第四創世主は殺人衝動を性欲で捻じ伏せるらしい~最強の力を得た凡人、仕方なくイヤイヤ成り上がっていったら世界を救うことになりました~

文場凡

文字の大きさ
48 / 120
第三章:第四創世主の弱点

四話:地下空間

しおりを挟む
 「回答、ギルノール。既に絶滅したはず」
 「き……気持ちの悪い見た目ですね……」

 メリシアが虫を嫌がる女子のような反応をするのも無理はない。
 遠目からでも分かる、ヌラヌラとカエルのようなテカりを放つ表皮には、ところどころデコボコしたイボのようなものがついていて、鳴き声を上げる直前にそれが突き出て、鳴くと同時にそれが表皮へと沈みこんでいく。
 さっきまではあのイボに乗ってたのか。
 ジャンボジェットくらいあるその巨体のせいもあり、生物と呼ぶには違和感のあるあまりに非現実的な存在のため、俺としては、その一連の動作が原子炉に制御棒が収まっていくようなちょっとしたロマンを感じる光景に見えるのだが、女の子からするとアレはそうとうキツイだろう。

 「いったいどんなヤツなんだ?」
 「不明。実物を見たのはこれが初めて。古代文献に挿絵と名前のみ記載があったのを記憶していただけ」
 「そうか……分かった。んじゃ、さっき助けてくれたから、今度は俺の出番だな」

 抱えている三人を順番に上に投げて、自身の落下速度に勢いをつける。
 そして大口を開けて待ち構えているカエルもどきの口元に近づいたところで、思い切り右拳を突き出す――

 ドゴンッ!

 「ブギュゥゥゥッ!」

 急激に圧縮された空気が巨大なハンマーと化してカエルもどきを押しつぶすが、完全にペチャンコになったと思った次の瞬間にはプルンッと元に戻ってしまった。

 「タコみたいなヤツだな……なら、これでどうだっ」

 着地後、犬や猫のようにお座りをしている謎生物の腹と思しき箇所めがけて跳躍し、直接、左右のコブシをワンツーで叩き入れる。

 ドゴッドゴッ――バギャッバヂャァッ

 「ボゥッビュッ」

 左で殴ったところはえぐれ、右で殴ったところはその周囲諸共はじけとび、腹部に巨大な穴が開いたカエルもどきが仰向けに倒れてピクリともしなくなったのを見て、ホッと胸を撫でおろす。

 「さすがに直接なら効いたか」

 再びスローモーションに移行して、落ちてくるセルフィ、メリシア、ファフミルを順番に抱きとめ、着地する。

 「ソウタ、お疲れ様」
 「あ、ありがとうございますソウタ様っ」
 「ご主人様、お手数をお掛けして申し訳ございません」
 「いつも世話になってるしこのくらいいいよ。それよりおっさんどこ行った?」
 「陛下っ! こ、ココです!」

 声がするほうを見ると、ひっくり返ったカエルの下敷きになったおっさんと、それを助けようとしているグエンをみつけ、駆け寄る。

 「ト、トルキダス殿が!」
 「ホイ、大丈夫かおっさ……将軍」

 おっさんの上に乗っかっている部分の、固めた土のような触感の肉を持ち上げ、引っ張り出す。

 「……陛下、助かりました」
 「いやいや……さすがは皇帝陛下。噂に違わぬ、圧倒的な武でございますな……このグエン、腰が抜けるかと思いました」
 「無事で何よりだ。それよりグエン、道案内はここまでで大丈夫だから、後は俺たちに任せて先に帝都に戻ってくれないか」
 「……それが良さそうですね。私の知っている物語の中には、このようなところは登場致しませんし、ここから先はお役に立てそうもありません」
 「気にするな。ちゃんと神器を回収して戻るから」
 「道すがらお話いたしましたが、神器は貧者の洞窟の最奥にある遺跡に安置されているらしいので、遺跡をお探しください」
 「わかった」

 ファフミルに目で合図をすると、すぐにグエンの周囲に転移円が現れる。

 「それでは、皇帝陛下と皆様が無事にお戻りになるのを帝都にてお待ちしております」

 そう言うと、グエンは深く頭を下げ――転移円の青い光の余韻だけを残してフッと消えた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故

ラララキヲ
ファンタジー
 ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。  娘の名前はルーニー。  とても可愛い外見をしていた。  彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。  彼女は前世の記憶を持っていたのだ。  そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。  格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。  しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。  乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。  “悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。  怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。  そして物語は動き出した…………── ※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。 ※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。 ◇テンプレ乙女ゲームの世界。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。

気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな
ファンタジー
 事故で死んだ私が転生した先は、前世の小説の世界?  しかも、婚約者に不当に扱われても、家族から冷たくされても、反論ひとつ出来ない気弱令嬢?  いやいやいや。 そんなことだから、冤罪で処刑されるんでしょ!  せっかく生まれ変わったんだから、処刑ルートなんて真っ平ごめん。  屑な婚約者も冷たい家族も要らないと思っていたのに・・・?

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

悪役令嬢として断罪された聖女様は復讐する

青の雀
恋愛
公爵令嬢のマリアベルーナは、厳しい母の躾により、完ぺきな淑女として生まれ育つ。 両親は政略結婚で、父は母以外の女性を囲っていた。 母の死後1年も経たないうちに、その愛人を公爵家に入れ、同い年のリリアーヌが異母妹となった。 リリアーヌは、自分こそが公爵家の一人娘だと言わんばかりにわが物顔で振る舞いマリアベルーナに迷惑をかける。 マリアベルーナには、5歳の頃より婚約者がいて、第1王子のレオンハルト殿下も、次第にリリアーヌに魅了されてしまい、ついには婚約破棄されてしまう。 すべてを失ったマリアベルーナは悲しみのあまり、修道院へ自ら行く。 修道院で聖女様に覚醒して…… 大慌てになるレオンハルトと公爵家の人々は、なんとかマリアベルーナに戻ってきてもらおうとあの手この手を画策するが マリアベルーナを巡って、各国で戦争が起こるかもしれない 完ぺきな淑女の上に、完ぺきなボディライン、完ぺきなお妃教育を持った聖女様は、自由に羽ばたいていく 今回も短編です 誰と結ばれるかは、ご想像にお任せします♡

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...