【完結】裏切りの刃 全10話

八千代 サラ

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6 · 裏切り者

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高級住宅街

梨津子のアパート

【ホワイトメゾン】看板

2階建て

201号室

デザイナーズ

18畳の1R

部屋の真ん中にベッドが置いてある

耳に掛かる位のロン毛にシルバーの縁の眼鏡を掛けている

上半身裸の男が胸元までタオルケットを掛けてTVを観ながら横たわっている

シャワーの後の梨津子はバスタオルを頭に巻きキャミソール姿だ

梨津子タバコに火を点けそれを加えながらキッチンに行く

ウイスキーをグラスに注ぐ

薄いピンクのジェルネイルが梨津子のあざとさをかもし出す

冷凍庫から氷を取り、扉を足で閉めてグラスに入れ炭酸を注ぐ

そのグラスを持って部屋に戻る梨津子

ベッドで寝ていた男が

「電話、誰だったの?」

と聞く

「誰かさんの彼女の頭のおかしいオバサンよ。マー君あのイカれたオバサンのどこが良いのよ」

ベッドのサイドテーブルにグラスを置き灰皿にタバコを置いてバスタオルで髪を拭きながら言う

それを見ながらまさのりが

「自分だってあのお硬い教師のどこが良いの?」

とほくそ笑む

「徹っちゃんの事?マー君と違ってド真面目な所だよ」

「じゃあ俺が不真面目みたいじゃないか」

「違うの?」

梨津子、まさのりの眼鏡の縁を持って

「マー君のこのインテリっぽい眼鏡とのギャップがたまらなく好き。いつもはコンタクトなのにエッチの時だけ掛けてくれる。マー君はお家でお仕事だからいつでも会えるけど徹っちゃんは毎日帰り遅いからつまんなぁ~いの」

「よしよし。ノーマル女より、変態梨津子の方が俺の好みさ」

梨津子の濡れた髪を指でなぞりながら言う

「マー君のそうゆう所大好き!」

梨津子がまさのりに飛び付く

2人は熱いキスを交わしながら重なりあってベッドに沈んで行った



次の日

【あおぞら不動産】

真理がロッカーに荷物をしまっていると梨津子が来た

「真理さん、おはようございます」

「リッチャン、おはよ」

「昨日の『かごめかごめ』の謎っての解読出来ました?」

「それがさぁ…」

と話そうとすると

「私、無理です」

と真理を遮ってデスクの前に座り仕事を始める

真理がちょっとガッカリした様子でデスクの前に座り仕事を始める

「もしもし……申し訳ございませんでした」


ジリ~~ン ジリ~~ン

昼休みのベルが鳴る

真理はヘッドホンを外して首をグルリと回してため息を付く

さっきの機嫌を取るかのように梨津子が近寄って来た

「真理さん、今度、WSING行きません?」

「WSING?なにそれ」

「マレーシア発祥の応援型カラオケステージ&バーですよ」

「ステージで歌うの?」

「そうです。ライトアップとかスモークとか凄い演出があって盛り上がりますよ」

「私そう言う所苦手。普通のカラオケの方が良いな」

「なーんだつまんないの。まあいっか。今度休み合わせるから、まささんと徹っちゃんも誘って一緒に行きましょ」

「OK!」



都心

雑居ビル

真理とまさのりがビルの前に立っている

肌に突き刺さるような日差し

「先に入ってようぜ」

真理が汗を拭きながら腕時計を見ると11時を指している

「もう少し待ってみよ」

「このクソ暑いのに真面目かよ」

「あっ、来た来た。リッチャーン」

横断歩道の向こうに梨津子の姿を見つけ手を振る真理

信号が青になり梨津子と徹也が一緒に並んで小走りで渡って来た

「真理さん、すみません」

「ダイジョブよ。いつもの事だから」

「年寄りって時間より早く来るから困るぅ~」

「コラッ。年寄り扱いすんな!」

「そんな事より早く入ろうぜ」

まさのりが言う

ビルの中に入りエレベーターで8階に上がる


8階

【カラオケ屋 新谷支店】看板

エレベーターを降りると直ぐにカウンターの受付

ヒョロッとした男性店員が真理達を見て

「いらっしゃいませ。4名様ですか?」

と言う

「はい」

真理が言う

「ジョイサウンドとダムのどちらにしますか?」

と聞くので

「ダムの方が音が良い気がする」

と真理

「じゃあダムで」

まさのりが言った

「畏まりました。タバコは吸いますか?」

「いいえ!」

梨津子、先陣を切って言う

「お部屋ご案内します」

店員が伝票を持ってカウンターから出て来て4人を1番奥の部屋に案内する

「こちらの8番のお部屋です」

中に入ると広めの角部屋で窓からは新谷駅前を眺める事が出来た

「眺めの良い部屋だね」

真理が言う

L字型に置かれたソファ席に徹也、梨津子、まさのり、真理の順に座る

案の定、梨津子とまさのりが隣同士

「っつーか、俺ら徹也、初めてだよな?」

まさのりが徹也に向かって身を乗り出して言った

「徹也って、マサの方が年下じゃないの?」

真理が言った

「俺、30」

とまさのり

「僕は32です。あっ、でも呼び捨てで良いですよ」

と徹也

「全くマサは馴れ馴れしいんだから」

「それが取り柄で御座います」

まさのりが肩をすぼめて言う

徹也がバッグから名刺入れを取り出して名刺を真理とまさのりに渡す

「申し遅れましたがこうゆう者です」

名刺に

ー児玉 徹也ー

の文字

「何か、徹也さんて名前も雰囲気も評論家っぽいね」

名刺と徹也の顔を交互に見て真理が言う

「良く言われます」

照れくさそうに徹也が言うと真理が財布を出して徹也の名刺をしまう

「何か食おうぜ」

まさのりがメニューを見ながら言う

「まさのりさんにお任せします」

梨津子が言う

「オケ。お二人は呑むのかな?俺ら呑まないの。真理は下戸だし俺、車」

とまさのり

「私ハイボール、徹っちゃんはビール」

と梨津子

まさのりが部屋の電話で受付に電話する

「ハイボール1つと生1つ、ソフトドリンク2つ。後、アボカドサラダと焼きそばとたこ焼きとエビピラフ。取り敢えずそれで」

電話の向こうで

「畏まりました。ソフトドリンクは廊下に有りますのでご自由にお持ち下さい」

と言う

「分かりました」

と応えるまさのり

「俺、歌うぜ」

まさのりが先陣を切る

「どうぞどうぞ」

3人が言う

まさのりが桑田さんの『栞のテーマ』を歌う

「この歌最高!」

3人も一緒に口ずさむ

「桑田さん、パピーもマミーも大ファンだから良く聞かされた」

と梨津子

「ウチもそう!」

と真理

「私、飲み物持って来るね」

真理、席を立ち廊下のドリンクバーに行きウーロン茶を2つ持って戻りまさのりと自分の前に1つずつ置いた


コンコン

ノックの音

「お待たせしました」

店員が注文の品を持って来る

一瞬、歌うのを止めるまさのり

店員が注文の品をテーブルに置いて去る

「カンパーイ」

まさのりは歌いながら乾杯する

まさのりが歌い終わり真理、梨津子、徹也も歌い盛り上がる

真理が歌っていると

「ちょっとトイレ行きま~す」

梨津子が言って席を立つ

「おっ、真理ちゃん、ウーロン茶無いやん。持って来て上げるよ」

まさのりが席を立つ

廊下で落ち合う
梨津子とまさのり

まさのりが梨津子にキスしようとする

「ダメだよ、マー君」

まさのり、梨津子をトイレに連れ込む

「マー君、ダメだって」

「こうゆう状況スゲー燃える。我慢出来ねぇ」

男性トイレでまさのりが梨津子のパンツに手を入れる

悶える梨津子

そこへ男の人影

森下だ!

まさのりと梨津子パッと離れる

梨津子は鏡で身だしなみをパパっと整えると出て行った

まさのりは素知らぬ顔で洗面所で手を洗う

さっきの様子を見ていた森下

まさのりをジロジロ見る

「何だよ!何か言いたい事でもあるのか!」

とまさのりが森下に詰め寄る

「いいえ。何も」

森下、ほくそ笑む

まさのり、ペーパーで手を拭きながら出て行きドリンクバーでウーロン茶を取ると部屋に戻って行った


















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