プログレッシブコンキー

宮橋くれなゐ

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プロローグ

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ロンドン近郊の小さな町で静かに日々を過ごしていた都姫(ミヤビ)は、カメラのレンズを通して見る世界を静謐で美しいと感じながらも、内面に潜む葛藤に苦しんでいた。自分がオメガに変わっていくことへの恐怖と不安が、彼の心をしばしば揺さぶっていた。

ある日、姉の姫月(キヅキ)からの一通の手紙が届いた。そこにはイタリアのフィギュアスケート大会のチケットと航空券が入っていた。久しぶりに姉と会いたい気持ちと、新たな環境で心を落ち着かせるチャンスに胸を膨らませた都姫は、イタリアへの旅を決意した。

ローマへと飛び、次いでミラノへと向かう中、彼は心の中で何度も繰り返し姉との再会を思い描いた。姉弟が再会し、和気藹々と語り合う中、姉は競技のパートナーであるレンヤートを紹介してきた。背が高く、堂々とした佇まいの彼は、まさにアルファとしてのオーラを纏っていた。

都姫の新たな出会いと、未知の感情が紡ぐこの物語は、お互いに何の感情も持たないまま、少しずつその距離を縮めていく物語。
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