氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第四章 王立学院中等部三年生

250 アシェルを狙うもの④

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Side:アシェル14歳 夏



甘い水分への渇望が、徐々に落ち着いてくる。

ようやく潜在消費分の魔力を回復したらしい。

「アーク……おなかいっぱい。でも、もう少しだけこうしてて……頭痛い。動きたくない。」

「ようやくか……。そればかりは仕方ない。もう少し我慢してたら良くなるだろ。」

魔力枯渇の症状で、身体は怠いし頭も痛い。
ぐったりしているアシェルの身体を、アークエイドは抱きしめてくれる。

「お願いだから無茶しないでくれ……。デュークを守る為に必要だったことは分かる。でも、魔力を使い過ぎだ。」

「アークに、心配されるって思ってなかった。」

「しないわけないだろっ。……ずっと体調が悪そうなのも心配だったんだ。見て見ぬふりしか出来なかったから、アシェがそう思っても仕方ないが……。誰が何と言おうと、俺が——なのはアシェだけだ。」

今の声にならなかった音が、契約魔法で縛られてしまっている言葉なのだと分かる。

例え音になっていなくても、アークエイドがまだアシェルのことを好きでいてくれた事が嬉しい。それにアシェルの体調の悪さにも気付いてくれていた。

嬉しいけれど全てが終わるまで、アシェルの気持ちに蓋をする。

今日はイレギュラーだったが、表向きは今まで同様距離を取った方が良いはずだ。
話を聞いてしまったので大人しくモーリスの元へ嫁ぐ気はないが、それでもまだ何も終わっていない。

相手の思惑通りに動くのは癪だが、アークエイドとムーランの婚約については解決したわけではないのだ。
相手の貴族が力技でムーランとの婚約を推し進めてきた場合、アークエイドがムーランと婚約せざるを得ない状況になるかもしれない。

こんな状況になってしまったように、王族だからこそ回避出来ないことだってあるだろう。

こうしてアークエイドが好きでいてくれる事が分かって。
抱きしめて、温もりを与えてくれただけで十分だ。

「ありがとう。その気持ちだけ貰っておくね。僕には答えが分からないから。」

「今はそれで十分だ。今は無理でも……落ち着いたら、またアシェに分かってもらえるように頑張るだけだ。絶対に諦めたりしないし、アシェが望まないのに他の奴に嫁がせたりなんかしない。」

「どちらにしても、距離は取らないとなんでしょ?余計なことにならないように、明日からアークの護衛は止めておくよ。不安だけど……足手まといにはなりたくないしね。ありがとう、もう身体は楽になったよ。」

優しくて暖かい温もりから抜け出して、少し距離を開けてソファに座る。

「……良いのか?すまない。だが、何かされるようだったら抵抗はするんだぞ。」

「殿下、そろそろ。」

話の区切りを悟ってか、ダニエルが声を掛ける。

流石に事情を聞くにしても、いつの間にかムーランとモーリスは居なくなっている。
あまり長居してもおかしいという意味だろう。

「あぁ、長らく邪魔をしたな。おやすみ。」

名残惜しそうな表情をしたアークエイドが、ダニエルと共に部屋を出て行く。

暫く静寂が部屋を包んでいたが、もう大丈夫だろうとリリアーデが口を開いた。

「アシェ……良かったの?今なら言うタイミングだったのに……。」

「うん。僕は“特別な好き”は分かったけど、今なんて言って良いのか分からないのは本当だから。伝えたい気もするけど……まだどうなるかなんて分からないでしょ?だから、伝えなくて大丈夫。アークが僕のことをまだ好きって思ってくれてるだけで。本当は心配してくれてたって分かっただけで十分だから。」

「護衛は……本当に止めるのか?」

「護衛は止めるよ。アークはダニエル殿達に任せておけばいいから。今日までずっと訓練をサボってたから、勘を取り戻さないといけないし。他に少し気になることが出来ちゃったからね。アークの護衛と両立は難しいから。」

「嫌な予感しかしないわ……。お願いだから無茶しないでね?」

「無茶はしないよ。僕は僕に出来ることしかしないから。それより、デューク。体調はどう?動けそうなら、部屋に戻ってもらって良いよ。点滴も、もう要らないと思う。」

アシェルの言葉に、デュークは起き上がって身体の感触を確かめる。

「あぁ、もう問題なさそうだ。手間をかけてしまってすまない。」

「気にしないで。どう考えても僕狙いだったし。逆に巻き込んじゃって申し訳ないくらいだよ。」

「それこそ気にしないでくれ。」

「アシェ、本当にありがとう。お邪魔しました。」

リリアーデとデュークを見送り、応接間にはまた静寂が訪れる。

 僅かな時間ではあるが訪れた静寂を破ったのは、これからどうするか思案するアシェルではなく、その姿を不安に思うイザベルだった。

「……アシェル様。何をなされるおつもりですか?」

「特別なことは何も。ただ、今まではアーク達を狙う人間に注意を割いてたから。僕が狙いな人間を対象に警戒しようかなって思ってね。アークを守るなら、探査魔法サーチを使ってれば牽制にもなるけど……。牽制が要らないから、相手に感知されなければ良いだけだし。」

アシェルが簡単に説明すると、わかりやすくイザベルが表情を歪める。

「ご自身が囮になるつもりですか?先程のお話で、そうならないようにと言われていたと思うのですが。」

「表向きの理由でしょ、それ。流石の僕でも分かるよ。メイディーの性質を良く知っていてアークを危険に晒している人が誰か知っていれば、そんな表向きの理由では騙されないし、わざわざ僕に説明しようなんて思わないだろうけど。僕を心配してくれて、内情を詳しく知らない人なら十分口裏を合わせる理由にはなるし。……それに、自分の不甲斐なさにちょっと腹が立ってるから。向こうから尻尾出してくれそうなら、乗ってやろうかと思ってね。」

アシェルがクスリと笑うと、イザベルは諦めたように溜息を吐いた。

「お願いですから、ご自身の身体を大事にされてください。」

「大事にしてるよ?最近は食事も食べれるようになってきたし、錬金もしないと。最低限の日課はこなしてるけど、身体も訛ってるし。訓練をサボったつけが回ってきてるから、また元の調子に戻さないとだな。」

「戻すにしても徐々にです。もし手元にない素材や、必要な素材がありましたらお申し付けください。邸か、冒険者ギルドに問い合わせますので。」

心配はしてくれているが、アシェルの意志を尊重してくれるイザベルに心から感謝する。
きっと本音では余計なことはせずに、それこそ邸に引きこもってもらいたいくらいだろうから。

「ありがとう、ベル。……もうすぐ夏休みだし、目標はそれまでに、かな。イベントは夏休みまでの予定でお願いするつもりだけど、お昼間は少し自由にさせて貰うね。必修のノートはお願いしても良い?」

一週間の内、同じ講義は授業のコマが違っても同じ内容が行われている。
不公平なく進行度を合わせるためのものだが、それが今この時は有り難い。

「承りました。寝る場所は如何いたしましょう?」

「ベルはこっちで。全部片付いたら戻っても良いけど。流石にベルを人質に取られたら、冷静でいられる自信ないから。」

アークエイドも大切なモノだが、イザベルだってアシェルの大切なモノだ。

アシェルを狙うのであれば、一番身近なイザベルも危険に巻き込まれるリスクは高い。

「では、そのように。本日はもう遅いです、お休みになられてくださいませ。」

このあとは久しぶりに錬金部屋に引きこもろうかと思っていたが、そっとイザベルに先手を打たれてしまった。

長年一緒に居る乳兄妹には、アシェルの考えなどお見通しなのだろう。

アシェルは苦笑を一つ返して、自身の寝室へと足を向けた。

背を向けたため、イザベルの安堵した表情には気付かなかった。





翌日からアークエイドの護衛はキッパリと止め、【シーズンズ】にもイベントは夏休みに入るまでだと告げた。

それはきっちり周知されたようで、イベントにはそれまでに一度くらいは、という生徒も増え賑わった。

それとは別にアシェルは授業をサボってふらふらと移動し、イベントで面識のある生徒や適当に目についた生徒に声を掛けていた。

探査魔法サーチ』は薄く広く。

誰かの魔力の波は押し返さないように偽装して。
お陰で常にアシェルから付かず離れずの距離で、こちらを監視する人間を突き止めることが出来た。
やっぱりアシェル自身を狙う人間が居たのだ。

しばらくは本当にアークエイドの護衛を止めたのか心配されていたのだろうか。
ダニエル、ダーガ、クーフェの三人が時折交代でアシェルの様子を見ていたようだが、その見張りも一週間で無くなった。

アークエイドの護衛もモーリスの護衛も、二人ずつしかいない。
アシェルに問題が無いのなら、日中はエラートとマリクが周囲を警戒してくれているアシェルに構うよりも、自身の主を護ることにしたのだろう。

今日もあちこちで適当な生徒と会話し、意図的にスキンシップを多めにして、遊び人であることを印象付けていく。

ここ数日は【シーズンズ】に協力してもらって、イベントで夜のお誘いはせずに、こうやって直接声を掛けた人を部屋に招いていた。

お誘いをかけるのは勿論協力者で、細かい事情は伏せているがカナリア達が厳選してくれた男女達。婚約者がいる生徒も混じっている。

イベントに参加しなくても直接声を掛けて貰えれば、話す機会があれば。もしかしたら部屋に招いてもらえるかもしれないと、一部の生徒が色めき立っていた。
その大半が女生徒なのだが、前に部屋に来た女生徒から話を聞いていて、アシェルが女でも一晩ならということらしい。(カナリア調べ)

実際にはイチャつくのではなく、お勧めの薄い本をいくつか持ってきてもらって、ネタの提供か読書か雑談をしてお帰りいただくだけの健全なものだ。

それでも中身を知らない生徒から、声を掛けられることが増えた。
直接お誘い頂いても、今日はもうお誘いをかける人を決めていてと断っているが、そろそろ餌に食いつくはずである。
というよりも、そろそろ引っかかってくれないと、三日後には終業式だ。

そんなことを考えながら放課後。

寮の四号棟の裏庭で本を開きのんびりしていると、一人の男子生徒が近づいてくる。

裏庭にはアシェルがベンチに座っているだけで、アシェルと男子生徒以外の人影はない。

真っ直ぐにアシェルの前まで辿り着いた男子生徒は、いかにも勇気を振り絞って声を掛けましたという様に、アシェルの前で口を開いた。

「あ、あの、、アシェル様!初めてお目にかかります。私——。」

「名前は別に良いよ。誰にも聞いてないし。君は僕とお喋りしたい子かな?それとも……遊びたい子?」

あたかも今気づきましたという風に顔を上げて、優しく微笑む。

この青年の名前がなことは知っているし、そもそも部屋に招く人の名前までは聞いていない。

カナリアがお勧めしてくれる【シーズンズ】の協力者も、事前に小さな目印を付けて貰っていて、それに沿って声を掛けていただけだ。
自己紹介は受けていないので、貴族名鑑と照らし合わせなければ顔と名前は一致しない。

アシェルが直接的に聞いたので、青年はどう返事したものかと戸惑っている。
流石に良く知らない相手なので、それが演技なのかどうかまで見分けは付かない。

「どちらにしても、僕に用があるなら隣にどうぞ。ネクタイの色からして一年生かな?」

ベンチの空いている場所に促せば、緊張したように青年は隣に座る。

ネクタイは中等部一年生を示しているが、隣に座った青年はもう成人していると言われてもおかしくない見た目だ。

一学年に何人かは所謂老け顔と呼ばれるような人や、大人っぽい人、見た目だけならば成人と見間違うような成長度の人だっている。
青年の見た目でもおかしくはなかった。

「し、失礼します。……読書のお邪魔をしてしまってすみません。それに身分も——。」

「学院内では身分は関係ない、でしょ?それで、ご用件は?」

優しく促せば、視線を彷徨わせた後、ぼそぼそと喋りはじめる。

「……あの……単刀直入にお願いがあります。その……。本日のお相手は……決まってらっしゃいますか?もしまだでしたら、お願いしたくて……。」

「夜のお誘いだね。今日は誰も遊んでくれなかったから、寂しく一人で過ごそうかと思ってたんだよね。ちなみに、理由を聞いても?」

「その。私は貴族籍ではなく、商家の子供でして。身分違いは承知していますが、お慕いしている方が……。その。……殿方なのです。あ、アシェル様にお願いすれば、男でも受け側であれば、色々体験できると聞いてっ、それで……。」

ごにょごにょと、それでも大事なところは強調するように青年が口にする。

確かに男性を部屋に招く日もあるが、大体は薄い本についての語りや質問。
あとはデッサンモデルみたいなことが主だ。
イチャイチャの時に男性を呼んだ事はない。

ただ事実を知らない人に問われたら、とりあえず凄かったと伝えることになっていた。
実際問題、アシェルのファンサービスに感涙してくれる作家陣が選ばれていたので、彼らからすれば別の意味で素晴らしい夜だったらしいのだが。

切り替えた初日だけシオンを部屋に招いたので、この理由ならば呼ばれる可能性が高いと考えたのだろうか。

「ふふ、勇気を出して誘ってくれたんだね。いいよ、今夜のお誘いは君にしてあげる。首を失礼するよ。」

お誘いした生徒への首輪制度は今も続いている。
本当にお誘いした生徒かモニターで確認するためのものだ。アシェルが持っている鍵でしか外せないので、良い目印になる。

「ありがとうございます!!」

「夜18時半に四号棟の512号室を呼び出して、モニターにその首輪を見せて。よろしくね。」

「分かりました。ではまた夜にお伺いします。」

立ち上がった青年はぺこりと頭を下げて去っていく。
探査魔法サーチを使ったまま。

隣に居たらアシェルの魔力がバレてしまうかと思ったが、上手く隠蔽できたようだ。

十分に相手が離れたのを確認して、ほっと胸を撫で下ろす。

「良いよ。もう大丈夫。」

アシェルが声を掛ければ、気配遮断ステルス認識阻害インビジを解いたマリクが、幾度か枝伝って飛び降りて近寄ってくる。

「お疲れさまー。あれが嗅ぎまわってたやつー?」

マリクは耳をピクピクさせて周囲を警戒したまま口にする。

「うん、間違いないと思う。ようやく釣れたよ。近付いてきたら警戒度が上がるかと思ったけど、それも無かったし。」

一番懸念していたのは、あの青年が周囲を警戒して探査魔法サーチの波を上の方まで出すことだった。
自分の偽装は出来ても、流石にマリクの偽装までするとなると難しい。

そのためマリクはこちらが視認できて声が聞こえる位置で、木に登って姿を隠していたのだ。

「商家の息子にしては、足音も小さいしねー。当たりじゃないかなー?」

「僕もそう思う。さて、時間まで部屋でのんびりしてようかな。」

「俺は皆に声かけてくるねー。デューク達の部屋で、待機してるねー。」

「分かった。ベルが扉を開けたらタイミングだから、よろしくね。」

「りょーかい。またねー。」

マリクはこれから他の幼馴染達を招集してくれるらしく、駆け去っていく。

アシェルは準備の為に、寮の自室へ戻るのだった。
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