぁ、出来たよ。葵(ひとみ)ちゃん。こっち来て」
和茂が熊肉が乗った大皿と野菜の乗った大皿を両手で持ってテーブルまで運ぶ
「うわ~凄い!」
葵(ひとみ)は大喜びした
弥生は酷く遣り切れない気持ちになっていた
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