ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん

文字の大きさ
271 / 278

第二百六十九話:雷鳥の巣へ。15万ポイントの避雷針と、究極のオムレツ作り

しおりを挟む

 ズドォォォォォォォンッ!!

 鼓膜を破るような轟音と共に、視界が真っ白に染まった。
 天空の浮島、その最上層にある巨大な「雲の巣」。
 そこに鎮座する伝説の幻獣、天空の守護者【雷鳥(サンダーバード)】が、不敬な侵入者である俺たちに向けて、最大出力の雷撃ブレスを放ったのだ。

「主よ! これはまずいぞ! 直撃すれば黒焦げだ! いや、灰も残らん!」

 フェンが俺の前に飛び出し、風の防御障壁を展開する。
 だが、相手は神話級の雷だ。数億ボルトの電圧と、物理的な衝撃波を伴う雷撃の前では、フェンの結界も薄紙のように頼りない。
 バリバリバリッ! という音と共に、結界に亀裂が走る。
 その隙間から漏れ出した電流が、空気を焼き焦がし、独特のオゾン臭を撒き散らしている。

「くっ……! なんて威力だ! これが空の王者の力か!」

 俺たちの狙いは、雷鳥の足元にある「黄金の卵」。
 だが、近づこうにも、この高電圧の嵐の中では一歩も進めない。
 空気が帯電し、肌がチリチリと焼けるような感覚がある。髪の毛が逆立ち、呼吸をするたびに肺が痺れるようだ。
 ガリウス所長も杖を掲げて防御魔法を展開しているが、顔色が悪い。

「ルークス君! 撤退だ! この雷は魔法防御を貫通する『神雷』だ! 人間が耐えられる代物ではない!」

「撤退……?」

 俺は奥歯を噛み締めた。
 ここで逃げれば、命は助かる。
 だが、それは同時に『雷鳥の卵』という伝説の食材を諦めることを意味する。
 あの文献に書かれていた、カスタードのような黄身。口の中で雲が溶けるような食感。
 それを味わわずに、地上に帰れるか!
 一生、「あの時逃げなければ、最高のオムレツが食えたのに」と後悔して生きるのか!

 (それは嫌だ。絶対に嫌だ。食い物の恨みと後悔は、死ぬまで続くんだ!)

「フェン、下がってろ。ガリウスさんもだ。……ここは『投資』の時間だ」

 俺は雷撃の轟音に負けない声で叫び、虚空をタップしてシステムウィンドウを開いた。
 ためらっている暇はない。俺の目的は、卵を無傷で手に入れること。戦闘の余波で卵が割れてしまっては、何の意味もないのだ。
 ならば、買うべきアイテムは一つ。
 俺は「防災・災害対策」カテゴリの奥深くにある、とっておきのアイテムを選択した。

 【対雷災害用・魔導避雷針キット(業務用・神話級)】
 【価格:150,000pt】

 15万ポイント。
 日本円にして1500万円クラス。王都の一等地に家が建つ値段だ。
 一瞬、指が震えた。15万あれば、最高級の肥料が山ほど買える。新しい農具も揃えられる。
 俺の貧乏性が「やめとけ、高いぞ」と囁く。

 だが、俺は農民であると同時に、投資家(ポイ活ユーザー)だ。
 この卵の市場価値は測定不能。もし売れば、国が買えるほどの値がつくだろう。
 そして何より、「未知の味覚」というプライスレスな価値。
 15万ポイントで、その体験が買えるなら――安いものだ。
 未来の食卓への投資だ。実質無料、いや、感動という形でお釣りが来る!

「ポチッとなァッ!!」

 チャリンッ♪
 (軽快かつ重みのある決済音)

「喰らえ! 文明の利器(アース)!!」

 俺はアイテムボックスから取り出した巨大な金属の槍――避雷針を、地面(雲の床)に突き刺した。

 ズドンッ!

 瞬間、避雷針の先端がパラボラアンテナのように展開し、複雑な魔法陣が幾重にも輝きだした。
 同時に、極太のミスリルチェーンがシュルシュルと伸び、雲海の下、遥か彼方の大地へと向かって垂れ下がっていく。

 バチチチチチチッ!!!

 雷鳥が放った二発目の極大雷撃が、俺たちを直撃する寸前、まるで強力な磁石に吸い寄せられるように、不自然に軌道を曲げた。
 青白い閃光が、避雷針の先端に直撃する。

 ドゴォォォォン!!

 だが、爆発は起きない。
 俺たちの周囲で、雷が渦を巻き、全て一点に吸い込まれていく。

 ヒュンッ……!

 雷の膨大なエネルギーは、避雷針内部の魔導コンバーターで瞬時に無害な魔力へと変換され、ミスリルチェーンを通じて遥か下層の雲海へと逃がされていく。
 いわゆる「アース(接地)」だ。
 科学的アースと、魔力的アースのハイブリッド。これぞポイントショップの叡智。

「なっ……!?」

 雷鳥が、信じられないものを見る目で目を丸くした(ように見えた)。
 自分の最強の攻撃が、ただの鉄の棒に吸われ、無効化されたのだから無理もない。
 首を傾げ、「クルックー?」と間抜けな声を出している。

「科学の力と魔法の融合だ。この避雷針は、半径1キロの雷を強制的に誘引し、無害化して地中(アース)へ逃がす! 電気ってのはな、高いところから低いところへ、そして地面へ還るのが一番好きなんだよ!」

 俺は避雷針の横で仁王立ちした。
 周囲ではまだ放電現象が起きているが、避雷針の結界内は完全な安全地帯だ。
 ガリウス所長が、避雷針に駆け寄り、興奮して叫んだ。

「す、凄い! 雷属性の魔力を中和し、物理的に逃しているのか!? こんな魔導具、古代遺跡にも存在しないぞ! ルークス君、あとで分解させてくれ!」
「分解したら15万ポイントがパァになるんでダメです」

「キェェェェッ!?」

 雷鳥が焦って連射するが、全ての雷が避雷針に吸い込まれていく。
 俺は悠々と歩を進めた。
 さあ、防御は完璧だ。次は「交渉」だ。

 俺は農民だ。畑を荒らす害獣は駆除するが、有益な家畜や、取引相手とは共存を望む。
 卵を奪って逃げる泥棒にはなりたくない。
 それに、こんな強力な幻獣を敵に回すより、餌付けして味方につけた方が、今後の「天空農業」にとっても有益だ。

 俺はアイテムボックスから、とっておきの「切り札」を取り出した。
 昨日、深海で手に入れたばかりの、あの食材だ。

「おい、デカイ鶏! 無駄な喧嘩はやめようぜ。俺は卵が欲しいだけだ。……代わりに、もっと美味いモンをやるから」

 ドサッ。

 俺が地面に置いたのは、巨大な【黄金マグロの大トロブロック(50キログラム)】だ。
 太陽の光を受けて、霜降りの脂が宝石のように輝き、常温で溶け出した脂が甘い香りを漂わせている。
 その断面は、芸術品のように美しい。

 ピタリ。
 雷鳥の動きが止まった。
 怒りに燃えていた鋭い眼光が、俺ではなくマグロに釘付けになる。
 ヒクヒクと鼻(くちばし)を動かし、その芳醇な脂の香りを嗅ぎ取ったようだ。

 空の王者といえど、普段食べているのは硬い空の魔物や、味気ない雲くらいだろう。
 こんな脂の乗った極上の魚肉など、見たこともないはずだ。
 喉がゴクリと鳴る音が聞こえた気がした。

「……食ったことないだろ? 深海の王様の味だ。お前の卵一個と交換なら、悪くない取引だと思うが?」

 俺は一歩下がって、どうぞ、というジェスチャーをした。
 雷鳥は俺とマグロを交互に見比べ……警戒しつつも、本能(食欲)に抗えなかった。
 バサリと舞い降り、マグロを一口啄(つい)ばむ。

 ……ハムッ。

 ――カッッッ!!!

 雷鳥の全身の黄金の羽毛が、ボワッと逆立った。
 あまりの美味さに衝撃を受けたのか、目を白黒させ、喜びのさえずりを上げて、夢中でマグロを貪り始めた。
 ガツガツと啄むたびに、幸せそうな金色のオーラが出ている。
 チョロい。やはり、美味いものは種族の壁も、敵対関係も超えるのだ。

 その隙に、俺は巣の中にある「黄金の卵」へと近づいた。
 直径30センチ。ダチョウの卵よりも大きい。
 ずっしりと重く、殻の表面には微弱な電流が走り、ほんのりと温かい。命の鼓動を感じる。

 【鑑定完了:雷鳥の黄金卵(UR)】
 【市場価格:測定不能(国家予算規模)】
 【鮮度:極上(産みたて)】
 【状態:有精卵(魔力活性化状態)】
 【食味値:SSS(神の味覚)】

「よし……! 15万ポイントの元は取れたぞ! いや、それ以上だ!」

 俺は心の中でガッツポーズをした。
 雷鳥の方を見れば、マグロを完食し、満足げに羽繕いをしている。
 チラリとこちらを見たが、「まあ、あの美味い肉の代金なら卵の一つくらいくれてやるか」といった風情で、攻撃してくる気配はない。
 完全なウィンウィンの関係成立だ。

 ◇

 数分後。
 俺たちは雷鳥の巣から少し離れた、見晴らしの良い浮島の端まで移動し、早速「調理」を開始した。
 手に入れたばかりの至高の食材を、その場で食す。これぞ冒険者の特権だ。
 目の前には雲海が広がり、最高のロケーションだ。

 もちろん、作るのは――。

「究極のオムレツだ」

 俺は簡易コンロを設置し、大きめのアダマンタイト製フライパンを熱した。
 バターをひとかけら落とす。
 ジュワァ……と溶けたバターが、芳醇な香りを放ち、泡立つ。

 そして、黄金の卵を割る時が来た。
 俺はボウルの縁で、慎重に殻を叩いた。

 コンッ。
 パカッ。
 バチチッ!

 殻を割った瞬間、静電気が弾け、中からとろりとした液体が滑り落ちた。
 白身はクリスタルのように透明で輝いている。
 そして黄身は……。

「うわぁ……!」

 マキナが声を漏らす。
 噂通り、いやそれ以上に、濃厚なカスタードクリームのような粘度と、太陽を煮詰めたような濃いオレンジ色をしている。
 甘い香りが漂う。生卵なのに、もうプリンのような完成されたバニラの香りがする。

「す、すごい……。これ、本当に卵ですの? お菓子の材料みたいですわ!」
「主よ、早く! 早く焼いてくれ! 我慢できん! 胃袋が限界だ!」

 エレナ様とフェンが涎を垂らして身を乗り出す。
 俺は手早く卵を溶きほぐした。
 箸に絡みつくような弾力。白身と黄身が混ざり合うと、黄金色のクリームになった。
 塩と胡椒を少々。余計な味付けはいらない。卵そのもののポテンシャルを信じる。

 俺は卵液を一気に熱したフライパンに流し込んだ。

 ジュワァァァァ……!

 甘く、香ばしい、暴力的なまでの香りが立ち上る。
 俺は菜箸を高速で動かし、卵を攪拌する。
 火を通しすぎないのがコツだ。半熟のトロトロ状態を維持しつつ、手首の返しで形を整えていく。
 表面はツヤツヤ、中はトロトロの、完璧なラグビーボール型。
 フライパンをトントンと叩き、皿の上へ転がす。

 プルンッ。

 皿の上で、黄金の塊が揺れた。
 仕上げに、先ほど収穫した【天空トウモロコシ】の粒と、生クリーム、コンソメで作った「特製コーンクリームソース」をたっぷりと回しかける。
 黄色い卵に、クリーム色のソース。見ただけでわかる、カロリーと幸福の塊。

「完成だ! 『雷鳥の極上オムレツ・天空コーンソースがけ』!」

 黄金色の海に浮かぶ、黄金の島。
 俺はナイフを入れた。

 スッ……。
 とろぉ~り……。

 切れ目から、半熟の卵が黄金の溶岩のように溢れ出した。
 湯気と共に立ち上る甘い香り。
 その圧倒的なシズル感に、全員がゴクリと喉を鳴らす。

「い、いただきます!」

 スプーンで掬い、口に運ぶ。
 
 ……パクッ。

 一口食べた瞬間。
 俺の口の中で、優しい雷が落ちた。

「んんんっ!? な、なんだこの食感は!」

 ふわふわの食感の後、舌の上でパチパチと弾けるような心地よい刺激。
 それは炭酸のような爽快感であり、濃厚な黄身の甘みを引き締める最高のスパイスだった。
 卵自体の味が濃い。まるで上質なチーズや生クリームを食べているかのようだ。
 そこに、天空トウモロコシのソースが絡む。
 コーンの爆発的な甘みと、卵のコク。
 口の中で、雲と太陽と雷がダンスをしているようだ。

「あまーい! 濃厚ですわ! それなのに、このパチパチ感が癖になります! 口の中が遊園地みたいです!」
「コーンのソースがまた絶品じゃ! 卵のコクと、トウモロコシの甘みが、口の中で喧嘩せず手を取り合っておる! これは飲み物だ! いくらでも入るぞ!」

 ガリウス所長も涙目で絶賛し、皿まで舐める勢いだ。
 フェンは一瞬で飲み込み、「おかわり!」と叫んでいる。
 俺もスプーンが止まらなかった。
 15万ポイントの避雷針も、黄金マグロとの交換も、全てはこの一口のためにあったのだ。
 やはり、俺の「投資」に間違いはなかった。食への執念が勝ったのだ。

「ふぅ……。最高だったな」

 完食し、至福の満腹感に浸る俺たちの前に、ふわりと甘い香りの風が吹いた。
 見上げれば、頭上にピンク色のふわふわした雲が流れてきている。

「あれは……」

 【鑑定:雲の綿飴(クラウド・コットン)】
 【状態:食べ頃(イチゴ味?)】

「デザートの時間だな」

 俺はニヤリと笑った。
 メインディッシュの次は、空飛ぶスイーツだ。
 空の旅は、まだまだ俺たちの胃袋を満たしてくれそうだ。
 さあ、次はあの雲をちぎって食べに行こうか。


【読者へのメッセージ】
第二百六十九話、いかがでしたでしょうか。
雷鳥の雷撃を「ポイント(避雷針)」で無効化し、マグロで餌付けする。
まさにルークスらしい、金と食欲に物を言わせた攻略法でした。
そして、究極のオムレツ。
ナイフを入れた瞬間にとろけ出す半熟卵、パチパチ弾ける食感、そしてコーンソースの甘み……。
書いていて、無性に卵料理が食べたくなりました。
さて、次回はデザート編!
空に浮かぶ「甘い雲」とは一体?
そして、この浮島にはまだ秘密があるようで……?
続きが気になる方は、ぜひブックマークと評価をお願いします!
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

現代知識と木魔法で辺境貴族が成り上がる! ~もふもふ相棒と最強開拓スローライフ~

はぶさん
ファンタジー
木造建築の設計士だった主人公は、不慮の事故で異世界のド貧乏男爵家の次男アークに転生する。「自然と共生する持続可能な生活圏を自らの手で築きたい」という前世の夢を胸に、彼は規格外の「木魔法」と現代知識を駆使して、貧しい村の開拓を始める。 病に倒れた最愛の母を救うため、彼は建築・農業の知識で生活環境を改善し、やがて森で出会ったもふもふの相棒ウルと共に、村を、そして辺境を豊かにしていく。 これは、温かい家族と仲間に支えられ、無自覚なチート能力で無理解な世界を見返していく、一人の青年の最強開拓物語である。 別作品も掲載してます!よかったら応援してください。 おっさん転生、相棒はもふもふ白熊。100均キャンプでスローライフはじめました。

辺境の落ちこぼれと呼ばれた少年、実は王も龍も跪く最強でした

たまごころ
ファンタジー
村で「落ちこぼれ」と呼ばれた少年アレン。魔法も剣も使えず、追放される運命だった。 だが彼の力は、世界の理そのものに干渉する“神級スキル”だった。 自覚のないまま危機を救い、美女を助け、敵を粉砕し、気づけば各国の王も、竜すらも彼に頭を下げる。 勘違いと優しさと恐るべき力が織りなす、最強無自覚ハーレムファンタジー、ここに開幕!

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました

三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。 助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい… 神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた! しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった! 攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。 ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい… 知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず… 注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...