悪役令嬢の腰巾着で婚約者に捨てられ断罪される役柄だと聞いたのですが、覚悟していた状況と随分違います。

夏笆(なつは)

文字の大きさ
45 / 136

45.婚約者と一緒に、釣りをします。

しおりを挟む
 

 

 

「もう、パトリックってばローズマリーなんかと一緒にいて。本当ならあたしと約束して、あたしを迎えに来るはずなのに。でも、わかってる。本命のあたしの前に、ローズマリーで練習したかったんだよね。本当に照れ屋さんなんだから。でも大丈夫。ちゃんと許してあげるから。ほら、パトリックこっち来て」 

 可愛い笑顔でそう言う激烈桃色さん。 

 暫くパトリックさまと見つめ合っていた私は、動くこともせず激烈桃色さんへと視線だけを動かした。  

「ちょっとローズマリー!いつまでパトリックに張り付いてんのよ!さっさと離れて!ね、パトリック、行こう?あたし、湖で舟にのりたい」 

 激烈桃色さんは、甘い瞳と声で強請るようにそう言って、パトリックさまへと手を伸ばす。 

「パトリックさま?」 

「ローズマリー。行くよ!」 

 激烈桃色さんの方を向こうともせず、私を見つめたままだったパトリックさまは、激烈桃色さんの手がパトリックさまに届く、と思ったその瞬間、激烈桃色さんの手を華麗に避けた、と思ったら私ににやりと笑いかけ、そのまま私の手を、ぐい、と力強く引くと勢いよく走り出した。 

「なっ!ちょっと待って!」 

 そして激烈桃色さんも、パトリックさまに避けられたことで崩れた体勢を何とか整えると、焦った様子で追いかけて来る。 

 突然始まった、湖のほとりでの追いかけっこ。 

 幸い、この辺りにひとはいないけれど、湖に浮かんでいる舟には当然ひとが乗っている。 

 きっと、この状況は不思議だろうな、と思っているとパトリックさまが走りながら私を振り返った。 

「ローズマリー!目的地、俺の好きに変更してもいい!?」 

「はいっ・・・大丈夫っ・・・ですっ!」 

 

 ぱ、パトリックさま、魔力も使っていないのに走るのとっても速いです! 

 きっとおひとりだったら、もっと速いのでしょう! 

 私に合わせて、スピードダウンしてくれているのは判ります! 

 とても助かりますし、ありがとうございます、なのです! 

 なのですが! 

 それでも。 

 それでも、すっごく速いです! 

 パトリックさま! 

 私、今、魔法も使わずに風と一体になっている気持ちがします! 

 

  脳内大混乱で懸命に足を動かしながら、それでも一も二も無く同意した私に、パトリックさまが悪戯っぽい笑みを浮かべた。 

「本当に?どこに行くかも言っていないのに?」 

「どこでも大丈夫ですっ・・・パトリックさまが一緒なら!」 

 走るのに集中しつつ、それでも精一杯の笑みでパトリックさまを見て、私は握られている手を更に強く握り返した。 

「っ!・・・どこでも?それって・・・いやいや、理性理性・・・大集結だ俺の理性・・・頑張れ俺・・・負けるな俺・・・俺は狼じゃない・・・俺はうさぎ・・・俺はうさぎ・・・いや、うさぎも結構獰猛・・・」 

「パトリックさま?・・・あのっ、どうか・・・っ!」 

 走りながら突然天を仰ぎ、何か呪文を唱え始めたパトリックさまに、息切れしながら大丈夫かと声を掛けようとした私は。 

「え?・・・川?」 

 さきほどまで走っていた湖のほとりではなく、何故か川が見える場所に立っていてとても驚いた。 

「邪魔が入ったからね。今日はここにしようかと思うんだけど、いい?」 

「はい・・・ここも、とても素敵です」 

 何とか息を継ぎ、パトリックさまを見あげて頷いた私の手を引いて、パトリックさまが歩き出す。 

 

 こうして河原に下りるのは、初めてかも。 

  

 思いつつ周りを見渡す。 

 パトリックさまが連れて来てくれたのは、手前は浅瀬だけれど奥は深くなっていると思われる結構幅の広い川で、近くとは言えないけれど、向こう岸が崖になっていて、土がむき出しになっているのが見える。 

 草や木がたくさん生えているのも見え、何より河原がとても広い。 

 川の水も周りの草木もとてもきれいだし、川に入って水遊びをしている人たちもいて、ここ全体が明るく楽しい雰囲気に満ちている。 

「ここで、釣りをするのですか?」 

「うん。まあ、この辺は水遊びしている人がいるから、もうちょっと離れようか」 

 邪魔してもいけないしね。 

 そう言ってパトリックさまは、少しだけ上流に位置を変えた。 

「そういえばパトリックさま。釣り竿は?」 

 釣りをする、と言っているのに釣り竿を持っていないパトリックさまに、今更のようにそう聞いた私の前で。 

「ああ。ここにあるよ」 

 パトリックさまは、にこにこ笑いながら、何もない空間。 

 自分の前に手を伸ばした。 

「え?あの・・・えっ!?」 

 どういうことか、と首を傾げた私は突如出現した釣り竿にとても驚いた。 

 本当に突然、パトリックさまは釣り竿を握っていた。 

 まるで、そこにあった物を取り出したように。 

「空間保管。俺の専用倉庫みたいなものだよ」 

 パトリックさまは何でもないことのように言うけれど、これは物凄いことなのではないだろうかと思う。 

 少なくとも私は、こんな魔法?魔道具?を見たことが無い。 

「パトリックさまの、ご自宅の倉庫から転移させているのですか?」 

「いや。それもやろうと思えば出来るけど、そうじゃなくて、これは直接空間倉庫に入れてあるんだ。その方が早いから」 

「空間倉庫?ですか?それは、あの、空間に物が収納してある、ということですか?」 

「うん、そう。ローズマリーは、理解が早いね」 

「いえ。名前から言ってみただけで、仕組みも状態もまったく想像できません」 

 そこまでは分からないので理解できたわけではない、と焦る私の前でパトリックさまが嬉しそうに笑う。 

「詳しい仕組みとか、興味があるなら今度きちんと説明する。これ、使えると便利だから」 

 楽しそうに言いつつ、パトリックさまは手早く釣りの支度を終え、川へと入って行く。 

 と言っても、魔法を使って水の上に立っているので、濡れることは無い。 

「どうしよう?ローズマリーも一緒に行く?それとも、河原で何か遊べるようにしようか?」 

「私も、一緒に行きたいです」 

 奥へと歩き出そうとして、はっとしたように振り返り、そう言ったパトリックさまに頷いて、私も川へと入る。 

「流石」 

 パトリックさまと同じように水の上を歩けば、パトリックさまが嬉しそうに言って私の手を引いた。 

「わあ。お魚がたくさん」 

 河原からはよく分からなかったけれど川にはたくさんの魚が泳いでいて、見ているだけでもとても楽しい。 

「目標は二尾。頑張るからね」 

 竿を振り、真剣な瞳で川面を見つめるパトリックさま。 

 その精悍さを引き立てる、白いコットン生地のシャツ。 

 そしてその襟にあるのは、私のブローチと対になっているタイピン。 

 今日は偶然、私もブローチを襟に着けていて、そこもお揃いのようで嬉しい。 

 きらきら光る川面。 

 きらきら光るパトリックさまの瞳。 

 

 すごく、きれい。 

 

「あ、そうだ。ローズマリー、これを被っておくといい」 

 思っていると、パトリックさまがつばの広い帽子を取り出した。 

「え?あの」 

「気に入らない?」 

 戸惑っていると、パトリックさまが哀しそうに目を伏せる。 

「いいえ、とても素敵です。ですが、私が使ってしまっていいのですか?」 

 香りのいい乾いた草で編まれたそれは、シンプルな形だけれどアクセントのリボンがとても可愛い。 

「もちろん。これは、ローズマリーのだからね」 

 言いながら、パトリックさまが私にその帽子を被せてくれた。 

「うん、似合っている。可愛い」 

 そして、満足そうに私を見つめる。 

「ありがとう、ございます」 

 恥ずかしくなりつつも、香りのいい帽子が、パトリックさまの心遣いが嬉しくて、パトリックさまの目を見つめ返して言えば。 

「本当のことを言っただけだよ。ローズマリーは、本当に可愛いから」 

 パトリックさまが、そう言って結んでいる私の髪に触れた。  

「いえ、あの。今のは、帽子を、ありがとうございます、という意味で」 

 優しい手つきと私をじっと見つめる瞳にどきどきして、私は視線を逸らしてはパトリックさまに戻す、という行為を繰り返してしまう。 

「うん、知ってる」 

「っ!」 

 それなのに、返ったそんな言葉に驚いて目を見開けば、パトリックさまは悪戯が成功した子どものような顔で笑っていた。 

「また、からかいましたね?」 

 またもしてやられた、と、じと、とパトリックさまを見ても、悪びれる様子は微塵も無い。 

「ローズマリーをからかったことなんて、一度も無いよ。もちろん、今も。ただ、ローズマリーは、反応もすごく可愛いと思っているだけで」 

 言いつつ、何事も無かったかのように釣りを再開するパトリックさま。 

「うう。今、現在進行形でからかわれている気がします」 

 恨めしく言っても、嫌な気持ちは少しも無い。 

 むしろ、パトリックさまとの軽妙なやりとりが心地よく、楽しいと感じる。 

「ローズマリーも、一緒に釣り竿持ってみる?」 

「はい。やってみたいです」 

 釣り竿を持ったことなんて無いけれど、パトリックさまと一緒ならなんでもやってみたいと思う私は、躊躇うことなく頷いた。 

「じゃあ、ここを両手で握ってみて・・・うん、そう」 

 一本の釣り竿を、パトリックさまとふたりで持つ。 

 当然のように重ねられたパトリックさまの手が力強い。 

 ふたりで持っている、とは言っても大して役に立っている気はしない。 

 それどころか、邪魔になっているのだろうと思う。 

 それでも、パトリックさまの手を離したくはない。 

  

 傍にいたい。 

  

 釣りに夢中になるパトリックさまは凛々しくも可愛くて。 

 私は、パトリックさまが目標の二尾を釣り上げるまで、飽きることなくパトリックさまを見つめ、堪能してしまったのだった。 

  

 

  
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと

淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。 第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品) ※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。 原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。 よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。 王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。 どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。 家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。 1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。 2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる) 3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。 4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。 5.お父様と弟の問題を解決する。 それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc. リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。 ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう? たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。 これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。 【注意点】 恋愛要素は弱め。 設定はかなりゆるめに作っています。 1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。 2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

気配消し令嬢の失敗

かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。 15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。 ※王子は曾祖母コンです。 ※ユリアは悪役令嬢ではありません。 ※タグを少し修正しました。 初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン

処理中です...