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黙秘

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鑑識課


蘭子と仲村入って来る

鑑識官の桜井が居る

「被害者の星野さんの最終通話、誰だか分かりましたか?」

「はい。履歴から契約者を割り出した所、湯浅将志だと判明しました」

「湯浅......どっかで聞いた様な......」

と仲村が考え込む

「湯浅将志から掛かってきた後に星野さんも湯浅に電話をしています」

「星野さんからも?」

「はい。後、こちらなんですが」

桜井、スマホの写真のデータを見せる

蘭子見て

「これは!」


-霞ヶ関 薬局-

店長が在庫整理をしている

蘭子と仲村入って来る

「こんにちは」

店長、ハッとして振り返る

「あー、ビックリした。刑事さんでしたか。こ、こんにちは」

「いつも在庫整理大変ですね」

「えぇ......まぁ......」

「ちょっとお訪ねしたい事が有るのですが」

「どうぞ」

「3月31日の20時から22時の間、矢口美穂さん、こちらで棚卸しされていましたか?」

「はい」

店長、レジの脇から書類を取り出す

「こちらに、棚卸しした時間と担当者の名前を書く事になっておりまして」

「随分と、アナログッスね」

仲村言う

「はい。ウチは小さい調剤薬局なもので経費削減の為にシステム導入はしてなくて」

仲村、店長から書類を受け取り眺める

-3月31日 
19:00~23:00 矢口-
の記入

「蘭子さん、確かに犯行時間に美穂さんの記入が有りますよ!」

蘭子、書類を見る

【在庫一覧表】に目を通す蘭子

蘭子、店長のネームプレートをチラッと見る

「確かに、美穂さんは犯行時間こちらにいらっしゃったようですね。貴方はどちらにいらっしゃいましたか!湯浅将志さん!」

「えっ!」

「貴方、家政婦の湯浅加奈子さんの旦那さんの湯浅将志さんですよね!」

湯浅、ハッとする

「貴方、被害者の星野さんを事件当日、あのマンションの屋上に電話で呼び出してますよね?」

「そ、それは......」

とぼける湯浅に詰め寄る仲村

「シラを切っても無駄ッスよ。星野さんが亡くなる直前の通話履歴が貴方だと判明しています」

「ウゥゥゥ......」

「それに犯行に使った酢酸ナトリウムを入荷してますよね。先ほど見た【在庫一覧表】に酢酸ナトリウムの名前が有りました。店頭では販売しない酢酸ナトリウムを犯行の為に入荷しましたね」

更にうなだれる湯浅

「連れて行きなさい」

蘭子が仲村に言う

「了解ッス」

仲村、湯浅を連行する

「でも......何かしっくりこないのよね......」

蘭子、考え込む


警視庁


取調室

葵刑事と湯浅が向かい合って座っている

蘭子と仲村、隣室のマジックミラーで見ている

葵刑事が事情聴取を始める

「事件当日、貴方が星野さんを屋上に呼び出しましたね?」

葵刑事が聞く

「......」

黙秘する湯浅

「湯浅さん、星野さんの最終通話履歴が貴方なんですよ」

葵刑事が問い詰める

「......」

黙秘する湯浅

「駅前の防犯カメラにもマンションの方から走って来た貴方の姿が写っているんですよ」

「......」

黙秘する湯浅

仲村、蘭子に

「誰をかばってるんスかね」


鑑識課

蘭子と仲村来る

「桜井さん、マンションのエレベーター内の監視カメラの映像見せて貰えますか?」

「はい」

パソコンの画面にエレベーター内の監視カメラの映像が写っている

蘭子と仲村見る

-4月1日 8:00-

1階から蘭子、仲村、美穂、ひなたが乗ってくる

4階で止まり、蘭子と仲村降りる

蘭子と仲村が下りた後、急いで5階のボタンを押す美穂

5階で止まりひなただけ降りる

美穂が一人で10階まで行き10階で降りる

エレベーターが4階迄下りて来て美穂が乗り5階で止まる

美穂が5階で降りる寸前に4階のボタンを押してからエレベーターを降りる

暫くして

空のエレベーターが1階まで降りる

1階から加奈子が乗ってきて4階で降りる

その間、他の利用者は居ない

「分かったわ!美穂さんが10階で降りた訳!」

「どういう事ッスか?」

「香ったわよ!」

「胸のカトレアのタトゥーから?」

「ええ!」

蘭子、胸元をパチンと弾く












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