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第二章 エウクラトア聖王国

41話 パートナー

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 さて、改めてレイナードのことを紹介しようと思う。誰にだって?もちろん、自分自身が情報整理する為。

 レイナードはクロスウェル公爵の次男。現在23歳。見た目はネイビーの髪色に青の瞳で大変クールなイケメンさんだ。身長も高くスラっとしている。

 家族構成は……、父、母、兄、義姉、姪っ子、甥っ子がいる。レイナード自身は婚約者もいない独り身らしい。

 レイナードは成人してから精霊達と共に旅に出ていた。偶に家族に連絡を取ってはいたが直接会うのは数年ぶりだということ。その間に姪っ子が生まれたとレイナードのお兄さんであるエルナードさんから聞いてはいたらしい。その時はこのエウクラトア聖王国から遠く離れた場所にいた為にすぐに帰ることが出来なかったそう。

 それからあっという間に三年の月日が経ちやっと帰国した矢先に教皇派の連中に捕まってしまったという訳。

 で、今に至ると……。

「やっと帰ってきたと思ったら、まさか教会に捕らわれていたなんてねぇ……。 私がウーラ教の信者だからといって油断し過ぎよ」

 母であるクロスウェル公爵夫人に言われるレイナード。

「返す言葉もありません……」

 レイナードはちょっとばつが悪そうにしている。

 そんな親子の会話を聞いていると、アドリアノちゃんがおじいちゃんであるクロスウェル公爵のお膝からいそいそと降り始めた。

「おや? アドリアノ、どこへ行くんだい?」

 おじいちゃんから声がかかるも気にせずに、真っ直ぐにこちらの方へとやってくるアドリアノちゃん。

 ちなみにアドリアノちゃんは金髪に青の瞳をしている。とても天使みたいな見た目の可愛らしい女の子だ。

 そのアドリアノちゃんが私目掛けてテクテクとやって来る。私のところまでやってくると両手を広げて言ってくる。

「めがみしゃま! だっこ!」

 可愛らしいおねだりに私は即抱っこをする。思わず頬が緩む。

 私に抱っこされて幸せそうなアドリアノちゃん。だけどクロスウェル公爵が悲しそうにしているぞ。

 それにアドリアノちゃんは私のことを女神様って呼ぶ。訂正しても頑なに女神様って呼ぶの……。まあ使徒様って言われている訳ではないし、幼い子がそう呼ぶことはただ微笑ましいとしか思われないだろうと思ってもう好きに呼ばせている。

 そういえばレイナードも最初呼ばれた時女神様って言われたっけ?あれか?血筋か?……な訳ないか……。

 そんなことを思っているとクロスウェル公爵夫人がうふふふと笑っている。

「アドリアノはアマネ様のことがお好きなのね。 だけど、どうして女神様って呼んでいるのかしら?」

 それは私も聞きたい!みんながアドリアノちゃんがどう答えるか聞き耳を立てる。

「だって、しゅごく、きれいだし、とてもあたたかいの……!」

 そう言って私の胸にグリグリと顔を埋める。

 いやー!可愛い!!!!

 私はアドリアノちゃんの頭を撫でてあげる。すると、今度は顔を上げてへにゃりとした笑みを見せてくれた。

 その様子にあらまぁ~といった様子のクロスウェル公爵夫人。

「そうなの。 アドリアノにとってアマネ様は女神様なのね」

「うん!」

 元気な返事をするアドリアノちゃん。そんなアドリアノちゃんを微笑ましく見ているみんな。

 その後、少しの間雑談をしながら過ごした。



 あれからアドリアノちゃんは眠たくなったのか私に抱っこされながらウトウトしていた。

「あら? アドリアノちゃんはおねむの時間かしら?」

 そう言ったのはナレス。すると、ナレスはロリーナを呼んだ。

 ロリーナがくるとアドリアノちゃんはロリーナが抱っこして自分の部屋へと連れて行った。その時にはもう夢の中へと行ってしまったアドリアノちゃん。起こさないようにみんな静かにしていたね。

 それから、部屋に残ったのは大人達だけ。

 ここからが本題のような気がする。

「さて、ここからが本題なのだが……」

 マーエルがそう言い出す。

「今度の使徒様のお披露目パーティーがあるでしょ? まだアマネのパートナーが決まってないのよ」

 やっぱりパーティーだからパートナーは必要だよね……。

 誰をパートナーにするか本当迷っていた。だってマーエル達はそれぞれがパートナーでしょ?まさかギエルをパートナーに出来ないし、まだ子供の姿だから……。

 かと言ってルフスにお願いしてもいいけど、ルフスはもう護衛として近くにいたからね。パートナーとしては身分が足らないらしい……。貴族ってめんどくさいねと改めて思った……。

 それで私にまだお披露目パーティーのパートナーがいないと聞いたクロスウェル公爵夫人は目をキラリと光らせた。

「何ですって!? パートナーがいらっしゃらないの?」

「ええ、それで……」

「なら! うちのレイナードはどうかしら?!」

 ナレスの言葉を遮ってクロスウェル公爵夫人が言った。どういうわけかパートナーにレイナードを推してくる。

「もちろん、レイナード様にお願いしようと思っていたのよ。 どうかしら? うちのアマネのパートナーをお願いできないかしら?」

 ナレスが微笑みながらクロスウェル公爵家のみんなに言う。それからレイナードに向けて。

 するとレイナードは嬉しそうに言う。

「ぜひ私でよければエスコートさせてください」

 ニッコリと笑うイケメンは眩しかった……。



 
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