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第三十六話『初めてのパスタと、食卓のぬくもり』
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最高のパンを囲んだ翌朝。俺たちは、残ったパンをポトフに浸して、幸せな朝食の時間を過ごしていた。
その、満ち足りた空気の中、リディアがぽつりと呟いた。
「…これほどのご馳走を、丸太に腰掛けて食べるのも、少し味気ないものだな」
その言葉に、俺はハッとした。確かに、食事は日に日に豊かになっているのに、食事をする環境は、森に来た当初のままだった。
そして、その呟きは、俺の創作意欲に、新たな火を灯した。
「リディアさん、いいことを思いつきました。最高の食事には、最高の舞台が必要です。――みんなで囲める、『食卓』を作りましょう!」
「食卓…テーブル、か!」
「ええ。そして、その新しいテーブルで味わう、新しいご馳走も一緒に作ります。小麦粉と卵を使った、『生パスタ』です!」
その日から、俺たちの最大規模のプロジェクトが始まった。
まず、リディアがその怪力を活かし、テーブルの天板に使うための、太く、木目が美しい木を切り出してきてくれた。俺はそれを、『ノコギリ』と『カンナ』で、数日かけて一枚の美しい板へと加工していく。シュッシュッという小気味よい音と、森の木のいい香りが拠点に満ちた。
木材を乾燥させている間、俺たちは次のご馳走、『生パスタ』の準備に取り掛かる。
スキルで召喚した『ステンレス製のボウル』の中で、小麦粉と森で採れた鳥の卵を混ぜ合わせ、力強くこねていく。
ポンッ!
【創造力:70/120 → 68/120】
仕上げに、Eランクの『めん棒』で生地を薄く、均一に伸ばしていく。出来上がった生地を寝かせている間に、またテーブル作りへと戻る。
料理とDIYの同時進行。それは、途方もなく忙しく、そして、この上なく充実した時間だった。
テーブルの組み立てには、強度を確保するために、100均の知恵を総動員する。
ポンッ!ポンッ!
【創造力:68/120 → 58/120】
Dランクの『木工用ボンド』と、同じくDランクの『L字金具』セット。
俺は、自分で削り出した木釘と、これらの接着剤や金具を組み合わせることで、専門の職人が作ったかのような、頑丈で美しいテーブルと、四人分の椅子を作り上げていった。
シラタマは、ペンキでも塗るかのように、尻尾で木のテーブルをサッサと撫でて、品質検査(?)をしてくれている。
そして、数日後。
ついに、俺たちの拠点の中央に、温かい木のぬくもりを持つ、立派なダイニングセットが設置された。
「すごい……ユウキ殿。我々の『家』が、本当の『家』になったな」
リディアが、感慨深げにテーブルの天板を撫でる。
「さあ、祝いの宴の時間です!」
俺は、寝かせておいたパスタ生地を、先日使った『ピザカッター』で、均一な幅の麺に切り分けていく。
大鍋で茹で上がった、もちもちの生パスタ。それを、燻製肉とニンニクに似た香草、ピリッとした木の実を自家製オイルで炒めた、特製ソースと絡める。
完成した『森のペペロンチーノ』が、湯気の立つ大皿に乗って、新品のテーブルの中央に置かれる。
俺たちが作った木の皿に、パスタが取り分けられる。
みんなで初めて、同じ高さの椅子に座り、同じテーブルを囲んで、声を揃えた。
「「「いただきます!」」」
フォークに絡めて、一口。
もちもちとした、生パスタならではの食感。小麦の豊かな香り。そして、ピリ辛で香ばしいソースの味わい。
言葉を忘れ、全員が夢中でパスタを頬張った。
食事の途中、リディアが、ふと顔を上げて、優しい笑みを浮かべた。
「…不思議だな。椅子とテーブルがあるだけで、食事が、何倍も美味しく感じる」
その言葉に、俺も、シラタマも、そして、テーブルの下に置いたお皿からパスタをもらっていたつちのこも、心から頷いた。
俺たちが手に入れたのは、ただの家具じゃない。
仲間と共に、温かい食事を囲む、「家族の食卓」という、かけがえのない宝物だった。
その、満ち足りた空気の中、リディアがぽつりと呟いた。
「…これほどのご馳走を、丸太に腰掛けて食べるのも、少し味気ないものだな」
その言葉に、俺はハッとした。確かに、食事は日に日に豊かになっているのに、食事をする環境は、森に来た当初のままだった。
そして、その呟きは、俺の創作意欲に、新たな火を灯した。
「リディアさん、いいことを思いつきました。最高の食事には、最高の舞台が必要です。――みんなで囲める、『食卓』を作りましょう!」
「食卓…テーブル、か!」
「ええ。そして、その新しいテーブルで味わう、新しいご馳走も一緒に作ります。小麦粉と卵を使った、『生パスタ』です!」
その日から、俺たちの最大規模のプロジェクトが始まった。
まず、リディアがその怪力を活かし、テーブルの天板に使うための、太く、木目が美しい木を切り出してきてくれた。俺はそれを、『ノコギリ』と『カンナ』で、数日かけて一枚の美しい板へと加工していく。シュッシュッという小気味よい音と、森の木のいい香りが拠点に満ちた。
木材を乾燥させている間、俺たちは次のご馳走、『生パスタ』の準備に取り掛かる。
スキルで召喚した『ステンレス製のボウル』の中で、小麦粉と森で採れた鳥の卵を混ぜ合わせ、力強くこねていく。
ポンッ!
【創造力:70/120 → 68/120】
仕上げに、Eランクの『めん棒』で生地を薄く、均一に伸ばしていく。出来上がった生地を寝かせている間に、またテーブル作りへと戻る。
料理とDIYの同時進行。それは、途方もなく忙しく、そして、この上なく充実した時間だった。
テーブルの組み立てには、強度を確保するために、100均の知恵を総動員する。
ポンッ!ポンッ!
【創造力:68/120 → 58/120】
Dランクの『木工用ボンド』と、同じくDランクの『L字金具』セット。
俺は、自分で削り出した木釘と、これらの接着剤や金具を組み合わせることで、専門の職人が作ったかのような、頑丈で美しいテーブルと、四人分の椅子を作り上げていった。
シラタマは、ペンキでも塗るかのように、尻尾で木のテーブルをサッサと撫でて、品質検査(?)をしてくれている。
そして、数日後。
ついに、俺たちの拠点の中央に、温かい木のぬくもりを持つ、立派なダイニングセットが設置された。
「すごい……ユウキ殿。我々の『家』が、本当の『家』になったな」
リディアが、感慨深げにテーブルの天板を撫でる。
「さあ、祝いの宴の時間です!」
俺は、寝かせておいたパスタ生地を、先日使った『ピザカッター』で、均一な幅の麺に切り分けていく。
大鍋で茹で上がった、もちもちの生パスタ。それを、燻製肉とニンニクに似た香草、ピリッとした木の実を自家製オイルで炒めた、特製ソースと絡める。
完成した『森のペペロンチーノ』が、湯気の立つ大皿に乗って、新品のテーブルの中央に置かれる。
俺たちが作った木の皿に、パスタが取り分けられる。
みんなで初めて、同じ高さの椅子に座り、同じテーブルを囲んで、声を揃えた。
「「「いただきます!」」」
フォークに絡めて、一口。
もちもちとした、生パスタならではの食感。小麦の豊かな香り。そして、ピリ辛で香ばしいソースの味わい。
言葉を忘れ、全員が夢中でパスタを頬張った。
食事の途中、リディアが、ふと顔を上げて、優しい笑みを浮かべた。
「…不思議だな。椅子とテーブルがあるだけで、食事が、何倍も美味しく感じる」
その言葉に、俺も、シラタマも、そして、テーブルの下に置いたお皿からパスタをもらっていたつちのこも、心から頷いた。
俺たちが手に入れたのは、ただの家具じゃない。
仲間と共に、温かい食事を囲む、「家族の食卓」という、かけがえのない宝物だった。
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