毒華は自らの毒で華を染める

夜船 紡

文字の大きさ
7 / 30

毒華は庇護欲を武器に華と眠る。

しおりを挟む
1ヶ月、ミュゲの邸でお世話になりわかったことは、この邸には男性が殆どいない事。
彼女の趣味が私ととてもよく合う事。
音楽にしろ、本にしろ、彼女から借りるものは全部私の好みに合うのだ。
そのことから彼女に対し、私は親近感を覚えてた。
そして、料理も、とても美味しい。

それから、ミュゲは、両親とは別に暮らしている。
何でも、ミュゲはその病弱ゆえに両親には期待されておらず、ずっとこの離れの邸に住んでいるそうだ。

さみしくないの?と聞くと、儚く微笑み「彼女達が一緒にいてくれるから・・・」と言う。
彼女達とは、ここの使用人達だ。
ミュゲと話をしていると、彼女達の目線を感じる。
絡みつくような、嫌な視線。
時々鋭く嫉妬のようにネトっとした視線。

何故だろう?
後、取りおり顔が赤い子がフラフラとしていることがある。
そういう子は、大概私を見ると不敵に笑うのだ。



夜、雨が降ってきた。
雨音がどんどん大きくなり、激しく降っていることがわかる。
時折、遠くで光ったり、音が鳴り響く。
雷の音だ。


コンコンと、控えめに音がする。
どうぞと返事をすると、ミュゲが、涙目で枕を抱きしめそこに立っていた。
その姿を見て、悟った。

彼女は雷が苦手なのだと。

たまに、雷のような音が苦手な人は、昔の私の侍女にもいた。
そういう子はいつも、他の人の部屋を訪ねて一緒に寝てもらったり、雷が過ぎるまで、布団に包まっているという。

彼女は前者なのだろう。

「・・・カミナリ、怖くて・・・お願い、一緒に寝て?」

枕を片手で抱きしめ、涙目の上目遣いでお願いをする彼女は私から見ても可憐で何も考えず、いいよと言ってしまった。

ふんわりと香る、彼女に似合った優しい香水。
これを嗅ぐと心が安らぐのを感じる。

落ち着くようにと、彼女がつけてくれた侍女がお茶を入れてくれた。
もう、夜も遅いから、それが終わったら控えてもらって良いと伝えるとうなづいて出て行き、ミュゲと私、2人きりだ。

カップに口をつけながら、プルプルと雷に震える彼女を見る。
不思議だ。
家を出ていく原因になったのに、この1ヶ月で彼女を知っていくうちに、惹かれている自分がいる。
自身と趣味が合う理解者というのもあるかもしれない。
飲み終わると、眠気が誘う。
おそらく、ミュゲの香りでリラックスした所為だろう。
2人でベットに横になると、ミュゲは怖いからと私を抱きしめた。
その暖かさでさらに眠気が増し、瞼を開けられないほど・・・深い眠りに落ちていった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

処理中です...