色の無いアイツを俺が変えた

兎月星葉

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自己紹介

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「えー、本校では、今年も多くの新入生が入って来ました。2,3年生は、新しい学年へ変わり大変だと思いますが……………………………」

    校長先生の話は、長い。俺の隣の奴も寝て居る。この並び方をする時だけは、来未と離れる事が出来る唯一の時間だ。

     何となく校長先生の話を聞いていたら始業式は、終わっていた。

   
   教室に戻った俺たちは、今度は、担任の先生の自己紹介を聞いていた。

     朝、教室に入って来た生徒に人気のある先生は、中西なかにしまさるって言うそうだ。

   そして、担任の先生の自己紹介が終わったと言う事は、次は、生徒もしなくてはならない。

   正直に言うと、校長先生の話より自己紹介の方が断然苦手だ。面白い事を言える奴、噛み噛みの奴、優等生ぽい奴など色々な種類の自己紹介がある。簡単に済ませるには、他の人のを真似する事だ。しかし、俺は、それすらも苦手だ。

   つまり、俺に残された手段は、自分の名前を言って終わりと言う。愛想が全く無い自己紹介をする事だ。

   遂に、俺の出番が回って来た。俺は、机に両手を置き、腕の力で立ち上がる。椅子からは、ガガガガと音を立てた。

   多分、周りからは、「ヤンキーぽくない?」とか「彼奴とだけは、関わらないで置こう」などと思っているのだろう。

   俺にとっては、もう関係ない事。だって、もう俺の印象は、悪いのだから。


「俺の名前は、拓真だ。よろしくな」

   まぁ、こんな感じで良いだろう。噛まなかったしな。今の教室の雰囲気は、静かだ。俺の前の人までは、賑やかだったに。

   しばらくすると、来未の番が来た。表情は、明るく、立ち上がる時も音をなるべく立てないよう配慮している。来未は、皆の方を見て明るいトーンで話し出した。

「私の名前は、来未です。好きな事は、本を読む事です。気軽に声を掛けてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」

   来未は、軽く頭を下げてから静かに座った。周りの雰囲気は、明るくなっている。来未は、教室内で注目を浴びた様だ。

   やはり、俺には分からない。何故、来未は、全ての人と仲良くしたいのか。

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