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高校生編
35 梅雨は恋の季節?(1)
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気がつけば梅雨になっていた。
旅行の後翌月に控えた校外模試とさらに7月には中間考査もあるので、一転勉強モードへと切り替えた。
やっぱりこの学校の学力水準はとても高い。
大翔とクラスは離れたくないので点数を落とすわけにはいかないので日頃から自習は怠ってないけれど、各中間と期末考査の点数如何でクラス分けに関わってくるのでみんなどのテストにも本気だ。
お坊ちゃんお嬢ちゃんの学校だと思われがちだし、αとΩのみが通う学校となれば下手すればお見合い学校だと揶揄されそうだけど。実際はかなりゴリゴリの進学校だと思う。
附属の大学もかなり偏差値が高く内部進学でも合格率はそこまで高く無い。
まだ入学したばかりなので内部進学か外部受験するか迷っているけど、どちらにせよ勉強しないことには始まらない。
と言うことで、今日は大翔と僕だけではなく、明くんと神宮寺くんも含めた四人で特別棟にある図書室に併設された自習室でお勉強会を開くことになった。
自習室は一人用の区切られたスペースから、複数名で使える会議室のようなものまで揃っている。
学校専用のアプリで時間帯毎に予約できるし、飲食も可能だったり多目的に使えるスペースでもある。文化祭や体育祭の時のミーティングとか委員会の時なんかにも使えるらしい。
もちろんカフェテリアのカップルシートと同じく、入退室は学生証のICカードで管理し室内にはフェロモン感知器が設置されている。
放課後になり予約してあった自習室でみんなが勉強したい科目のノートや参考書などを取り出す。
大翔は特に苦手なものが無いので、今日は僕の先生役と今日の授業の復習を行うらしい。
明くんは英語。
神宮寺くんも特に苦手なものは無いって言っていたので、今日の復習をするみたい。
僕はちょっと苦手な古文。(あと現代文もちょっと…)
小一時間ほど各自勉強をしたところでちょっと集中力が落ちてきた。
「明くんさ、英語なら凛ちゃんいるじゃん。同室の時に教わらなかったの?」
「あー、いやぁ、凛はなんかちょっと説明がわかりづらいから…。」
「えっ!分かりづらかった?」
「うーん、ちょっとね!英語で育ってきてるせいなのか、海外の学校で学んできたからなのか…、日本の英語教育の感じに慣れてないって言うか…。」
「でも、凛ちゃん英語点数取れてるんでしょ?」
「うーん。一応日本に戻ってきてから日本の受験対策とかで勉強したからなんとなくって感じで…。すごい得意ってわけじゃない…かな?」
「なるほどね。」
「凛はこう見えて理数系だしね。」
「明くんこう見えてってどう言うこと…?」
「うーん、なんかぽやぁ~ってしてるじゃん。」
「えぇ!ぽやぁっとなんてしてないよ!」
「いや、明くんの言ってることはわかる。ちょっとぽやっとしてる…特にゴールデンウィーク明けから…。」
「あーー。」
ゴールデンウィークはその…大翔と沖縄行った後からってことだよね…。確かにちょっとぽやぽやしてたかも…。だって、なんか学校でも大翔が近かったりすると…その、色々なことを思い出してしまって…。
「ほら、またぽやぽやしだした。」
「大翔が所構わず凛ちゃん構い倒すからな…突然甘ったるい空気出し始めるし…それでか…なるほどな…。」
「構うだろ。こんな可愛いんだし。」
そう言って大翔は僕のことを横から軽く抱きしめ、頭に顔を埋めてくる。
「凛…真っ赤になって…。」
「固まってるな…大丈夫か…凛ちゃん…。」
だ、大丈夫じゃ無い…です…。
二人っきりなら全然良いんだけど、誕生日旅行の後からさらに拍車がかかった大翔は教室でもカフェテリアでもみんなが居ようと構わずこうやっていちゃいちゃしてくる。
もちろん全然嫌じゃ無い、けど…とてつもなく恥ずかしい…。
「凛…嫌だった?」
僕が固まったりすると大翔はこう言いながら、叱られた子犬みたいな顔で僕の顔を覗き込むんだ…。僕がその顔に弱いのを知ってて…、案の定僕はその顔に絆されて頭を横に振ることしかできない。
「じゃあ、良いよね。」
そう言って額にキスを落とすと、髪の毛を梳かしながらぎゅっと抱きしめてくる。
「はぁ…途端に空気が甘いわ…。」
「六浦くんも確信犯だし、凛もそれをわかって受け入れてるあたり…茶番だなぁ…。」
「あっ!!ぼ、僕おやつ作ってきたんだ!みんなで食べよ!」
現状を打破すべく僕がおもむろに立ち上がり、お茶の準備をすることにした。
カバンとは別に持ってきたサブバックから1口サイズで作ったバナナマフィンとケークサレ、あとお土産で買ってきたジャムを使ってクッキーを作ったので机の上に並べた。
この自習室簡易のミニキッチンが付いていて、電気ケトルが置かれているのでコーヒーやお茶を入れることもできるんだ。
僕はいそいそと紅茶の準備をするために電気ケトルでお湯を沸かし、備え付けの紙コップを準備する。
「やった!凛の作るお菓子好きなんだよね。」
「えへへ、ありがと明くん。」
お茶の準備もできたので早速おやつタイム!勉強で頭使ったら甘いもの取らなきゃね!
「このケークサレって?」
「あ、それはね昨日晩御飯に作ったラタトゥイユを入れたしょっぱいお食事系のケーキだよ。大翔甘いもの苦手だし、甘いものだけじゃなくてしょっぱいのも食べたくなるかなぁって思って。」
「へぇ~いやぁ大翔は良い嫁をもらったよな~。ん、うまい!」
「あぁ、ご飯は美味しいし、可愛いし…ほんと凛と出会えてよかった。」
「えへへ、僕は好きなもの作ってるだけなんだけど。」
みんな美味しそうに食べてくれてよかった。
一口サイズにしたからこれなら晩御飯も問題なく食べれるだろうし。
僕らは軽くお腹を満たして糖分補給も終わったので、再び勉強に取り掛かった。
それから2時間ほど勉強し日も陰ってきたのでお開きにすることして、軽く室内を片付けて自習室を後にした。
旅行の後翌月に控えた校外模試とさらに7月には中間考査もあるので、一転勉強モードへと切り替えた。
やっぱりこの学校の学力水準はとても高い。
大翔とクラスは離れたくないので点数を落とすわけにはいかないので日頃から自習は怠ってないけれど、各中間と期末考査の点数如何でクラス分けに関わってくるのでみんなどのテストにも本気だ。
お坊ちゃんお嬢ちゃんの学校だと思われがちだし、αとΩのみが通う学校となれば下手すればお見合い学校だと揶揄されそうだけど。実際はかなりゴリゴリの進学校だと思う。
附属の大学もかなり偏差値が高く内部進学でも合格率はそこまで高く無い。
まだ入学したばかりなので内部進学か外部受験するか迷っているけど、どちらにせよ勉強しないことには始まらない。
と言うことで、今日は大翔と僕だけではなく、明くんと神宮寺くんも含めた四人で特別棟にある図書室に併設された自習室でお勉強会を開くことになった。
自習室は一人用の区切られたスペースから、複数名で使える会議室のようなものまで揃っている。
学校専用のアプリで時間帯毎に予約できるし、飲食も可能だったり多目的に使えるスペースでもある。文化祭や体育祭の時のミーティングとか委員会の時なんかにも使えるらしい。
もちろんカフェテリアのカップルシートと同じく、入退室は学生証のICカードで管理し室内にはフェロモン感知器が設置されている。
放課後になり予約してあった自習室でみんなが勉強したい科目のノートや参考書などを取り出す。
大翔は特に苦手なものが無いので、今日は僕の先生役と今日の授業の復習を行うらしい。
明くんは英語。
神宮寺くんも特に苦手なものは無いって言っていたので、今日の復習をするみたい。
僕はちょっと苦手な古文。(あと現代文もちょっと…)
小一時間ほど各自勉強をしたところでちょっと集中力が落ちてきた。
「明くんさ、英語なら凛ちゃんいるじゃん。同室の時に教わらなかったの?」
「あー、いやぁ、凛はなんかちょっと説明がわかりづらいから…。」
「えっ!分かりづらかった?」
「うーん、ちょっとね!英語で育ってきてるせいなのか、海外の学校で学んできたからなのか…、日本の英語教育の感じに慣れてないって言うか…。」
「でも、凛ちゃん英語点数取れてるんでしょ?」
「うーん。一応日本に戻ってきてから日本の受験対策とかで勉強したからなんとなくって感じで…。すごい得意ってわけじゃない…かな?」
「なるほどね。」
「凛はこう見えて理数系だしね。」
「明くんこう見えてってどう言うこと…?」
「うーん、なんかぽやぁ~ってしてるじゃん。」
「えぇ!ぽやぁっとなんてしてないよ!」
「いや、明くんの言ってることはわかる。ちょっとぽやっとしてる…特にゴールデンウィーク明けから…。」
「あーー。」
ゴールデンウィークはその…大翔と沖縄行った後からってことだよね…。確かにちょっとぽやぽやしてたかも…。だって、なんか学校でも大翔が近かったりすると…その、色々なことを思い出してしまって…。
「ほら、またぽやぽやしだした。」
「大翔が所構わず凛ちゃん構い倒すからな…突然甘ったるい空気出し始めるし…それでか…なるほどな…。」
「構うだろ。こんな可愛いんだし。」
そう言って大翔は僕のことを横から軽く抱きしめ、頭に顔を埋めてくる。
「凛…真っ赤になって…。」
「固まってるな…大丈夫か…凛ちゃん…。」
だ、大丈夫じゃ無い…です…。
二人っきりなら全然良いんだけど、誕生日旅行の後からさらに拍車がかかった大翔は教室でもカフェテリアでもみんなが居ようと構わずこうやっていちゃいちゃしてくる。
もちろん全然嫌じゃ無い、けど…とてつもなく恥ずかしい…。
「凛…嫌だった?」
僕が固まったりすると大翔はこう言いながら、叱られた子犬みたいな顔で僕の顔を覗き込むんだ…。僕がその顔に弱いのを知ってて…、案の定僕はその顔に絆されて頭を横に振ることしかできない。
「じゃあ、良いよね。」
そう言って額にキスを落とすと、髪の毛を梳かしながらぎゅっと抱きしめてくる。
「はぁ…途端に空気が甘いわ…。」
「六浦くんも確信犯だし、凛もそれをわかって受け入れてるあたり…茶番だなぁ…。」
「あっ!!ぼ、僕おやつ作ってきたんだ!みんなで食べよ!」
現状を打破すべく僕がおもむろに立ち上がり、お茶の準備をすることにした。
カバンとは別に持ってきたサブバックから1口サイズで作ったバナナマフィンとケークサレ、あとお土産で買ってきたジャムを使ってクッキーを作ったので机の上に並べた。
この自習室簡易のミニキッチンが付いていて、電気ケトルが置かれているのでコーヒーやお茶を入れることもできるんだ。
僕はいそいそと紅茶の準備をするために電気ケトルでお湯を沸かし、備え付けの紙コップを準備する。
「やった!凛の作るお菓子好きなんだよね。」
「えへへ、ありがと明くん。」
お茶の準備もできたので早速おやつタイム!勉強で頭使ったら甘いもの取らなきゃね!
「このケークサレって?」
「あ、それはね昨日晩御飯に作ったラタトゥイユを入れたしょっぱいお食事系のケーキだよ。大翔甘いもの苦手だし、甘いものだけじゃなくてしょっぱいのも食べたくなるかなぁって思って。」
「へぇ~いやぁ大翔は良い嫁をもらったよな~。ん、うまい!」
「あぁ、ご飯は美味しいし、可愛いし…ほんと凛と出会えてよかった。」
「えへへ、僕は好きなもの作ってるだけなんだけど。」
みんな美味しそうに食べてくれてよかった。
一口サイズにしたからこれなら晩御飯も問題なく食べれるだろうし。
僕らは軽くお腹を満たして糖分補給も終わったので、再び勉強に取り掛かった。
それから2時間ほど勉強し日も陰ってきたのでお開きにすることして、軽く室内を片付けて自習室を後にした。
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