氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第三章 王立学院中等部二年生

118 三の森二日目①

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Side:アシェル13歳 春



仮眠から目覚めて、トーマの朝食作りを手伝ってから揃って朝食を摂り、トーマ達の野営の片づけをする。
荷物は試験的に半分をトーマの『ストレージ』に、残りをエラートの『ストレージに』分けて収納した。

全てを終えたアシェルは、結界を張るのに使った粘土板へ『解除キャンセル』をかける。
この結界は自動的に消えないようになっているので、キャンセルをかけておかないと不可侵の領域が出来上がってしまう。

アーニャにキャンセルを教えたら、【朱の渡り鳥】専用の結界スクロールを作ってあげるのも良いかもしれない。
昨日全員の魔力量を確認したが、結界の運用は問題なく出来るだろう。
道中で魔力を使いすぎても、マナポーションも常備しているのなら大丈夫だ。

相変わらずアシェルの『探査魔法サーチ』に引っかかった魔物を告げ、それに【朱の渡り鳥】が対応してを繰り返している。

蜘蛛も6~8番の解毒剤で対応できるものは、彼らに討伐させた。

というよりも、そもそも9と10番に相当する蜘蛛は滅多なことが無い限り出会えないのだが。
昨夜がおかしかったのだ。

順調に本日の野営予定地に向かいながら、討伐と素材採取を行っていく。
多種多様な素材を採取出来て、アシェルはご機嫌だ。

ご機嫌ついでに、トーマに『探査魔法サーチ』の指導も行っている。
トーマはとても優秀な生徒だ。

「えっと……三つくらい何か動いてるのは分かりますけど、動いてることしか分からないです。」

やはり飲み込みが良くて、アシェルが教えたことをどんどん吸収していく。

「それが分かるだけでも十分だよ。今度はその動くものだけに、縦に向かって魔力を広げて当ててごらん。今は低い位置に薄く延ばしているけど、それよりも高い位置に、動いてるものの辺りだけ縦にいくつか魔力を飛ばす感じで……うん、そう。良く出来てるよ。」

アシェルの『探査魔法サーチ』でトーマの魔力の流れを見ながら、魔力に乗せるイメージを指導していく。
魔法は呪文や魔力量も大事だが、それ以上にイメージが何よりも大事だ。

「これは……人型?っていうことは、冒険者ですか?」

「うん、正解。良く出来たね。じゃあ、次は距離は分かる?今のまま歩いてると、何分くらいで遭遇するかな?」

「そこまでが……相手も動いてて……5分ですか?」

「うん、僕の予想もそれくらいだよ。というわけで、前方に動いてるのが見えても敵対行動は取らないでね。相手から咄嗟に攻撃が来ることもあるから気を付けて。」

アシェルが声を掛けると、了承を告げる返事が人数分返ってくる。

「アシェ……トーマにどこまで仕込むつもりだ?」

「どこまでって……有用な探査魔法サーチの使い方を教えてるだけだよ。斥候には必要でしょ。」

アークエイドに問われ首を傾げるアシェルに、エラートが補足を入れる。

「なぁ、アシェ……斥候の状況把握はそうじゃねぇよ。いや、間違ってねぇし、確実だけど。軍とかじゃ、探査魔法サーチで状況把握しねぇからな。」

「え……じゃあどうやって敵の接近を知って、味方に注意を促すの?」

「音や匂いに頼るやつが多いな。だから斥候役には、獣人の血が混じった奴がなることが多いんだ。あとは、身体強化を使った上で足が速くて身軽な奴とかな。」

「へぇ……大変だね。探査魔法サーチ一つで何でもわかるのに。」

「それはアシェだけだよー。ただ、トーマに教えてるのを見て、アシェが普段どーやって探査魔法サーチを使ってるかは少し分かったかもー。でも、アークの護衛する時はもっと凄いよねー?どーやってるのー?」

マリクの問いに、アシェルは少し悩む。

「そうだね……ねぇ、マリク。さっきトーマに教えた感じで探査魔法サーチ使ってみて?」

「おっけー。」

マリクの魔力が薄く広がり、その後に一定方向へいくつかの魔力が飛んでいく。

「ほんとーに人型だねー。」

「じゃあ、ちょっと模型を作って見せてあげるね。」

その辺りの適当な枝を小さくばらし、宙に一本立て、その奥に三本立てる。
一本を術者、三本を今確認した冒険者達と仮定した、四角い箱庭をイメージしている。

その面白そうな状況に、皆がわらわらと集まってアシェルを囲んだので立ち止まった。
皆が覗き込むアシェルの手元を、小さな世界に見立てて説明する。

「まずは普通の探査魔法サーチは、こんな感じで、低めの位置に一層だけ魔力を出してる状態だね。これが一般的なものでしょ?」

それに幼馴染達が頷く。

模型は薄く青い輪が一本だけの木の枝から発せられて、三本の木の枝にぶつかった部分以外は綺麗な輪が出来上がっている。

「で、さっきのトーマの出してた魔力はこんな感じで出てて。」

そこに赤い扇状の縦に積み重なった層ができ、木の枝に模様をつける。

「マリクのはもうちょっと密度が高くてこんな感じ。」

マリクの魔力は直線に向かってだけ魔力を飛ばしていて、無駄が少ない。

赤い模様のついた木の枝が、黄色とオレンジ、そして何も色のついて無いものになる。

「これを覚えておいてね。僕が普段索敵に使ってるのはこんな感じ。」

一旦色が全て消えた宙に浮かぶ模型は、青く広がる輪の数は増え、緑色の一直線に伸びた細い魔力が、木の棒に当たったところで広がり、木の棒を包んで緑に染めてしまう。

「マリクさんのも凄いと思いましたけど、アシェルさんのはもっと凄いですね……。出来るようになるかな。」

「トーマ、アシェの真似をするのはやめとけ。ぜってーできねぇから。まだマリクの使い方を真似したほうが現実的だ。」

エラートがトーマの無謀な挑戦を止める。

「種族だけじゃなくて細かい識別は、魔力で包んで細部まで確認するからか?」

「うん、アークの言う通りだよ。出会う前に、どんな個体が居るのか判るね。で、これをこの前の我が家の状態にすると……青がお父様、赤がアン兄様、黄色がアル兄様で、緑を僕にしようか。」

模型として見立てた四角い空間にびっしりと青色がひしめき、隙間を縫うように赤と黄色、緑が同じくらいの量ずつ埋めている。

木の棒は全く見えない、縞模様の入ったキューブが出来上がった。

「こんな感じ。僕らがお父様の開けてくれたスペースを埋めてるよ。お父様のを消すと、こうだね。」

青色が消えるも、それでも一色だけを見てもトーマやマリクの出していた魔力の波とは比にならない数が残る。

「お兄様達が仮眠した時はこんな感じになって。」

赤と黄色の輪が三層だけになり、木の棒の足元と胴体、頭と思われる付近に微妙にずれて当たる。アシェルの色だという緑も残っているが、色が混じることは無い。
輪の数自体はかなり密度が高い。

「その空いた空間はお父様が埋めたから、結果としてはお父様に寝ろって言われるまではこんな感じだったよ。」

もう一度青が出現し、緑は変わらないが、最初よりも圧倒的に青の占める面積が増えた。

「こんな感じなんだけど……説明はこれで伝わった?」

「うん、ありがとー。とりあえず、凄いことは分かったー。」

「やっぱり仮眠と言うが、これじゃ寝てないだろ。しかも、これはあくまでもこの前アシェの邸に泊まった時だろ?ってことは、学院祭の時は一人でこれをしようとしてたってことだよな?そこまでしなくて良いんだぞ。それに夜はしっかり寝てくれ。」

「言ったでしょ、観てないと不安なんだって。アークは何も気にせず守られておけば良いんだよ。それに学院祭の時は、アル兄様と半分こだよ。近場は僕のだけで埋めてたけど。アン兄様が来た時は三等分。」

「そういう問題じゃないだろ。気にしないわけないだろうが。」

「安心安全を確保できるんだから良いじゃない。」

「だから——。」

どちらも引かない言い合いをするアシェルとアークエイドを放っておいて、【朱の渡り鳥】とエラート、マリクが雑談する。

「なぁ、俺達って、実は凄い大物に軽口叩いてたって事か?」

「魔法のことは分からんが、ああいう風に可視化されると凄さが分かるよな。」

ガルドとジンの言葉に、アーニャが補足を入れる。

「そもそも、自分の魔力も他人の魔力も、可視化してしっかり認識していること自体が凄いことですよっ。普通は自分の魔力も、意識しておかないと分からないんです。それを最後のやつみたいに、複数人で同じ魔法を使っても、魔力の色が混じったところが一か所もないのはおかしいんです。」

「僕のサーチとマリクさんのサーチが被ってる場所なんて、僕にはさっぱりでした。」

「それは……マリクは、トーマのサーチと被った魔力?は分かったんですか?」

トーマが肩をすくめる傍ら、ユウナが問う。

「分かるわけないよー。あれは、アシェだから出来るんだよー。俺らに実践しろって言われても無理だからねー?」

「密度の高い奴は、全部アシェの家族だな。つまるところ、アシェの家族は全員、アシェレベルで魔力操作精度が高いってことだ。お、トーマの言ってた冒険者が見えたぞ。」

大所帯で呑気に立ち止まって談笑しているアシェル達を、不思議なものを見るようにして会釈しながら冒険者達が通り過ぎていく。
しっかり【血濡れの殺人人形ちぬれのキリングドール】とアシェルは呼ばれたのだが。
冒険者活動はそんなにしていないのに、一体どれだけ噂が出回っているのだろうか。

「とにかく、僕が何してるかなんて分かんないんだから、アークが止めたって無駄だからね。文句があるなら、僕が何してるか理解してからにしなよ。」

「くそっ、そう言われると反論のしようがないだろ。」

「しなくって良いんだってば。もう少し王族だっていう自覚持ってよね。」

「俺の護衛騎士でもないんだから、そういうのは騎士に任せとけばいいんだ。」

「学院祭の時の駄犬レベルだったら役に立たないでしょ。」

「駄犬……兄上の連れていた護衛だ。実力は知らない。」

「あーもう、アークもアシェもそれくらいにしとけ。アークは大人しく守られときゃ良いんだよ。魔法ならアシェが居るし、武術なら俺やマリクがいるだろ。それで良いんだよ。」

見かねたエラートが二人の間に割って入り仲裁する。
エラートはどちらかというとアシェル寄りの考えだ。

「俺だってそんなに弱くない。」

「知ってるって。でもこういうのは適材適所なんだよ。俺達のパーティー構成と一緒だ。ほら、進もうぜ。夕方までには野営ポイントに着く予定なんだろ。」

エラートに促され、また歩みを進める。

「なんていうか、アークが王子様って言ってたけど、皆仲が良いんだな?高位貴族って王家と繋がりがあるものなのか?」

ガルドの疑問は、恐らく一般庶民の感じる疑問だ。
貴族の実態なんて普通は知らないだろう。

「王家と繋がりってよりも、親同士が仲が良いからその影響だな。」

「仲は良いねー。俺達幼馴染だし、ちっさい時から毎月会ってたからねー。」

「王子様らしいことしてるアークは、逆に見たことないんだよね。」

「公務はこなしてるぞ。そもそもアシェが表舞台に出て来てないんだろ。」

そうは言われても、見たことないものは見たことないのだ。
そして可能ならば、そんな正式な場所に出向きたくない。
絶対めんどくさい。

「貴族様って、すっごく煌びやかな生活のイメージだわ。実際どうなの?」

ユウナの問いに、四人ともが頭を悩ませる。

「煌びやかか?まぁ、邸は広いと思うけどな。」

「パーティーとか好きな人はおーいーけど、多分俺達の家はあんまりパーティーとか好きじゃない方かもー?」

「我が家はパーティーに出るより、実験室に籠ってるほうが幸せな家だしね。パーティーにお金かけるくらいなら、貴重な素材を入手するためにお金を掛けたいと思う。」

「アシェルさんのご家族もお薬を作るのが好きなんですね。噂通りです。」

トーマが笑う隣で、アーニャが興味津々にアークエイドに詰め寄っている。

「それで、アークさんは?王子様だとやっぱりキラキラな生活ですか??」

「キラキラ……。城でやるパーティーの規模はでかいと思うが、俺は好きじゃない。多分、アーニャの言うキラキラではあると思うが。」

困ったようにアークエイドが説明するが、実際のパーティーを見たことがないアーニャ達にはそれで想像が付くのだろうか。
だが、アークエイドの答えでも十分なようだ。

先程すれ違った冒険者たちが討伐をしていた影響か近場に魔物はおらず、雑談しながら歩いてのんびりと進んだ。
もちろん、アシェルは植物素材をしっかり採取しながらだ。

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