毒華は自らの毒で華を染める

夜船 紡

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「あら・・・。ふふ、とっても魅力的な姿ですね」

微笑むミュゲの瞳にはアネモネの裸体が見えておらず、まるで普段のドレス姿でいるかのように声をかける。そんなミュゲの姿に、イザベラとシアラはすっとアネモネの側を離れ、彼女へと頭を下げる。

「ミュゲ様、おかえりなさいませ」
「オケーリ、なさいマセ」

激しい責めがなくなり、ミュゲの姿をアネモネも捉えることができた。

「ぁ、ぁあ。ミュ、ミュゲ・・・おね、お願、おねが、いしま・・・・・」

身のうちに巣食う劣情に、声を震わせながらアネモネはミュゲに解放を願おうとする。しかし、そんなアネモネにミュゲは眉を歪ませ、僅かに唇の端をあげる。

「悲しいわ、アネモネ様。帰ってきた私に最初に言うのが、『お願い』だなんて・・・」

言葉とは裏腹にミュゲは声をかける。

「あ・・・・・・っ」

その言葉にアネモネはぶるりと身体を震わせた。

「ごめん、なさ、・・・お、おかえ・・・・」
「ああ、嬉しいわ。ただいま。アネモネ様。そうやって言っていただけるのがとっても、とっても嬉しいわぁ」 

頬を赤く染め、本当に嬉しそうにいう彼女の姿に、アネモネは途方もなく恐怖を感じた。

「でも、まだ考えるだけの意識があるのねぇ。イザベラとシアラの責めが弱いのかしら?」
「期待に添えず、申し訳ありません」
「普通ナラ、もう、トロトロのハズでしタ。どうやら、クスリに耐性ガあるようです」
「あら・・・」

皇太子の婚約者として暗殺に備え微量の毒を飲んで耐性をつけていたアネモネには、媚薬も、彼女達の責めも何とか自我を失うことなく過ごすことができた。
それは彼女にとって良かったのか、どうかは別だが・・・

「あら、この張型・・・」
「膜は破っていません。ただ、入り口を責めるのには使いました」

その言葉に、アネモネは顔をあげた。あの時、入れられた時、破かれたと思っていたのに・・・
それは微かな希望だった。
だが、そんな希望は、ミュゲの次の言葉で残酷にもかき消された。

「破っても良かったのに」

ミュゲの冷たく、どこか軽薄なその表情は、アネモネからしたら初めて見る顔。
アネモネからしたら処女膜があるということはこれ程までに辱められたとしても、まだ日常に戻れる一欠片の希望となった。今こうして辱められても、ここから出れば元に戻れる。そう信じていた。だからこそ耐え抜こうと、快感に流されることなく我慢してきた。けれど・・・処女でなくなるということは、結婚はもう望めなくなるということ。仮に出来たとしても何らかの難のある男性しか相手にされなくなるだろう。それぐらい、処女膜というのは貴族として大事なものなのだ。

そして、ミュゲはそのままゆっくりと張型をアネモネの秘所へと当てがっていく。

「!!!いやぁ!それだけは、それだけは、やめてぇ!!!!お願いぃーーー」
「あらあら、そんなに泣いて。可愛らしい」

気づけば、アネモネの瞳からは涙がこぼれ落ちていた。
先程まで燻っていた劣情は、処女を失うかもしれないという喪失感にとって変わってしまっている。
それをミュゲは敏感に感じ取るとシアラに短く3と伝える。

「よろしいのですか?」
「2ではダメでしたし、アネモネ様の意思はとても強いご様子ですもの。少し割合を増やしたほうがよさそうだもの」
「かしこまりました」

そこでミュゲは「そうだわ」とまるで今思い出したかのように何枚かの紙を取り出した。

「アネモネ様のご親戚から、貴方に渡して欲しいと頼まれましたの」
「・・・・・・嘘」
「皇太子様から直々に貴方にと言われましたのよ」
「嘘、嘘、嘘・・・・・」
「もう、貴族には戻れませんわねぇ、ア・ネ・モ・ネ様」

そこに書かれていたのは、アネモネの親戚関係である祖父、叔父からの絶縁状であった。
絶縁状を見たアネモネの眼に濁りが出来たのを、ミュゲは見逃さなかった。
実家がなくなっても、頼れる親戚ひとがいる。それもまた、彼女が逃げ出そうとする原因。ミュゲはそれを見抜き、1つ、また1つと彼女の希望を削ぎ落としていく。
そして、最後に頼れるのは己だけだと彼女に思わせる為に動くのだ。

「さあ、続きを始めましょう?」
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