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そう。この者たちが爆弾事件をでっち上げたのだ。
度の強いメガネをかけているのが、秘密組織『青山見守り会』、別名『青山澄香ファンクラブ』の創立者であり、ファンクラブ会員番号1番の大崎慎也。
彼と話をしていて、現場に留まるように指示されたのが『青山澄香ファンクラブ』会員番号4番の河原翔太。どちらかというと個性の強いオタクの集まりの中にあって一般人に近い男だ。
その他には『青山澄香ファンクラブ』会員番号2番の平と3番の森下、5番の木村がいる。平と森下はターゲットである青山澄香を見失い、血眼になってその行方を捜し回っている。
何しろ爆弾騒ぎは青山澄香を守るために行われたのだから、その青山を見失って作戦が失敗することなど許されないのだ。
ちなみに会員番号5番の木村は、『青山澄香ファンクラブ』の会員登録直後に同級生から告白されて付き合うようになったので、一度も会の活動に顔を出すことなく幽霊会員となっている。他の会員たちは会員番号5番の名前どころかその存在さえも忘れ去っているようだ。
一人取り残された河原はボケっと突っ立て、時折物々しい装備の警察官が動き回るのを見ていた。
「よっ、まだこんなところにいるの?」
不意に声をかけられ、驚いて振り向いた。
そこには同じクラスの野村と村沢がいた。二人共ジャージ姿だ。
「まだって、心配だから見てんだよ。爆弾が爆発したら大事だ」
「お前、爆弾のこと信じてんの? 嘘だろ?」
村沢が話す。
「信じてない。とは言えない。それよりお前らその格好はどうした?」
「一度家に帰って着替えてきた。部活ならしてもいいっていうから、運動公園のグラウンド借りて練習してきたんだよ。その間お前はずっとここにいたのか?」
「そうだよ。いいじゃんか」
不貞腐れたように河原が言った。
「様子見に来てみたんだけど、やっぱり何もなさそうだ。俺達は帰るわ」
村沢が野村に合図する。
「俺も帰る」
河原は二人を追いかけるようにして歩き出した。
三人は街の通りを歩き、近道になる公園へと入っていった。
河原が何気なく横を見て足を止めた。
野村と村沢はそんな様子に気がつくことなく二人で話をしながら歩いていく。
「野村、村沢! ちょっと来い!」
河原は声を潜めて言い、手招きをした。背中を丸めてコソコソと木々のある方へと入っていく。
「なんだよ」
野村と村沢は怪訝な表情を見せながらも、河原の後を同じような姿勢でコソコソとついていった。
度の強いメガネをかけているのが、秘密組織『青山見守り会』、別名『青山澄香ファンクラブ』の創立者であり、ファンクラブ会員番号1番の大崎慎也。
彼と話をしていて、現場に留まるように指示されたのが『青山澄香ファンクラブ』会員番号4番の河原翔太。どちらかというと個性の強いオタクの集まりの中にあって一般人に近い男だ。
その他には『青山澄香ファンクラブ』会員番号2番の平と3番の森下、5番の木村がいる。平と森下はターゲットである青山澄香を見失い、血眼になってその行方を捜し回っている。
何しろ爆弾騒ぎは青山澄香を守るために行われたのだから、その青山を見失って作戦が失敗することなど許されないのだ。
ちなみに会員番号5番の木村は、『青山澄香ファンクラブ』の会員登録直後に同級生から告白されて付き合うようになったので、一度も会の活動に顔を出すことなく幽霊会員となっている。他の会員たちは会員番号5番の名前どころかその存在さえも忘れ去っているようだ。
一人取り残された河原はボケっと突っ立て、時折物々しい装備の警察官が動き回るのを見ていた。
「よっ、まだこんなところにいるの?」
不意に声をかけられ、驚いて振り向いた。
そこには同じクラスの野村と村沢がいた。二人共ジャージ姿だ。
「まだって、心配だから見てんだよ。爆弾が爆発したら大事だ」
「お前、爆弾のこと信じてんの? 嘘だろ?」
村沢が話す。
「信じてない。とは言えない。それよりお前らその格好はどうした?」
「一度家に帰って着替えてきた。部活ならしてもいいっていうから、運動公園のグラウンド借りて練習してきたんだよ。その間お前はずっとここにいたのか?」
「そうだよ。いいじゃんか」
不貞腐れたように河原が言った。
「様子見に来てみたんだけど、やっぱり何もなさそうだ。俺達は帰るわ」
村沢が野村に合図する。
「俺も帰る」
河原は二人を追いかけるようにして歩き出した。
三人は街の通りを歩き、近道になる公園へと入っていった。
河原が何気なく横を見て足を止めた。
野村と村沢はそんな様子に気がつくことなく二人で話をしながら歩いていく。
「野村、村沢! ちょっと来い!」
河原は声を潜めて言い、手招きをした。背中を丸めてコソコソと木々のある方へと入っていく。
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