リストラ宣告の代償 ―横領令嬢を種漬けにする復讐録―

小林ユキ

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失墜のトライアングル ―横領、不倫、そして三沢という名の絶対的な枷―

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 午後のオフィス。絵里奈の顔色は紙のように白く、時折、昨夜三沢に焦らされた「疼き」を抑えるように机を固く握りしめていた。
「九条君、顔色が悪いぞ。無理はいかん、少し休みなさい」
 声をかけてきたのは、木村部長だ。彼は人格者を装っているが、その目は以前から絵里奈の肢体をねっとりと舐めるように見ていた。

「いえ、大丈夫です……」
「いいから。医務室まで肩を貸そう」

 木村は拒絶を許さぬ力強さで絵里奈の肩を抱き寄せた。絵里奈は、男性の体温に触れただけで、昨夜三沢に焦らされた乳房がズキリと熱くなるのを感じ、抵抗する気力を失っていた。

 静まり返った医務室。カーテンで仕切られたベッドの上で、木村の親切はすぐに欲望へと姿を変えた。
「九条君……君も辛いんだろう? 私が癒してあげるよ」
「部長、やめてください……ここは会社……」
 形式的な抵抗は、木村の強引な愛撫にすぐに塗りつぶされた。三沢に開発されきった絵里奈の身体は、木村の稚拙な愛撫にすら過剰に反応してしまう。

 木村は妻帯者の余裕と背徳感に酔いしれながら、絵里奈を貪った。

「内緒だぞ、九条君。これは二人だけの秘密だ」

 絶頂の余韻の中で、木村は満足げに囁く。絵里奈は虚ろな目で頷いた。彼女の心には「三沢以外の男に抱かれた」という罪悪感よりも、三沢に注がれなかった飢えを一時的に凌いだという、泥沼のような安堵感しかなかった。

 だが、二人は気づいていなかった。
 医務室の備品棚の隙間に、一台の小型カメラが仕掛けられていたことに。そして、その映像を別室で冷たく見つめる男がいることに。

 三沢は、タブレット越しに映し出される絵里奈の醜態を眺め、静かに口角を上げた。
「……いい表情だ、九条。まさか部長程度で満足したわけじゃないだろう?」

 三沢がわざと膣内に入れない「焦らし」を行ったのは、彼女が他の男に救いを求めることまで計算に入れた上でのことだった。これで、彼女には「横領」に加えて「社内不倫」という、さらなる逃げ場のない枷が嵌められたのだ。

 翌日、三沢は平然とした顔で絵里奈に一つの動画ファイルを送りつけた。
 差出人の名前を見るだけで指先を震わせる絵里奈。再生した瞬間、彼女の喉から短い悲鳴が漏れた。そこには、木村部長の下で淫らな声を上げる自分の姿が鮮明に記録されていた。

 直後に、三沢から電話が入る。

「面白い余興だったな、九条。……部長の種はどうだった? 俺のと比べて、随分と軽かったんじゃないか?」
「あ……あぁ……っ……」

 三沢からの電話を切った絵里奈は、送られてきた動画を前に、最早泣き叫ぶことすらできなかった。
「あ……ああ……」
 その虚ろな目に映るのは、会社の医務室で、木村部長の下で喘ぐ自分の姿。そして、昨夜の「生殺し」の焦らしが招いた、あまりにも代償の大きい過ち。

 同時に、木村部長もまた、自身のデスクで震え上がっていた。
 差出人不明のメール。添付された動画は、彼が絵里奈を抱いた背徳の瞬間を鮮明に捉えていた。
 直後、彼のスマホにも三沢からの着信が入る。

「……今夜、九条さんと一緒に例のホテルに来い。部屋は1204だ。逆らえば、この動画が君の奥さんにも、社長にも届くぞ」

 夜。1204号室の扉を開けた二人は、まるで罪人のように項垂れた。

 部屋の中央には一台の小型カメラが据えられ、ベッドサイドのテーブルには、昨日使われた汚れたシーツがわざとらしく置かれている。

「よく来たな、二人とも」

 三沢はソファに深く腰掛け、不気味な笑みを浮かべた。

「み、三沢君……これはその、誤解なんだ。九条君が体調を崩していたから、介抱していただけで……」
「黙れ。言い訳は不要だ。……さっさとやれ。お前たちの、あの『二人だけの秘密』とやらを、俺の前で再現してみせろ」

 絵里奈の身体は、木村の硬い指が触れた瞬間、拒絶を示すように粟立った。

(違う……っ! この感触じゃない……! 三沢さんの、あの熱量じゃなきゃ……っ!)

 昨夜、三沢の圧倒的な「量」と「連射」を植え付けられた身体は、木村の拙い愛撫では一切反応しない。
 まるで機能不全に陥ったかのように、快感のスイッチが入らないのだ。

「ぐっ……!? 九条君、どうしたんだ。もっと……」

 木村もまた、三沢の冷たい視線に晒され、恐怖で身体が萎縮していく。

 三沢が「撮られている」ことを明確に意識させるように、カメラの向きを調整する音が響く。その瞬間に、木村の剛直は完全に力を失い、中折れしてしまった。

「ははっ、酷い有り様だな。部長殿、まさかこの程度で満足しているのか? …それとも、俺の種を浴びた女は、お前のような半端者ではもう満足できないとでも言うのか?」

 三沢は立ち上がり、中折れした木村の股間を嘲笑うかのように蹴りつけた。

「そんな萎えたモノで、俺の九条を汚すんじゃない」

 三沢は絵里奈の顎を掴み、無理やり自分を見上げさせた。

「よく見ておけ、九条。お前を汚せるのは、この世で俺だけだ。……さあ、口を開けろ。お前の身体を、本当に『浄化』してやる」

 三沢の肉体が、昨夜以上の熱量と、狂気的なまでの脈動を孕んで、絵里奈の目の前に突きつけられる。
 木村部長は、ただ膝を抱えてその光景を震えながら見つめることしかできなかった。

 彼の目の前で、絵里奈は「誰のモノか」を、再び身体に刻み込まれようとしていた。
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