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第2章 グランタリア大陸東部編
82.六国の晩さん会!
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空に星が瞬く頃、帝都イシュタルの城では、グランタリア大陸の三国とラバネス半島の三国の王家が集まる晩さん会が執り行われた。
出席したのはイシュガルド帝国のシェルダン皇帝陛下とシャーレ王妃、ファラレスト皇国のアミーレ王妃、アシュラム王国のソーニャ王妃。
ラバネス半島側からは、ブリタニス王国のセレーネ王妃とフィーネ、ナブラスト王国のマリナ女王陛下、トランスベル王国のロナウド王太子とカムシン第二王子。
それと『ロンメル商会』を代表して、僕、レミリア、アグウェルの三人も参加した。
集まった面々を見回して、シェルダン皇帝陛下は満足そうにワイングラスをかかげる。
「皆、よく来られたである。今宵は『ロンメル商会、サポートの会』に我が帝国を含めた、大陸の三国が加盟することになった祝いである。大いに楽しんでもらいたいである」
シェルダン皇帝陛下の挨拶により、晩さん会が始まった。
長くて大きいテーブルの上には、色とりどりの料理がズラリと並んでいる。
僕はローストビーフを頬張って、果実ジュースをコクコクと飲む。
どの料理も最高の素材を使っているらしく、どの料理も最高に美味しい。
その様子に満足したのか、シェルダン皇帝陛下が深く頷く。
「大陸の三国、ラバネス半島の三国が組めば、周辺諸国を制圧することも難しくないのである。ぜひ、これを機に、六国の関係を親密にしていきたいであるな」
「そうですね。親密になれればよいですわね。しかし、それは『ロンメル商会、サポートの会』を中心に、経済的な発展を目指して、六国間で交流をしていければと考えております」
セレーネ王妃の言葉に、シェルダン皇帝陛下は眉をピクリとさせる。
「余が申しておるのは、経済発展だけでなく、軍備の部分でも連携し合えれば、グランタリア大陸の東部を制圧できるという話である。六国が協調して動けばそれも夢ではないのである」
「ハッキリ言っておくのじゃ。今回は『ロンメル商会』を支える国々が集まりじゃらから、わらわは参加したのじゃ。軍事目的であれば参加はしないのじゃ」
「ブリタニス王国も軍事的な意味合いでいえば、協力はできかねますわ」
マリナ女王とセレーネ王妃の二人は、ハッキリと軍事的な連携はしないと明言する。
するとアミーレ王妃がヤンワリと微笑む。
「ファラレスト皇国は隣国であるイシュガルド帝国と、今回の集まりを契機に様々な分野で、親密な関係を構築できればと考えます。しかし、それは平和を目指す関係でありたいですわ」
「アシュラム王国もファラレスト皇国と同じ意見ですわ」
アミーレ王妃の言葉に、ソーニャ王妃も賛同する。
それを聞いていた、シャーレ王妃がワイングラスからワインを一口飲む。
「王陛下、今宵は『ロンメル商会、サポートの会』に大陸の三国が加盟する祝いの宴ですわ。軍備や軍事協力なんて無粋なことをいう場ではないでしょう」
「しかし、六国が集まれば、周辺諸国を抑えるだけの力があるのである。それを有効に活用していこうと言っているのである」
……イシュガルド帝国は軍事国家の色合いが濃い国だもんな……シェルダン皇帝陛下には他国を制圧したいという野心があるんだろうな……
国として大国や強国を目指すのも、一つの国のあり方、指針ではあるもんね。
するとマリナ女王陛下が静かに立ち上がった。
「『ロンメル商会、サポートの会』婦人部を代表して言わせてもらう。会に集う六国であっても、婦人部は軍事的な協力関係については拒否するのじゃ」
「婦人部? それは何であるか?」
「わらわ達、六国の女性達で『ロンメル商会、サポートの会』の婦人部を結成したのじゃ。婦人部は『ロンメル商会』を盛り立て、国々の経済発展をを軸に活動するのじゃ。国々の軍事や軍備については協力はできんのう」
「そういうことだから、皇帝陛下も素直に諦めたほうがいいわ。各国の王妃、女王陛下に嫌われてもいいの?」
「……それはマズいである。もうこの話はしないである……」
シャーレ王妃に諭され、シェルダン皇帝陛下はガックリと肩を落した。
……さすがは各国の王妃様や女王陛下……すごく頼もしいね……
それから話題は、女性達の華やかな話題が続き、概ね良好に晩さん会は終わった。
……ロナウド王太子とカムシン第二王子の二人が、いつもより静かだったことが少し気になるけど……王妃達の華やかな雰囲気に呑まれただけかも……
晩さん会が終了し、アミーレ王妃、ソーニャ王妃は、帝都イシュタルの城で数日間、滞在してから、それぞれの国へ帰国するらしい。
二人共、今回の婦人部という、女性の集まりがすごく気に入ったようで、姿見の転移ゲートを必ず設置してほしいと念を押された。
僕達は帝都イシュタルの店舗へ戻り、セレーネ王妃、フィーネ、マリナ女王陛下の三人は、 姿見の転移ゲートを使って、アグウェルが送り届けていった。
執務室のソファに座って、体の力を抜いてボーっとしていると、レミリアが紅茶と焼き菓子を持ってきてくれた。
「晩さん会、ご苦労様でした」
「ちょっと緊張したから、疲れたね」
「はい。そういう時は甘いモノを食べると、リラックスできます」
「うん、いただくよ」
僕とレミリアの二人は、少し談笑して、体の緊張を解きほぐしていく。
……やっぱり店舗で商売をしているほうが、僕に似合ってるよね……
出席したのはイシュガルド帝国のシェルダン皇帝陛下とシャーレ王妃、ファラレスト皇国のアミーレ王妃、アシュラム王国のソーニャ王妃。
ラバネス半島側からは、ブリタニス王国のセレーネ王妃とフィーネ、ナブラスト王国のマリナ女王陛下、トランスベル王国のロナウド王太子とカムシン第二王子。
それと『ロンメル商会』を代表して、僕、レミリア、アグウェルの三人も参加した。
集まった面々を見回して、シェルダン皇帝陛下は満足そうにワイングラスをかかげる。
「皆、よく来られたである。今宵は『ロンメル商会、サポートの会』に我が帝国を含めた、大陸の三国が加盟することになった祝いである。大いに楽しんでもらいたいである」
シェルダン皇帝陛下の挨拶により、晩さん会が始まった。
長くて大きいテーブルの上には、色とりどりの料理がズラリと並んでいる。
僕はローストビーフを頬張って、果実ジュースをコクコクと飲む。
どの料理も最高の素材を使っているらしく、どの料理も最高に美味しい。
その様子に満足したのか、シェルダン皇帝陛下が深く頷く。
「大陸の三国、ラバネス半島の三国が組めば、周辺諸国を制圧することも難しくないのである。ぜひ、これを機に、六国の関係を親密にしていきたいであるな」
「そうですね。親密になれればよいですわね。しかし、それは『ロンメル商会、サポートの会』を中心に、経済的な発展を目指して、六国間で交流をしていければと考えております」
セレーネ王妃の言葉に、シェルダン皇帝陛下は眉をピクリとさせる。
「余が申しておるのは、経済発展だけでなく、軍備の部分でも連携し合えれば、グランタリア大陸の東部を制圧できるという話である。六国が協調して動けばそれも夢ではないのである」
「ハッキリ言っておくのじゃ。今回は『ロンメル商会』を支える国々が集まりじゃらから、わらわは参加したのじゃ。軍事目的であれば参加はしないのじゃ」
「ブリタニス王国も軍事的な意味合いでいえば、協力はできかねますわ」
マリナ女王とセレーネ王妃の二人は、ハッキリと軍事的な連携はしないと明言する。
するとアミーレ王妃がヤンワリと微笑む。
「ファラレスト皇国は隣国であるイシュガルド帝国と、今回の集まりを契機に様々な分野で、親密な関係を構築できればと考えます。しかし、それは平和を目指す関係でありたいですわ」
「アシュラム王国もファラレスト皇国と同じ意見ですわ」
アミーレ王妃の言葉に、ソーニャ王妃も賛同する。
それを聞いていた、シャーレ王妃がワイングラスからワインを一口飲む。
「王陛下、今宵は『ロンメル商会、サポートの会』に大陸の三国が加盟する祝いの宴ですわ。軍備や軍事協力なんて無粋なことをいう場ではないでしょう」
「しかし、六国が集まれば、周辺諸国を抑えるだけの力があるのである。それを有効に活用していこうと言っているのである」
……イシュガルド帝国は軍事国家の色合いが濃い国だもんな……シェルダン皇帝陛下には他国を制圧したいという野心があるんだろうな……
国として大国や強国を目指すのも、一つの国のあり方、指針ではあるもんね。
するとマリナ女王陛下が静かに立ち上がった。
「『ロンメル商会、サポートの会』婦人部を代表して言わせてもらう。会に集う六国であっても、婦人部は軍事的な協力関係については拒否するのじゃ」
「婦人部? それは何であるか?」
「わらわ達、六国の女性達で『ロンメル商会、サポートの会』の婦人部を結成したのじゃ。婦人部は『ロンメル商会』を盛り立て、国々の経済発展をを軸に活動するのじゃ。国々の軍事や軍備については協力はできんのう」
「そういうことだから、皇帝陛下も素直に諦めたほうがいいわ。各国の王妃、女王陛下に嫌われてもいいの?」
「……それはマズいである。もうこの話はしないである……」
シャーレ王妃に諭され、シェルダン皇帝陛下はガックリと肩を落した。
……さすがは各国の王妃様や女王陛下……すごく頼もしいね……
それから話題は、女性達の華やかな話題が続き、概ね良好に晩さん会は終わった。
……ロナウド王太子とカムシン第二王子の二人が、いつもより静かだったことが少し気になるけど……王妃達の華やかな雰囲気に呑まれただけかも……
晩さん会が終了し、アミーレ王妃、ソーニャ王妃は、帝都イシュタルの城で数日間、滞在してから、それぞれの国へ帰国するらしい。
二人共、今回の婦人部という、女性の集まりがすごく気に入ったようで、姿見の転移ゲートを必ず設置してほしいと念を押された。
僕達は帝都イシュタルの店舗へ戻り、セレーネ王妃、フィーネ、マリナ女王陛下の三人は、 姿見の転移ゲートを使って、アグウェルが送り届けていった。
執務室のソファに座って、体の力を抜いてボーっとしていると、レミリアが紅茶と焼き菓子を持ってきてくれた。
「晩さん会、ご苦労様でした」
「ちょっと緊張したから、疲れたね」
「はい。そういう時は甘いモノを食べると、リラックスできます」
「うん、いただくよ」
僕とレミリアの二人は、少し談笑して、体の緊張を解きほぐしていく。
……やっぱり店舗で商売をしているほうが、僕に似合ってるよね……
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