星の丘ホーム、子どもたちの物語。

doiemon

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トラブル

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 ピンポーン!
 音が余韻を残して鳴り響く。
 反応はなし。
 私はもう一度、インターホンを押した。
 再び音だけが鳴り響く。
 やっぱり反応がない。
 私が振り返ろうとすると建物の中から不可解な音が聞こえた。

 ガシャン!  ガララ!  
 ドドドドドド!

 何かが崩れていくような音。
 えっ、えっ、一体何? 私はその場に立ち尽くしてしまった。突然の状況にまわりをキョロキョロしてしまった。
 足音のような音がドアの向こうから聞こえてきて、どんどん音が大きくなる。
 次の瞬間、前の前のドアが開いて、勢いよく男の子が飛び出してきた。
 えっ、えっ、今度は何? 
 次から次へと変化する状況に私は怯えた。
 私の前に飛び出してきた男の子はチラッとだけ私のほうを見て、走り去って行った。見た目は大人しそうな男の子に見えた。
 驚きはまだ続いた。
 次にドアを開けたのは、若そうな大人な女性。こちらもかなりの勢いと、鬼の形相。
 「しまった、どうしよう。あっ、あなた子どもが出ていかなかった?」
 「はい、出てきました……」
 「どっち?」
 「あっちに行きましたけど……」
 「ありがとう。あなたはどんなご用?」
 その女性は焦っている様子で私にかまっている暇はないという感じだった。 
 「私、面接に来たものです。立花茜といいます」
 「あっ、ごめんなさい」
 どうやら私は完全に忘れられていたらしい。女性は数秒間だけ考えてびっくりするようなことを言ってきた。
 「ごめん。協力してくれる?」
 「えっ?」

 おかしなことに巻き込まれた。私はその女性と一緒にさっき走り去った男の子を探すことになった。
 「詳しいことは後で説明するか、私は美咲。よろしく」
 美咲さんは私にそう言った。
 「あの子、先週ホームに来たばかりなの。全然他の子たちとも馴染まなくて」
 「逃げ出したんですか?」
 そんなふうな男の子には見えなかった。
 「試してるのよ」
 「えっ、どういうことですか?」
 私は理解できなかったから聞き返した。
 「ちゃんと探してくれる大人かどうか、私たちのことを試してるのよ」
 慣れているような、妙に説得力のある言い方。
 私のカンだが、彼は駅の方に向かったように思えた。
 駅のバスロータリーの前まで行き、駅で彼を探した。
 どこにも彼の姿はなかった。
 「いません」
 「ダメね」
 しっかりしてそうでもまだ小学5年生だという。やはり心配だ。
 諦めかけた瞬間に改札の方から声が聞こえてきた。
 「おい、ふざけんなよ。ガキ!」
 男性の怒鳴り声だった。
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