クレイジー&クレイジー

柚木ハルカ

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12.とても贅沢な入浴

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 時間は掛かったけれど全部食べ終わり、満腹という幸福に浸っていると、髪が乱れていたのか梳いて整えられる。それから口の端に、触れてきた。

「汚れてしまいましたね」

 ちょっと強めに指で拭われたけれど、鼻や顎にもべったりした感覚があるので、たぶん全然綺麗になっていない。だからか神崎は、苦笑を零した。

「食器を片付けるから、少し待っていてください」

 彼は床に置かれていた器を全部片付けると、ワゴンを押して部屋を出ていった。待っていろとは言われたものの、さすがにベタベタしているのは気持ち悪いので、小さなラックに置いてあるウェットティッシュで顔を拭く。その間にも、神崎が戻ってきた。
 床に座り込んでいる俺を見下ろして、ふわりと微笑する。そして頭を撫でてくる。

「風呂沸かしてあるから、入れてあげる」

 彼はジーパンのケツポケから小さな鍵を取り出すと、パイプベッドに繋がっている方の手錠を外した。それを彼自身の腕に付け直してから、部屋を出ていこうとする。その姿をぼんやり見ていると、おいでと促されたので、慌てて立ち上がった。

「そういえば説明していませんでしたね。ここは2階です。現在弘樹さんのいる読書部屋以外は、すべて書庫になっています。基本的にはミステリー小説や経済小説が並んでいますが、漫画も結構あるので、読みたければ言ってください」

 部屋を出ると廊下で、突き当たりに上下に繋ぐ階段があった。それからドアが1つ、2つ……3つ。

「1階はリビングダイニングキッチンに、寝室など。普通の住居とだいたい同じです。3階はフィットネス用で、風呂もあります。広いので快適だと思いますよ」

 神崎のあとを付いていって階段を上がると、センサーが反応したのか、自動で明かりが点いた。そして明るくなった部屋を見て、ビックリしてしまう。

 とても広い空間で、ガラス張りの窓から見えているベランダも広い。こんなに広いとなると、下の階の部屋1つ1つもとても広いはずだ。それに高い天井は半分ほどガラス屋根になっていて、今は夜空が見えている。

 部屋の半分はフィットネス用と言っていたように、高そうなトレーニングマシンがいくつか置かれていた。そしてもう半分が、風呂や脱衣所である。この空間が広いとわかったのは、ほとんどガラス張りになっていて、ここからでもデカい浴室が見えているから。大金持ちの豪邸だ。

「弘樹さん、トイレは?」
「え、あ……先に行きたい」
「わかりました」

 場違いな空間に戸惑っていたら、くんっと鎖を引かれたので、促されるままあとを付いていく。フロア端に下部分がガラスじゃない部屋があり、引き戸が開かれるとトイレだった。トイレも広いし綺麗だ。でもそこに入ると、神崎に羽織っていた布団を取られたし、扉を開いたままこちらを見てきた。

 見られながらしなきゃいけないのか、と思ったのは一瞬だけ。最初に尿を漏らしてしまってるし、部屋に置かれているおまるも、空腹で朦朧としている時に2回ほど使用している。見られないでおまるでするのと、見られている状態でトイレでするのと、どちらがマシかという話だ。あんなふうに飯を食べたばかりなのもあり、結局あまり抵抗を感じないまま大きいのを排泄した。

 トイレを終えたあとは、脱衣所に移動。神崎は布団を籠に入れると、服を着たまま浴室のドアを開けた。ガラス越しに見ていたのでわかってはいたが、すげぇ綺麗だし、マジで広い。あまりの綺麗さにきょろきょろしていると、浴槽近くの手すりに、手錠を付け直された。

「じゃあこの中に入って」

 浴槽は丸型の大きなジェットバスで、泡がブクブクしていた。こんな高級な風呂に入って良いんだろうか? でもバスチェアに腰掛けた神崎をチラリと見ると、微笑んで頷かれるから、おずおず手を伸ばす。うん、入りやすい温度だ。

 こんなところで意固地になって無意味なので、入ることにした。足先からゆっくりと、身を沈めていく。はぁ……気持ち良い。温かさもだが、泡が身体を刺激してくれる感覚に、思わず吐息が零れていく。

「ちゃんと背中を付けて寝そべってください。その方が、頭を洗いやすいので」

 こ、こんなところに横になるなんて、贅沢すぎないか? それに飯はあんなふうに食わせたくせに、身体はこんな高級バスに浸るだけでなく、神崎が洗ってくれるなんてチグハグすぎる。……ああいや、飯自体はすげぇ美味かったから、ある意味では一緒なのか。

 とりあえず寝そべると、全身を泡でマッサージされて、本当に気持ち良かった。そうしてゆったりしている間にも頭にシャワーを掛けられて、頭皮を揉まれつつシャンプーで頭を洗われた。そのあとはジェットバスの中に入ったまま、時間を掛けてボディブラシで隅々まで磨かれる。そうして泡まみれになったら、風呂から出てシャワーで流された。





 浴室から出る頃には大きな窓の向こうが明るくなっていくのが見えて、なんだか綺麗だった。情緒なんて持ち合わせていないと思っていたが、さすがにこんな場所にいると、そう感じてしまう。

 歯磨きもさせてもらえて、完全にスッキリした状態で部屋に戻ったら、またベッドに手錠を付けられた。
 現在は朝7時すぎ。起きてから12時間以上経過しているけど、さすがにまだ眠くない。だからか神崎は、ベッドにバスタオルを敷いてきた。

「さて弘樹さん、横になりましょうか」

 ぽんぽんベッドを叩いて、優しく促してくる。またそういうことをするのか。でも従わないと、撮影された痴態をネットに流されてしまうかもしれない。だからおずおず寝転がれば、トロリとしたものをチンコに垂らされた。

「ゃ……。いや、だ……」
「大丈夫、今日は普通のローションですから。抵抗しなければ痛いこともしないので、感じるまま気持ち良くなってください」

 抵抗しなければ、ただ気持ち良いだけ。それならと頷いたら、チンコを緩く扱かれて、勃起させられた。それからアナルに指が伸びていき、くにくに揉まれたあと、中に入ってくる。挟まっている感覚の気持ち良さに、ふるりと身体が震えた。

「ん……、あ……ん、ん……ぁふ」

 ぬぷ、ぬぷ、と縁を擦るように出し入れされたあと、前立腺と説明された場所を、ゆっくり擦られたり押されたり。緩やかな快感に侵されて、身体をくねらせてしまう。気持ち良くて、自分から足を開いて、受け入れやすくしてしまう。
 それでも神崎は、最初の時のように嘲笑ってこなかった。

「は、ん……んん、……あ、あ……」
「弘樹さんの中、すごく蠢いていますよ。ペニスも震えていて……ふふ、とても可愛いですね」
「う……そんな……んあ、あ……ふぁ」

 揶揄われているわけではないと思うが、それでも可愛いと言われるのは恥ずかしい。俺なんかの痴態を見て、どうして可愛いと思えるのか不明でもある。

「弘樹さん、もう少し股を広げてましょうか。……そう、上手ですね」

 言われたとおりにすれば、褒美のようにチンコを撫でられて、気持ち良さにきゅっと喉が鳴った。素直に従っていれば、神崎はどこまでも優しい。

 そのあと胎内に小さなローターを入れられたけど、時々羞恥を煽るような言葉を掛けられつつ、チンコを撫でてくるだけだった。イきたい時にはイかせてもらえたし、とても気持ち良かった。
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