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ラブアンドピース
24 かくして計画は決まった
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「王族関係の情報は噂も含めてあまり持っていないようだね」
「そうですねぇ。フラット先輩に直接関係する話だけです」
私が知っているのは『カログリアシリーズ』に出てきた話と、ファンがまとめてくれた情報が全て。カログリア王国住民として13年培った私自身の知識よりよっぽど多い。
でもその膨大な情報を持ってしても今の王様達に関するものは殆どない。
理由は簡単で、登場していないから。
カログリア王国に暮らしていても庶民は接点ないし…。王女様が生まれたとか、誰それ様が王族から外れるとか、新しい王様が即位なされたとか、そのくらいである。
王女としてのフラット先輩についてファンも色々と考察しているけど、原作者が「ご想像にお任せします」としか言わないから想像の域を出ない。
だからわろたさんと話して答え合わせが出来るのはとてもありがたいし、新しい情報を教えてもらえて実に興味深い。
それで分かったのは、ファンの考察は殆ど外れていないって事。流石ファンの方々。
とは言え、流石なファンの方々でも情報ゼロの状態じゃ結婚話や体調不良話は予想しようもない。事実は小説より奇なり。なんて言葉もあるけど、王族の現実が思っていた以上にヤバかった。
精神的な病気でもルシア先輩は診る事が出来る。でも理由が理由だから、王族は詳しい事情が洩れるのを恐れて体調を崩している女性達をルシア先輩は勿論、王宮付きのお医者さんにすら碌に診させていないのだろう。
可哀想だ。魔力適性を持った子供を産めるかなんて、母親個人にはどうしようもないのに。
これでフラット先輩の事を知っていて黙っている人達と諸共吹っ飛んだ…だなんて。待ち受ける未来が無慈悲すぎる。
「体調を崩している人を放置なんてあり得ません。救護クラブの一員としても何とかしたいです」
「救護クラブさんならそう思うだろうけど、でも残念ながらどうしようもないよ。女性達が体調を崩しているのはあくまでも噂。いくら聖女ルシア・ヴァーチュでも噂だけで王宮へ診察に乗り込む事はできない」
「…ですねぇ。でも、そもそもの原因に何らかの手を打てれば、何かが変わるかもしれません」
「そもそも? …あ」
「はい、そろそろ戻りましょう。ラブアンドピースにぃ」
「そうだね、王族の話が些か面白…興味深くてつい話し込んでしまったが、そろそろ戻ろうか」
うん。ドン引きする話ではあったけど、実にハラハラドキドキする話だった。
でもこの場の本題はラブアンドピース。
キーファー先輩とフラット先輩の恋愛成就なの! 王族はあくまでも前提の話!
切り替えて、私!
「えぇっと王族の事情は出揃ったと言う事で、それに振り回されるフラット先輩です。中央がフラット先輩を諦めない限りは、キーファー先輩との婚約は引き延ばされ続けるのではないでしょうか」
「その可能性は大きいね。理由についてはキーファーくんが正式に当主になってからとでも言えば、責任はキーファー家に押し付けられる」
流石わろたさん、すぐに正解を出す。
実際に6年後の『カログリア王国戦記』でも2人はまだ結婚していなかった。キーファー家の代替わりに際して結婚する予定…にはなっていたけど中央からひたすら引き延ばされていたようだ。
その様子から見ても、6年掛けても新しい魔力適性を持った子供は王族に生まれていない事が分かる。
この時、フラット先輩は22歳。
そして戦争が起きる。
トラモントを潰しに動いた中央に対して、わろたさんは先制の一撃でもって応えた。
最終兵器による高出力の魔力光線砲。
攻撃は首都メディウムの王宮を直撃し、国王を始め多くの王族、有力者は一瞬で吹き飛ばされた。
未曾有の大惨事。この有事に対処すべく残った中央の有力者が急遽立て、担ぎ上げたのが「魔法使いの王」……つまりフラット先輩である。
「大変不敬ではありますが、もし何か大変な事が起きたとしたらフラット先輩は中央に戻されますよね」
「…そうだね。「魔法使いの王」が必要となる程の大変な事が起きたら、そうなるだろう」
「それ程の大変な事を前に、フラット先輩も躊躇わずに役目を受け入れるはずです。そう言う人ですからぁ」
混乱を治めるべく、カログリア王国の為にフラット先輩は要請を受け入れ中央に戻った。
たった1人で…。
「さっき言いましたが、フラット先輩はキーファー先輩の望みが当主になる事だと思っています。おまけに結婚前なら尚更、キーファー先輩に中央へ一緒に来てとは言えません」
「中央も結婚前ならわざわざキーファーくんを王配に据える必要はないとするだろうね。「魔法使いの王」が必要となる程の大変な事が起きているんだ、婚約破棄の理由にも困らないだろう」
新しい婚約者を迎えて今度こそ当主におなり下さい。そう言ってフラット先輩はキーファー先輩に背を向けた。
「でもローリくんはこうも言ったよね。キーファーくんの本当の望みはフラットくんだと。中央へ行く事に躊躇う性格でもないだろうし」
「その性格…なんでしょうねぇ」
「うん?」
「えぇと、キーファー先輩の望みをもっと正確に言うとですね…」
私はキーファー先輩の本当の望み…フラット先輩への想いをわろたさんに教えた。
それは『カログリア王国戦記』劇場版第二部のラストでキーファー先輩が自らフラット先輩に語って聞かせた言葉でもある。
同時に、それが2人の最期のやり取り。
2人の関係ばかりは戦争を回避できても、中央の都合でどう転ぶか分からない。
でも2人の仲が成就さえしていれば…未来が変わる可能性は、大いにある。
「最悪ユージンが攫っちゃえばよくね?」とは考察スレッドにあったファンの言葉だ。だったらそうなるように…。
私が言い終わると、わろたさんは天を仰ぎながら感嘆の声を漏らした。
「はーーー成程ねぇ…。そこまで献身的に想いを捧げられる人間になれる自信はないな」
「でもそれが、キーファー先輩なんです。陽気で豪快な人だから、その気持ちをちゃんと言葉にして伝えるって事をしないんですよね。照れているとかじゃなくて、キーファー先輩にとっては当たり前だから」
「あぁ確かに、彼はそうだろうね。そしてフラットくんはそこまでの想いを寄せられている事に気付いていない、と」
「はい。フラット先輩にキーファー先輩の当たり前の想いを知ってもらう、これが今回のラブアンドピースだと思っています。ですけどぉ…」
「ラリオくんとフィオーレくん達より難易度が高いと言った理由が分かったよ。さて…どうしようか」
そう、長い前振りを経てやっと本題に辿り着けたわけなのだけど、どうしたものか…である。
フラット先輩にキーファー先輩の想いを知ってもらう、と言うのはファンが考えて出した2人の悲恋を回避する方法。キーファー先輩の想いを知ればフラット先輩も自分の望みをちゃんと口にするはず。そしてキーファー先輩はその望みを必ず叶える。
制限時間はフラット先輩が中央に戻されるまで。一見、6年生が卒業するまでに、だった前回と比べて時間が長く難易度は低いように思えるかもしれない。
ところがどっこい。
フラット先輩が“不遇の王女”である事実は知らない体でいなければならいとしたら、どうだろう?
前回はラリオ先輩に直接フィオーレ先輩の想いを教えた訳だけど、今回はどう切り出せばいい?
もし私が“不遇の王女”とフラット先輩が同一人物だと知っている事を知られたら……キーファー先輩が私をどうするかは想像もできない。
まず何処で知ったのかと確実に詰められる。絶対に逃げられない。
でも知らない体でいられたとしても、言えるのは精々「フラット先輩はキーファー先輩の事が好きみたいですよ」くらいだ。こんなの恋愛に興味津々な1年生の勘違いお節介で終わるから。真面目に取り合わないとか「私には許嫁殿がいるから、ディーの想いには応えられない」とか言って誤魔化されるだけだから。それで終わったら作戦失敗じゃん!
もう一度言う。
どう切り出せばいいの!?
そんな事情だから、ラブアンドピースの最初の対象にフラット先輩とキーファー先輩は選べなかった。
自分の正面に座るわろたさんを私は見た。
私1人じゃ一生掛かっても分からないままかもしれないけど、わろたさんなら…。
わろたさんは腕を組みながら考えている様子だ。
トントンと指が腕を軽く叩いていた。
「……まぁ。なるようになるか、な?」
「妙案が御有りで!?」
「流石に私1人じゃ難しいから、ローリくんにも手伝ってもらいたい」
「勿論喜んで!」
「うん。では、フラットくんを一箇所に留める役は頼んだよ」
「はいぃ! ………はいぃ?」
こうして私は絶好の休日日和に、わろたさんがキーファー先輩を捕まえて場所と話を誘導するまでフラット先輩の相手を1人で頑張ったのであった。
果たして、その成果は…。
「そうですねぇ。フラット先輩に直接関係する話だけです」
私が知っているのは『カログリアシリーズ』に出てきた話と、ファンがまとめてくれた情報が全て。カログリア王国住民として13年培った私自身の知識よりよっぽど多い。
でもその膨大な情報を持ってしても今の王様達に関するものは殆どない。
理由は簡単で、登場していないから。
カログリア王国に暮らしていても庶民は接点ないし…。王女様が生まれたとか、誰それ様が王族から外れるとか、新しい王様が即位なされたとか、そのくらいである。
王女としてのフラット先輩についてファンも色々と考察しているけど、原作者が「ご想像にお任せします」としか言わないから想像の域を出ない。
だからわろたさんと話して答え合わせが出来るのはとてもありがたいし、新しい情報を教えてもらえて実に興味深い。
それで分かったのは、ファンの考察は殆ど外れていないって事。流石ファンの方々。
とは言え、流石なファンの方々でも情報ゼロの状態じゃ結婚話や体調不良話は予想しようもない。事実は小説より奇なり。なんて言葉もあるけど、王族の現実が思っていた以上にヤバかった。
精神的な病気でもルシア先輩は診る事が出来る。でも理由が理由だから、王族は詳しい事情が洩れるのを恐れて体調を崩している女性達をルシア先輩は勿論、王宮付きのお医者さんにすら碌に診させていないのだろう。
可哀想だ。魔力適性を持った子供を産めるかなんて、母親個人にはどうしようもないのに。
これでフラット先輩の事を知っていて黙っている人達と諸共吹っ飛んだ…だなんて。待ち受ける未来が無慈悲すぎる。
「体調を崩している人を放置なんてあり得ません。救護クラブの一員としても何とかしたいです」
「救護クラブさんならそう思うだろうけど、でも残念ながらどうしようもないよ。女性達が体調を崩しているのはあくまでも噂。いくら聖女ルシア・ヴァーチュでも噂だけで王宮へ診察に乗り込む事はできない」
「…ですねぇ。でも、そもそもの原因に何らかの手を打てれば、何かが変わるかもしれません」
「そもそも? …あ」
「はい、そろそろ戻りましょう。ラブアンドピースにぃ」
「そうだね、王族の話が些か面白…興味深くてつい話し込んでしまったが、そろそろ戻ろうか」
うん。ドン引きする話ではあったけど、実にハラハラドキドキする話だった。
でもこの場の本題はラブアンドピース。
キーファー先輩とフラット先輩の恋愛成就なの! 王族はあくまでも前提の話!
切り替えて、私!
「えぇっと王族の事情は出揃ったと言う事で、それに振り回されるフラット先輩です。中央がフラット先輩を諦めない限りは、キーファー先輩との婚約は引き延ばされ続けるのではないでしょうか」
「その可能性は大きいね。理由についてはキーファーくんが正式に当主になってからとでも言えば、責任はキーファー家に押し付けられる」
流石わろたさん、すぐに正解を出す。
実際に6年後の『カログリア王国戦記』でも2人はまだ結婚していなかった。キーファー家の代替わりに際して結婚する予定…にはなっていたけど中央からひたすら引き延ばされていたようだ。
その様子から見ても、6年掛けても新しい魔力適性を持った子供は王族に生まれていない事が分かる。
この時、フラット先輩は22歳。
そして戦争が起きる。
トラモントを潰しに動いた中央に対して、わろたさんは先制の一撃でもって応えた。
最終兵器による高出力の魔力光線砲。
攻撃は首都メディウムの王宮を直撃し、国王を始め多くの王族、有力者は一瞬で吹き飛ばされた。
未曾有の大惨事。この有事に対処すべく残った中央の有力者が急遽立て、担ぎ上げたのが「魔法使いの王」……つまりフラット先輩である。
「大変不敬ではありますが、もし何か大変な事が起きたとしたらフラット先輩は中央に戻されますよね」
「…そうだね。「魔法使いの王」が必要となる程の大変な事が起きたら、そうなるだろう」
「それ程の大変な事を前に、フラット先輩も躊躇わずに役目を受け入れるはずです。そう言う人ですからぁ」
混乱を治めるべく、カログリア王国の為にフラット先輩は要請を受け入れ中央に戻った。
たった1人で…。
「さっき言いましたが、フラット先輩はキーファー先輩の望みが当主になる事だと思っています。おまけに結婚前なら尚更、キーファー先輩に中央へ一緒に来てとは言えません」
「中央も結婚前ならわざわざキーファーくんを王配に据える必要はないとするだろうね。「魔法使いの王」が必要となる程の大変な事が起きているんだ、婚約破棄の理由にも困らないだろう」
新しい婚約者を迎えて今度こそ当主におなり下さい。そう言ってフラット先輩はキーファー先輩に背を向けた。
「でもローリくんはこうも言ったよね。キーファーくんの本当の望みはフラットくんだと。中央へ行く事に躊躇う性格でもないだろうし」
「その性格…なんでしょうねぇ」
「うん?」
「えぇと、キーファー先輩の望みをもっと正確に言うとですね…」
私はキーファー先輩の本当の望み…フラット先輩への想いをわろたさんに教えた。
それは『カログリア王国戦記』劇場版第二部のラストでキーファー先輩が自らフラット先輩に語って聞かせた言葉でもある。
同時に、それが2人の最期のやり取り。
2人の関係ばかりは戦争を回避できても、中央の都合でどう転ぶか分からない。
でも2人の仲が成就さえしていれば…未来が変わる可能性は、大いにある。
「最悪ユージンが攫っちゃえばよくね?」とは考察スレッドにあったファンの言葉だ。だったらそうなるように…。
私が言い終わると、わろたさんは天を仰ぎながら感嘆の声を漏らした。
「はーーー成程ねぇ…。そこまで献身的に想いを捧げられる人間になれる自信はないな」
「でもそれが、キーファー先輩なんです。陽気で豪快な人だから、その気持ちをちゃんと言葉にして伝えるって事をしないんですよね。照れているとかじゃなくて、キーファー先輩にとっては当たり前だから」
「あぁ確かに、彼はそうだろうね。そしてフラットくんはそこまでの想いを寄せられている事に気付いていない、と」
「はい。フラット先輩にキーファー先輩の当たり前の想いを知ってもらう、これが今回のラブアンドピースだと思っています。ですけどぉ…」
「ラリオくんとフィオーレくん達より難易度が高いと言った理由が分かったよ。さて…どうしようか」
そう、長い前振りを経てやっと本題に辿り着けたわけなのだけど、どうしたものか…である。
フラット先輩にキーファー先輩の想いを知ってもらう、と言うのはファンが考えて出した2人の悲恋を回避する方法。キーファー先輩の想いを知ればフラット先輩も自分の望みをちゃんと口にするはず。そしてキーファー先輩はその望みを必ず叶える。
制限時間はフラット先輩が中央に戻されるまで。一見、6年生が卒業するまでに、だった前回と比べて時間が長く難易度は低いように思えるかもしれない。
ところがどっこい。
フラット先輩が“不遇の王女”である事実は知らない体でいなければならいとしたら、どうだろう?
前回はラリオ先輩に直接フィオーレ先輩の想いを教えた訳だけど、今回はどう切り出せばいい?
もし私が“不遇の王女”とフラット先輩が同一人物だと知っている事を知られたら……キーファー先輩が私をどうするかは想像もできない。
まず何処で知ったのかと確実に詰められる。絶対に逃げられない。
でも知らない体でいられたとしても、言えるのは精々「フラット先輩はキーファー先輩の事が好きみたいですよ」くらいだ。こんなの恋愛に興味津々な1年生の勘違いお節介で終わるから。真面目に取り合わないとか「私には許嫁殿がいるから、ディーの想いには応えられない」とか言って誤魔化されるだけだから。それで終わったら作戦失敗じゃん!
もう一度言う。
どう切り出せばいいの!?
そんな事情だから、ラブアンドピースの最初の対象にフラット先輩とキーファー先輩は選べなかった。
自分の正面に座るわろたさんを私は見た。
私1人じゃ一生掛かっても分からないままかもしれないけど、わろたさんなら…。
わろたさんは腕を組みながら考えている様子だ。
トントンと指が腕を軽く叩いていた。
「……まぁ。なるようになるか、な?」
「妙案が御有りで!?」
「流石に私1人じゃ難しいから、ローリくんにも手伝ってもらいたい」
「勿論喜んで!」
「うん。では、フラットくんを一箇所に留める役は頼んだよ」
「はいぃ! ………はいぃ?」
こうして私は絶好の休日日和に、わろたさんがキーファー先輩を捕まえて場所と話を誘導するまでフラット先輩の相手を1人で頑張ったのであった。
果たして、その成果は…。
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