毒華は自らの毒で華を染める

夜船 紡

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ミュゲは、自慰するアネモネの淫らで美しい姿を隠し部屋から見ていた。

夜の開発が、昼のアネモネにしっかり効果があることを実感し、悪魔のように微笑む。

ミュゲはアネモネに更なる罠を仕組んでいたのだ。

それは僅かな催淫剤。

毒に慣れるよう幼い頃から飲み慣れているミュゲからしたら大したことのないそれは、アネモネの身体にはよく効いていた。
毎日飲む紅茶に、そんなものが入っているとは知らずアネモネは紅茶とミュゲが発する匂いで発情するようになっていたのだ。

「天使のような貴方が、地に堕ちる姿は本当に美しい・・・」

快感を求め、何度も自身で達しているアネモネを見つめ、ミュゲは自身も弄り始める。

まるで、壁を隔て、アネモネが自身を求めているかのような錯誤した快感を覚えながらミュゲはアネモネが更に快感に、自身に依存するようにするべく、次なる快楽を考えていた。



「乗馬・・・ですか?」
「ええ、ずっと、お屋敷でじっと過ごすのも飽きましたでしょう?私もたまには身体を動かすよう、主治医に言われていますのでよかったら遠方で乗馬はどうかなと」
「いいですわね。折角ですし・・・」
「はい!」

なら準備しますね。とウキウキとした様子のミュゲにアネモネは微笑ましいなぁと慈愛に満ちた笑みを浮かべるのだった。
それが更に自身を苦しめる事になるなんて想像もつかず、アネモネは束の間の休息を味わっていた。



2人は広い草原まで馬車で移動し、その狭い室内はミュゲの匂いでいっぱいでアネモネは、幾度となく興奮しかけては、ミュゲの前だからと我慢していた。

現地に到着すると、2人は乗馬する為の準備をする。

この国では、女性の乗馬はスポーツとして認められており、貴族として学ぶ、当然のマナーの1つとされていた。
そして、合理性を求められ女性乗りとされる横乗りよりも、馬の負担の少ない跨ぐ乗り方が主流である。

ミュゲはそれ故に乗馬を選んだのだ。
準備が出来、2人は自身の馬に乗り込む。

「んっあ・・・」

アネモネの乗る馬の鞍の中心には少しだけ出っ張りがあった。それに気づかずに乗り陰核があたり、思わぬ刺激にアネモネは思わず声が漏れた。

それに気づかないふりをして、ミュゲは馬を走らせる。
それに遅れないように、アネモネは馬を同じように、ミュゲに追いつこうと走らせた。
それが更なる罠とも知らず。

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