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ここは何処だろう?
あの時、ネックレスが光ってその光に包まれて目を開けると全く知らない場所に・・・いや、私は確かに来たことがない。けれど、知っている。
此処は、『私』が婚約者とその浮気相手を初めて見た場所だ。その時の『私』は、悲しみながらも何も言わずに1人で家に帰って誰にも何も告げられず泣き崩れていた。
え、待って、私、もしかして過去に飛んだの?
『私』と私が一緒にいることでパラドックス的な何か起きたりしない?大丈夫??
まあ、とりあえず、様子を見ましょう。
てか、なんでこんなことになったんだろう?
もしかしなくても、あのネックレスだよね。
あれ、『私』が一番気に入ってつけていたものに似てる。いや、多分、あれは本当に『私』のネックレスだったのだろう。
誰かに拾われ、海外の骨董屋に売られて、それを今の私の親が買った。とんでもない偶然だ。
あ、『私』だ。
うん、豪華なドレスがよく似合う美人だなぁ。今の私とは違って、少し華奢で守ってあげたくなるような姿をしている。私?私は元気いっぱいで先生からは元気だけが取り柄だなと褒められるタイプの人間だ。
・・・本当に、あれ、私なのか?不安になるぞ。
「ジュニアス様」
『私』—紛らわしいから前世の彼女の名前、カレンデュラを略してカレンと呼ぼう—カレンは婚約者であるジュニアスを呼んだ。
ジュニアスは、前世を思い出した時のように線の細い姿態、さらりとした髪、そしてその瞳が綺麗で、傲慢で俺様な部分があることを知っている私ですら、少しうっとりとしてしまう。
とと、いかんいかん。
「カレンデュラ」
「偶然でございますわね、よければご一緒に街をみてまわりませんこと?」
カレンは嬉しそうに声を弾ませて問いかけている。
それを疎ましそうに、ジュニアスは言う。
「すまないが、連れがいるんだ」
「まあ、それでしたらその方もご一緒に・・・」
「カレンデュラ。私は、君に遠慮してほしいと言ってるんだ」
「・・・す、すみません」
「失礼する」
「あ・・・・」
足早に去っていくジュニアスを見つめながら切なそうな顔をするカレンは、漫画やドラマの中の主人公のようだ。
むかっー!なんなの、あの態度。
カレンもカレンよ!もっと偉そうにすればいいのに。あの人のご飯も、服も、何もかもぜーんぶ、伯爵家のが負担してるのよ!って。
まあ、そんなことが言える性格ならもうとうの昔にやっているよね・・・。
それにしても、プライドだけはお高くとまる男ってやだわー。
って、あ、あの女だっ!
全ての元凶である、イルミア・ラティフォリア!!
ぱっと見はまあまあ見れる美人だけど、それならカレンの方が美人。でも、カレンが月の下に咲く月下美人だとしたら、あの女は普段でも見れるマリーゴールドみたいな華やかさがある。
ジュニアスが彼女へと普段自分には決して向けない笑顔を見せるのを見て、カレンは傷ついたように足早にその場を去っていく・・・。
それを痛ましげな顔で見ている男性が2人。
え、2人?
角の物陰からカレンを見つめていたのは、カレンの家庭教師のリオンと、従兄弟の青年フェルデであった。
え、この2人・・・カレンのことが好きだったの?
なら、協力してもらえないかしら?
近い位置にいたフェルデに話しかける。
付き合い的にはこっちの方が長いし、親しみがあるからね。
「あのー?」
「なんだよ。平民がこの俺に何のようだ」
って、そうだったー!
私、平民になるんじゃんか!!??てか、未来から来たカレンですなんて誰も信じたりしないよ、絶対っ!!
どうしよう・・・あれ?そういや、フェルデって・・・
「実は私、占いを得意とする者で、先程の少女と貴方に縁を感じて呼び止めさせて頂きました」
その言葉にピクンと反応して先程とは打って変わって話を聞く体制になるフェルディ。
彼は実は占い好きの青年なのだ。
「ほう。聞いてやろう。なんだ」
「は、はい。・・・彼女は1年後、心の病を負い死に至・・・っ」
ガッと掴まれ、 壁に打ち付けられる。勢いもあり、痛みが走る。目尻を険しく吊り上げ、唇を震わせて低い声を上げる。
「戯言を申すな」
「誠でございます。今のままでは、彼女が呼びかけた男性に深く心を傷つけられ、それが元に・・・」
「っ!あいつ、あいつが原因だというのか・・・」
舌を噛みしめ、苦悩に歪むその眉に、ああ、本当に彼はカレンを愛してくれていたんだなぁと感じる。
嬉しい反面、昔の私は気づかなくてごめんなさいって思いになるのは仕方ないよね。
「・・・おい」
「は、はい、なんでしょうか?」
「それが確かだという証拠はあるのか?」
「しょ、証拠でございますか?」
「ああ」
うん、そうだよね、今の私、ただの怪しい女性だもん。
疑われて当然だよねーっ!
えーと、確かこの後、この後はなんかあったかな?うーんと、ああ、そうだ。カレンは熱を出してたはず。
でも、婚約者であるジュニアスはお見舞いにも来なくて、余計にカレンは傷ついたの。
「あの彼女は近いうちに熱を出します。・・・お見舞いに行かれては如何でしょう」
「・・・それは証拠というのか?」
「私の占いは制限があるのです。波長のあった方の未来が改善されるまで、その方の未来しかわからないという・・・」
「ほう」
「で、ですから、当たるかどうか、少し時間をいただき確認していただきたく・・・・」
しらーとした半目で此方を見つめるフェルデ。
ああ、怪しんでる、怪しんでる。
そらそうだよね。私だって、怪しむもの。
これはもうダメだな。もう1人の方にいこう。
先生はもう、場所を離れちゃってるから、探さないとダメだな。
思わずため息を吐きかけた、その時。
「・・・わかった。では、その証拠が出てくるまでお前の身柄は預かることとしよう」
「え?は?ええ???」
「俺のお抱えの占い師から今日は運命的な出会いがあると言われていたのだ。恐らくはお前のことだろう。他に話しかけてくる輩もみないしな。よし、そうと決まれば・・・ほら、こい!」
そういって手を引かれて有無を言わさず、馬車に乗せられてしまった。
あの時、ネックレスが光ってその光に包まれて目を開けると全く知らない場所に・・・いや、私は確かに来たことがない。けれど、知っている。
此処は、『私』が婚約者とその浮気相手を初めて見た場所だ。その時の『私』は、悲しみながらも何も言わずに1人で家に帰って誰にも何も告げられず泣き崩れていた。
え、待って、私、もしかして過去に飛んだの?
『私』と私が一緒にいることでパラドックス的な何か起きたりしない?大丈夫??
まあ、とりあえず、様子を見ましょう。
てか、なんでこんなことになったんだろう?
もしかしなくても、あのネックレスだよね。
あれ、『私』が一番気に入ってつけていたものに似てる。いや、多分、あれは本当に『私』のネックレスだったのだろう。
誰かに拾われ、海外の骨董屋に売られて、それを今の私の親が買った。とんでもない偶然だ。
あ、『私』だ。
うん、豪華なドレスがよく似合う美人だなぁ。今の私とは違って、少し華奢で守ってあげたくなるような姿をしている。私?私は元気いっぱいで先生からは元気だけが取り柄だなと褒められるタイプの人間だ。
・・・本当に、あれ、私なのか?不安になるぞ。
「ジュニアス様」
『私』—紛らわしいから前世の彼女の名前、カレンデュラを略してカレンと呼ぼう—カレンは婚約者であるジュニアスを呼んだ。
ジュニアスは、前世を思い出した時のように線の細い姿態、さらりとした髪、そしてその瞳が綺麗で、傲慢で俺様な部分があることを知っている私ですら、少しうっとりとしてしまう。
とと、いかんいかん。
「カレンデュラ」
「偶然でございますわね、よければご一緒に街をみてまわりませんこと?」
カレンは嬉しそうに声を弾ませて問いかけている。
それを疎ましそうに、ジュニアスは言う。
「すまないが、連れがいるんだ」
「まあ、それでしたらその方もご一緒に・・・」
「カレンデュラ。私は、君に遠慮してほしいと言ってるんだ」
「・・・す、すみません」
「失礼する」
「あ・・・・」
足早に去っていくジュニアスを見つめながら切なそうな顔をするカレンは、漫画やドラマの中の主人公のようだ。
むかっー!なんなの、あの態度。
カレンもカレンよ!もっと偉そうにすればいいのに。あの人のご飯も、服も、何もかもぜーんぶ、伯爵家のが負担してるのよ!って。
まあ、そんなことが言える性格ならもうとうの昔にやっているよね・・・。
それにしても、プライドだけはお高くとまる男ってやだわー。
って、あ、あの女だっ!
全ての元凶である、イルミア・ラティフォリア!!
ぱっと見はまあまあ見れる美人だけど、それならカレンの方が美人。でも、カレンが月の下に咲く月下美人だとしたら、あの女は普段でも見れるマリーゴールドみたいな華やかさがある。
ジュニアスが彼女へと普段自分には決して向けない笑顔を見せるのを見て、カレンは傷ついたように足早にその場を去っていく・・・。
それを痛ましげな顔で見ている男性が2人。
え、2人?
角の物陰からカレンを見つめていたのは、カレンの家庭教師のリオンと、従兄弟の青年フェルデであった。
え、この2人・・・カレンのことが好きだったの?
なら、協力してもらえないかしら?
近い位置にいたフェルデに話しかける。
付き合い的にはこっちの方が長いし、親しみがあるからね。
「あのー?」
「なんだよ。平民がこの俺に何のようだ」
って、そうだったー!
私、平民になるんじゃんか!!??てか、未来から来たカレンですなんて誰も信じたりしないよ、絶対っ!!
どうしよう・・・あれ?そういや、フェルデって・・・
「実は私、占いを得意とする者で、先程の少女と貴方に縁を感じて呼び止めさせて頂きました」
その言葉にピクンと反応して先程とは打って変わって話を聞く体制になるフェルディ。
彼は実は占い好きの青年なのだ。
「ほう。聞いてやろう。なんだ」
「は、はい。・・・彼女は1年後、心の病を負い死に至・・・っ」
ガッと掴まれ、 壁に打ち付けられる。勢いもあり、痛みが走る。目尻を険しく吊り上げ、唇を震わせて低い声を上げる。
「戯言を申すな」
「誠でございます。今のままでは、彼女が呼びかけた男性に深く心を傷つけられ、それが元に・・・」
「っ!あいつ、あいつが原因だというのか・・・」
舌を噛みしめ、苦悩に歪むその眉に、ああ、本当に彼はカレンを愛してくれていたんだなぁと感じる。
嬉しい反面、昔の私は気づかなくてごめんなさいって思いになるのは仕方ないよね。
「・・・おい」
「は、はい、なんでしょうか?」
「それが確かだという証拠はあるのか?」
「しょ、証拠でございますか?」
「ああ」
うん、そうだよね、今の私、ただの怪しい女性だもん。
疑われて当然だよねーっ!
えーと、確かこの後、この後はなんかあったかな?うーんと、ああ、そうだ。カレンは熱を出してたはず。
でも、婚約者であるジュニアスはお見舞いにも来なくて、余計にカレンは傷ついたの。
「あの彼女は近いうちに熱を出します。・・・お見舞いに行かれては如何でしょう」
「・・・それは証拠というのか?」
「私の占いは制限があるのです。波長のあった方の未来が改善されるまで、その方の未来しかわからないという・・・」
「ほう」
「で、ですから、当たるかどうか、少し時間をいただき確認していただきたく・・・・」
しらーとした半目で此方を見つめるフェルデ。
ああ、怪しんでる、怪しんでる。
そらそうだよね。私だって、怪しむもの。
これはもうダメだな。もう1人の方にいこう。
先生はもう、場所を離れちゃってるから、探さないとダメだな。
思わずため息を吐きかけた、その時。
「・・・わかった。では、その証拠が出てくるまでお前の身柄は預かることとしよう」
「え?は?ええ???」
「俺のお抱えの占い師から今日は運命的な出会いがあると言われていたのだ。恐らくはお前のことだろう。他に話しかけてくる輩もみないしな。よし、そうと決まれば・・・ほら、こい!」
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