死にかけたので転生します。

平民リディア

リディアの人生１

この世で好き好んで魔法使いになる人間はいない。

魔法を使うにはまず人間誰しもが持っている魔力塊の大きさが重要になる。

魔力塊は魔力を貯めるタンクでありこのタンクに魔力がなければ魔法を使うことができない。

つまり魔力塊が小さいと行使できる魔法に制限が出る。

しかし大きいからといって魔法を使うかどうかは別だ。

魔力塊に魔力を貯めるのは寿命を縮めるほどの負担がある。

魔法を使わなくても生きていけるこの世界で寿命を縮めてまで魔法を使う人間などいないのがこの世界の常識だった。

しかし、平民として生まれ生まれ持った魔力塊に穴が開いているという障害によって魔力を垂れ流して生きることを余儀なくされたリディアは5歳になるころに決断した。

自分の寿命をただ縮めて死ぬのを待つくらいならこのとめどなく流れる魔力を使って魔法使いになろう、と。

リディアが魔法使いになるのは簡単だった。