氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第二章 王立学院中等部一年生

60 ミルトン兄弟③

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Side:アシェル12歳 夏



キン、キンッ、カン。

小柄な体格を活かした素早い剣戟けんげきを受け流しながら、アシェルは気分が高揚してくるのを感じる。

「へぇ。シオン君って結構強いんだね?」

ふわりと微笑みを浮かべたアシェルに打ち込んでくるシオンは、普段の可愛い笑顔や仕草はなく。真剣な表情と洗練された動きで剣を振っている。

「それは、僕と本気で手合わせしてくれるんですか?」

少し期待の色を含んだ声に、その方が楽しめそうだと思う。
今のままだと、もしかしたらシオンに決まり手を取られてしまうかもしれない。

「うん、それも良いかなって思ってるよ。だからさ、もし仕切り直すなら少し距離を取ってもらえるかな?」

「やったぁ!すぐにでもっ。」

無邪気な笑みを浮かべたシオンは、カンとお互いの刃が交わったタイミングで後ろに跳ね距離を取った。
それを確認したアシェルは、地面に書いた線を足で消す。

だが、タイミング悪く教師が授業の終わりを告げ、ぞろぞろと生徒の移動が始まった。

アシェルはせっかく楽しめそうな相手を見つけたのに、と眉根を寄せる。

「あ……授業が。」

シオンもしょんぼりと肩を落とした。

「ねぇ、シオン君。午後の授業は?」

アシェルの言葉の意味を理解したシオンが、パッと表情を輝かせる。

「ないです!まだいけますっ。」

「良かった。——ねぇ、エト。僕はもう少し身体を動かしていくから、今日のお昼は一緒じゃなくても良いかな?」

授業を終えアシェルに声を掛けに来たのだろう。
近くまで来ていたエラートにそういうと「分かった、ほどほどにな。」と、にかっと笑ってアークエイドとデュークと共に更衣室の方へ歩いていく。

平日のランチをアークエイドと共に食べないのは初めてのことだが、そんなことも気にならないくらい、今は目の前の相手とヤりあいたかった。

昼休みに演習場を使うのは問題ないはずなので、教師も何も言わずに引き上げる。

更衣室の方向からざわざわとした音が聞こえる以外の音が消える。

「さぁ、ヤろうか?」

第三演習場の片隅に立つ二人の間に、ピリッとした空気が流れた。



先に動いたのはシオンだった。

その小柄な身体をさらに低くして駆け、スピードを乗せた一撃を繰り出してくる。

アシェルはそれを後ろに少し跳んで避け、すぐに繰り出された次の一手を刃で受ける。
合わさった刃にかかる力は、アシェルが受け流すまでもなく離れていく。

そこにアシェルが打ち込んでいく。

カッ、カッ、カン、カッ、カン。

素早く繰り出されるそれなりの重さがある剣戟を受けながら、反撃の隙もなく受け身を取らされていることにシオンの表情が歪む。

そんなシオンの表情を見て、キリっとしていたアシェルの顔がふんわりとシオンの好きな笑みを作る。

「ふふ、そんな表情をしてたら可愛い顔が台無しだよ?ほら、笑って?」

そんな女性を慰めているようなセリフを柔らかい微笑みと共に言いながらも、攻撃の手は全く緩まない。
それどころか徐々に加速していく剣戟に、シオンは言葉を返すこともできないまま必死に繰り出される刃を弾いていく。

「もっと早くお誘いを受けておくんだったなぁ。ずっと断っててごめんね。」

声はどこか申し訳なさそうなのに、その顔に浮かんだ微笑みは崩れない。

アシェルの言葉以外には、二人の交える金属音だけが鳴り響く。

「あぁ、身体強化だけなんて勿体ないなぁ。本気でヤりあえたら良かったのにね。——ねぇ、をもっと楽しませてよ?」

ゾクリとするような妖艶な笑みを浮かべた。

それまで一定のリズムを刻んでいた金属音が乱れる。

その変化に気付いたシオンは、歪んだ表情をさらに苦しいものに変え、どうにか応戦する。

だが、気付けば目の前にいたはずのアシェルの姿はなく、冷たい感触が首筋に添えられていた。

「はぁ、はぁ、まいり、ましたっ、はぁ。」

大きく肩で息をするシオンの言葉に、首筋の刃が下ろされる。

そしてシオンの前まで戻ったアシェルは、少し申し訳なさそうな表情で謝罪した。

「ごめんね。手合わせなのに楽しくて、ついやりすぎちゃった。」

その悪戯がバレた子供のような表情に、シオンは少しだけアシェルとの距離が近くなったように感じた。

「いえ。うれしぃ、です。」

「ありがとう。……さぁ、着替えてしまおう?」

アシェルの言葉にシオンはこくんと頷き、二人で誰もいない更衣室に移動した。





更衣室の個室に入ったアシェルは、『ストレージ』から水筒と制服を取り出し、水をゴクゴクと飲んだ。
口の端から零れた水を袖でグイっと拭う。

動いて火照った身体と緊迫感で乾いた喉に、冷たい水が心地よさを与えながら染み込む。
水を与えられた火照った身体は、その熱を下げようと汗を噴き出した。

「うぅ……気持ち悪い……。」

シャワーでも浴びたいと思うが、今日はもうアシェルの受ける授業はなく、昼食だけどうにかして部屋に戻ることが出来る。

でもその前にアルフォードに会いに行かなければならないし、シャワーを浴びて適当に乾かしたら、確実にイザベルに怒られる。

「帰ったら薬作らないといけないから、あまり魔力は使いたくないけど……『クリーン』。」

ささやかな魔力の節約の為にも詠唱短縮したクリーンを使い、さっぱりしたところで制服に着替え始めた。



半袖のシャツの上にいつものベスト状のホルスターまで装着し、更衣室の個室を出る。

どうやら先に着替え終わったシオンはアシェルを待ってくれていたらしく、更衣室の壁に体重を預け立っていた。

「お昼一緒にとりませんか?アシェルさ、ま……?」

アシェルが着替え終えたのを感じて上げたシオンの顔がサッと朱を注ぐ。

「いいよ。……どうしたの?」

頬を赤く染めたまま硬直してしまったシオンに、アシェルは首を傾げる。

アシェルの疑問にハッと硬直を解かれたシオンは、腕を組み何か思案してブツブツ言い始めた。
そのあまりにも小さい声はアシェルには聞き取れなかった。

「……まさかもう……いや、兄様じゃないな。あぁ、誰だか知らないけど気に入らないな。僕より先に手を付けるなんて……。」

真剣な表情で悩んでいるシオンを急かすこともできず、考えがまとまるのを待っていると、シオンがいつもの可愛らしい笑顔を浮かべて顔を上げた。

「アシェル様って純情なんだって思ってました。」

「?」

そのなんの脈略もないシオンの言葉に疑問符を浮かべている間に、シオンに手を取られ何故か今でてきたはずの個室へ戻される。

「シオン君?」

奥の壁側までアシェルを押し込んだシオンは、ドアの鍵をかけた。

そしてアシェルに向き直る。

「アシェル様、そんな状態で食堂に行くのはお勧めしませんよ?」

どこか悪戯っぽい笑みを浮かべて言われた言葉に、更にアシェルは首を傾げた。

「そんな状態?」

すっと距離を詰めた薄浅葱色のふわふわの髪が、アシェルの鼻先で揺れる。

「こんなに一杯痕を付けて、アシェル様って見た目に寄らずエッチだったんですね。」

言いながら触れられた首筋に、アークエイドに付けられた所有印のことを思い出し、頬が赤く染まるのを感じる。

(なんで、それは隠して……汗……じゃない、クリーン使ったせいだ。)

すっかり所有印のことなど忘れていたことに舌打ちしそうになる。

「こんなに沢山、誰に付けられたんですか?」

アシェルを間近で見上げる、どこか楽しそうなシオンの顔を真っすぐに見れずに顔を背けた。

「……シオン君には関係ないことだよね。」

「えーそんなことないですよ?あぁ、やっぱりこっちにも。これでも僕、アシェル様のこと好きなんですよ?アシェル様には伝わってなさそうですけど。」

プチプチとシャツのボタンを開けられ、首筋から続くように付けられている所有印を暴かれる。

「悪いけど、男同士でどうこうする趣味はないんだよね。」

羞恥心を隠すようにそう言えば、シオンは笑う。

「それが良いんですよ。」

「ンっ!?」

伸びてきた両手に頬を挟まれて惹き寄せられ、唇を奪われる。

驚きの間に侵入してきた舌は、何にも拒まれることなくアシェルの口を犯す。

身を捩って逃げようとするも、壁といつの間にか腰に回された腕、そしてシオンの身体に阻まれていて、少し抵抗したものの逃げるのは無理だと判断する。
小柄なシオンも力は男だった。

(兄弟揃って趣味悪すぎるでしょ……。)

心の中で小さなため息を吐きながら、好き勝手に口の中を蹂躙する舌が許せなくて応戦する。

(ホント、どいつもこいつも。僕は襲われるより襲いたい派って言ってるだろ。)

急に反撃を始めたアシェルに、一瞬シオンの身体がピクリと反応するが、それでも何事もなかったかのように舌を絡めてくる。

「……っ……、ふっ……はぁ、ん……。」

激しく絡まる舌が立てるチュクチュクという水音と、唇の隙間から零れるシオンの嬌声が小さな更衣室の中を満たす。

シオンの身体から力が抜けるのを感じて、その腰に腕を回し引き寄せた。

壁に押し付けられ唇を奪われたのはアシェルなのに、いつの間にかシオンがアシェルに貪られている。
悪戯そうな可愛い笑顔が鳴りを潜め、驚きから快楽に代わり、そして今は蕩けっ切った表情でアシェルから与えられる快楽を貪欲に求めるシオンの姿。

「……ゃ、もっとして……んっんぅ……っ……。」

もう満足しただろうと唇を離そうとすれば、催促されまた唇を奪われるようにして貪りあう。

そうやってお互いの舌を絡めてどれくらい経っただろうか。

シオンの腰が完全に砕け、荒い息を吐く唇はようやく離れていった。

「満足した?」

腰を抱き、身体を支えてやったまま笑みを浮かべて問えば、ぽわっとした瞳で蕩けた顔がゆっくり頷いた。

「僕の首の痕のこと……誰にも言わないでくれる?」

「いわ、ないです。だから、だからまた……。またキスしてくれませんか?」

「それは口止め料ってこと?……残念だけどは出来ないかな。」

「それは……いつも一緒に誰かいるからですか??」

呼吸を整えたシオンが、ぎゅっとアシェルに抱き着いたまま上目遣いに問う。

「まぁそれもあるけど。私は肌を合わせる相手を作るつもりはないんだよね。」

男として振舞っているのに中身は女だ。脱げばどうしても明らかな身体構造の違いがそこにある。
バレるリスクを減らすためにも、積極的に恋人を作るつもりはないし、なんなら一生独身を貫くつもりなのだ。

そんな事情を知らないシオンは、その言葉をどういう意味に取ったのか。

「キスだけで良いんですっ。それに皆さんと一緒に居るのを邪魔したりしませんから。アシェル様がお一人の時に声を掛けるので、その時に相手をしてもらえたら……。そしたら所有印キスマークのことは言いませんから!」

早口に捲し立てるシオンに、そのくらいの条件なら、とアシェルは思う。

「またキスするってはできないけど、そういう状況になったらキスは拒まない……これでどう?」

安易に約束はしたくないが、この辺りが落としどころだろう。
恥ずかしい所有印のことを誰かに言いふらされるくらいなら、いくらでも目の前の少年と唇を重ねた方がマシだ。

それにアシェルは大体誰かと一緒に居るので、一人になることは滅多にない。

そんな次の約束とは言えない条件に、シオンは嬉しそうに頷いたのだった。






シオンの身体に力が戻ったのを確認したアシェルは、『ストレージ』から取り出した手鏡とパウダーで首元を何事もなかったかのように綺麗な白肌にし、更衣室を出て行った。

その様子をふわふわとした甘い余韻のまま見送ったシオンは、自分の唇にそっと触れる。

「優しくて純情そうなアシェル様を淫らな姿にして遊びたかったのに……。あんな痕を沢山つけてる淫乱で、キスも上手なんて反則だよ……。あーぁ、僕の方が掌の上で転がされることになるなんてなぁ。……肌を合わせる相手は、ってことは、やっぱりキスまではいろんな人としてるのかな。アシェル様に印を付けた人って、あんなにテクニシャンなアシェル様をやり込めたってことだよね。そいつとは肌を重ねたのかな?……どうやったら僕だけのものになってくれるかなぁ……。」

シオンの独り言は、他に誰もいない更衣室の空気に溶けて行った。

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