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4 · 厳重保管
しおりを挟む都心
【国立国会図書館】看板
颯爽とそびえ立つビル
まるで都心の森の中に突如現れたビルのようだ
自動ドアを入ると茶色い皮張りのソファーが置いてある
ソファーに真理が座っていた
腕時計をチラチラ見ている
時計の針は4時を指している
「また遅刻…」
独り言を言う真理
「すみませ~ん」
真理を見つけて小走りで近寄ってくる梨津子
「汗だくじゃない」
「ダッシュできましたから」
「この猛暑の中大変だったわね」
「ダイジョブですよ」
梨津子、ハンドタオルで汗を拭く
「早速行きましょう『竹内古文書』探しに」
と遅れを取り戻すかのように梨津子が言う
真理が入館証をちらつかせて
「ここからはこれで入るのよ。これ一枚で連れ一人まで入れるの。待ってる間に作っておいたわ」
「流石、真理さん準備が良い!」
「ま~ね~」
真理、入館証を機械に通して中に入る
その後を梨津子が続く
丁度、駅の改札口みたいだ
【図書館内】
無数の本棚に本がズラリと並んでいる
「どこかしら」
真理が本棚の間をウロウロする
「これは見つけられそうに無いですね」
梨津子が言う
側にあった受付に真理が行って受付の女に話しかける
黒縁の眼鏡を掛けているその女が眼鏡の奥からキッと睨むように真理を見た
「すみません『竹内古文書』って有りますか?」
真理が聞くと
その女が
「はい。少しお待ち下さい」
と言って内線でどこかに電話をした
暫くすると
「『竹内古文書』の方ですか?」
長身で細身のショートカットの女が近付いて来て言った
「そうです」
真理が応えると
「こちらです」
と言って2階へ案内する
3人が階段で2階に上がり廊下を歩く
廊下にカツカツと女のヒールの音だけが響く
真理達は2階の1番奥の部屋へ連れて行かれその女がその部屋のカギを開ける
「凄い厳重ですね」
梨津子がヒソヒソ声で言う
「そうね」
真理もヒソヒソ声で応える
【1番奥の部屋】
椅子とテーブルが置いてありその向かいに受付が有る
受付の中に2~3人の事務員が座って居る
さっきの女がその事務員の中の面長の男に言う
「『竹内古文書』の件で先程電話したんですが」
と真理達を面長の男に紹介した
「承知しております」
その男が応えた
「『竹内古文書』を見せて頂けますか?」
真理がせっつくと
「お待ち下さい」
と言って更に奥の部屋へ消えて行った
思い掛けず『竹内古文書』には中々出会え無かった
30分位待っただろうか
「お待たせしました」
面長の男が分厚い本を抱えて真理達の方に歩いて来た
真理はその本を受け取り
「ありがとうございます」
と言った
早速、近くのテーブルでそれを広げる
恐る恐る真理と梨津子が覗き込む
「なんすか!これ!」
梨津子が驚いて言う
「象形文字ね!」
真理も驚くもその本に食い入る
「凄い!真理さん象形文字まで読めるんですか!」
「読めるわけないじゃない。ただ解読したいだけよ」
「どっちも同じですけど」
梨津子が仰け反りながら言う
真理、面長の男に
「これ、お借りできますか?」
と聞くと
「貸し出しは出来ません。費用がかかりますが全部コピーする事は出来ますよ」
「分かりました」
真理は言った
真理は『竹内古文書』を抱え梨津子と一緒に1階に行く
貸し出し専用のカウンターに行く
【専用カウンター】
カウンター内にテキパキと仕事をしている女が居た
「すみません。これ全部コピーしていただきたいのですが」
真理が言うと
「2時間位掛かりますよ。後日取りに来るか、もし宜しければ郵送する事も出来ますけど」
「じゃあ郵送して下さい」
「畏まりました。こちらにご記入を」
女が差し出した用紙に真理は住所と名前と電話番号を書いて国立国会図書館を後にした
帰り道
真理と梨津子が並んで歩いている
後ろから真理の肩を叩く男がいた
「エッ?」
「真理さんっ!」
「キャッ!」
真理、驚きの余りちょっと飛び跳ねる
「森下さん、ここで何してるの!」
「仕事ですよ。近くにモデルルームがあって」
「そ、そうなんだ」
真理は戸惑いながら言った
「誰ですか?」
梨津子が聞く
「うん、ちょっと」
真理はこの男には触れないでと言うオーラムンムンだ
「またおウチに呼んで下さいね」
森下が無邪気に言う
「いゃぁ~、ちょっと無理ね」
「何でですか!この前はあんなに意気投合して楽しい時を過ごしたじゃないですか!」
真理の後を着いてくる森下を邪険にして足早に歩く
「キモいですね。大丈夫ですか?」
梨津子が森下を怪訝そうに見ながら真理に耳打ちする
「うん。マサに迎え頼んでるから大丈夫だよ」
「良かった。じゃあ、安心ですね」
と言って梨津子は駅の方へと別れて行った
ゴールドのアルファードが止まっている
中に、児玉まさのり(30)
が乗っていた
真理の彼氏だ
真理が近寄って乗り込む
「どうした?」
マサが真理の異変に気付き聞く
「何でもないよ」
真理がシートベルトをして車が発車した
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