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第四章 王立学院中等部三年生
247 アシェルを狙うもの①
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前話までの設定的な補足と、没案というかをちょっと発表。
(あまり前書き後書きにネタばれや解説・作者の感想を置きたくないのですが、分かりにくいので補足です。)
見たくない方はスルーして、本編へどうぞ。(説明欄長め)
いつもより行間を空けて、誰Sideかの記載をしています。
元々アシェルの設定として、親を知らない孤児、周囲とズレているという時点で、愛着障害はベースに在りました。(医学的に厳密に見ると違うところや分類が難しくもありますが、創作物ということで……。)
前世の人生経験で世渡りが上手になっているものの、アシェルにも愛着障害を起こしてしまいそうなエピソードが起きてしまったため、記憶を封じていた幼少期から片鱗はあったりします。
(人を頼るのが苦手。信用した相手以外近づけない。周囲の反応に敏感。自尊心が低い。他者との距離感の取り方がズレている……のは一部兄達のせいでもある。)
ただ周囲に馴染む大切さを知っていて、尚且つ家族が惜しみなく愛情を与えてくれていたので、こんな風に大きく表層化することが無かっただけです。
ずっと、大切な人たちに嫌われたくない、という想いは抱いていました。
二人っきりでアークエイドに甘える姿を見せていたのは、アークエイドならアシェルのことを受け入れてくれると思っていたからです。
突き放しても、言い合いになっても、アシェルのことを心配して気にかけてくれて、愛情を注いでくれるアークエイドに安心していた(安心基地・心の拠り所)という表れでもあります。
冷たく見える態度は性格からくるものもありますが、愛情確認行動の一種でもあります。
それを繰り返して受け入れて貰えることで、アークエイドがアシェルにとって安心できる場所だと認識しています。
アシェルにとっての安心基地は、小さい時から惜しみなく愛情を注いでくれた二人の兄とアークエイドです。
(リリアーデには咲に近いものを感じているので頼っているのですが、安心基地とは言い難い。弱った時に頼れるお姉さん。そして作者的に、作中での解説役。)
今のアシェルにはアークエイドも兄達も近くに居ない、その心の拠り所がない状態です。
せめて全寮制でなかったら。アルフォードだけでも近くに居れば。何かが変わっていたかもしれないというお話し。
没案ですが、色々とアシェルを追いこみまくる、しかもエロネタばかりだったので、自粛しました。
そうでなくても、これとは別に特大イベントを用意してるんですよ……悲しい方向に。
理由としては上記の愛着障害がどうにかなればいいな&ムーランの成長イベントなのですが。(まだまだ先なのに、既に掲載3話分くらい書き上がっている。)
ついでに“記憶持ち”についての由来に触れる話の予定なんです。(婚約式の謎をどうにかするために、このイベントが必須という。)
酷い作者でごめんね、アシェル……。
なんかこう……アシェルの心の成長に焦点を当てつつも、もっとファンタジーな感じで進む予定だったんだよ……。ファンタジーが行方不明。
没ネタ
・シオンも部屋に呼ぶつもりだった。当然イチャイチャさせるつもりだった。
・ご令嬢達とのイチャイチャと、SMプレイの描写をするつもりだった。それもSMはかなりハードなプレイの予定だった。
・SMプレイの最中、アークエイドとムーランの突撃イベントを作るつもりだった。
・突撃イベント後に、アークエイドに薬を盛って、これは夢です。の体でアシェルがアークエイドを襲う予定だった。勿論使用人や近衛たちはグル。(妊娠はしない予定だった。)
・でもこのイベントのせいで、アシェルが自暴自棄になる予定だったので救いが無さ過ぎた。(そこに入れるはずだったシオンとのイベントは、どうにかして盛り込む予定。)
・アークエイドのイベント参加は事前予告なくやってきて、前話よりももっと酷くアシェルを混乱させるだけの予定だった。アークエイドの様子のおかしさに気付くこともなかった。
・なんならエラートにも読者にもネタバレする予定はなく、最終結果が出るまでアークエイドは悪役で居続ける予定だった。アークエイドにはどうしようも出来ないのに、幼馴染たちからも一人孤立してしまう未来だった。
(中学生には荷が重すぎて、平常心を保ったまま隠し通せるとは思えないし、悲しすぎる展開過ぎてやめました。)
今まで用意したネタの順序を変えたりはあったのですが、悲しい展開過ぎて没に回しまくったのは初です。
もう↑だけでIFストーリー作れるレベルです。絶対収拾が付かないので、ハッピーエンドに持って行くのが大変になりそうですけど。
ゲームならバッドエンドコースな設定ですね。
ハッピーエンドが見える展開に変更予定。
長々と作者の考えを失礼しました。
少し(かなり?)分かりにくい設定だと思ったので、補足するに至りました。
今後もエロは出てくるので……エロネタを没案に回したところで、なんですけどね。
↓で本編へどうぞ。
*********
========
この先本編
========
Side:アシェル14歳 夏
アークエイドがイベントに参加した日から。
アークエイドがアシェルに近づいてくることは無かった。
むしろ今までよりも、普段生活する場所の距離を取られている。
そしてアシェルも近づかないようにしている。
近くに居れば余計なことを考えてしまうから。
その距離感以外は、ファンクラブイベントを開始してからと変わりない毎日だ。
朝から『探査魔法』を使って。少し固形物の混ざりだした朝食を食べて。
ホームルームの少し前に教室に到着して。
体術と剣術の授業がある時は、最低限の幼馴染とだけ手合わせをして。
授業の三限目が入っていたら、ファンクラブイベントの為にサボる。
お昼はメルティーの食事の味見をしに行く。
ダニエルが気を利かせてくれて、ダニエルが居ない日には毒見の訓練をしている近衛騎士と交代してくれるようになった。
お陰で、アークエイドのところに顔を出す必要が無くなった。
姿を隠したまま、護衛達への差し入れだけは行っている。
イベント中に馴染みの令嬢を部屋に呼ぶ約束をして、一日の授業を終え。生徒会室には一応顔を出し、仕事が無いかだけ確認する。
部屋に戻ったら、少ないながらも夕食を摂る。
夕方に部屋に来たご令嬢をたっぷりと可愛がって、部屋から送り出した後、大体は少しソファで眠る。
イザベルに寝支度を整えて貰って、いつもどおり少しだけ開いた扉の隣に座って、うとうとしながら廊下の物音に耳を傾けるのだ。
聞こえてくるのはリリアーデとデュークが出掛ける音だけだが、何も起きないのは良いことだ。
そんないつもと変わりない毎日を送り、今日も二人のご令嬢と楽しんだあと、少しソファで眠った。
普通のイチャイチャとは違うが、例え内容がハードなSMプレイだったとしても、腕の中で蕩けさせてあげれば温もりを得ることが出来る。
相手の欲を満たしてあげれば、アシェルも満たされた気分になる。
でもこの10日余り。
代わりの温もりじゃ満足できなくなっていた。
本当に欲しい温もりに触れてしまったせいかもしれない。
そろそろイベントを終了するべきなのかもしれない。
この8月が終われば夏休みがやってくる。夏休みに入るまでのイベントなら、キリも良いだろう。
ソファの上で微睡から目を醒まし、時計を見る。
今日はいつもより少し長く寝ていたようで、20時30分を指していた。
寝るころには情事の後特有の匂いがしている応接間だが、アシェルが寝ている間にイザベルが換気をして、綺麗に掃除もしてくれている。
といっても、ペット志望の子達は必ず防水シーツを持参して、部屋が汚れないように気遣ってくれているのだが。
「ベル、おはよう。……ちょっと寝すぎたみたい。」
向かい側に座るイザベルは既に自身の寝支度を済ませて、洗濯物を畳んでいた。
いつもは寝支度を終えて勉強している時間に起きるのだが、もう勉強の時間は終わったらしい。
「おはようございます、アシェル様。寝てなさすぎの間違いですよ。お風呂に入られますか?」
「うん。ベルの寝支度が終わってるのに、いつもごめんね。」
「この方が、時間に無駄が無いだけでございます。少しお湯の温度を整えてまいりますね。」
「ありがとう。」
温かいお風呂に入れて貰って、男物の寝間着を着る。
アシェルがいつも座っている場所には、パトリシアが作ってくれたもこもこの敷布団のような座布団が敷かれる。
敷布団には小さく、座布団には大きいのだが、お昼寝マットだと言われた。
こちらでは床に座ったり寝たりすると怒られてしまうが、お昼寝マットの上なら辛うじて許容範囲内だろうと。
それと土足の部屋の床に、直に座らない方が良いという配慮のようだ。
しかも念のためらしいのだが、お昼寝マットの端っこは一部袋状になっていて、中に小物が仕舞えるようになっていた。
護身用の短剣を仕舞っておけという、リリアーデからの指示で作られたらしい。
必要ないとは思うが、一応ダガーを仕舞っている。
それに、寝間着の上から着るポンチョもパトリシア作だ。
もこもこでフード付きの大きなポンチョは、襟ぐりを広めに作ってくれていて、簡単に着脱できるようになっている。
着る毛布と言うらしい。
リリアーデが裁縫の得意なパトリシアに頼んで、前世の記憶を持ち寄り作ってもらったそうだ。
元々コスプレ衣装製作などをしていたらしい。
着る毛布のモチーフは赤ずきんちゃんだそうで、ポンチョは真っ赤だし、フード周りと裾にはトーションレースがあしらわれている。
少し可愛すぎるデザインな気がするが、体操座りの身体をすっぽりと覆ってくれ、本当に薄手の毛布に包まれているみたいだ。
室内は空調が効いているので、夏とはいえぽかぽかするくらいで不快感はない。
逆にこのポカポカする感じが、人肌に触れているようで落ち着くのだ。
それに皆が心配してくれている、その優しさも感じる。
寝間着の上からポンチョを被って、今日も廊下と繋がる扉を少し開け腰を降ろす。
イザベルはいつも23時までは応接間で何かしらの仕事をしていて、そのあとは使用人室で眠っていた。
もっと早く寝ても良いと伝えているのだが、生活リズムを崩したくないらしい。
いつもより遅い時間なので、もうリリアーデとデュークは散歩に出かけていると思っていたのに、今日はまだだったようだ。
かちゃりと、向かい側の扉の鍵が開いた音がする。
ここ数日。
二人は散歩に出た先で手合わせでもしているのか。冒険者のような出で立ちで出かけていた。
リリアーデはローブ姿ではなくパンツスタイルだ。
あまり努力を人前では見せないリリアーデだから、こうやって夜にこっそり訓練しているのかもしれない。
今日もお互い気付かないふりだと思っていたのに、キィとアシェルの部屋の扉が動いた。
伏せていた顔を上げると、リリアーデが立っている。
「アシェったら。こんなところで何してるの?」
アシェルがこうやって座っていることをリリアーデは知っているはずなのに、質問の意味が分からない。
だが、その問いへの疑問を口にする前に、「うぐぅ!」という男の呻き声が聞こえた。
そのままいくつかの剣戟が交わる音と、傷を負ったらしいデュークの呻き声も。
「デュークっ!」
「僕は良いからっ。リリィはアシェと一緒に居て!」
観なくても分かる。
何故だか分からないが、相手が誰だか分からないが。
デュークが誰かと戦闘をしている。
互いに傷を負っている。
それも、オートロックエリアの廊下なのに。
「リリィ、そこどいて。」
「でもっ。」
立ち上がり、皆の優しさの詰まったポンチョを汚れないように脱いで、お昼寝マットの上に置いておく。
もう約束なんて関係ない。
大切なモノを傷つけられて、大人しくしていることは出来ない。
『探査魔法』を使えば、アークエイドの部屋もモーリスの部屋も扉が開いて、護衛達がそれぞれを守りながらも、廊下に出てきたのを感じる。
護衛対象まで廊下に出てきてどうするつもりなのか。
進路を塞ぐように立っているリリアーデを、部屋の中へと引っ張り込んで外へ出る。
デュークが傷を負ったのだとしたら、リリアーデでは太刀打ちできない。
この狭い廊下で、威力の高い魔法を使うのは自殺行為だ。
アシェルの目の前に広がるのは、長い廊下の。
それもアシェルの部屋に近い位置で、剣を構える男の姿。
そのムーランの護衛をしている男は、右脚から血を流している。
最初の呻き声はこの男のものだろう。
その男に剣を向けているデュークは、頬に一太刀貰ったらしい。
外傷はそれだけなのに、剣を構えている腕は震えていて重心が定まっていない。恐らく立っているのもやっとではないかと思う。
間違いなく、あの頬の傷から毒を貰ったのだろう。
アシェルの姿を認識した男から、殺意の塊のような魔法がいくつも練り上げられるのを感じる。
それは護衛対象の傍を離れずに、男の対処をしようとする近衛騎士もだった。
まだアスラモリオンの護衛達は、状況を飲み込めていないような気がする。
それらを全て『解除』する。
大切なモノを傷つけた男を許せない。
心が冷たく、思考がクリアになるのを感じる。去年NMと戦った時の様に。
「僕の獲物に手を出さないで。手を出すなら、誰であろうと敵とみなすから。」
アシェルの出す凍えそうなほどの殺気と、冷たい声色に。
近衛騎士たちは魔法の構築どころか、剣の柄からも手を離した。
殺気に反応した使用人達も、それぞれの主の元へ集まっている。
リリアーデ達の使用人も、応接間に集まったのを感じる。
「デューク、横になって、今すぐ。」
「僕のことは——。」
「死にたいの?」
デュークに自覚があるかどうかは分からないが、アシェルの見立てでは一刻の猶予もないと思う。
アイツの剣からは独特の甘酸っぱい匂いがするのだ。ヒューナイトではまず手に入らない、かなり希少な毒だ。
「デューク、お願いだからアシェの言うこと聞いてっ。変なやつの剣に、なんか塗ってあったんでしょ!?治療の間必要なら、わたくしが——。」
「アイツじゃ僕に敵わないから。リリィは心配しなくて良いよ。」
デュークが渋々といった感じで、廊下に寝転がる。
だがその動きは緩慢で、毒が回っている自覚が無いわけではないだろう。
冷たくなってチアノーゼを起こしているデュークの手を取ったリリアーデは、ぼろぼろと涙を溢し始めた。
素人目に見ても、体調不良が見て取れる。リリアーデは看護師をしていたので尚更だろう。
頬の傷から流れる血を舐めて、やはり予想していた毒が使われていることを知る。
それだけじゃなく、割と凶悪な組み合わせのようだ。
暗殺組織の親玉とは違う。攻撃対象への強烈な殺意を感じるような毒薬だ。
「デューク。意識がある間は、しっかり深呼吸を心掛けて。ベル、居る?」
呼びかけに応じ、いつの間にかお仕着せ姿に着替えているイザベルが、扉からスッと姿を覗かせる。
「いつでも動けるように待機しております。」
「ヒールポーションと、気付け薬を。それとすぐに頬の傷を洗ってあげて、ヒールポーションで治して。気付け薬のタイミングは任せるから声かけて。洗った水とタオルは、全部袋にまとめておいて。人に付着したり、汚染を広げないようにだけ注意して。」
「かしこまりました。」
傷口の方はこれでどうにかなるだろう。
本来なら血で流れる毒は流してしまった方が良いが、今から解毒することを考えると、また毒が体内に入るリスクの方が怖い。
そしてその毒による汚染で、二次被害が出ることも。
「リリィ、ごめんね。デュークとキスするから。」
「えぇ。そうじゃないと間に合わないのよね?さっきまで立ってたのに……デュークの呼吸、どんどんおかしくなってるもの。デューク……お願い、死んだりしないで……。」
「リリィ。出来たらで良いから、リリィにしか出来ないことをして。僕は解毒以外できないから。看護師さんならできるよね。デュークも、ごめんね。」
力なくデュークが頷いたのを見て、唇を重ねる。
最近のアシェルは何の訓練もしていない。
普段であれば錬金と味見、その分解や魔力を絞ったりで自然と訓練になっていた。
今更になって、そのことを後悔する。
何故かアシェルを狙うムーランの護衛を拘束して、次々と構築される魔法をキャンセルして。余計な手出しをされないかも警戒しつつ。
その上、デュークの身体を蝕む猛毒の解毒をしなくてはいけない。
——絶対に死なせたりしない。
前話までの設定的な補足と、没案というかをちょっと発表。
(あまり前書き後書きにネタばれや解説・作者の感想を置きたくないのですが、分かりにくいので補足です。)
見たくない方はスルーして、本編へどうぞ。(説明欄長め)
いつもより行間を空けて、誰Sideかの記載をしています。
元々アシェルの設定として、親を知らない孤児、周囲とズレているという時点で、愛着障害はベースに在りました。(医学的に厳密に見ると違うところや分類が難しくもありますが、創作物ということで……。)
前世の人生経験で世渡りが上手になっているものの、アシェルにも愛着障害を起こしてしまいそうなエピソードが起きてしまったため、記憶を封じていた幼少期から片鱗はあったりします。
(人を頼るのが苦手。信用した相手以外近づけない。周囲の反応に敏感。自尊心が低い。他者との距離感の取り方がズレている……のは一部兄達のせいでもある。)
ただ周囲に馴染む大切さを知っていて、尚且つ家族が惜しみなく愛情を与えてくれていたので、こんな風に大きく表層化することが無かっただけです。
ずっと、大切な人たちに嫌われたくない、という想いは抱いていました。
二人っきりでアークエイドに甘える姿を見せていたのは、アークエイドならアシェルのことを受け入れてくれると思っていたからです。
突き放しても、言い合いになっても、アシェルのことを心配して気にかけてくれて、愛情を注いでくれるアークエイドに安心していた(安心基地・心の拠り所)という表れでもあります。
冷たく見える態度は性格からくるものもありますが、愛情確認行動の一種でもあります。
それを繰り返して受け入れて貰えることで、アークエイドがアシェルにとって安心できる場所だと認識しています。
アシェルにとっての安心基地は、小さい時から惜しみなく愛情を注いでくれた二人の兄とアークエイドです。
(リリアーデには咲に近いものを感じているので頼っているのですが、安心基地とは言い難い。弱った時に頼れるお姉さん。そして作者的に、作中での解説役。)
今のアシェルにはアークエイドも兄達も近くに居ない、その心の拠り所がない状態です。
せめて全寮制でなかったら。アルフォードだけでも近くに居れば。何かが変わっていたかもしれないというお話し。
没案ですが、色々とアシェルを追いこみまくる、しかもエロネタばかりだったので、自粛しました。
そうでなくても、これとは別に特大イベントを用意してるんですよ……悲しい方向に。
理由としては上記の愛着障害がどうにかなればいいな&ムーランの成長イベントなのですが。(まだまだ先なのに、既に掲載3話分くらい書き上がっている。)
ついでに“記憶持ち”についての由来に触れる話の予定なんです。(婚約式の謎をどうにかするために、このイベントが必須という。)
酷い作者でごめんね、アシェル……。
なんかこう……アシェルの心の成長に焦点を当てつつも、もっとファンタジーな感じで進む予定だったんだよ……。ファンタジーが行方不明。
没ネタ
・シオンも部屋に呼ぶつもりだった。当然イチャイチャさせるつもりだった。
・ご令嬢達とのイチャイチャと、SMプレイの描写をするつもりだった。それもSMはかなりハードなプレイの予定だった。
・SMプレイの最中、アークエイドとムーランの突撃イベントを作るつもりだった。
・突撃イベント後に、アークエイドに薬を盛って、これは夢です。の体でアシェルがアークエイドを襲う予定だった。勿論使用人や近衛たちはグル。(妊娠はしない予定だった。)
・でもこのイベントのせいで、アシェルが自暴自棄になる予定だったので救いが無さ過ぎた。(そこに入れるはずだったシオンとのイベントは、どうにかして盛り込む予定。)
・アークエイドのイベント参加は事前予告なくやってきて、前話よりももっと酷くアシェルを混乱させるだけの予定だった。アークエイドの様子のおかしさに気付くこともなかった。
・なんならエラートにも読者にもネタバレする予定はなく、最終結果が出るまでアークエイドは悪役で居続ける予定だった。アークエイドにはどうしようも出来ないのに、幼馴染たちからも一人孤立してしまう未来だった。
(中学生には荷が重すぎて、平常心を保ったまま隠し通せるとは思えないし、悲しすぎる展開過ぎてやめました。)
今まで用意したネタの順序を変えたりはあったのですが、悲しい展開過ぎて没に回しまくったのは初です。
もう↑だけでIFストーリー作れるレベルです。絶対収拾が付かないので、ハッピーエンドに持って行くのが大変になりそうですけど。
ゲームならバッドエンドコースな設定ですね。
ハッピーエンドが見える展開に変更予定。
長々と作者の考えを失礼しました。
少し(かなり?)分かりにくい設定だと思ったので、補足するに至りました。
今後もエロは出てくるので……エロネタを没案に回したところで、なんですけどね。
↓で本編へどうぞ。
*********
========
この先本編
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Side:アシェル14歳 夏
アークエイドがイベントに参加した日から。
アークエイドがアシェルに近づいてくることは無かった。
むしろ今までよりも、普段生活する場所の距離を取られている。
そしてアシェルも近づかないようにしている。
近くに居れば余計なことを考えてしまうから。
その距離感以外は、ファンクラブイベントを開始してからと変わりない毎日だ。
朝から『探査魔法』を使って。少し固形物の混ざりだした朝食を食べて。
ホームルームの少し前に教室に到着して。
体術と剣術の授業がある時は、最低限の幼馴染とだけ手合わせをして。
授業の三限目が入っていたら、ファンクラブイベントの為にサボる。
お昼はメルティーの食事の味見をしに行く。
ダニエルが気を利かせてくれて、ダニエルが居ない日には毒見の訓練をしている近衛騎士と交代してくれるようになった。
お陰で、アークエイドのところに顔を出す必要が無くなった。
姿を隠したまま、護衛達への差し入れだけは行っている。
イベント中に馴染みの令嬢を部屋に呼ぶ約束をして、一日の授業を終え。生徒会室には一応顔を出し、仕事が無いかだけ確認する。
部屋に戻ったら、少ないながらも夕食を摂る。
夕方に部屋に来たご令嬢をたっぷりと可愛がって、部屋から送り出した後、大体は少しソファで眠る。
イザベルに寝支度を整えて貰って、いつもどおり少しだけ開いた扉の隣に座って、うとうとしながら廊下の物音に耳を傾けるのだ。
聞こえてくるのはリリアーデとデュークが出掛ける音だけだが、何も起きないのは良いことだ。
そんないつもと変わりない毎日を送り、今日も二人のご令嬢と楽しんだあと、少しソファで眠った。
普通のイチャイチャとは違うが、例え内容がハードなSMプレイだったとしても、腕の中で蕩けさせてあげれば温もりを得ることが出来る。
相手の欲を満たしてあげれば、アシェルも満たされた気分になる。
でもこの10日余り。
代わりの温もりじゃ満足できなくなっていた。
本当に欲しい温もりに触れてしまったせいかもしれない。
そろそろイベントを終了するべきなのかもしれない。
この8月が終われば夏休みがやってくる。夏休みに入るまでのイベントなら、キリも良いだろう。
ソファの上で微睡から目を醒まし、時計を見る。
今日はいつもより少し長く寝ていたようで、20時30分を指していた。
寝るころには情事の後特有の匂いがしている応接間だが、アシェルが寝ている間にイザベルが換気をして、綺麗に掃除もしてくれている。
といっても、ペット志望の子達は必ず防水シーツを持参して、部屋が汚れないように気遣ってくれているのだが。
「ベル、おはよう。……ちょっと寝すぎたみたい。」
向かい側に座るイザベルは既に自身の寝支度を済ませて、洗濯物を畳んでいた。
いつもは寝支度を終えて勉強している時間に起きるのだが、もう勉強の時間は終わったらしい。
「おはようございます、アシェル様。寝てなさすぎの間違いですよ。お風呂に入られますか?」
「うん。ベルの寝支度が終わってるのに、いつもごめんね。」
「この方が、時間に無駄が無いだけでございます。少しお湯の温度を整えてまいりますね。」
「ありがとう。」
温かいお風呂に入れて貰って、男物の寝間着を着る。
アシェルがいつも座っている場所には、パトリシアが作ってくれたもこもこの敷布団のような座布団が敷かれる。
敷布団には小さく、座布団には大きいのだが、お昼寝マットだと言われた。
こちらでは床に座ったり寝たりすると怒られてしまうが、お昼寝マットの上なら辛うじて許容範囲内だろうと。
それと土足の部屋の床に、直に座らない方が良いという配慮のようだ。
しかも念のためらしいのだが、お昼寝マットの端っこは一部袋状になっていて、中に小物が仕舞えるようになっていた。
護身用の短剣を仕舞っておけという、リリアーデからの指示で作られたらしい。
必要ないとは思うが、一応ダガーを仕舞っている。
それに、寝間着の上から着るポンチョもパトリシア作だ。
もこもこでフード付きの大きなポンチョは、襟ぐりを広めに作ってくれていて、簡単に着脱できるようになっている。
着る毛布と言うらしい。
リリアーデが裁縫の得意なパトリシアに頼んで、前世の記憶を持ち寄り作ってもらったそうだ。
元々コスプレ衣装製作などをしていたらしい。
着る毛布のモチーフは赤ずきんちゃんだそうで、ポンチョは真っ赤だし、フード周りと裾にはトーションレースがあしらわれている。
少し可愛すぎるデザインな気がするが、体操座りの身体をすっぽりと覆ってくれ、本当に薄手の毛布に包まれているみたいだ。
室内は空調が効いているので、夏とはいえぽかぽかするくらいで不快感はない。
逆にこのポカポカする感じが、人肌に触れているようで落ち着くのだ。
それに皆が心配してくれている、その優しさも感じる。
寝間着の上からポンチョを被って、今日も廊下と繋がる扉を少し開け腰を降ろす。
イザベルはいつも23時までは応接間で何かしらの仕事をしていて、そのあとは使用人室で眠っていた。
もっと早く寝ても良いと伝えているのだが、生活リズムを崩したくないらしい。
いつもより遅い時間なので、もうリリアーデとデュークは散歩に出かけていると思っていたのに、今日はまだだったようだ。
かちゃりと、向かい側の扉の鍵が開いた音がする。
ここ数日。
二人は散歩に出た先で手合わせでもしているのか。冒険者のような出で立ちで出かけていた。
リリアーデはローブ姿ではなくパンツスタイルだ。
あまり努力を人前では見せないリリアーデだから、こうやって夜にこっそり訓練しているのかもしれない。
今日もお互い気付かないふりだと思っていたのに、キィとアシェルの部屋の扉が動いた。
伏せていた顔を上げると、リリアーデが立っている。
「アシェったら。こんなところで何してるの?」
アシェルがこうやって座っていることをリリアーデは知っているはずなのに、質問の意味が分からない。
だが、その問いへの疑問を口にする前に、「うぐぅ!」という男の呻き声が聞こえた。
そのままいくつかの剣戟が交わる音と、傷を負ったらしいデュークの呻き声も。
「デュークっ!」
「僕は良いからっ。リリィはアシェと一緒に居て!」
観なくても分かる。
何故だか分からないが、相手が誰だか分からないが。
デュークが誰かと戦闘をしている。
互いに傷を負っている。
それも、オートロックエリアの廊下なのに。
「リリィ、そこどいて。」
「でもっ。」
立ち上がり、皆の優しさの詰まったポンチョを汚れないように脱いで、お昼寝マットの上に置いておく。
もう約束なんて関係ない。
大切なモノを傷つけられて、大人しくしていることは出来ない。
『探査魔法』を使えば、アークエイドの部屋もモーリスの部屋も扉が開いて、護衛達がそれぞれを守りながらも、廊下に出てきたのを感じる。
護衛対象まで廊下に出てきてどうするつもりなのか。
進路を塞ぐように立っているリリアーデを、部屋の中へと引っ張り込んで外へ出る。
デュークが傷を負ったのだとしたら、リリアーデでは太刀打ちできない。
この狭い廊下で、威力の高い魔法を使うのは自殺行為だ。
アシェルの目の前に広がるのは、長い廊下の。
それもアシェルの部屋に近い位置で、剣を構える男の姿。
そのムーランの護衛をしている男は、右脚から血を流している。
最初の呻き声はこの男のものだろう。
その男に剣を向けているデュークは、頬に一太刀貰ったらしい。
外傷はそれだけなのに、剣を構えている腕は震えていて重心が定まっていない。恐らく立っているのもやっとではないかと思う。
間違いなく、あの頬の傷から毒を貰ったのだろう。
アシェルの姿を認識した男から、殺意の塊のような魔法がいくつも練り上げられるのを感じる。
それは護衛対象の傍を離れずに、男の対処をしようとする近衛騎士もだった。
まだアスラモリオンの護衛達は、状況を飲み込めていないような気がする。
それらを全て『解除』する。
大切なモノを傷つけた男を許せない。
心が冷たく、思考がクリアになるのを感じる。去年NMと戦った時の様に。
「僕の獲物に手を出さないで。手を出すなら、誰であろうと敵とみなすから。」
アシェルの出す凍えそうなほどの殺気と、冷たい声色に。
近衛騎士たちは魔法の構築どころか、剣の柄からも手を離した。
殺気に反応した使用人達も、それぞれの主の元へ集まっている。
リリアーデ達の使用人も、応接間に集まったのを感じる。
「デューク、横になって、今すぐ。」
「僕のことは——。」
「死にたいの?」
デュークに自覚があるかどうかは分からないが、アシェルの見立てでは一刻の猶予もないと思う。
アイツの剣からは独特の甘酸っぱい匂いがするのだ。ヒューナイトではまず手に入らない、かなり希少な毒だ。
「デューク、お願いだからアシェの言うこと聞いてっ。変なやつの剣に、なんか塗ってあったんでしょ!?治療の間必要なら、わたくしが——。」
「アイツじゃ僕に敵わないから。リリィは心配しなくて良いよ。」
デュークが渋々といった感じで、廊下に寝転がる。
だがその動きは緩慢で、毒が回っている自覚が無いわけではないだろう。
冷たくなってチアノーゼを起こしているデュークの手を取ったリリアーデは、ぼろぼろと涙を溢し始めた。
素人目に見ても、体調不良が見て取れる。リリアーデは看護師をしていたので尚更だろう。
頬の傷から流れる血を舐めて、やはり予想していた毒が使われていることを知る。
それだけじゃなく、割と凶悪な組み合わせのようだ。
暗殺組織の親玉とは違う。攻撃対象への強烈な殺意を感じるような毒薬だ。
「デューク。意識がある間は、しっかり深呼吸を心掛けて。ベル、居る?」
呼びかけに応じ、いつの間にかお仕着せ姿に着替えているイザベルが、扉からスッと姿を覗かせる。
「いつでも動けるように待機しております。」
「ヒールポーションと、気付け薬を。それとすぐに頬の傷を洗ってあげて、ヒールポーションで治して。気付け薬のタイミングは任せるから声かけて。洗った水とタオルは、全部袋にまとめておいて。人に付着したり、汚染を広げないようにだけ注意して。」
「かしこまりました。」
傷口の方はこれでどうにかなるだろう。
本来なら血で流れる毒は流してしまった方が良いが、今から解毒することを考えると、また毒が体内に入るリスクの方が怖い。
そしてその毒による汚染で、二次被害が出ることも。
「リリィ、ごめんね。デュークとキスするから。」
「えぇ。そうじゃないと間に合わないのよね?さっきまで立ってたのに……デュークの呼吸、どんどんおかしくなってるもの。デューク……お願い、死んだりしないで……。」
「リリィ。出来たらで良いから、リリィにしか出来ないことをして。僕は解毒以外できないから。看護師さんならできるよね。デュークも、ごめんね。」
力なくデュークが頷いたのを見て、唇を重ねる。
最近のアシェルは何の訓練もしていない。
普段であれば錬金と味見、その分解や魔力を絞ったりで自然と訓練になっていた。
今更になって、そのことを後悔する。
何故かアシェルを狙うムーランの護衛を拘束して、次々と構築される魔法をキャンセルして。余計な手出しをされないかも警戒しつつ。
その上、デュークの身体を蝕む猛毒の解毒をしなくてはいけない。
——絶対に死なせたりしない。
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