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脱出 1
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軽い調子で捕虜の殺害を前提にしているアポロニオスに、ぞっと背筋が震えた。
なんという残忍な性根だ。人の命を蟻ほどとも思っていない。
これが巨人王と謳われるゆえんだろうか。
明日の朝、アポロニオスは楽しい余興として、捕虜となった騎士団員たちの首を落とすさまを鑑賞するのだろう。
その光景が瞼の裏に浮かび、セナは恐慌に陥った。
滅茶苦茶に暴れて、男の膝から下りようともがく。
「こら、暴れるな」
「やめて、やめてぇ……っ」
膝を爪で思いきり引っ掻き、腰を浮かせる。蕾から雄芯が抜けたので床に転がり落ちようとしたが、男の手で悠々と華奢な体が抱えられる。
寝台に押さえつけられ、うつ伏せの体勢になる。起き上がろうとしたが、大きな掌で肩を押さえられているので顔を上げることもできなかった。
「うぅ……いや、いやだ。僕も殺してください……」
「やれやれ。怒った子猫を宥めてやるとするか」
巨人王にとっては、セナの抵抗など子猫が暴れている程度なのだ。改めて力の差を思い知らされ、どうすることもできない悔しさに涙が滲む。
「ひぃっ」
うつ伏せになった尻の狭間に、ぐちゅりと凶暴な切っ先が押し当てられる。易々と片手で腰を持ち上げたアポロニオスは、綻んで淫液を垂れ流している肉環に熱い剛直を挿し入れた。
ぐちゅっ……と淫猥な音を立て、巨根は花筒を犯していく。
ずぶ濡れの媚肉は待ちわびたように蠕動し、硬い肉棒を奥へ奥へと導いた。
淫らな肉体に悪寒が走ったセナは、無駄と知りつつも手足をばたつかせて抵抗する。
「いやっ、いや……もう、したくありません。アポロニオスさまのことなんて嫌いです。アルファたちを処刑したら、僕があなたを殺します。そして僕も死にます!」
「こういうのも悪くないな。ほら、もっと喚いてみなさい」
パンパンと皮膚のぶつかる音が室内に響くたびに、極太の雄芯が濡れた媚肉をひどく擦り上げる。
激しい抽挿に息もできない。
がくがくと体が揺さぶられ、そのたびに体中が甘い痺れに支配される。
凄絶な快楽を捩り込まれて、セナは絶え絶えに喘いだ。
「あっ、あっ、あう、いや……いやぁ……」
いやなのに、淫らなオメガの肉体は快楽の階を駆け上る。
口端から涎が垂れ、快感に痺れた舌を差し出す。
ぐうっと子宮口を穿った硬い先端は、濃厚な飛沫を容赦なく注いだ。
長い情事のあと、セナは頽れた体を寝乱れたシーツに預けていた。
アポロニオスは会議があるらしく、兵士に声をかけられて先ほど部屋を出て行った。
稀に留守にする以外はひたすらセナを抱いているアポロニオスだが、こんな日々も長くは続かないだろう。明日、捕虜を処刑したあとはおそらく、ベルーシャ国の王都へ戻るつもりではないだろうか。ここは辺境の地なので、王であるアポロニオスが長居するはずもない。
アルファたちの首を晒し、勝者として堂々とセナを連れて王都へ凱旋するのだ。
「うぅ……そんなこと、させない……」
きつくシーツを掴んで泣き濡れるが、突破口は見出せなかった。
ファルゼフの協力を得られないとなれば、このリガラ城砦でセナの味方になってくれる人は誰もいない。ハリルはアルファたちと同様に、牢に閉じ込められているだろう。騎士団長であるハリルを、アポロニオスが生かしておくわけがない。明日はハリルが一番に処刑されてしまうのではあるまいか。
「ハリルさま……。どうしよう、兄さま、助けて……」
ふと、胸元のアミュレットに目を落とす。
王都を出立するときにラシードから賜ったものだ。ラシードの双眸と同じ色をした漆黒のペンダントトップは、泰然とした輝きを見せている。
掌に収まるほどの立体の長方形をしたそれを、セナは握りしめた。
これを授けてくれたとき、ラシードに言われた台詞を思い出す。
『私がいない間も、このアミュレットがそなたを守るだろう。困ったことがあれば、アミュレットを太陽の軌道に掲げよ。そうすれば道は見えてくる』
困ったとき……それは、今だ。
アミュレットを太陽の軌道に掲げると、何か起こるのだろうか。
「もしかして……太陽の光を反射して、秘密の地図が映し出されるとか?」
希望を見出したセナは寝台を下りた。
寝室には、細い窓が開いている。人が通り抜けられるような隙間ではないが、太陽の光を集めるには充分だ。
窓からは砂漠しか見えないが、天には太陽が鎮座している。
どきどきと胸を弾ませながら、セナは太陽に向けてアミュレットを掲げた。
――しかし、何も起きない。
なんという残忍な性根だ。人の命を蟻ほどとも思っていない。
これが巨人王と謳われるゆえんだろうか。
明日の朝、アポロニオスは楽しい余興として、捕虜となった騎士団員たちの首を落とすさまを鑑賞するのだろう。
その光景が瞼の裏に浮かび、セナは恐慌に陥った。
滅茶苦茶に暴れて、男の膝から下りようともがく。
「こら、暴れるな」
「やめて、やめてぇ……っ」
膝を爪で思いきり引っ掻き、腰を浮かせる。蕾から雄芯が抜けたので床に転がり落ちようとしたが、男の手で悠々と華奢な体が抱えられる。
寝台に押さえつけられ、うつ伏せの体勢になる。起き上がろうとしたが、大きな掌で肩を押さえられているので顔を上げることもできなかった。
「うぅ……いや、いやだ。僕も殺してください……」
「やれやれ。怒った子猫を宥めてやるとするか」
巨人王にとっては、セナの抵抗など子猫が暴れている程度なのだ。改めて力の差を思い知らされ、どうすることもできない悔しさに涙が滲む。
「ひぃっ」
うつ伏せになった尻の狭間に、ぐちゅりと凶暴な切っ先が押し当てられる。易々と片手で腰を持ち上げたアポロニオスは、綻んで淫液を垂れ流している肉環に熱い剛直を挿し入れた。
ぐちゅっ……と淫猥な音を立て、巨根は花筒を犯していく。
ずぶ濡れの媚肉は待ちわびたように蠕動し、硬い肉棒を奥へ奥へと導いた。
淫らな肉体に悪寒が走ったセナは、無駄と知りつつも手足をばたつかせて抵抗する。
「いやっ、いや……もう、したくありません。アポロニオスさまのことなんて嫌いです。アルファたちを処刑したら、僕があなたを殺します。そして僕も死にます!」
「こういうのも悪くないな。ほら、もっと喚いてみなさい」
パンパンと皮膚のぶつかる音が室内に響くたびに、極太の雄芯が濡れた媚肉をひどく擦り上げる。
激しい抽挿に息もできない。
がくがくと体が揺さぶられ、そのたびに体中が甘い痺れに支配される。
凄絶な快楽を捩り込まれて、セナは絶え絶えに喘いだ。
「あっ、あっ、あう、いや……いやぁ……」
いやなのに、淫らなオメガの肉体は快楽の階を駆け上る。
口端から涎が垂れ、快感に痺れた舌を差し出す。
ぐうっと子宮口を穿った硬い先端は、濃厚な飛沫を容赦なく注いだ。
長い情事のあと、セナは頽れた体を寝乱れたシーツに預けていた。
アポロニオスは会議があるらしく、兵士に声をかけられて先ほど部屋を出て行った。
稀に留守にする以外はひたすらセナを抱いているアポロニオスだが、こんな日々も長くは続かないだろう。明日、捕虜を処刑したあとはおそらく、ベルーシャ国の王都へ戻るつもりではないだろうか。ここは辺境の地なので、王であるアポロニオスが長居するはずもない。
アルファたちの首を晒し、勝者として堂々とセナを連れて王都へ凱旋するのだ。
「うぅ……そんなこと、させない……」
きつくシーツを掴んで泣き濡れるが、突破口は見出せなかった。
ファルゼフの協力を得られないとなれば、このリガラ城砦でセナの味方になってくれる人は誰もいない。ハリルはアルファたちと同様に、牢に閉じ込められているだろう。騎士団長であるハリルを、アポロニオスが生かしておくわけがない。明日はハリルが一番に処刑されてしまうのではあるまいか。
「ハリルさま……。どうしよう、兄さま、助けて……」
ふと、胸元のアミュレットに目を落とす。
王都を出立するときにラシードから賜ったものだ。ラシードの双眸と同じ色をした漆黒のペンダントトップは、泰然とした輝きを見せている。
掌に収まるほどの立体の長方形をしたそれを、セナは握りしめた。
これを授けてくれたとき、ラシードに言われた台詞を思い出す。
『私がいない間も、このアミュレットがそなたを守るだろう。困ったことがあれば、アミュレットを太陽の軌道に掲げよ。そうすれば道は見えてくる』
困ったとき……それは、今だ。
アミュレットを太陽の軌道に掲げると、何か起こるのだろうか。
「もしかして……太陽の光を反射して、秘密の地図が映し出されるとか?」
希望を見出したセナは寝台を下りた。
寝室には、細い窓が開いている。人が通り抜けられるような隙間ではないが、太陽の光を集めるには充分だ。
窓からは砂漠しか見えないが、天には太陽が鎮座している。
どきどきと胸を弾ませながら、セナは太陽に向けてアミュレットを掲げた。
――しかし、何も起きない。
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