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番外・後日談2
『鏡の精霊~』からの出張編 (6) *
心おきなく二人で楽しく過ごすために、休暇を合わせて小旅行を企画した。
ところがそれが中止になった上に、突然異世界へ飛ばされて。
レムレス殿の館の風呂が本当に温泉のようで、俺はテンションが上がりに上がり。
せっかくアレッシオを引きずり込んだのに、結局は普通に健全に温泉を堪能しただけというか、子猫がすぐに乱入してきたから変なことはしないまま上がることになった。
湯煙アレッシオの裸体、素晴らしかったのに……どうして俺はもっとちゃんとガン見しておかなかったんだ……!
後悔しても後の祭り。
しかもその夜は、たとえ風呂場で致そうと行為そのものが彼らにモロバレになると聞いて、何もなし。
そしてこちらの世界に戻ってきたら戻ってきたで、俺はユウマ殿とレムレス殿の接客に夢中。
一番大事なアレッシオを放置してしまっている……!
「おわかりいただけましたか?」
しっかりと頷いた。
本当に、まことに申し訳ございませんでした。
「お部屋に戻りましょうか」
それにもこくりと頷く。
出て来たばかりで気まずいけれど、いつものデートコースに先客がいるしな。
後方にいたメイドや護衛騎士の中には、ちらほら『あの二人』を気にしている者もいた。
目の錯覚じゃなく、ぼんやり発光してるもんね。
幻想的な彼らの姿に、精霊か何かかと思っている者もいそうだ。もしそうなら大当たりである。
そして俺達は部屋に戻ることになったんだが……戻った先はアレッシオの部屋だった。
アレッシオに繋いだ手を引っ張られ、気が付いたら彼の部屋にいた次第である。
俺の部屋は、子猫がグロッキーでおねんね中。……ということはつまり?
なんて俺が内心ハテナマークを飛ばしている間に、上着がどこかへポイとやられて、シャツのボタンに手をかけられていた。
「あっ? あ、アレッシオ? その、したら、彼らに筒抜けに……」
「そうですね。だから?」
「……うぁ」
ズボンを引っ張り下ろされた。
これはもう、止まらないやつだ。
俺がアレッシオを放置していたせいで、彼にはさぞ寂しく、苛立たしい思いをさせてしまったことだろう。
寛容なアレッシオに甘え過ぎた。逆の立場なら俺だって腹が立つよ。
だから余計に止められない。
わざと肌に手を這わせながらパンツを脱がされ、シャツ一枚の姿にされて、アレッシオの寝台の端に座らされた。
俺はこんなあられもない格好なのに、彼は着衣のまま。首元のクラバットと、シャツのボタンを二個外しただけ。
この対比が妙に淫靡で、ついずり下がりそうになるけれど、その前に両膝を掴まれてしまった。
―――膝頭を掴んだ大きな手に、ぐい、と左右にひらかれる。
うわっ、ま、まさか。
待って、まさか。
咄嗟にそこをシャツの裾で隠した。
「隠さないで」
「でっ、でもっ……」
「オルフェ? この手、どけてください。……邪魔です」
「~~っ」
うわあああん!
邪魔とか言いながら、アレッシオの舌が、舌が俺の手を舐めてくるうう!
ぎっちりシャツの裾を掴んだ手の甲に、ちろちろ舌を這わせたり、唇で食んだり……。
その唇と舌でこれから何をする気なのか、絶対わざとわかるようにしている。
手から伝わるぞくぞくとした感触が、これからどこに与えられるのか、俺がちゃんと理解するように。
「……どけて?」
上目遣いで、優しい口調で……でも逆らえない、強い視線と低い声。
俺はその瞳と声に従うしかなかった。
ごくりと唾を呑み、裾を掴んだままの拳をゆっくりと身体の脇に移動させ、目を逸らす。
見なくてもわかる。
俺のそこは、とうに半勃ちになっている。
アレッシオがそれをどんな目で見つめているのか、直視できない。
……どんな視線をそそがれているのか、以前うっかり見てしまったことがあるから、なおさら。
彼の吐息がそこに近付いてきて、俺はぎゅっと瞼を閉じた。
「んっ!」
先端に、生温かい舌がちろりと触れた。
最初はそこをやんわり撫でていた舌先が、やがて少し強めにくぼみの部分を抉ってくる。まるで舌を挿し込もうとするかのように。
「はっ、う……んんっ……」
痛いほどの強烈な快感が走り、そこはどんどん芯を持った。
手をどうしよう。どこに置けばいいんだろう。
シャツを掴んだ自分の手が、無意味に宙に浮いていた。
「あっ、やっ……!」
ほどよく芯の入ったそれを、口の中に取り込まれた。
ゆっくり、じっくりとなぶりながら口内に吸い込まれ、たまらずシャツを放して両手をベッドの上に突いた。
ああ、最初から手はここに置けばよかったんだ。頭の片隅でほんの一瞬そんなことを考え、今度はシーツに爪を立てる。
そしてうっかり、そこで何が起きているのかを見てしまった。
膝を掴まれ、閉じられない股間に、アレッシオの顔が埋まっている。
「ひ……」
ぶわわっ、と全身が茹であがった。
俺のそれが彼の口内へ一杯に呑み込まれ、舌がそこに絡みつき、強烈な快感を絶え間なく送り込んでくる。
はくはくと喘ぎながら、今度はそこから目を逸らせなくなってしまった。
目が潤んでくる……。
けれど彼は、不意にそこから口を離した。
「あ……?」
すっかり硬く育った俺は、決定打を与えられずに放置されている。
どうして?
ぼやけた頭で疑問符を飛ばし、瞬きをすると、目尻からぽろりと温かい雫がこぼれ落ちた。
「そんな悲しそうな顔をしないでください……先に何度も放つと、後がおつらいでしょう? あなたはこれから、私にご褒美を与えなければいけないんですから」
「……ご褒美……?」
「休暇のためにずっと我慢し、今日まで延期をさせられていた分のご褒美ですよ」
……。
俺、明日、立てる?
「あのな、アレッシオ、その、明日」
「ご安心を。ちゃんと立てますから」
ふわりと微笑みながら、「多分ね」と付け加えられた。
その微笑みがとてつもなく、不穏である。
のしかかられて、上半身を押し倒された。
背中のシャツ越しにシーツを感じながら、俺のものは暴発しないように片手の指でやんわり堰き止められ、その状態で後ろを丁寧にほぐされた。
容赦なく中の弱いところを刺激されているのに、達することは許されず、とうとう泣きながらアレッシオのそれを求めてしまった。
羞恥心をことさら煽るためにか、膝裏を掴まれ、腰が浮くほどに大きく開脚させられる。
そして求めていた場所に、切なく疼くそこへ奥まで突きこまれた。
「あっ……あ、あぁ…………」
入れられただけで、果てた。
ずっと放出の許されなかったそこから快楽の証が吐き出され、自分の腹や胸を濡らすのを感じる。
……とてつもなく、気持ちいい。
入れた瞬間に俺が達するというのを、もしかしたらアレッシオは、意図してやっているのかもしれない。
喘ぎながら彼を見上げたら、彼の鳶色の瞳がどこか、喜悦に満ちた光を帯びている気がする。
「オルフェ……」
「んっ……あっ、あっ……アレッシ、オ……」
「気持ちいいですか……?」
「そ、そんな……ひうぅっ」
優しく、優しく、ゆっくりと。
そして俺の急所を逃さず刺激しながら、彼は腰を回し込んでくる。
俺は前が完全にひらいたシャツ一枚。
そして彼は着衣のままで、ズボンの前をくつろげただけの格好。
いつもと違う、なんだか淫靡な雰囲気が増し増しのこのシチュエーションも、俺の羞恥心を煽る作戦なのか。
「やっ、ふかっ、あっ、あっ!」
「ほら。オルフェ? 言いなさい。……気持ちいい?」
「んうぅ……!」
明日のことを考えてじゃなく、行為中に俺の意識を飛ばさないようセーブしてないかおまえ!?
おかげでアレッシオのものをいっぱいに頬張ったそこが、美味しそうにきゅうきゅう食んでいるのがわかってしまった。
「オルフェ? 言わないと、いじめますよ?」
「ひんっ…………き、きもち……いい……きもちい、い……!」
きもちよくて、頭がおかしくなりそうだ。
言わされると、全身がさらにカッとなった。変なことを際限なく口走ってしまいそうで怖い。
「……ふ。私も、最高に……気持ち良くて、幸せです……」
「そ、か……よかっ……ぁ、んんっ……」
「…………」
膝裏の手が外され、抱きしめられた。
彼の唇が目尻に触れ、溢れる雫を吸い取ってくれる。
足の指先から頭のてっぺんまで、幸福感と快楽でこれでもかと満たされ、俺はすぐに何も考えられなくなってしまった。
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