氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第四章 王立学院中等部三年生

221 留学生の居る生活①

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Side:アシェル14歳 春



始業式と入学式を終え、また新しい一年が始まった。

アスラモリオンから皇族が二人も留学生としてやってきたことで王立学院内はざわついていたが、一か月が経ち、そのざわつきもようやく納まった。

ざわつきの原因は留学生が来たというのもあっただろうが、アスラモリオン帝国側から、アークエイドとムーランの婚約を打診してきているという噂もあったからだ。
身分的にも国の繋がり的にも、アスラモリオン帝国がヒューナイト王国の第二王子を望んでも何もおかしくない。

それに学院で見かけるアークエイドは、始業式の日からずっとムーランと共に過ごしていた。
噂が現実になりそうなことで、野次馬の興味が薄れたのも大きいだろう。

「ねぇ、アークエイド様。わたくしあの時計台の上に登ってみたいわ。」

「時計台に?……そもそも生徒が登れるのか分からない。どうしてもムーラン嬢が登りたいのなら、まずは確認を取らないと無理だ。」

「そうなのね……。ねぇ、アシェル。確認してきてもらえるかしら?」

「良いよ。少し待っててもらえるかな?」

「えぇ。お願いね。」

ムーランは相変わらずアークエイドが好きだと、言動でハッキリと表現している。
入学してからはアークエイドの左腕が定位置だ。

アークエイドはそれに応えることは無いものの、王宮で見かけた時のように無下にしてはいない。

夕食はアークエイドの部屋でモーリスとアビゲイルも交えて四人で摂っていたようだし、両国のためにも仲違いするよりは、こうやって仲良くしているほうが良いのだろう。
5月に入ってからは、アビゲイルはノアールと過ごす時間が無くなるからと夕食に同席はしなくなったが。学年も離れているし、授業の話などを話題に出来ないので、同席していても話すのが大変だったのかなとも思う。

そしてムーランは、今のようにアシェルに色々とお願いしてくる。
どれも些細なことだし、皇族なのでこういった些細なことは臣下が行うのだろうと思うから、嫌な気分になることはない。

ムーランはムーランの護衛を三人連れているので、普段ならあまりアークエイドの傍を離れたくないと思うところだ。
しかし、今年からアークエイドも護衛を二人連れてきている。そのうちの一人はダニエルなので、アシェルは安心して任せることが出来た。

休みを取る前日には、わざわざ顔見知りであるアシェルに声を掛けていってくれるという配慮付きだ。
4月半ばにはアレリオンとサルビアの婚約式があったので、その時のようにアシェルがアークエイドの傍に居られない時は、ダニエルに声を掛けるようにしている。

因みに男は二人まで、女は三人までと、王立学院に連れてこれる見えない護衛の上限が決まっているらしい。

生まれのせいで少し高飛車に見えるものの、モーリスが言っていたように、本当に小さい子供がそのまま大人になったという感じだ。

でも外交である晩餐会のように、きちんと分別も持ち合わせている。

あまりにも目に余る行動をしている時は、きちんとどうしてそれがダメなのか、その行動が周囲にどう思われるのかを説明することで、理解して注意しようとする姿も見受けられる。
やっぱり教育が行き届いていないようだ。

モーリスが同じことを注意しても聞かないのに、割とアシェルの言うことはすんなりと受け入れてくれるので、アシェルはムーランの教育係のようになってしまっている。

だがそのお陰でアークエイドが最低限これだけは守って欲しいといったことは教えられたし、クラスメイトに対する態度も軟化したはずだ。

さくっと教師に時計台へ登る許可を取り、申請が必要だというので書類を書いて提出しておく。

王子や皇女に見えない護衛が付いているのは当たり前のことなので、そこは書かなくて良いと言われた。
今まで護衛を連れてきていなかったアークエイドは異端のようだ。

「ムーラン嬢、アーク。許可を貰ってきたよ。今後も登りたければ申請書を毎回提出する必要があるみたい。それと18時には出入り口の扉を施錠するから、それまでに降りてくるようにって。もし閉じ込められたら、一階に職員室直通の魔道具が置いてあるから、それで連絡してほしいって。時計台に登るのは二人の分しか申請してないから、時間いっぱいゆっくりしてもらって良いよ。」

「ありがとう、アシェル。早速行きましょうと言いたいところだけど……アシェルは四限目があったわよね?先にお昼の方が良いかしら?」

「そうだね、アークの味見は他の人に任せるつもりはないし。二人は先にお昼でも良い?」

「わたくしは大丈夫よ。アークエイド様はどうかしら?」

「俺も構わないが……今日も別で食べるのか?」

「うん。別に僕はアークの味見が出来ればいいだけだし、メルの味見も欠かしたくないもん。別に一緒に摂る必要はないでしょ?」

「まぁ、それはそうなんだが……。」

流石に皇族の居るテーブルにメルティー達を招くわけにはいかないので、メルティー達とは別のテーブルで食事を摂っている。
モーリスはタイミングが合えば一緒だが、基本的にクラスメイト達と食卓を囲んでいるようだ。

アシェルは最初の一週間だけ同席して、味見以上は必要ないだろうと判断した。

ムーランがアークエイドの口に食事を運んでやりたいと言いだした時は誰が注意するでもなく、アークエイドのスプーンを借りて、アークエイドの食事から食べさせようとしていた。
自分に食べさせろと希望した時もちゃんとムーランのスプーンを使って、ムーランの食事からだ。

それぞれの毒味係が確認したもの以外を口にしたくはないだろうし、ムーランも気を使っているのだと感じた。
やはり王位継承権を持つ者は、毒が身近な存在なんだと感じた瞬間だ。

今日もさくっとアークエイドの食事の味見を済ませて、メルティーを探す。

メルティーはいつも、仲良くなったクラスメイトのパトリシア・スタークとエスカ・トリスタンと一緒に食事を摂っているのだが、今日はどうも余計な人間が居るようだ。

「メル、お待たせ。パティ嬢とエスカ嬢もこんにちは。早速メルのご飯を味見させてね。」

「えっと、アシェ義兄様。それは良いのですけど……先輩は放置で良いんですの?」

「そうだよ。折角アシェル君に会いに来たのに、つれないなぁ。」

にこにこと一緒のテーブルに座っていたのは、生徒会執行部の一員でもあり、一学年上のクリストファー・ミルトンだ。
メルティーも生徒会執行部に入っているので、ちゃんと面識のある先輩だ。

クリストファーは遊び人で男好きと名高いミルトン兄弟の一人で、去年まではアルフォードとアシェルにちょっかいをかけて来ていた。

毎週水曜日はほぼ必ず昼食時にアシェルに会いに来ていたのだが、今年は見かけなくなったので、てっきり授業の時間帯が変わったのかと思っていた。

「放置してもこうやって絡んでくるから、メルが気に掛ける必要はないよ。そんなことより、早くしないとメルや皆のご飯が冷めちゃうでしょ?」

「そんなことよりって、流石に酷くないかい?」

そう言いながらも、クリストファーは楽しそうにクスクスと笑っている。

構おうと素っ気なくしようとクリストファーはどちらにしても喜ぶので、放っておくに限る。
あまり体調も良くないので、クリストファーと腹の探り合いをするのも面倒だ。

メルティーの味見を終えて許可を出し、移動しようとしたところでクリストファーに腕を掴まれた。

「クリストファー先輩、腕を離していただけません?」

「アシェル君は、ここでお昼を食べて行かないのかい?」

「えぇ。今から軽食を買いに行きますから。」

「ふぅん。でも、買いに行くだけだよね?」

「……何が言いたいんですか?」

相変わらずクリストファーはにこにこと微笑んだままだ。
割と喋る相手だが、クリストファーとは友人と言えるほど仲が良い訳ではない。この笑顔の裏に何を隠しているのか見当もつかない。

「別に。ただ、アシェル君が食べる訳じゃないよねって言ってるだけだよ。」

「僕が買うのに、他に誰が食べるって言うんですか。」

「それは僕には見えなくて、アシェル君には観えてる人がだよ。言っておくけど、マナポーションは薬であって、食事の代わりにならないからね。」

確かにアシェルが今から買いに行くものは、アークエイドとムーランの護衛達に配るためだ。この一か月の日課になっている。

モーリスはちゃんとダーガとクーフェにも味見以外の食事を与えているが、ムーランが渡しているところはみたことがない。
アークエイドもそんな気配は無いし、学院内で二人しか護衛が付いていないのに、護衛達がどうやって食事休憩を取っていると思っているのだろうか。

護衛のパフォーマンスにも影響が出るし、大の男達の昼食が毎回味気ない栄養バーだけでは可哀想だ。

「なんで僕が知ってるのかって思ってる?アシェル君は忘れてるかもしれないけど、これでもメイディー地方の侯爵子息だよ。それも跡取り。一応何かあった時にフォローできるように、メイディー公爵家のことは教えられて育つからね。メイディーに領地を持つ侯爵家の中でも、うちは特に社交系のフォローがメインかな。」

「……そんなの初耳です。」

「そりゃあ、普通は跡取りくらいしか知らないんじゃないかな?まぁ、自分たちの地方を守ってくれている代表を守る為に、古参の侯爵家だけが参加している、ある意味自治会みたいなものだよ。各地方にその自治体は存在してるみたいだけどね。僕が色々知っている理由は分かってもらえたかな?」

「えぇ。ですから腕を離してください。」

離せと言っているのに、何故かグイっと腕を引かれてクリストファーに抱きとめられる。
クリストファーの耳は節穴なのだろうか。

「——化粧で隠してるけど、ずっと寝不足でしょ?メイディーの仮眠は、仮眠ですらないからね——。……そうだね……差し入れの後に30分だけ、僕に時間をくれるなら離してあげるよ。流石にココじゃ話せない話をしたいからね。」

寝不足に気付いてそれを指摘するなら、別にクリストファーの腕に抱かれる必要はなかったと思う。だが周囲に聞かれないように声を落とすための、クリストファーなりの気遣いなのだと、少しイラついた心を鎮める。

その話は自治会関係なのだろうか。
もしそうなのだとしたら、確かにこんな大勢の目と耳がある場所で話すことではないのだろう。

頷かないことには、抱きしめてきたまま解放してくれそうにもない。

「分かりました。生徒会室で良ければ30分だけ。」

「うーん、即答するほど僕の腕の中は嫌かい?僕としては、ずっとこのままでも良いくらいなんだけど。」

そう言いながらも、クリストファーはあっさりと解放してくれる。

「寝言は寝てから言ってください。用事を終えたら必ず行きますので、先に生徒会室で待っていてください。」

「そうだね。余計なのが近くに居ない方がいいだろうし、待っておくよ。メルティー嬢、お友達のご令嬢達、お邪魔させてくれてありがとう。これで失礼するよ。」

何故その配慮が出来るのに、アシェルを人前で抱きしめてくるのか。

いっそのことやり返してやろうかと思うが、ミルトン兄弟は喜ぶだけな気がする。
堂々と男好きを公言しているし、何のダメージにもならないだろう。

メルティー達に別れを告げ、いつも通り食堂のお持ち帰りコーナーで油紙に包まれたサンドイッチと温かい具無しのスープを入れてもらう。
具無しなのは飲みやすいようにだ。

それをまずはムーランの護衛の一人で、今日の味見役を務めた人に三人分。

それからダニエルに二人分を渡す。

流石に堂々と渡すと目立つので、『認識阻害インビジ』を掛けた上でだ。

観ていれば分かるだろうし、こちらから声を掛けた相手には意味がなくなるので、周囲の生徒に護衛の位置が分からないようにするだけなら十分だ。

「ダニエル殿。本日も食事を交換してもらえませんか?」

「アシェル殿……いつも言っていますが、交換でなくても……。いえ、その……食事を頂けるのは大変ありがたいのですが。」

アシェルがいつも交換してくれというので、ダニエルはいつも二人分の栄養バーを集めてくれている。
どう考えても三食分以上あるのは、アシェルが金銭を受け取らないので差し入れに金額を合わせようとしてくれているのだろう。

今日もソレとサンドイッチたちを交換しながら、アシェルは笑った。

「だってコレ軍用品で、一般的には手に入らないでしょう?今のうちに交換してもらって溜め込んでおけば、夏休みの食事に困りませんから。ストレージの中は腐らないって便利ですよね。実験中に片手で短時間に食事が終わるって、素晴らしいことなんですよ?」

「まぁ、美味しくはないですが、そのままでも保存は効くし、栄養価だけは高いですからね。この携帯食料は軍用品ではありますけど、アシェル殿が望まれるなら卸すことも出来ますよ?流石に予算の兼ね合いもあるので、タダでという訳にはいきませんけど。」

凄く魅力的な話だが、一応軍用品として専売されている栄養バーだ。
味も栄養価も劣るが似た市販品もあるので、わざわざコネを使って取り寄せる程のものでもない。

「いえ、一応軍用品と銘打ってますし。普段は普通の食事を摂ればいいので、交換で手に入る量で充分ですよ。定期的に入手できる伝手があったら、実験室から出てこれる気がしません。」

「ふふっ、メイディーらしいですね。では、本日もありがたく頂いておきますね。毎日起きてらっしゃるんですから、お昼だけでも少し休まれてください。」

「えぇ。今日もお願いしますね。」

アシェルはお昼のこの時間だけは、探査魔法サーチを使わないことにしている。

というよりも、ダニエルから夜観ているつもりならお昼だけでも寝るか、夜に観るのを止めて寝なければアークエイドに報告しなければいけないと言われたので、渋々頷いた。

お昼なら不審者が居ても、最悪幼馴染の誰かが近くに居る可能性があるし、生徒達だって戦う力を持っている。
状況によってはアークエイドを守ってくれるだろう。

だから、昼食から二時間だけはアシェルの観ない時間だ。
少し不安ではあるものの、余計な報告をされないためには仕方がない。

今日もお昼の日課を済ませたアシェルはクリストファーとの約束を果たすため、校舎の五階にある生徒会執行部の教室へと向かった。
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