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第二章
27.愛されなかった少女
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目が覚めたのは、自室のベットだった。
昨日の魔法適性検査で衝撃を受けた後、私はほとんど覚えていない。どうやって侯爵邸に帰ってきたのかも、どうやって眠りについたのかも覚えていなかった。
「リリアナ様。」
ベットの横にいたのはニケだった。
ニケは父様から、昨日のことを聞いたのか分からないがで何も言わず、傍にいてくれた。
私は精霊に愛されなかった。
この世界でこれ程、致命的なことはあるだろうか。
私はどうしたらいいのだろうか。
明日はアルに呼ばれて、王宮へと赴かなければならない。婚約のことは断ったけれど、その日の午後にはこれまでと同じように友達としてでもいいから側にいて欲しいと文が届いた。
今日は昨日のことを整理できる時間が取れて良かったのかもしれない。
けれど、私はアルの側にいてもいいのだろうか。アルはこの国の王太子で、国中で1番と言っていい程に精霊に愛されている。精霊に愛されていない私は、本当にアルと釣り合わない状況に陥ってしまった。
今日の事も、友達としてももうこれ以上一緒にいては行けないのかもしれない。
前世でだって、今世でだって、私は愛されない。
精霊王がいるならば、神様がいるならば、どうか教えて欲しい。
私は、なにか怒らせるようなことをしたのでしょうか。
私は………一体どうすれば愛してもらえましたか?
自然と涙が溢れてくる。
どんなに願おうとも、元には戻れないのに。愛されないのに。
こちらを見てくるニケの顔が余計に心を締め付ける。
明日は、最後に1度だけ。アルに会いに行こう。
「ニケ。父様と母様のところに行かなきゃ。」
「はい。ただいま準備致しますね。」
優しい声が心に染みる。
準備が出来、父様と母様の元へ向かう。
2人の話し声が聞こえ、ドアの前で立ち止まる。
「クロエ。やはり、陛下には…」
「えぇ、陛下にだけ報告しましょう。けれど、他の貴族達には…」
「もちろんだ。…しかし…どうして……」
父様達が話し合っている内容はきっと私のことだろう。このまま聞いてみたいという気持ちもあるけれど、聞きたくないという気持ちもある。
でも、このまま聞き続けるのは良くない気がする。
私は強くない。けれど弱くもいられない。
トントントン。
躊躇いながらドアを叩く。
ハッとしたのか、ピタリと話し声を辞め、どうぞ。と母様の声がする。
ガチャとドアを開けると父様はソファに深く腰をかけ、母様は父様の横に立っていた。
「リリ…」
母様は優しく微笑んで私を呼び寄せた。
「座りなさい。」
父様も優しく微笑んでくれる。
向かい側のソファに腰を下ろし、2人の方を向いた。
「リリ、大丈夫よ。これから話すことをよく聞いてね。」
母様は父様の隣に腰を下ろす。
すると父様がゆっくりと口を開いた。
「今から、話すことは誰にも言ってはいけないよ。」
「はい。」
ゆっくりと頷く。頷いたものはいいが、そこから顔をあげられない。
「昨日のことだ。リリも驚いただろう。私とクロエはリリの魔法適性検査のことを秘密にすることにした。」
私は父様と母様の汚点になってしまったんだと改めて思った。
「リリ、気に病むことじゃない。リリのことが恥ずかしいなんて、私達は思わない。リリのために隠すんだ。リリが隠したくないと言うなら、正直に全て皆に話そう。けれど、陛下にだけは報告する。リリが魔法適性検査を受けたことは陛下は知っているし、検査結果を国に報告するのは、国民の決まりだ。それだけは許してほしい。」
膝の上に重ねた手が震える。
私のためにとは言ったけれど、やはりこの世界で精霊に愛されないという罪は重い。
怖かった。何も無い自分をいらないとつき跳ねられるのが。
静かな部屋の中で私の震える呼吸音がはっきりと聞こえた。
「リリ……リリはどうしたい…?」
母様は座っていたソファから私の隣へと移動する。私の隣に座り、ソファを優しく沈ませた。
手を握るように重ねてくれる母様は、母親という温もりを教えてくれる。
けれど、私はそんなことを考える余裕はなくて、頭の中では、いつ棄てられるんだろうとそんなことばかり考えていた。
母様と父様は私が口を開くのを待ってくれている。
「……わ…たしは…いらない子…です……か…?わた…しは…生まれてこない方が……」
生ぬるい液体が頬を濡らし、静かに母様の手の甲に落ちる。
「リリっ!…そんなことないわ……そんなこと…あるはず…ないでしょ…」
震える声は、私から母様へと伝染していく。
「だって…期待に…答えられない…私は……もう……」
涙は止まることを知らない。
気がつくと私は母様の腕の中にいた。
「リリ、大丈夫よ…母様と父様は…どんな……どんなあなたでも…大好きだから…」
母様の啜り泣く声が聞こえる。
ぎゅっとし返してもいいのかな。母様の抱擁に身を委ねてもいいの…かな?
拒絶されるのが嫌で、母様の背に手を回せない。
「リリ、今日はみんなでゆっくり過ごそう。」
気がつくと父様も私の隣にいて、私と母様を抱くように腕を回していた。
結局私は母様を抱き返せなかった。
ゆっくりと過ごす今日一日は、どんな一日よりも長く感じて、今まで1番父様と母様と過ごす時間が長かった。
夜、ベットに入ると寂しく感じる。目が覚めたら、私の居場所はないのかもしれないと。もしもの不幸な出来事の想像が止まらない。
けれど泣き疲れた私は眠気には勝てないもので、いつの間にか眠ってしまった。
___________________________________________
優しい声がする。
誰かわからないけれど、暖かくて優しい声。
ひんやりとした手は、私の頭にそっと触れる。
『ごめんね。もう少し待っててね。』
その声を聞き、閉じた瞼の横からは小さな涙が流れた。
朝起きると、私はその優しい声を
覚えていなかった。
____________________________________________
後書き
王太子の溺愛には少々お待ち頂いております…:( ˙꒳˙ ):
もう少し待っててくださいね…( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
昨日の魔法適性検査で衝撃を受けた後、私はほとんど覚えていない。どうやって侯爵邸に帰ってきたのかも、どうやって眠りについたのかも覚えていなかった。
「リリアナ様。」
ベットの横にいたのはニケだった。
ニケは父様から、昨日のことを聞いたのか分からないがで何も言わず、傍にいてくれた。
私は精霊に愛されなかった。
この世界でこれ程、致命的なことはあるだろうか。
私はどうしたらいいのだろうか。
明日はアルに呼ばれて、王宮へと赴かなければならない。婚約のことは断ったけれど、その日の午後にはこれまでと同じように友達としてでもいいから側にいて欲しいと文が届いた。
今日は昨日のことを整理できる時間が取れて良かったのかもしれない。
けれど、私はアルの側にいてもいいのだろうか。アルはこの国の王太子で、国中で1番と言っていい程に精霊に愛されている。精霊に愛されていない私は、本当にアルと釣り合わない状況に陥ってしまった。
今日の事も、友達としてももうこれ以上一緒にいては行けないのかもしれない。
前世でだって、今世でだって、私は愛されない。
精霊王がいるならば、神様がいるならば、どうか教えて欲しい。
私は、なにか怒らせるようなことをしたのでしょうか。
私は………一体どうすれば愛してもらえましたか?
自然と涙が溢れてくる。
どんなに願おうとも、元には戻れないのに。愛されないのに。
こちらを見てくるニケの顔が余計に心を締め付ける。
明日は、最後に1度だけ。アルに会いに行こう。
「ニケ。父様と母様のところに行かなきゃ。」
「はい。ただいま準備致しますね。」
優しい声が心に染みる。
準備が出来、父様と母様の元へ向かう。
2人の話し声が聞こえ、ドアの前で立ち止まる。
「クロエ。やはり、陛下には…」
「えぇ、陛下にだけ報告しましょう。けれど、他の貴族達には…」
「もちろんだ。…しかし…どうして……」
父様達が話し合っている内容はきっと私のことだろう。このまま聞いてみたいという気持ちもあるけれど、聞きたくないという気持ちもある。
でも、このまま聞き続けるのは良くない気がする。
私は強くない。けれど弱くもいられない。
トントントン。
躊躇いながらドアを叩く。
ハッとしたのか、ピタリと話し声を辞め、どうぞ。と母様の声がする。
ガチャとドアを開けると父様はソファに深く腰をかけ、母様は父様の横に立っていた。
「リリ…」
母様は優しく微笑んで私を呼び寄せた。
「座りなさい。」
父様も優しく微笑んでくれる。
向かい側のソファに腰を下ろし、2人の方を向いた。
「リリ、大丈夫よ。これから話すことをよく聞いてね。」
母様は父様の隣に腰を下ろす。
すると父様がゆっくりと口を開いた。
「今から、話すことは誰にも言ってはいけないよ。」
「はい。」
ゆっくりと頷く。頷いたものはいいが、そこから顔をあげられない。
「昨日のことだ。リリも驚いただろう。私とクロエはリリの魔法適性検査のことを秘密にすることにした。」
私は父様と母様の汚点になってしまったんだと改めて思った。
「リリ、気に病むことじゃない。リリのことが恥ずかしいなんて、私達は思わない。リリのために隠すんだ。リリが隠したくないと言うなら、正直に全て皆に話そう。けれど、陛下にだけは報告する。リリが魔法適性検査を受けたことは陛下は知っているし、検査結果を国に報告するのは、国民の決まりだ。それだけは許してほしい。」
膝の上に重ねた手が震える。
私のためにとは言ったけれど、やはりこの世界で精霊に愛されないという罪は重い。
怖かった。何も無い自分をいらないとつき跳ねられるのが。
静かな部屋の中で私の震える呼吸音がはっきりと聞こえた。
「リリ……リリはどうしたい…?」
母様は座っていたソファから私の隣へと移動する。私の隣に座り、ソファを優しく沈ませた。
手を握るように重ねてくれる母様は、母親という温もりを教えてくれる。
けれど、私はそんなことを考える余裕はなくて、頭の中では、いつ棄てられるんだろうとそんなことばかり考えていた。
母様と父様は私が口を開くのを待ってくれている。
「……わ…たしは…いらない子…です……か…?わた…しは…生まれてこない方が……」
生ぬるい液体が頬を濡らし、静かに母様の手の甲に落ちる。
「リリっ!…そんなことないわ……そんなこと…あるはず…ないでしょ…」
震える声は、私から母様へと伝染していく。
「だって…期待に…答えられない…私は……もう……」
涙は止まることを知らない。
気がつくと私は母様の腕の中にいた。
「リリ、大丈夫よ…母様と父様は…どんな……どんなあなたでも…大好きだから…」
母様の啜り泣く声が聞こえる。
ぎゅっとし返してもいいのかな。母様の抱擁に身を委ねてもいいの…かな?
拒絶されるのが嫌で、母様の背に手を回せない。
「リリ、今日はみんなでゆっくり過ごそう。」
気がつくと父様も私の隣にいて、私と母様を抱くように腕を回していた。
結局私は母様を抱き返せなかった。
ゆっくりと過ごす今日一日は、どんな一日よりも長く感じて、今まで1番父様と母様と過ごす時間が長かった。
夜、ベットに入ると寂しく感じる。目が覚めたら、私の居場所はないのかもしれないと。もしもの不幸な出来事の想像が止まらない。
けれど泣き疲れた私は眠気には勝てないもので、いつの間にか眠ってしまった。
___________________________________________
優しい声がする。
誰かわからないけれど、暖かくて優しい声。
ひんやりとした手は、私の頭にそっと触れる。
『ごめんね。もう少し待っててね。』
その声を聞き、閉じた瞼の横からは小さな涙が流れた。
朝起きると、私はその優しい声を
覚えていなかった。
____________________________________________
後書き
王太子の溺愛には少々お待ち頂いております…:( ˙꒳˙ ):
もう少し待っててくださいね…( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
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