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欠落の英雄と黄金の残滓 — 剛剣士シグルドの追憶戦記 —
第4話:聖女の隠れ里
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1.
王都を脱出し、険しいルナール渓谷を馬で駆けてから三日が経過していた。
背後から迫る「世界の防衛プログラム」の無機質な追跡を、シグルドの「因果の違和感」を察知する野性的な直感で辛うじてかわし続けている。だが、一行の疲弊は限界に達しつつあった。
「……あ、ぐ……っ」
馬上で、マリナが苦悶の声を漏らす。彼女を支えるシグルドの腕に、熱を帯びた拍動が伝わってきた。
マリナの首筋にある聖痕。かつては黄金の祝福を放っていたそれは、いまやドロドロとした漆黒の波動を放ち、周囲の空間をノイズのように歪ませている。
「マリナ、しっかりしろ! 里はもうすぐだ!」
「……大丈夫……です。ただ、視えるのです。……彼が、あの人が……真っ白な場所で、ずっと……叫んでいるのが……」
マリナの視線は虚空を彷徨っている。
彼女の聖痕は、いまや「世界の核」と化したリアンと、因果の糸で直結していた。リアンが世界の維持エネルギーとして魂を削り取られるたび、その「痛み」が共鳴(ノイズ)となってマリナを苛む。
「……先生。待っててください。今、行きますから」
並走するアルトが、奥歯を噛み締めて呟いた。
魔力を持たない彼には、聖痕の干渉は届かない。だが、師匠の苦しみを想像するだけで、彼の胸は張り裂けんばかりだった。
2.
霧深い「静寂の森」の最深部。
かつて歴代の聖女を輩出し、世界の歴史から切り離された隠れ里「エリスの里」が姿を現した。
そこは、文明の喧騒とは無縁の場所だった。古代の石造り建築が蔦や苔に飲み込まれ、森の緑と一体化している。里を流れる小川には清冽な魔力が宿り、外の世界で吹き荒れる「忘却の霧」さえも、ここには立ち入ることができない。
だが、一行を迎えたのは温かな歓迎ではなかった。
「……止まりなさい、汚れし者たちよ」
里の中央広場。白装束を纏った長老たちが、杖を構えて立ちはだかった。
彼らの瞳には慈愛などなく、あるのは「世界の理」を守るための冷徹な義務感だけだった。
「マリナ・クレル。貴女は聖女として、あの方――リアン・アークライトという『楔(くさび)』の役割を理解しているはずだ。……その平穏を乱すことは、世界の崩壊を招く大逆である」
シグルドが馬を降り、長老たちの前に一歩踏み出した。大剣『グラディウス』は抜いていない。だが、彼の全身から放たれる凄まじい闘気が、周囲の空気を震わせる。
「……平穏だと? 笑わせるな。一人の男を、誰にも思い出されることのない闇に閉じ込め、永遠に魂を燃やし続けることが、貴様たちの言う『正しい運営』なのか!」
「それが理だ」
長老が淡々と答える。
「世界は不完全ゆえ、一つの巨大な犠牲(エネルギー)を必要とする。……彼は自らその道を選んだ。……貴殿のような一介の騎士が、世界の設計図(仕様)に口を挟むこと自体が間違いなのだ」
「理屈はもういい!!」
アルトが絶叫した。
「正しい運営のために、誰かが永遠に苦しむのが正解だって言うなら……そんなの、僕の師匠が一番嫌う『バグ』だ! 僕は、そんな壊れた世界なんて、いらない!!」
アルトの剥き出しの意志が、里の静寂を打ち砕いた。
その純粋すぎる怒りに気圧されたのか、あるいはマリナの聖痕が放つ漆黒の波動に危機感を感じたのか、長老たちは言葉を失った。
3.
「……通してください。……私は、あの方を、独りにはさせない」
マリナが震える足で立ち上がり、長老たちの間を通り抜けていく。
向かう先は、里の最深部にある「真理の祭壇」。
そこには、世界の根源へと繋がる透明な泉が湧いている。
シグルドとアルトも、彼女を護衛するように後に続いた。
祭壇に辿り着いたマリナは、躊躇うことなくその冷たい泉に身を浸した。
「……接続(リンク)……開始……」
マリナの口から、彼女自身の声ではない「システムの音」が漏れる。
漆黒の波動が泉を黒く染め上げ、シグルドとアルトの意識をも強引に引き込んでいく。
――視界が、白く反転した。
そこは、時間も空間も意味を持たない「システムの核」。
あまりに眩しく、あまりに冷酷な真っ白な虚無のなか、彼らはついに「それ」を視た。
無数の黄金の鎖が、一人の青年の四肢を、そして胸元を無慈悲に貫いている。
鎖の一本一本が、彼の魂から記憶を、感情を、存在理由を吸い出し、世界の基盤へと流し込んでいる。
その姿は、かつての最強の弓術士の面影を留めてはいなかった。
ただ、苦痛に歪む顔を上げ、声にならない叫びを上げながらも、この世界が崩れないように、必死でその鎖を握りしめている。
「……リアン……」
シグルドの声が震える。
あの日、共に笑い、背中を預けた親友。
彼を救うとは、即ちこの世界を支える「柱」を抜くということだ。
だが。
「……あ、あぁぁぁぁぁっ!!」
マリナの絶叫と共に、彼女の聖痕から溢れ出した黒い光が、シグルドが持っていた設計図の断片と融合した。
リアンの「痛み」という名のエネルギーが、不完全だった術式を無理やり書き換えていく。
黄金の火花が散り、三人の前で一枚の光り輝く術式が完成した。
『概念固定の矢:真銘版』。
それは敵を殺すための武器ではない。世界という名の不条理なプログラムを書き換え、彼をこの鎖から解き放つための、唯一の「修正プログラム」。
4.
「――バグの進行が閾値を超えました。……これより、一帯の『論理消去(デリート)』を実行します」
その時、里の空が黄金に焼け付いた。
祭壇の天井を突き破り、純白の翼を広げた巨人が降臨する。
世界の意思の代行者、『白翼の執行者(システム・ガーディアン)』。
かつての執行官たちとは比較にならない、世界そのものの防御本能が具現化した、神の如き魔導兵。
「来やがったな、世界の番犬が……!!」
シグルドが『グラディウス』を抜き放った。
「アルト! マリナを守れ! 術式を定着させるまで、一歩も通さん!」
「了解! ……先生、見ててください。……これが、僕たちの『反逆』です!」
シグルドの剣が、唸りを上げる。
彼は「因果の違和感」を察知する感覚を研ぎ澄ませ、執行者が放つ「回避不能な光の矢」を、空中で無理やり叩き落とす。
通常、世界の法則に基づいた攻撃は、法則の内側にいる者には回避できない。だが、シグルドはリアンの存在を信じたことで、すでに世界の法則からわずかに逸脱していた。
「――理(ルール)で俺を縛ろうとするな! 俺の剣は、あいつの隣に辿り着くためにあるんだぁぁぁっ!!」
シグルドの咆哮が、法則という名の障壁を物理的にねじ曲げる。
大剣が放つ凄まじい闘気が、執行者の純白の装甲を砕き、その内側にある機械的な魔力回路を露出させる。
そこに、アルトの「無」の狙撃が突き刺さった。
アルトの放つ矢は、世界の検閲を受けない。なぜなら、彼には魔力がなく、システムが「存在」としてカウントしていないからだ。
不可視の矢が執行者の関節部を貫き、その機動力を奪う。
「……マリナさん、今だ!!」
マリナが泉から立ち上がり、手にした完成済みの術式を、アルトの番えた矢に宿した。
漆黒と黄金の輝きが混ざり合い、この世で最も「正しくない」一矢が顕現する。
「――行きなさい! 私たちの、想いを乗せて!!」
アルトが弦を放した。
光の矢は執行者を破壊しなかった。
矢が触れた瞬間、執行者の身体を構成する数式が、虹色のノイズとなって崩壊していく。
世界の「命令(プログラム)」を一時的に凍結させ、その存在定義を喪失させる、概念的な消去。
『……警告……存在……定義……不……全……』
白翼の執行者は、断末魔のようなノイズを撒き散らし、次元の隙間へと強制的に排除された。
5.
静寂が戻った里の祭壇。
執行者の攻撃により、聖域は半壊していた。
長老たちは、三人が見せた「理を塗り替える力」の前に、ただ呆然と膝をついていた。
「……もはや、止めることはできぬか」
長老の一人が、観念したように呟いた。
「……設計図は完成した。だが、それを実体化させるための素材……世界の根源的なエネルギー(オリジン・コア)は、ここにはない」
「どこにある」
シグルドが冷徹に問う。
「……かつて、彼が消えていった場所。……世界の最果て、すべてが無に帰す場所、『虚無の玉座(システム・センター)』だ。……そこへ行けば、世界そのものと刃を交えることになるぞ」
シグルドは、遠く王都の方角を見つめた。
そこには、自分たちが打ち破った執行者の比ではない、数万、数億の「黄金の軍勢」が、空を埋め尽くすように集結しつつあった。
世界という名のシステムが、自分たちという「巨大なエラー」を排除するために、全戦力を投入しようとしている。
「……望むところだ。あいつは、ずっと一人で戦ってきたんだ」
シグルドは大剣を鞘に納め、アルトとマリナに向かって不敵に笑った。
「次は、俺たちの番だ。……あいつを、あんな真っ白な場所から連れ戻しに行くぞ」
「はい!」
「……ええ、必ず」
三人は、半壊した里を後にし、世界の最果てを目指して歩き出した。
空を覆い尽くす黄金の軍勢を前に、たった三人で挑む絶望的な戦い。
だが、その足取りに迷いはない。
彼らが一歩踏み出すたびに、世界という名の「完璧な偽り」が、音を立てて崩れ始めていた。
王都を脱出し、険しいルナール渓谷を馬で駆けてから三日が経過していた。
背後から迫る「世界の防衛プログラム」の無機質な追跡を、シグルドの「因果の違和感」を察知する野性的な直感で辛うじてかわし続けている。だが、一行の疲弊は限界に達しつつあった。
「……あ、ぐ……っ」
馬上で、マリナが苦悶の声を漏らす。彼女を支えるシグルドの腕に、熱を帯びた拍動が伝わってきた。
マリナの首筋にある聖痕。かつては黄金の祝福を放っていたそれは、いまやドロドロとした漆黒の波動を放ち、周囲の空間をノイズのように歪ませている。
「マリナ、しっかりしろ! 里はもうすぐだ!」
「……大丈夫……です。ただ、視えるのです。……彼が、あの人が……真っ白な場所で、ずっと……叫んでいるのが……」
マリナの視線は虚空を彷徨っている。
彼女の聖痕は、いまや「世界の核」と化したリアンと、因果の糸で直結していた。リアンが世界の維持エネルギーとして魂を削り取られるたび、その「痛み」が共鳴(ノイズ)となってマリナを苛む。
「……先生。待っててください。今、行きますから」
並走するアルトが、奥歯を噛み締めて呟いた。
魔力を持たない彼には、聖痕の干渉は届かない。だが、師匠の苦しみを想像するだけで、彼の胸は張り裂けんばかりだった。
2.
霧深い「静寂の森」の最深部。
かつて歴代の聖女を輩出し、世界の歴史から切り離された隠れ里「エリスの里」が姿を現した。
そこは、文明の喧騒とは無縁の場所だった。古代の石造り建築が蔦や苔に飲み込まれ、森の緑と一体化している。里を流れる小川には清冽な魔力が宿り、外の世界で吹き荒れる「忘却の霧」さえも、ここには立ち入ることができない。
だが、一行を迎えたのは温かな歓迎ではなかった。
「……止まりなさい、汚れし者たちよ」
里の中央広場。白装束を纏った長老たちが、杖を構えて立ちはだかった。
彼らの瞳には慈愛などなく、あるのは「世界の理」を守るための冷徹な義務感だけだった。
「マリナ・クレル。貴女は聖女として、あの方――リアン・アークライトという『楔(くさび)』の役割を理解しているはずだ。……その平穏を乱すことは、世界の崩壊を招く大逆である」
シグルドが馬を降り、長老たちの前に一歩踏み出した。大剣『グラディウス』は抜いていない。だが、彼の全身から放たれる凄まじい闘気が、周囲の空気を震わせる。
「……平穏だと? 笑わせるな。一人の男を、誰にも思い出されることのない闇に閉じ込め、永遠に魂を燃やし続けることが、貴様たちの言う『正しい運営』なのか!」
「それが理だ」
長老が淡々と答える。
「世界は不完全ゆえ、一つの巨大な犠牲(エネルギー)を必要とする。……彼は自らその道を選んだ。……貴殿のような一介の騎士が、世界の設計図(仕様)に口を挟むこと自体が間違いなのだ」
「理屈はもういい!!」
アルトが絶叫した。
「正しい運営のために、誰かが永遠に苦しむのが正解だって言うなら……そんなの、僕の師匠が一番嫌う『バグ』だ! 僕は、そんな壊れた世界なんて、いらない!!」
アルトの剥き出しの意志が、里の静寂を打ち砕いた。
その純粋すぎる怒りに気圧されたのか、あるいはマリナの聖痕が放つ漆黒の波動に危機感を感じたのか、長老たちは言葉を失った。
3.
「……通してください。……私は、あの方を、独りにはさせない」
マリナが震える足で立ち上がり、長老たちの間を通り抜けていく。
向かう先は、里の最深部にある「真理の祭壇」。
そこには、世界の根源へと繋がる透明な泉が湧いている。
シグルドとアルトも、彼女を護衛するように後に続いた。
祭壇に辿り着いたマリナは、躊躇うことなくその冷たい泉に身を浸した。
「……接続(リンク)……開始……」
マリナの口から、彼女自身の声ではない「システムの音」が漏れる。
漆黒の波動が泉を黒く染め上げ、シグルドとアルトの意識をも強引に引き込んでいく。
――視界が、白く反転した。
そこは、時間も空間も意味を持たない「システムの核」。
あまりに眩しく、あまりに冷酷な真っ白な虚無のなか、彼らはついに「それ」を視た。
無数の黄金の鎖が、一人の青年の四肢を、そして胸元を無慈悲に貫いている。
鎖の一本一本が、彼の魂から記憶を、感情を、存在理由を吸い出し、世界の基盤へと流し込んでいる。
その姿は、かつての最強の弓術士の面影を留めてはいなかった。
ただ、苦痛に歪む顔を上げ、声にならない叫びを上げながらも、この世界が崩れないように、必死でその鎖を握りしめている。
「……リアン……」
シグルドの声が震える。
あの日、共に笑い、背中を預けた親友。
彼を救うとは、即ちこの世界を支える「柱」を抜くということだ。
だが。
「……あ、あぁぁぁぁぁっ!!」
マリナの絶叫と共に、彼女の聖痕から溢れ出した黒い光が、シグルドが持っていた設計図の断片と融合した。
リアンの「痛み」という名のエネルギーが、不完全だった術式を無理やり書き換えていく。
黄金の火花が散り、三人の前で一枚の光り輝く術式が完成した。
『概念固定の矢:真銘版』。
それは敵を殺すための武器ではない。世界という名の不条理なプログラムを書き換え、彼をこの鎖から解き放つための、唯一の「修正プログラム」。
4.
「――バグの進行が閾値を超えました。……これより、一帯の『論理消去(デリート)』を実行します」
その時、里の空が黄金に焼け付いた。
祭壇の天井を突き破り、純白の翼を広げた巨人が降臨する。
世界の意思の代行者、『白翼の執行者(システム・ガーディアン)』。
かつての執行官たちとは比較にならない、世界そのものの防御本能が具現化した、神の如き魔導兵。
「来やがったな、世界の番犬が……!!」
シグルドが『グラディウス』を抜き放った。
「アルト! マリナを守れ! 術式を定着させるまで、一歩も通さん!」
「了解! ……先生、見ててください。……これが、僕たちの『反逆』です!」
シグルドの剣が、唸りを上げる。
彼は「因果の違和感」を察知する感覚を研ぎ澄ませ、執行者が放つ「回避不能な光の矢」を、空中で無理やり叩き落とす。
通常、世界の法則に基づいた攻撃は、法則の内側にいる者には回避できない。だが、シグルドはリアンの存在を信じたことで、すでに世界の法則からわずかに逸脱していた。
「――理(ルール)で俺を縛ろうとするな! 俺の剣は、あいつの隣に辿り着くためにあるんだぁぁぁっ!!」
シグルドの咆哮が、法則という名の障壁を物理的にねじ曲げる。
大剣が放つ凄まじい闘気が、執行者の純白の装甲を砕き、その内側にある機械的な魔力回路を露出させる。
そこに、アルトの「無」の狙撃が突き刺さった。
アルトの放つ矢は、世界の検閲を受けない。なぜなら、彼には魔力がなく、システムが「存在」としてカウントしていないからだ。
不可視の矢が執行者の関節部を貫き、その機動力を奪う。
「……マリナさん、今だ!!」
マリナが泉から立ち上がり、手にした完成済みの術式を、アルトの番えた矢に宿した。
漆黒と黄金の輝きが混ざり合い、この世で最も「正しくない」一矢が顕現する。
「――行きなさい! 私たちの、想いを乗せて!!」
アルトが弦を放した。
光の矢は執行者を破壊しなかった。
矢が触れた瞬間、執行者の身体を構成する数式が、虹色のノイズとなって崩壊していく。
世界の「命令(プログラム)」を一時的に凍結させ、その存在定義を喪失させる、概念的な消去。
『……警告……存在……定義……不……全……』
白翼の執行者は、断末魔のようなノイズを撒き散らし、次元の隙間へと強制的に排除された。
5.
静寂が戻った里の祭壇。
執行者の攻撃により、聖域は半壊していた。
長老たちは、三人が見せた「理を塗り替える力」の前に、ただ呆然と膝をついていた。
「……もはや、止めることはできぬか」
長老の一人が、観念したように呟いた。
「……設計図は完成した。だが、それを実体化させるための素材……世界の根源的なエネルギー(オリジン・コア)は、ここにはない」
「どこにある」
シグルドが冷徹に問う。
「……かつて、彼が消えていった場所。……世界の最果て、すべてが無に帰す場所、『虚無の玉座(システム・センター)』だ。……そこへ行けば、世界そのものと刃を交えることになるぞ」
シグルドは、遠く王都の方角を見つめた。
そこには、自分たちが打ち破った執行者の比ではない、数万、数億の「黄金の軍勢」が、空を埋め尽くすように集結しつつあった。
世界という名のシステムが、自分たちという「巨大なエラー」を排除するために、全戦力を投入しようとしている。
「……望むところだ。あいつは、ずっと一人で戦ってきたんだ」
シグルドは大剣を鞘に納め、アルトとマリナに向かって不敵に笑った。
「次は、俺たちの番だ。……あいつを、あんな真っ白な場所から連れ戻しに行くぞ」
「はい!」
「……ええ、必ず」
三人は、半壊した里を後にし、世界の最果てを目指して歩き出した。
空を覆い尽くす黄金の軍勢を前に、たった三人で挑む絶望的な戦い。
だが、その足取りに迷いはない。
彼らが一歩踏み出すたびに、世界という名の「完璧な偽り」が、音を立てて崩れ始めていた。
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