淫神の孕み贄

沖田弥子

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密やかな別荘 2

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 つまり、食事を採るときも繫がっているという無理な体勢になる。余裕のある最後の食事とは、そういう意味だったのだ。

「だろ? そうすれば、ずっと俺の精を飲んでいられる。一滴も零さずにな。淫紋が動くことは間違いないし、懐妊も確実だ」

 ハリルは極上の笑みを浮かべる。
 楽しそうな彼の笑顔を見ていると、セナも元気をもらえるのだけれど……今回ばかりは引き攣った笑みしか零れない。

「……でも、ちょっと無理があるんじゃないですか? あまり言いたくないんですけど、小水はどうするんです」

 ちらりと眉を上げたハリルは、「ああ」と零した。さすがに小水のときまで繫がっているわけにはいかないだろう。ルールを変更してくれるのかなと期待したセナだったが、次の瞬間、ハリルはざぶりと飛沫を上げてプールに潜った。

「わ……あ……あぁっ⁉」

 ちゅるりと花芯を吸い上げられる感触に、驚いてグラスを盆に戻す。水面の下に目を向ければ、潜水したハリルはセナの花芯を口腔に含んでいた。
 ささやかな花芯は、男の口にすっぽりと収められている。
 まるで促すかのように、ハリルは口中に咥えたまま、舌先で孔を突いた。

「んっ、ん……やぁ……」

 まさか、小水を出せという合図なのだろうか。
 そんなことをすれば、ハリルの口の中に放ってしまう。
 セナは与えられる刺激により込み上げてくる感覚を、必死に堪えた。

「だめ……ハリルさま……だめぇ……」

 逃れようとするけれど、水の中なので上手く動けない。ハリルの手は、しっかりとセナの腰を抱えている。
 ぢゅうっと吸い上げられ、耐えていたものがいとも容易く崩れた。

「あっ! あっ、あ……あぁあ……」

 甘い痺れが駆け巡り、白蜜が弾けてしまう。ごくりと飲んだハリルは、ようやく飛沫を上げて水面に顔を出した。

「おお、美味い。ただ、今のは精だったな。小水を出せって意味だったんだぞ」

 べろりと濡れた舌を舐め上げるハリルを、涙目で見やる。

「そんな……出ません。それに汚いものをハリルさまに飲ませるわけにいきませんよ」
「汚くないぞ。おまえの精も小水も、どんな酒をも凌ぐ極上の美酒だ」
「そんなことな……ひゃあ⁉」

 唐突に体を返されて、腰を持ち上げられた。セナは慌ててプールサイドに飾られている魚のオブジェにしがみつく。
 浮力のせいで、体は簡単に浮き上がってしまった。

「どれ。こっちも飲ませてみろ」

 開いたセナの両足の間に、ハリルは腰を割り込ませる。水面に浮き上がった尻の狭間に、熱いものを感じた。

「ひゃ……! あぁ……ん」

 ぬろりと熱い舌が、水面に浮かんだ蕾に這わされる。
 ぴちゃぴちゃと舐めしゃぶられ、甘い刺激にセナは背を反らせた。

「あっ……あ、あ……ハリルさま……」

 腰を揺らして抵抗してみるけれど、水面がぱしゃぱしゃと波打つだけだ。
 オブジェにしがみつきながら、うつ伏せの状態でプールに浮いているという不安定な体勢なので身動きが取れない。大きく開かれた足は後ろからハリルに、がっちりと抱えられていた。
 れろれろと蕾を舐め上げていた肉厚の舌は、ふいに、ずぷりと挿入される。
 熱くて濡れたものが肉環をくぐる感触に、快楽を感じた体はびくりと跳ね上がった。

「あぁ……っ、あ……ぅん……」
「おら、蜜を垂らせ」

 ずぷずぷと濡れた舌を出し挿れされ、肉環は次第に柔らかく綻ぶ。
 じわり……と奥から淫液が滲み出す。オメガが雄を欲する証は花筒を濡らしながら、とろとろと滴り落ちてきた。
 秘所に唇を押し当てたハリルは、淫靡な音を立てて蜜を啜る。
 ズチュ、ブチュ……ズジュル……
 下肢で鳴らされる恥ずかしい音を、セナは真っ赤に頬を染めながら聴かされた。

「あー……美味い。最高のジュースだな」

 ハリルはまだ濡れた舌で、惜しむように肉環に残った雫を掬い上げている。
 ラシードと同様に、ハリルもセナの体液を吸い尽くすほどに飲んでくれる。セナだって、彼らの精を飲みたい。愛する人の体液を自らの体に取り込みたいと願うのは、自然な愛の欲求だ。
 オブジェから手を放したらプールに落ちてしまうので、セナは体を捻って後方のハリルを見やる。

「あの、ハリルさま……僕にも、ハリルさまの精を……飲ませてください」
「たっぷり飲ませてやる。子宮がたぷたぷになるくらいにな」
「そうじゃないんです。口で男根を愛撫したいんです……どうか、僕の口の中に放ってください」

 目を見開いたハリルの雄芯が、ぐんっと反り返る。彼の極太の楔は、臍に付くほどに天を衝いていた。
 ハリルさまは口でされるのが、嫌なわけじゃないんだ……
 むしろ、そのことに興奮してくれる。
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