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ラブアンドピース
23 魔法使いが生まれる方法
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中央の都合でフラット先輩は王女の地位のまま据え置かれた。
本来なら中央待望の「魔法使いの王」として即位していいはずの人だ。
ただしそうなったら、今度は今の王様の血族が事実上排除される事になる。「魔法使いの王」の子供が次の王様になるし、仮に子供がいなくてもわざわざ今の王様…フラット先輩から見て祖父の兄弟の子孫なんて遠いところから選ぶ必要はほぼないから。
まさしく天地が引っくり返る一手。
「フラット先輩を王女にしたものの王族は扱いに困ったんでしょうねぇ。世間は何で“不遇の王女”様だけ? てなる訳ですし」
「精神病院送りにされた王弟を始め、その血族は監視付きでバラバラに配置される徹底ぶりだ。唯一フラットくんのお母上だけは、フラットくんがキーファー家へ送られるまで一緒に過ごす事が出来たようだけど……何かおかしいと、疑問を抱く者はいただろう」
「そのキーファー家が、王族が用意した言い訳って事ですよね。わろたさんも一応、納得せざるを得なかったわけですし」
「本当にね…悪知恵はよく働く」
キーファー家との政略結婚の駒にする為に王女として残したのだと理由を立てる事で世間の“不遇の王女”への関心を減らし、無くしていった。
わろたさんも当時まだ学園生と言う事もってあまり興味を持てなかったと言うし、それこそ普段の魔法師団頼りな影の薄さを上手く利用したのではないだろうか。
「だけど、王族は本気でフラット先輩をキーファー家に嫁がせるつもりだと思いますか?」
「……本心としては厄介払いできるならそうしたいと言うところだろうね。ただ」
そう。ただ…だ。
「キーファー家は独特の価値観と選考基準で後継者を選んでいると聞く。でもいくらなんでもユージン・キーファーくんがいつまでも最終候補止まりなのは流石におかしい。教科の成績は少々悪いが、彼にはそれを補って余るだけの十分な実力がある。それこそ苦手とされる書類仕事は洩れ聞く優秀な「許嫁殿」が支えれば何の問題もない。理想的な当主夫妻なるんじゃないかな」
「はい。単純に力があり過ぎるにしても、キーファー先輩と跡目争い出来る人がいるとは思えませんもん」
「おまけに「許嫁殿」がフラットくんだと知った今、尚おかしいと分かる。魔法使い2人分と競えるような候補者が他にいると言うなら、是非会ってみたいね」
「同感ですぅ。魔法使いを超える一般人、まさしくハラハラドキドキな謎と不思議の存在ですよ」
まずそんな人は存在しない。競う相手がキーファー先輩とフラット先輩なら、尚更。
『カログリア王国戦記』の劇場版第二部で作られた冊子によると、キーファー家の人達はキーファー先輩とフラット先輩の夫婦が次期当主になる事に一同で賛成していたそうだ。
5歳から預けられているフラット先輩を、キーファー家の人は既に家族として扱っている。そう言う、懐の深い一族だから。
フラット先輩も気配り上手を発揮し出来る事を積極的に行うから、その姿は跡目争いの選考基準である貢献度で言えばキーファー先輩以上と判断されている。
なのに、公式的にはキーファー先輩は最終候補止まり。
これらが指すわろたさんも言っていた辻褄とは…。
「王族はいまだに、フラット先輩の扱いに悩んでいるんですよね」
厄介払いしたいと思っているくせに、「魔法使いの王」となるフラット先輩が惜し過ぎて中央に戻す案をいつまでも捨てきれないでいる。
キーファー家もそれが分かっているから、フラット先輩が中央に取り上げられる可能性がある以上、キーファー先輩を次期当主に決定する事が出来ない。キーファー先輩が当主になるのはあくまでもフラット先輩の存在ありきだから。
「跡取り問題も絡んでいるんですから普通、そんな中途半端って許されないですよね。大人の世界なら特に」
「本当にね…良い子に触れさせたい世界ではないよ。自分達は許されると思っているんだ、そう言う意味でもキーファー家は王族にとって都合が良かった」
魔獣の生息地を管理しているキーファー家を中央は重んじているようで、内心では辺境の地の蛮族としか思っておらず、その扱いは実際のところ軽い。
“不遇の王女”を政略結婚として一方的に寄こす事も、やっぱり止めると言って取り上げる事も簡単にやってしまう。そこにキーファー家は勿論、フラット先輩の気持ちや都合なんて考慮されていない。
この中途半端な状態を、フラット先輩は自分のせいだと思っている。
当主になる為に自分と婚約したのに、自分のせいでキーファー先輩が当主になれないでいる…と。キーファー家に対しても迷惑を掛けて申し訳ないとも思っているのだ。
「これも辻褄の話だが。近年、王族の結婚話が盛んでね。さっきも言ったようにここ数代、王族に魔力適性を持った子供は生まれていない。でも統計的にそろそろ生まれてもおかしくないから、あわよくばその親になれると目論む者達が王族にすり寄っている…と思っていた」
だけどフラット先輩の存在を知ったら全く別の見方が出てきたと、わろたさんはクスリと笑う。
「王族は今、自分達の血筋から魔力適性を持つ子供を生み出そうと必死なんだ。フラットくんの存在価値を無くすべく、その可能性を少しでも上げられる相手を躍起になって探している」
「フラット先輩的には、いっそ生まれてくれた方が幸せでしょうねぇ」
「そうかもね。でも望んで叶う類のものなら初めから苦労していない」
魔力適性を持った子供はいつ何処で生まれるか分からない。
だけど実は絶対に生まれる方法が一つと、統計ではあるけど可能性を上げる方法が一つ存在する。
それが血筋だ。
絶対の方は単純、両親が共に魔法使いの場合。
生まれてくる子は確実に魔法適性を持っている。それも魔力量が多い等、何らかの能力が通常より秀でた魔法使いになる。
実は『テフル魔法学園生シシー』の主人公シシー・サングリエがこれに当たる。まだ1年生で能力差ははっきりと表れていないし、ほのぼのギャクの楽しい児童書である『テフル魔法学園生シシー』において他者との優劣差を強調するようなお話は少ないけど、所謂「主人公補正」はシシーの場合これで片付けられている。
絶対に、しかもより優秀な魔法使いが生まれてくるのなら最初から魔法使い同士で結婚して沢山子供を作ればいい、と言いたいところだけどこの方法には一つ問題がある。
出生率が低いのだ。
魔法使い同士の夫婦では子供は1人か、せいぜい2人。生まれないのも珍しくない。
いくらより優秀な魔法使いが生まれるとしても、魔法使いの絶対数は増えないどころか減ってしまう。
だから国も魔法使い同士の結婚に反対こそしないが推奨もしない。
優秀な魔法使いが生まれる事を期待するのと同時に、魔法使いの血筋が広く行き渡る事を望んでいるから。
親が魔法使いと一般人の場合、その子供が魔力適性を持って生まれてくる可能性は通常と変わらなくなる。つまり殆ど生まれない。でもその子孫に魔力適性が現れる可能性は、一般人同士の結婚を繰り返している血筋よりかなり大きくなる。
これがもう一つの、可能性を上げる方法である。
あくまでも可能性…統計上の話だけど、テフル魔法学園に入学してくる学園生は毎年30人前後。少ないようでこの数が保たれ続けているのは王国中に魔法使いの血筋が行き渡っているから、と言えるだろう。
「もう一つ、王族の結婚話に関係しての噂話がある。辻褄が合うのだとしたら、あまり気分の良い話ではないが」
「そんな言い方されたら気になってドキドキしますよぉ、教えてください」
「最近、王太子妃や子供を産んだ王族の女性達が体調を崩しているらしい。でも王宮付きの医師達にそれらしい動きはないし、何らかの病が流行っているのならルシアくんが呼ばれていいはずなのにその様子も見られない。妙だと思っていた」
「思っていたけど辻褄が合ったって事は、本当に体調を崩されている可能性が高く、その原因もルシア先輩が呼ばれない理由にも思い当たったと?」
「多分だけど、魔力適性を持った子供を産めなかった事を女性達は責められているんだよ。精神を病む程に」
「うわぁ…」
うわぁ…。本音がそのまま口から出た。
「魔法使いの王」を切望している王族も定期的に魔法使いと結婚する事で、魔力適性を持つ子供が生まれる可能性を上げようとしてきた。
そして統計上そろそろと言う頃であり、そのそろそろで生まれたのがフラット先輩だ。
逆を言えばフラット先輩が生まれた以上、統計上は当分王族に魔力適性を持った子供は生まれない。
「おまけで言うと、現在の王族の中でフラットくんの事を知っている人間はどれだけいるのだろうね? もし何も知らずに王太子妃達が責められているのだとしたら…」
「わぁ~聞きたくなかったけど詳しく知りたくなるハラハラなおまけ情報ですねぇ」
本来なら中央待望の「魔法使いの王」として即位していいはずの人だ。
ただしそうなったら、今度は今の王様の血族が事実上排除される事になる。「魔法使いの王」の子供が次の王様になるし、仮に子供がいなくてもわざわざ今の王様…フラット先輩から見て祖父の兄弟の子孫なんて遠いところから選ぶ必要はほぼないから。
まさしく天地が引っくり返る一手。
「フラット先輩を王女にしたものの王族は扱いに困ったんでしょうねぇ。世間は何で“不遇の王女”様だけ? てなる訳ですし」
「精神病院送りにされた王弟を始め、その血族は監視付きでバラバラに配置される徹底ぶりだ。唯一フラットくんのお母上だけは、フラットくんがキーファー家へ送られるまで一緒に過ごす事が出来たようだけど……何かおかしいと、疑問を抱く者はいただろう」
「そのキーファー家が、王族が用意した言い訳って事ですよね。わろたさんも一応、納得せざるを得なかったわけですし」
「本当にね…悪知恵はよく働く」
キーファー家との政略結婚の駒にする為に王女として残したのだと理由を立てる事で世間の“不遇の王女”への関心を減らし、無くしていった。
わろたさんも当時まだ学園生と言う事もってあまり興味を持てなかったと言うし、それこそ普段の魔法師団頼りな影の薄さを上手く利用したのではないだろうか。
「だけど、王族は本気でフラット先輩をキーファー家に嫁がせるつもりだと思いますか?」
「……本心としては厄介払いできるならそうしたいと言うところだろうね。ただ」
そう。ただ…だ。
「キーファー家は独特の価値観と選考基準で後継者を選んでいると聞く。でもいくらなんでもユージン・キーファーくんがいつまでも最終候補止まりなのは流石におかしい。教科の成績は少々悪いが、彼にはそれを補って余るだけの十分な実力がある。それこそ苦手とされる書類仕事は洩れ聞く優秀な「許嫁殿」が支えれば何の問題もない。理想的な当主夫妻なるんじゃないかな」
「はい。単純に力があり過ぎるにしても、キーファー先輩と跡目争い出来る人がいるとは思えませんもん」
「おまけに「許嫁殿」がフラットくんだと知った今、尚おかしいと分かる。魔法使い2人分と競えるような候補者が他にいると言うなら、是非会ってみたいね」
「同感ですぅ。魔法使いを超える一般人、まさしくハラハラドキドキな謎と不思議の存在ですよ」
まずそんな人は存在しない。競う相手がキーファー先輩とフラット先輩なら、尚更。
『カログリア王国戦記』の劇場版第二部で作られた冊子によると、キーファー家の人達はキーファー先輩とフラット先輩の夫婦が次期当主になる事に一同で賛成していたそうだ。
5歳から預けられているフラット先輩を、キーファー家の人は既に家族として扱っている。そう言う、懐の深い一族だから。
フラット先輩も気配り上手を発揮し出来る事を積極的に行うから、その姿は跡目争いの選考基準である貢献度で言えばキーファー先輩以上と判断されている。
なのに、公式的にはキーファー先輩は最終候補止まり。
これらが指すわろたさんも言っていた辻褄とは…。
「王族はいまだに、フラット先輩の扱いに悩んでいるんですよね」
厄介払いしたいと思っているくせに、「魔法使いの王」となるフラット先輩が惜し過ぎて中央に戻す案をいつまでも捨てきれないでいる。
キーファー家もそれが分かっているから、フラット先輩が中央に取り上げられる可能性がある以上、キーファー先輩を次期当主に決定する事が出来ない。キーファー先輩が当主になるのはあくまでもフラット先輩の存在ありきだから。
「跡取り問題も絡んでいるんですから普通、そんな中途半端って許されないですよね。大人の世界なら特に」
「本当にね…良い子に触れさせたい世界ではないよ。自分達は許されると思っているんだ、そう言う意味でもキーファー家は王族にとって都合が良かった」
魔獣の生息地を管理しているキーファー家を中央は重んじているようで、内心では辺境の地の蛮族としか思っておらず、その扱いは実際のところ軽い。
“不遇の王女”を政略結婚として一方的に寄こす事も、やっぱり止めると言って取り上げる事も簡単にやってしまう。そこにキーファー家は勿論、フラット先輩の気持ちや都合なんて考慮されていない。
この中途半端な状態を、フラット先輩は自分のせいだと思っている。
当主になる為に自分と婚約したのに、自分のせいでキーファー先輩が当主になれないでいる…と。キーファー家に対しても迷惑を掛けて申し訳ないとも思っているのだ。
「これも辻褄の話だが。近年、王族の結婚話が盛んでね。さっきも言ったようにここ数代、王族に魔力適性を持った子供は生まれていない。でも統計的にそろそろ生まれてもおかしくないから、あわよくばその親になれると目論む者達が王族にすり寄っている…と思っていた」
だけどフラット先輩の存在を知ったら全く別の見方が出てきたと、わろたさんはクスリと笑う。
「王族は今、自分達の血筋から魔力適性を持つ子供を生み出そうと必死なんだ。フラットくんの存在価値を無くすべく、その可能性を少しでも上げられる相手を躍起になって探している」
「フラット先輩的には、いっそ生まれてくれた方が幸せでしょうねぇ」
「そうかもね。でも望んで叶う類のものなら初めから苦労していない」
魔力適性を持った子供はいつ何処で生まれるか分からない。
だけど実は絶対に生まれる方法が一つと、統計ではあるけど可能性を上げる方法が一つ存在する。
それが血筋だ。
絶対の方は単純、両親が共に魔法使いの場合。
生まれてくる子は確実に魔法適性を持っている。それも魔力量が多い等、何らかの能力が通常より秀でた魔法使いになる。
実は『テフル魔法学園生シシー』の主人公シシー・サングリエがこれに当たる。まだ1年生で能力差ははっきりと表れていないし、ほのぼのギャクの楽しい児童書である『テフル魔法学園生シシー』において他者との優劣差を強調するようなお話は少ないけど、所謂「主人公補正」はシシーの場合これで片付けられている。
絶対に、しかもより優秀な魔法使いが生まれてくるのなら最初から魔法使い同士で結婚して沢山子供を作ればいい、と言いたいところだけどこの方法には一つ問題がある。
出生率が低いのだ。
魔法使い同士の夫婦では子供は1人か、せいぜい2人。生まれないのも珍しくない。
いくらより優秀な魔法使いが生まれるとしても、魔法使いの絶対数は増えないどころか減ってしまう。
だから国も魔法使い同士の結婚に反対こそしないが推奨もしない。
優秀な魔法使いが生まれる事を期待するのと同時に、魔法使いの血筋が広く行き渡る事を望んでいるから。
親が魔法使いと一般人の場合、その子供が魔力適性を持って生まれてくる可能性は通常と変わらなくなる。つまり殆ど生まれない。でもその子孫に魔力適性が現れる可能性は、一般人同士の結婚を繰り返している血筋よりかなり大きくなる。
これがもう一つの、可能性を上げる方法である。
あくまでも可能性…統計上の話だけど、テフル魔法学園に入学してくる学園生は毎年30人前後。少ないようでこの数が保たれ続けているのは王国中に魔法使いの血筋が行き渡っているから、と言えるだろう。
「もう一つ、王族の結婚話に関係しての噂話がある。辻褄が合うのだとしたら、あまり気分の良い話ではないが」
「そんな言い方されたら気になってドキドキしますよぉ、教えてください」
「最近、王太子妃や子供を産んだ王族の女性達が体調を崩しているらしい。でも王宮付きの医師達にそれらしい動きはないし、何らかの病が流行っているのならルシアくんが呼ばれていいはずなのにその様子も見られない。妙だと思っていた」
「思っていたけど辻褄が合ったって事は、本当に体調を崩されている可能性が高く、その原因もルシア先輩が呼ばれない理由にも思い当たったと?」
「多分だけど、魔力適性を持った子供を産めなかった事を女性達は責められているんだよ。精神を病む程に」
「うわぁ…」
うわぁ…。本音がそのまま口から出た。
「魔法使いの王」を切望している王族も定期的に魔法使いと結婚する事で、魔力適性を持つ子供が生まれる可能性を上げようとしてきた。
そして統計上そろそろと言う頃であり、そのそろそろで生まれたのがフラット先輩だ。
逆を言えばフラット先輩が生まれた以上、統計上は当分王族に魔力適性を持った子供は生まれない。
「おまけで言うと、現在の王族の中でフラットくんの事を知っている人間はどれだけいるのだろうね? もし何も知らずに王太子妃達が責められているのだとしたら…」
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