氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第一章 非公式お茶会

28 アルフォードお兄様と城下町デート②

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Side:アシェル11歳 秋



文具店を出て、目的のカフェまでやってきた時。

不意に声がかかった。

「あれ、アル。こんなところで奇遇だね。」

落ち着いた声のした方を見ると緩いウェーブで襟足が長めの漆黒の髪にハンチング帽を被り、スラックスにベスト姿の男性が立っていた。
瞳は紫黒色で、髪にも瞳にも色濃く王家の色が発現している。

「グレイニール殿下、こんにちは。今日の視察はこの辺りだったんですね。」

さっと礼をするアルフォードに合わせて、アシェルもカーテシーをする。

「いつも通りで構わないよ。そちらのご令嬢は?」

アルフォードやアシェルが答えるより先に、グレイニールに付き添っていたアレリオンが口を開く。

「家族ですよ。」

「あぁ、なるほど。」

名乗らなくていいのだろうかとアレリオンの顔を見ると、すいっと視線が逸らされた。
その視線の先には変装をしているアークエイドが立っている。

冒険者スタイルのマルベリー色にボブカットのカツラをつけ、瞳の色も魔道具で色を変えているが、ずっとその姿で一緒に魔物退治をしているのだ。服装が違うだけで見間違えようがなかった。
いつも通り無表情で澄ました顔をしている。

アシェルも冒険者スタイルのカラーなのだが、今日は髪型や格好も違えば化粧もしている。
流石にバレてないよね?とこっそり反応を伺いみるが、特に表情に変化は見られなかった。

、私には内緒でアルとデートかい?妬けちゃうな。」

くすくすとアレリオンに笑って言われる。

シェリーは生母の名前だが、本来アシェルは女装で外に出ないことになっている。
偽名としての名前を使えということだろう。

「アン兄様もお暇でしたら、アル兄様がお誘いしたと思いますわ。」

「うーん、ねぇグレイ。私は今からと一緒にデートしても良いかな?エイディ君もいるし、私がいなくても問題ないでしょ?」

エイディとはアークエイドのことだろう。

「アン兄様……お仕事はきちんとこなして下さいませ。こんなことで軽蔑したくありませんわ。」

割と本気でグレイニールの視察から離脱しようとしている気配を感じ、アシェルは先手を打つ。

「可愛い妹にそう言われたら無理は言えないな。残念。」

わざとらしくがっくりと肩を落として見せるアレリオンの姿に、グレイニールが苦笑を漏らす。

「おいおい、私よりも妹君をとるのかい?まぁアンらしいといえばアンらしいが。ところで、アル達はどこへ?」

「そこのカフェで美味しいケーキが頂けると聞いたので、と一緒に食べに来たんですよ。」

アルフォードの返事にグレイニールはふむ、と考え込む。

「せっかくだから私達もご一緒させていただこうかな。嬢、構わないかい?」

「勿体なきお言葉でございます。殿下の思し召しのままに。」

「ありがとう。堅苦しいのは嫌だからグレイで構わないよ。街中で殿下もやめてくれ。あともう一人の付き添いは、エイディと呼んでやってくれ。」

「グレイ様にエイディ様ですね。よろしくお願いいたします。」

にこっと微笑めば、グレイニールからも優しそうで綺麗な微笑みが返ってきた。
アークエイドは無言で軽く頭を下げてくれる。

カフェに入ると、一瞬店の中が賑やかになる。
それはそうだ。顔面偏差値の高すぎる面々が、女性の園のカフェに入ってきたのだから。
店内が色めき立っている。

グレイニールは慣れた様子で店員の女性に席の案内を頼み、二階にある席に通された。
二階は一階よりも席の間隔がゆったり設けられている。

5人でソファー席に座った。

グレイニールとアークエイドが隣り合って座り、その向かい側にアレリオン、アシェル、アルフォードという並びだ。
アシェル達兄妹の並びはいつも通りである。メルティーがいれば、アシェルとアルフォードの間にメルティーが座ることになる。

渡されたメニューには色とりどりのケーキが並んでいた。

グレイニールとアークエイドはさくっと決めたようだ。

、どれにするか決めたかい?」

アシェルの持ったメニューを覗き込むようにアレリオンが聞いてくる。

「オペラも美味しそうなのだけれど、レモンケーキやイチゴのタルトも美味しそうで……。」

チョコレートが好きなのでオペラにしようかと思っていたのだが、想像以上に色々なケーキが取り揃えられており、美味しそうな写真たちを見ていると目移りしてしまう。

「じゃあ、はオペラを頼んだらいい。残りは俺達が頼んで少しずつ分けてやるから。」

「良いんですの?ありがとうございます。」

「グレイたちはもう決めたよね。注文してしまおうか。」

店員を呼び、三種のケーキとチーズケーキ、イチゴのショートケーキ。飲み物は珈琲を二人分に紅茶を三人分注文する。

「しかし……本当にお前たちは妹に激甘だな。」

二人の兄に挟まれたアシェルを見て、グレイニールが苦笑しながらこぼした。

「そんなことないと思うよ。」

「我が家ではこれが普通だ。」

何を言ってるんだと言わんばかりの二人に、グレイニールはそうか、とさらに苦笑を漏らした。

ケーキと飲み物が運ばれてくる。

「グレイ様とエイディ様は、あまり甘いものは得意ではないのですか?」

アークエイドは一人沈黙を守っているが、話を振らない訳にはいくまいと声をかけてみる。
流石にほったらかしというわけにはいかないだろう。

アークエイドの愛想が悪いのは知っているが、ここまで無表情と無言を貫くのかと。お茶会の様子とはかけ離れた姿に、思わず苦笑いを浮かべたくなる。

「あぁ、私達が珈琲をいただいてるから気を使わせてしまったかな。得意というほどではないけど、甘いものも普通に食べるよ。」

「……。」

「……エイディのことは気にしないでやっておくれ。少し人見知りが激しい従者なんだ。これでも腕はたつんだけどね。」

何も答えないアークエイドに、苦笑したグレイニールのフォローが入る。
今日のアークエイドはいつも以上に無表情で、無表情を見慣れたと思っていたアシェルにも全く感情が解らなかった。
他所行きの顔なのだろうが、それが少しだけ寂しく思う。

お喋りをしながらアシェルもケーキを食べた。
口の中に仄かに苦いチョコレートの香りと甘さが広がり、自然と顔が綻ぶ。

「美味しいわ。」

笑顔になったアシェルを見て二人の兄も満足そうだ。

「タルトも食べるか?」

アルフォードが一口分フォークに乗せて差し出してくる。
つやつやのコーティングがかかったイチゴとタルトを口に含めば、甘酸っぱい味にカスタードの甘さ。バターの香るサクサクのタルト生地が美味しい。

「うん、タルトも美味しいですわ。」

「次はレモンケーキも。」

反対側からアレリオンが、レモンケーキを乗せたフォークを差し出してくる。

紅茶を一口飲み口直しをして、レモンケーキも有り難くいただいた。
さっぱりした香りと酸味があり、滑らかな口当たりが美味しい。

「レモンケーキも美味しいですわね。お土産にいくつかケーキを買って帰りたいくらいですわ。」

口の中の美味しさにぽかぽかとした気持ちになりながら、またオペラに手を付ける。

甘くて美味しいケーキに舌鼓をうち幸せそうな笑みを浮かべるアシェルは、グレイニールから生暖かい視線を向けられていることにも、アークエイドが少し悔しそうな表情をしていることにも気付かなかった。

グレイニールは視察と称して、度々市井の様子を見に街へ繰り出しているようだった。
アレリオンは護衛兼付き添いとしてよく駆り出されるらしい。そしてたまにだが、アルフォードも駆り出されることがあるようだ。

アレリオンは側近候補らしいのだが、文官にはならないと言い張っているとか。
長兄は頭がいいので文官になっても優秀だろうが、メイディー家の者としては医師になってほしいと思う。
グレイニールからすると医務官を目指すのだとしても、信頼できる人材は大切なようだ。

それから王立学院の話を聞いて、ゆったりとした時間を過ごした。





「さて、そろそろお暇しようか。」

グレイニールの言葉を区切りに帰り支度をする。

立ち上がったところでグレイニールがアシェルの前に立った。

「シェリー嬢、今日はご相伴に預かり光栄でした。また機会がありましたらお茶でもしましょう。」

にこやかな笑みで手を取られ、手の甲にキスを受ける。

「こちらこそ、楽しいひと時をありがとうございました。機会がありましたら是非。」

さすが王子様。スマートな社交辞令を受けてアシェルもお礼を返す。
じとっと二人の兄が睨みをきかせ、グレイニールは少しだけ肩をすくめて見せた。

「アル兄様、お店を出る前に化粧直しに行ってもいいかしら?終わったら入り口に向かいますから、先に出てもらっても構いませんわ。」

会計についてはアルフォードが払うと言ってくれていたし、ここは女性であるアシェルがいない方がいいだろう。
ケーキを食べて紅も取れてしまっているだろうから、外へ出る前に化粧直しをしなくてはならない。

「あぁ、行っておいで。急がなくていいからな。」

「それでは皆様、失礼しますわ。」

アルフォードの許可を得たため、アシェルはしっかり礼をし一階にある化粧室へ向かった。






簡単にパウダーをはたき、口紅を塗り直し、髪の毛を整え化粧室を出た。



ところまでは良かったのだが。



(これはどういう状態なのかしら。)

アシェルは今、少し薄暗い廊下で5人のご令嬢に囲まれていた。

カフェの喧騒が響いているが、お手洗いに繋がるこの廊下は男性トイレと女性トイレしかない。
そのためトイレか化粧室に用がない限り人がくることはない。
つまり人通りは期待できなかった。

ご令嬢達はアシェルが今着ているようなワンピースではなく、しっかりとドレスを着ている。
つまりは、どこぞの貴族令嬢ということだ。
確実に公爵令嬢であるアシェルより身分が下の者たちなのだが、どこにも貴族要素のない今のアシェルでは、身分を理由に避けることはできないだろう。
なによりアシェルは表向き三男で、長女であることを公表していないのだから。

「貴女、少しは身の程をわきまえたらどうかしら。」

扇で口元を隠すようにして一人のご令嬢が口を開いた。
その眼にはありありと人を蔑んだ色が浮かんでいる。

(嫌な目……。)

少し身体が強張るのを感じながら、しっかり視線を合わせ返事をする。

「……おっしゃる意味が解りませんわ。」

少なくとも今日一日おかしな行動はしていないはずだ。
ましてや、今目の前にいるご令嬢達は見たことのない女性達だ。
初対面の令嬢達に、一体どんな迷惑をかけたというのか。

「まぁ、どこの馬の骨かも分からない女が口答えするの?」

「殿下やメイディー公爵家のご子息達にちやほやされて、図に乗ってるんじゃないのかしら。」

「愛想を振りまいて殿方に媚を売っていらっしゃるのね。卑しいわ。」

「貴女のような低俗で卑しい女は、あの方々に相応しくないのが解ってないんじゃないかしら。おつむも足りてなさそうですもの。」

皆が皆、扇を口元にあて、くすくすと嘲笑を浮かべている。
5人全員が負の感情を隠しもしない視線を向けてきていた。

蔑み、憎み、馬鹿にしたようなその視線に囲まれ、身体の芯から冷えていくような感覚に襲われる。

(そうか、お兄様達だけじゃない。今日はグレイニール殿下もいた。この人たちはその中にいたわたくしが気に入らないんだ。)

囲まれた理由に思い当たり、何か言葉を返そうと思うが言葉が出てこない。

「……。」

「話を聞いてまして?何か答えたらどうなの!」

ぴしゃりと強い口調で言われ、身体が恐怖でびくっと跳ねる。

強く鋭すぎる視線が怖い。
怒鳴るような怒りを含んだ声が怖い。

一度強い恐怖を感じてしまうと、身体は言うことを聞いてくれなかった。
がたがたと震える恐怖は通り越していて、身体は硬直してしまう。

呼吸が浅く荒くなり、心臓がどくどくと脈打つ音が頭の中に響いている。

(怖い、怖い……助けて。)

頭の中で助けを求めるも、誰も助けてくれる訳がない。

せめて店の入り口へ移動すればと思うも、足は地面に縫い付けられたように動かなかった。

イライラしたような声で口々に罵詈雑言を浴びせられるが、もうアシェルの耳には届いていない。
なんとか立ったままの姿勢を維持するだけで精一杯だ。

これでうずくまりでもしたら、その先には言葉ではない物理の暴力が飛んできそうで、必死に立ち姿勢だけを維持する。

悪意に満ちた視線への恐怖で視界が徐々に狭く、暗く影を落とし始めている。



(たすけて……おにいさま……。)



声には出せないまま心の中で強く祈っていると、祈りが通じたのか、聞き慣れた声が耳に届いた。

「シェリー、遅いけど大丈夫かい?」

化粧直しには遅すぎるため様子を見に来たのだろう、アレリオンが廊下を覗いたようだ。

優しい声の後に、つかつかと音を立てて足早に足音が近づいてくる。

身体が強張りその足音の方を向くことはできないが、真っ直ぐこちらへ向かってくる足音に、目の前のご令嬢達が狼狽える姿が目に入る。

「君達、いったい何をしているんだい?」

さっと背中にアシェルを庇うように立ったアレリオンの姿に、涙が溢れそうになる。

「わ、わたくし達はただ、ご忠告差し上げただけですわ。」

そうよそうよと声を重ねるご令嬢達が、一瞬凍り付いた。

冷え切った空気の仲、アレリオンは少し声を張り上げてアルフォードを呼ぶ。
呼ばれたアルフォードは慌ててアシェルの方へ駆け寄ってきて、抱き締めようとしてくれた。

「いやっ!」

バシッと、アシェルの意思に反してその手を振り払ってしまった。

その事実にアシェルは呆然とする。

(違う、嫌じゃない。イヤじゃない……きらいに、ならないで。)

少し傷ついたような表情をしながらも、アルフォードは再度アシェルを抱き締めてくれた。

今度は振り払うことなく、その温かい胸の中に包まれる。

「大丈夫、大丈夫だからな。ここはアン兄に任せて向こうに行ってよう。」

言い聞かせるように、ゆっくり頭を撫でられ宥められる。

「うん、ここは私に任せて。アル、店の前まで馬車を寄せてもらうよう手配してもらって。」

分かった。と頷くアルフォードはひょいっとアシェルを抱えて、明るい店の入り口へと歩いていく。
その間も「大丈夫だよ。」と優しく声をかけられる。

ご令嬢達が何か喚いていたが、アレリオンが諫めているようで追ってくることは無かった。





カフェのレジの前ではグレイニールとアークエイドが、何事かと緊迫した面持ちで待っていた。

アルフォードがメイディー家の馬車を回してほしいことを頼むと、身体強化をかけたアークエイドが走り去っていく。

そんな様子も認識できないほど狼狽しているアシェルは、アルフォードの胸にしがみついて泣いていた。
兄達が助けに来てくれたことで緊張の糸が切れ、さらにはアルフォードを拒絶してしまったことでアシェルはパニックに陥っていた。

「こわい……たすけて、たす、けて……いや。こわいよ……。」

ぐずぐずと泣くアシェルの頭を優しい手が撫でてくれる。

「大丈夫だよ、。もう怖い人はいないよ。」

「おにぃさま。…ぐすっ……いや。……こわい。たすけて……。」

「よしよし、大丈夫だよ。」

ぐすぐす泣いている間にメイディー家の家紋を付けた馬車が店の前につけられ、四人は馬車に乗り込む。

座席に座ったアルフォードに向かい合って抱き着くように抱えられ、なおもアシェルは混乱の中にあった。
心配そうにこちらを見ているグレイニールとアークエイドの視線にも気づかない。

涙を流し、身体を小さく縮めながら、「こわい」「たすけて」「おにぃさま」「いや」というアシェルの言葉が途切れ途切れに馬車の中に響いている。
そんなアシェルの声に「大丈夫だよ。」とアシェルを宥めるアルフォードの声が重なった。

馬車が到着してしばらくして、アレリオンが馬車に乗り込んだ。

「アル……状態は良くないみたいだね。」

「あぁ。」

悲痛な表情をしたアレリオンはグレイニールに向き直る。

「申し訳ありませんが、このままメイディー邸に帰らせてもらっても?」

「構わない。心配だし私達もついていかせてもらおう。」

多分このまま帰るのは納得しないやつがいるから、という言葉を飲み込んだグレイニールの言葉は、正しくアレリオンに届いた。

馬車はゆっくり走り出し、メイディー公爵家へと向かった。

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