とある小さな村のチートな鍛冶屋さん

夜船 紡

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トランキル帝国編

ニハルとレグルス

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作者より

新キャラであるレグルスとレックスの名前が似ている為、レックス→ニハル と名前を変更いたしました。
変更がわかりやすいよう暫くこの表示を行います。
それでは、本編をお楽しみくださいm(_ _)m

**********************


気合を入れて、レグルスに尋ねる。
しかし、返答は思ってもみないものだった。

「普段使う獲物?そうだな……特に得意なものはないかな」
「え……?」
「キマイラを倒した時も殆どこの拳と魔法だ」

そういえば、よく見ていなかったけれどキマイラには傷が殆どなかった。
武器をあまり使わないのに、武器を使うの?

「どうした?」
「え、いや……何を作ればいいのかと思って」
「ふむ、そう言われてみれば、確かに。だが、私には貴公の武器は絶対に必要になると思うんだ」
「でも、普段の戦闘の妨げになるかもしれない武器は作れないし……」
「そうだ。一度、私の戦うところを見てみるというのはどうだろうか?」
「え……?」
ーーわしは反対!主さんがそんな危ないところに行ったら絶対怪我するわ!
ーーそうだよ。ご主人様、危ないことダメ……

ルビーくんとフローが私を止める。見渡せば他の子も、心配げに私を見ていた。
そうだよね……でもそれだと彼の武器を作ってあげられないし……
彼も、眷属達の雰囲気で無理だということを察しているようで耳と眉を下げている。
ちょうど良い相手がいたら良いんだけどなぁ。

「おい!お前!!」

店の扉が大きく開くと同時に大きな声が響く。振り向くと兎の獣人であるニハルの姿がそこにはあった。
あ、このタイミング、絶対神様だ。
そう思いながらもニハルを見ると、彼は嬉しそうな顔でカーバンクルを見せた。

「見てくれ!お前のいう通りにしたらちゃんと捕まえられたんだ!!ありがとうな」
「ううん、よかったね」
「ああ!これで絶対に……ってお前はレグルス……」
「ん?貴公も参加するのか?私の名前も知っているようだが……」
「!!そうだよな、俺たち兎族なんてお前ら獅子族からしたらそんなもんだよな……」
「すまない。私はそんなつもりはなかったのだが」
「くっ」

最初はにこやかに私に話しかけたニハルだったけれど、レグルスを見て表情を一転させ敵意を剥き出しにして睨みつけた。
レグルスがニハルを知らなかったことに対して彼は悔しそうに顔を背ける。
カーバンクルを持っている手も震えていた。

「ニハル。それより、今日来たのはそれを見せるため?」
「あ、ああ。それと俺の武器を作って欲しくて……お前、これを取るのに教えてくれたりしたから……」
「そうだったの」
「でも、なんでこいつがいるんだ?」

あ、そこ聞いちゃうのか。
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