氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第三章 王立学院中等部二年生

117 三の森は【朱の渡り鳥】と共に⑤

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Side:アシェル13歳 春



全員が席に着き、手を合わせて”いただきます”をするのだが、その前にアシェルには言わなくてはいけない事がある。

「今日は焼き肉だけど、生肉は絶対にトングを使うこと。食中毒を起こしても助けてやらないからね。というわけで、ガルド、食事の挨拶して。」

「助けて??まぁ、良いか。今日は皆お疲れさん。っていうか、俺らが面倒見て貰ってるだけだから、ありがとな。じゃ、そういうわけでいただきます。」

『いただきます。』

皆で手を合わせてガルドの後に唱和する。

皆思い思いのお肉を焼いて食べられるように、切り分けた肉を乗せたお皿もトングもしっかり用意してある。

ちなみにオークジェネラルのロースステーキは一人一枚ずつだ。
残った他の部位はアシェルのストレージに保管してある。

「なぁ、アシェル。助けるってどういうことだ??」

「もー、ガルドさん。あんまり聞いちゃ駄目ですよ。ヒントが沢山ありすぎて、僕は解ってしまいましたが、隠してるんです。そこを聞いたら核心に近づいちゃいます。それにアークさんの姿も、僕は街中で見たことあるんですよね。皆さんが高位貴族だとしたら、エラートさんもマリクさんも僕の想像通りで……。冒険者じゃなければ、僕らが口をきけないくらい、すっごい高い身分の人達なんです。そこを聞くのはやめましょう?」

トーマはよく気が付く子だと思っていたが、今日の話でアシェル達のことが分かったようだ。
加護のことも知っていたし、もしかすると平民向けの学校に通えるくらいには裕福な家の出身なのかもしれない。

興味深い話が始まったので、魔道コンロに乗せられようとしたお肉は皿に戻っていく。

「くくっ、なるほど。アシェがトーマを気に入るわけだ。騒がれるのが嫌で隠してるだけだ。良いぞ、トーマの予想した答えを言ってみろ。」

「アークが他人に興味持つなんて珍しいね。」

「アシェが気に入ってるみたいだから、どんな奴かと思ってな。良く気も効くし細かいところも見ている。それに頭の回転も速くて察しも良い。そこが気に入ったんだろ?」

「ふふ、正解。」

アークエイドとアシェルが話している間、トーマが「本当に良いんでしょうか?」とアシェル達に聞いてくる。

「俺はそもそも隠す気がねぇからな。」

「俺もー。っていうか、かーさんと時々冒険者ギルドに行くしねー。」

「僕も別に騒がれないなら魔道具要らないし、ぴったり合ってたら魔道具外した姿も見せてあげるよ。」

「アシェがそうするなら、俺もそうするか。」

「あわわ、待ってください!アークさんがそれは良くないですよね!?」

「別に父上も母上も知っているから問題ない。」

どうしようと悩むトーマだが、全くアシェル達の正体を分かっておらず、貴族としか認識してない4人は興味津々だ。

「あの、間違ってたらごめんなさい。エラートさんは、第一騎士団副団長のロバート・カドラス様のご子息ではないですか?高位貴族であることを考えると公爵、辺境伯爵、侯爵になりますけど、色味とお顔も似ておられることから、侯爵家のカドラス様のご子息だと思いました。」

「へぇ、正解。すげぇな。」

「第一騎士団副団長の息子!?」

「どうりで指導が分かりやすいと……じゃないだろ、俺!まじか、マジか……。」

ガルドとジンが驚くのを他所にトーマは続ける。

「マリクさんは、ビースノート帝国元皇女でSランク冒険者でもある【月夜の白銀】キルル・スノー皇女殿下改め、キルル・テイル様のご子息ですよね?冒険者ギルドでお見掛けしたことがあります。気のせいかと思ってましたが、テイル家は公爵家で高位貴族です。獣人族と人族のハーフなのに獣人族の瞳孔なのは、テイル公爵家直系の証です。」

「せーかい。アシェ達とか、かーさんと一緒にしか、とーばつには出てないけどねー。」

「え、え、皇女様の子供で公爵って……国が違えば皇族ってどうなるの?」

「分かんない、分かんないけど、ユウナ。とりあえず、Sランク冒険者ってだけでも凄い。っていうか、そんな人が王都のギルドに居るなんて思ってなかった。」

今度はユウナとアーニャが驚いている。

当のキルルは冒険者らしい雰囲気はあるが、あまり皇女らしいイメージは無いかもしれない。
獣人族としての性質の問題だろうか。

「アシェルさんは医師家系と名高い、メイディー公爵家の方ですよね?解毒剤を作ったって言ってたのもそうですが、その知識量もです。あとは、さっき味見をすると言って、ちゃんと毒見役をしようとしてましたし。ということは、少なくとも瞳の色はもっと明るいアメジスト色のはずです。」

「うん、正解、魔道具を外すね。」

アシェルがピアスとブレスレットを外すと、瞳は澄んだアメジスト色に、髪の毛は月光を受けて青味を帯びてキラキラと輝く銀髪になった。

「これが貴族のアシェルの色。直系色の瞳はとても目立つからね。それにこの銀髪も、なかなか平民には居ない色だから、魔道具を使ってるんだ。」

「わー髪も色を変えてたんですね。お綺麗です。最後のアークさんですが……アークって愛称ですよね?間違いじゃなければ、恐れ多くもこの国の第二王子殿下の愛称を呼ばせていただいてることになるんですよ……。アークエイド・ナイトレイ殿下、ですよね?グレイニール王太子殿下が街の視察をする際に、そのお姿で一緒に居るのを見た事があるんです。王太子殿下と一緒に居て、高位貴族でアークときたら……。それしか考え付きませんでした。」

「くくっ、面白い人材だな。正解だ。何か教育でも受けてるのか?」

アークエイドがカツラとブレスレットを外すと、漆黒の髪とサファイアブルーの瞳が見えるようになる。

「一応平民向けの学校には通わせてもらったので、貴族の有名どころについてはある程度学びました。でもまさか、本当に当たってるなんて……。冒険者中はかしこまらなくて良いって言ってもらってなければ、不敬罪で首が飛ぶところです。」

「まぁ、冒険者活動中はお忍びだからな、無礼講だ。もう戻すぞ。」

言いながらアークエイドはカツラとブレスレットを付け直す。
アシェルもピアスとブレスレットを着けて、冒険者スタイルの色に戻した。

「そーそー、アークの言う通りだぜ。冒険者に身分は関係ねぇだろ。ガルドもジンもさっきまでと変わらず接してくれよ。っていうか、いい加減肉食っていいか?」

「召し上がれ。」

「沢山食べてください。」

トーマが気付いたものの、本人はそれまでと対応は変えるつもりはないようで、すでにいつも通りだ。
それを見て、他の四人も気にしないことにしたらしい。

冒険者が気にするのは身分ではなく力量差だ。
たまに実力差が分からないのに喧嘩を吹っかけるやつがいるが、あれは寿命を縮めたいのだと思う。

和気あいあいと食事は進む。

食事中は主に【朱の渡り鳥】の冒険談で盛り上がった。

渡り鳥と付いている通り、四人はフレイム地方の村から出て来たそうだ。
トーマは後からパーティーに入っているので、王都出身とのことだ。

食事が終わり後片付けをしてからは、寝るまでの時間に訓練タイムになった。

エラートとマリクがジンとガルドと手合わせ形式で訓練を。
アシェルはアーニャとトーマに魔法の訓練を。
アークエイドはユウナに弓の指導を行うことになった。

アークエイドに関しては、簡単な指導をしたらアシェルの元へくるそうだ。
ほとんど指摘するところはないらしい。



アシェルは集めた二人に、まずはアシェルに向かって魔力を流す訓練をしてもらう。

「いい?僕の魔力が二人の魔力が入ってこないように押し返してるから、その魔力をゆっくりと押し込むイメージで魔力を流して。もし多すぎたら、一旦僕の魔力でそっち側まで押しのけるからね。はい、始め。」

アーニャは普段魔法を使っている分、スムーズにアシェルへ魔力を流し込もうとしてくるが、残念ながら量が多い。
ぐっと追い返せば、調整を掛けながら丁度いい具合を探している。

トーマは魔力を知覚したばかりなので、上手く扱えていない。魔力を意識して好きな量を流すことに苦労しているようだ。
魔道具は少し魔力を流し始めれば、あまり意識しなくてもある程度吸ってくれるので、訓練にはならない。

ただトーマは魔力を上手く扱えるようになると、アシェルの望む結果を出すまでは早かった。
器用で物覚えも良いようだ。

丁度二人とも同じくらいのタイミングで、アシェルの魔力に拮抗して少し優位なくらいの魔力を流すことに成功した。

「うんうん、二人ともいい感じだよ。じゃあ次の工程だね。今の魔力量の流れを意識しながら、自分の手元に見えない箱があるのをイメージして。で、ここに書かれている呪文を詠唱してね。一人ずつ見てあげるから、アーニャからいこうか。出し入れはこのフォークで。」

フォークを手渡し、アーニャに詠唱文の書かれた紙を見せる。

「ストレージですね。頑張ります。時空の狭間よ。干渉を受けぬものよ。万物の宝物庫を我が前に示し給え『収納ストレージ』。」

アーニャは指示された通りに詠唱するが、フォークはそのままだ。

「今の感じで良いんだけど、箱の中にフォークを仕舞いこむイメージがないんじゃないかな?今度はさっきの感じで、蓋つきの箱にフォークを仕舞いこんで、見えなくなるところまでをイメージしながらやってみて。」

「はい!時空の狭間よ。干渉を受けぬものよ。万物の宝物庫を我が前に示し給え『収納ストレージ』。き、消えました!アシェルさん、私ストレージが使えました!!」

アーニャが嬉しそうに飛び跳ねる。

「今使った魔力量が適切な魔力量だから、忘れないようにしてね。次は同じ詠唱で、見えない箱の蓋を開けるイメージをして、中身を覗きたいと強く願ってごらん。出し入れはしなくても、中に入ってるものを確認できるから。アーニャがそれをやってる間に、次はトーマだね。」

トーマにもフォークを手渡す。

「はい、いきますね。時空の狭間よ。干渉を受けぬものよ。万物の宝物庫を我が前に示し給え『収納ストレージ』。」

さっきのアーニャへのアドバイスを聞いていたからか、スッとトーマの手元からフォークが消えた。

「凄い!本当に使えました。時空の狭間よ。干渉を受けぬものよ。万物の宝物庫を我が前に示し給え『収納ストレージ』。確かにちゃんと意識すれば見えますね。イメージした箱の中にフォークだけって寂しいですけど。」

「アシェルさん、私にも見えました。」

「二人ともまだ見えてる?そしたら、そこからフォークを取り出すイメージを強く持ちながら、魔力を込めてみて。」

ストレージは収納する時が1の魔力量なら、取り出す時は中身を指定して取り出すという工程が必要になるので、2の魔力量が必要となる。
仕舞えたは良いが上手く取り出せない場合は、籠める魔力量が少ないことが原因だったりもするので注意が必要だ。

アシェルに促されて魔力を籠めた二人の手元に、またフォークが戻ってくる。
そのことを二人は抱き合って喜び、飛び跳ねている。

「ふふ、覚えの良い生徒で嬉しいよ。じゃあ、今の収納するところと取り出すところを、詠唱付きで5回繰り返して。詠唱文よりも、箱と出し入れして見えたり見えなくなったりのイメージの方を意識してね。」

アシェルが次の課題を出すと、素直に5回、二人はフォークの出し入れを繰り返した。

「じゃあ次。詠唱を省いて、ストレージ、だけの一節詠唱しようか。」

「い、いきなり一節ですか?」

アーニャが不安そうに言うが、そもそも詠唱はイメージの補助代わりだ。
基本的には必要ない。

「大丈夫だよ、ちゃんと出来るから。本当はもう無詠唱でもいけると思うけど、不安なままだと無詠唱は難しいからね。ちゃんとさっきまでのイメージを持って、籠める魔力量が適切なら発動するよ。さぁ、やってみてごらん。」

アーニャとトーマは顔を見合わせ、アーニャから先にチャレンジすることにしたようだ。

「『ストレージ』。本当に出来た……出来ました!」

「僕もやってみます。『ストレージ』。凄いです。なるほど、イメージと魔力量ですね。」

アーニャが一節詠唱で喜んでいる傍らで、トーマは無詠唱で出し入れを繰り返している。
それを見たアーニャも負けじと無詠唱にチャレンジし、無事成功した。

「二人ともお疲れ様。これでストレージを使うための訓練はおしまいだよ。そうだ、ちょっと座っててくれる?フォーク以外のものでチャレンジしても良いよ。生物は入らないから注意してね。」

焚き火の傍の椅子に腰かけたアシェルは、『ストレージ』から小さなガラス球を二つとワイヤーと革紐を取り出す。

目を閉じて、ガラス球の球体に術式を思い浮かべながら『図形を刻みつけていく』。
全く同じ術式を二つのガラス球に刻んで、それをワイヤーを使ってペンダントトップにし、革紐に通してネックレスにする。

「二人とも、これを掌に乗せて魔力を通してみて。魔力の量はストレージと同じだけ。」

二人の手の上にガラス玉ペンダントを乗せる。

二人が魔力を通すと淡く光った。

「次は、ストレージより少なめで。」

ガラス玉は光を消し、沈黙を守る。

「次は多め。」

やはりガラス玉は変わらない。

「うん、ちゃんと出来てるね。そのガラス玉は、ストレージに使う魔力量に丁度いいと発光するようにしてあるから。そうそうないと思うけど、無詠唱で上手くストレージが使えなくなったら、そのガラス玉で練習してみて。5秒持続させて発光するくらいで訓練したらいいよ。」

「凄いです、こんな貴重なモノありがとうございます!ストレージが使えるだけでも凄いのに。」

「僕もストレージは嬉しいですね。確か、食材が腐らないんですよね?」

「そうだよ。持ち込める食材の種類も量も増えるし、少しは野営のご飯も美味しくなるんじゃないかな。それに、荷物を出し入れする魔力を確保しておけばいいからね。一旦、家で出し入れの一連の動作をやってみて、頭痛や倦怠感が起きないか確認しておいた方が良いよ。その体調不良を基準に、少し手前くらいまでなら使っても問題ないからね。あと、トーマもレッグホルスターとマナポーションを必ず常備したほうが良いね。荷物の問題がクリア出来るなら、斥候役の訓練をしても良いと思うよ。」

「本当に何から何までありがとうございます!」

「二人の訓練はおしまいだから、もう寝てくれても良いよ。僕も仮眠しようかな。」

エラート達はまだ頑張っているし、ユウナはもうテントに入っているようだ。
アークエイドは椅子に座っていて、アシェル達の訓練を途中から眺めていた。

今日は全員がぐっすり寝ても問題ないくらいの、上質な結界を張ってある。
三の森だが、仮眠して必要なら起床で良いだろう。

トーマの建てたテントにほど近い大木の根元に、ウルフの毛皮で出来た敷物を四枚並べておく。
寝たくなったら勝手に来て眠るだろう。

大木の根元で寝支度をして幹に身体を預けると、隣にアークエイドがピッタリと寄り添って座った。

トーマとアーニャはテントに入ったようだ。

「さっきのペンダントはなんだ?」

「魔道具ってほどじゃないけど、適切な魔力量であのガラス玉が発光するようにしてあるんだよ。リリィの訓練用に作った術式より、もっと簡単にした応用版かな。魔力の幅はかなり狭めてあるから、ストレージに無駄な魔力を割かなくて良いようにっていうのも含んでる。せっかくストレージが使えるようになっても、何故か一度に通す魔力量が多すぎると上手く発動しないしね。珍しいよね、魔力過多で発動しない魔法って。」

「確かにな。ただ……少しトーマを可愛がりすぎじゃないか?」

そう言うアークエイドの声には不機嫌さが混じっている。

「ふふ、トーマは可愛いでしょ。飲み込みも早いから、どこまで出来るかやらせてみたくなっちゃうよね。魔法使いやってるアーニャに、ちょっと劣るくらいの魔力はあるからね。二人とも、男爵か子爵家くらいの平均魔力は持ってるんじゃないかな。トーマなら、きっちり仕込めば僕と同じくらい補助魔法は掛けれるようになると思うよ。アーニャも魔力の扱いは上手いから、攻撃魔法も丁寧に覚えさせて訓練すれば化けると思う。普段から冒険者なら付いて回って指導して、二人の成長を楽しむのになぁ。残念。」

「アシェは実験くらいのノリかもしれないが、見てる俺は気が気じゃない。」

「どうして?」

「あいつらがアシェを好きになったらどうする。そうでなくても仲が良さそうだった。」

きょとんとしたアシェルに、アークエイドは拗ねたように答え、腰を抱き寄せられる。

「あぁ、ヤキモチか。それはないでしょ。っていうか、見られたらどうするの、離して。」

「エト達は互いに手合わせしてるから誰も見てない。キスしてくれたら離す。」

アークエイドの瞳を見れば、嫉妬混じりの熱の籠った色だ。
アシェルのことが好きだからこそ熱の籠った瞳をするのは分かるが、嫉妬混じりの時はかなりしつこい。

チラリとエラート達が手合わせをしていて、こちらを気にしていないことを確認してから、アークエイドの頬にキスをする。

「おやすみのキスでい、んむぅ。んんぅ!」

グイっと頭を引き寄せられ、唇同士が触れあい舌が侵入してくる。
抗議も兼ねてやり返そうとすれば、腰を抱いていたはずの手が耳や首筋を優しく撫でてくる。

「……んっ……ふっ、んん……っぅ。……ゃぁ、んっ……。」

ゾクゾクとした快楽に身体の力が抜けたアシェルの口腔内を、アークエイドはたっぷりと犯し堪能してから唇を離した。

「くくっ、これなら俺に主導権を渡してくれるのか。……それとも、見られるかもしれないことに興奮したか?今すぐにでも襲いたいくらい蕩けた表情だぞ。」

嬉しそうに眼を細めたアークエイドは、もう一度チュッとアシェルの唇にキスして離れていく。

「……馬鹿なこと言わないで。こんなところで襲ってきたら、張っ倒して結界の外に放り出すからね。僕は襲われるより、襲う方が良いって言ってるでしょ。」

むすっとして答えるアシェルに「それは困るな。」とアークエイドは笑って答える。

確かに腰を抱いていた腕は離れたが、アシェルがやられっぱなしになったのは不服だ。
かといって、アークエイドと付き合っているわけではないのにキスをやり返して見られるリスクを考えると、その選択肢は無くなる。

してやられた気分だ。

「もう。ほら、仮眠取るよ。おやすみ。」

「あぁ、おやすみ、アシェ。」

幹に背を預けたまま瞳を閉じたアシェルの頬に、アークエイドからのおやすみのキスがあるが無視する。

程なくして手合わせを終えたエラートと、服を脱いで獣化したマリクが眠りに来た気配があった。

結界のお陰で夜間の敵襲はなく、たっぷりと仮眠をとれたのだった。
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