身の程は弁えてるので、静かに身を引かせてくれませんか!

日出祐祈

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人魔戦争

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 ギョロっとした大きな眼。
 身の毛がよだつ不気味な鳴き声。
 嘴から覗くギラついた鋭い牙。
 鎌のような鉤爪。
 そして何より、人間よりも遥かに大きな図体。
 こんな巨大な鳥、見たことがない。

「あれは魔物だ」

 ルイシスが確信したように呟く。
 あれが、魔物……。
 千年前より昔、人間を長きにわたって苦しめた、悪しき存在。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 かつて、シャングラータ大陸には小さな国々がいくつもあった。けれど、国の数が多すぎるが故に、近い国と国は交流があったが、離れている国とは一切交流がなかった。
 そのために、人間は気付くのが遅れてしまった。
 シャングラータ大陸の北部から、突如現れた魔物の群れ。群れは小さな国々の民を食い荒らし、なんとか生き延びた人間が南部の国々に報せたことによって、やっと事態が発覚、公にされた。
 それから何百年も、人間は魔物の群れと争い続けることになるのだが、何百年も人間が持ち堪えることができたのは、人間に味方した精霊のおかげだった。気まぐれな精霊たちが気に入った人間に力を与えたことにより、人間は魔物と戦える魔力を得たのだ。
 そして、契機が訪れる。
 が、シャングラータ大陸に降り注いだのだ。
 主に大陸の北部に落ちた星の導きは大地を抉り、逃げ遅れた魔物を一瞬で消し去った。
 その威力を神聖な魔力と信じた鍛冶師が、抉られた大地に残った燃える石で、いくつも魔具を創り出す。そして選ばれた者が、その魔具で魔物をすべて討伐することに成功した。
 最後に、魔物が現れた場所を発見した討伐隊は、そこを封印し、封印の鍵を殉職した仲間の墓に供え、人魔戦争は人間の勝利で終わったという。
 これは、バルハロッド王国の建国にも関わる歴史物語ではあるが、ここでは割愛しよう。
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