氷の王子様と微笑みの男装令嬢

芯夜

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第五章 【アンブロシア】

294 お誕生日会①

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Side:“アンブロシア”アシェル



アシェルは1歳の誕生日を迎えた。

ダイニングテーブルには一歳児でも食べれるように、アレルギー確認済みの食材を使った薄味の食事。
全体的に手掴みでも食べやすいものが多いのは、どうやら実際の子育て経験から今のアシェルに妥当なところなようだ。

実際問題。
頑張ってスプーンやフォークを使ってはいるが、上手く握れなくて口に食べ物が入る確率は半々である。
今日はマナーなんて何も気にせず手掴みでもOKなので、好きなものを好きなだけ食べていいという事らしい。

メイディー邸では手掴みなどもっての外だったので、ある程度上手くカトラリーが使えるようになるまでは、ずっと兄達が面倒を見てくれていたものだ。

誕生日ケーキはヨーグルトで作ったケーキらしい。
材料費が安くできるデザートで、チーズケーキみたいな味がする奴だ。
昔、咲が友人からもらったヨーグルトケーキを一緒に分けて食べたことがある。

恐らく一般家庭がそうであるように、誕生日をお祝いする歌が歌われ、健斗がクラッカーを鳴らしてくれた。
クラッカーの音に、施設での月一の誕生日会を思い出す。

それは咲と健斗も同じだったようで、二人が咲かせる思い出話に耳を傾けながら食事に手を付ける。

アシェル用のものはどれもみじん切りで元の素材が良く分からないものも多いが、それでも色どり良く飾り付けられていた。
一回で食べられる量が少ないので、小鉢に少しずつ色々だ。

何から手を付けるか悩んで、白和えからにする。
豆腐と緑の野菜が混ざっているので、多分白和えだ。

遠慮なく手掴みで頂くが、少し悪いことをしている気分にもなる。
それでもスプーンやフォークを使ってぼろぼろこぼすよりマシだろう。

「楽しかったよねぇ。沙耶ちゃんと言えば。ねぇねぇ、薫。沙耶ちゃん、赤ちゃん連れてきたことあったの覚えとる?」

一口大のハンバーグをもぐもぐしていると、思い出話を語る咲に尋ねられた。

名前の呼び方は気にしなくていいのだろうかと思いながら記憶を辿る。
もしかしたらアシェルの記憶ではなく、薫の記憶を辿れと言う意味で言い変えたのだろうか。

沙耶ちゃんは二つ上の女の子だ。
中学生の間に社会人と付き合って、妊娠して。
確か中学を中退してお嫁さんになったはずである。

中学生を孕ませたのはどうかと思うが、赤ちゃんを産んでから沙耶ちゃんは施設に顔を出しに来ていた。
毎日が幸せで、旦那さんの家族とも関係は良好だと笑っていたように思う。

アシェルが頷いたのを見て、咲は話を続ける。

「沙耶ちゃん夫婦はものっすごくラブラブで、ずっと新婚さんみたいやねっち言われとったみたいでさ。すっごい子沢山になっとったんよ。5人よ?凄くない??アシェルもそう思う?育てるのもやけど、まずは産むのも大変よねぇ。妊娠中っちほんと身体しんどくってさぁ。悪阻がきついのなんのっち。……ん?うち?うちは一人息子。良い子ばい。ね、健斗。」

「顔は俺と咲の子やけ、まぁ整っとったけど。ついでに性格も優しいし気が利く良い子やったと思うばい?ただなぁ。流石俺達の子っち感じで、オタクで二次元にしか興味なし。なんなら腐男子やったからなぁ。正直、よく嫁さん見つけて来たなっち思ったわ。」

「あーそれは確かに。しかも美人で気立てが良くて、オタ趣味に理解あるどころか一緒に楽しめる子でね。旦那一家の良く分からん妄言にも付き合ってくれる、優しーお嫁さんやったよねぇ。」

「妄言は、俺達が神様とした約束の話な。俺達はこの世界の基礎を作るっち手伝いをしたけど、まだまだあっちでやらないかんことがあってな。技術的に子供たちに託さざるを得んかったっちほうが正解なんやけど。」

「あ、心配せんでも、ちゃんと子供たちにも見返りはあるきね?嫌やったら一切合切をやらんくても良いって事にはなっとるし。ただ、もし神様のいう課題をクリアしようとするなら、もし達成できんでも、この世界に転移できるようになっとるんよ。記憶を持ったままね。ちゃんと取り組んでたっち実績が大事みたい。ちょっと前に“渡り人”の話題が上がったき、息子かお嫁さんあたりがきとるんやないかなぁ。」

アシェルが合いの手を入れなくても、表情の変化や首を傾げた姿を見て咲と健斗がどんどん話を進めていく。
薫だった時にはよくあった光景だ。

ただ、今は首を傾げたまま固まってしまいそうな内容になってしまった。

神様のお手伝いは、薫の死体を見つけるための対価ではなかったのだろうか。
それが子々孫々縛り付けることになるなんて、いくらなんでもリスクが大きすぎないだろうか。

アシェルが眉間に皺を寄せたのを見て、咲は慌てて言い募った。
咲達も息子も、きちんと同意の上で神様と契約をしたのだ。決して自分を犠牲にしたわけではない。

「あぁ、無理矢理とかじゃないきね?少なくとも息子は異世界ひゃっほいで喜んどったし、孫とかにも無理強いはしないことになっとるし。世界が安定するのに、出来るだけ記憶を持った人間が世界を行き来するのが好ましいらしいんよ。そうすることで世界が外と繋がる道が太くなって、神様が世界の調整をしやすくなるんやって。」

それは業務上知り得た守秘義務の発生する内容なのではと思うのだが、咲は全く気にすることなく続きを口にする。
世界のシステムなんて普通に生きていたら知らないことだし、知る必要のないことだ。

「でも神様が記憶持った人間を全部見て、転生とか転移させるわけにもいかんき。それを技術的にどうにかしちゃおうっていうプロジェクトが、神様からうちらに課された課題なんよ。その対価がさっき言った“渡り人”っちいう形で、記憶を持ったまま、こっちの世界の身体を手に入れる事やね。まぁ、入れ物が変わった転移みたいな?アシェルのおった世界の“授け子”みたいなもんやね。」

「薫を見つけるための対価自体は、多分世界の設定をした時点で終わっとるんやないかと思う。はっきりと言われたことは無いんやけどな。でも、いっつも神様の言うとる等価交換を考えると。プロジェクト自体は子孫が転移するための対価っちとこやないやろうか。“アンブロシア”は長持ちさせたいっちいっとったきね。異世界転移させてやるから、神様が関与せんでも“渡り人”がこの世界に来れるシステムを作れっち事やと思う。」

「まぁ、そんなすぐ出来上がるような内容でも無かったし。“渡り人”って概念はあるけど、実際に出てきたんは初めてやき。孫たちが早死にしてない限り、息子かお嫁さんやなぁっちいうね。薫はうちらの息子、会いたいっち思う?神様に聞いてからになるし、あっちが謁見申し込んでくればになるけど。今、神子様がここにおるのは市井でも知られとるんよね。そうなると、息子やった場合押しかけてくる可能性があるきさ。」

「俺と咲みたいに、ほんのすこーし綺麗めな修正が入っとるかもしれんけど、前世の姿からは大きく変えられんようになっとるき。プチ整形とかエステくらいの効果はあるかもしれんけどな。まぁ、薫からしてみてもアシェルからしてみても、知らん男の子やき。別に会わんでも……良くないんやな。」

話を聞きながらも食事を摂っているので、口をもごもごさせたまま首を横に振る。

前世では叶わなかった二人の結婚式の参列だが、その未来である二人の子供がいるのだとしたら。そして会えるのなら。
是非お目にかかっておきたい。

きっと二人に似て美形なのだろう。
スポーツも出来た健斗の方が目立っていたが、咲だってそれなりに告白されていた。

綺麗目な修正というのは、“古都”に塩顔がいないレベルの修正が入るのではないかと思う。
元より少し目鼻立ちがハッキリするとか、そういうレベルの。

とはいえ、二人の子供ならほぼ修正なしなのではないだろうか。
アシェルの目から見て咲と健斗は、特に昔と相違ないように思う。
あえて違いを上げるのであれば、肌や髪の艶の違いだろうか。そこは確実に違うと言い切れる。

「分かった分かった。神様に聞いとくね。そうこう言っとる内に完食やね。おにぎりのご飯の硬さどうやった?じゃあ次からは軟飯やなくて、うちらと同じご飯にするね。あとは歯の生え具合見ながら普通のご飯にしていこうね。こらこら。まだおねむには早いばい。誕生日パーティーのメインがまっとうやろ。」

お腹いっぱいになりうとうとしながら、健斗に手を拭いてもらいつつ首を傾げる。
ケーキも最初から取り分けてくれていたのでしっかり食べきっているのに、これ以上何かあるのだろうか。

ちょっと待っててと言った咲が隣の部屋に消え、可愛くラッピングされた箱を持ってきた。
その姿を見て、ようやく理解する。

「じゃじゃーん。ちゃんと誕生日プレゼントも用意してあるばい!施設はケーキまでやったけど、誕生日と言えばこれがないとね。」

「遠慮なく破って良いぞー。散らかしても良いからな。」

二人の言葉にコクリと頷き、綺麗に包んでいるリボンと包装紙に手をかけた。

自分で開ける以上、まだ繊細な動きはやりにくいので開け方は汚くなってしまう。

それでも出来るだけ慎重に包装紙を取り除き、箱を開けた。

(タイトルは分からないけど、これが多分術式図鑑かな。分厚いのが4冊もある。重たそうだなぁ。それから……。)

分厚い辞書のようなハードカバーの冊子の表紙には、アシェルの見たことのない文字が描かれている。
だが一冊目の表紙を少し捲ってみたところ、中身は見たことのある術式が描かれていた。
表紙は知らない文字なのに、中身の文字は“古都”で使われているローマ字のような文字だ。

「一応、その背表紙とかはこっちの人間が目にするかもしれんき、こっちの言葉やけど。中身はアシェルの知っとる文字やろ?開きっぱなしにせんようにだけしといてしといてほしいのと。こっちの文字を教えることは無いき。読めそうと思ってもタイトルを読もうとせんようにな。」

「魔法を思い出しても、最初の一回目はうちらに見せてからにしてね。危ないのもあるみたいやし。身体強化だけは自由に使っても良いけど、ストレージだけは絶対ダメっち言われとるけ、気を付けてね。何でダメかは今度詳しい人が来て教えてくれるき。うちらに聞かんといてね。うちも健斗もダメっち事しか知らんき。」

ストレージはとても便利な魔法なのだが、早々に禁止されてしまった。
こればかりは仕方ないことなので、コクコクと頷いて了承を示す。

4冊の本を取り出した底には、日本語の平仮名が描かれた板が入っていた。
誕生日プレゼントはこれで全部のようだ。

不透明なアクリル板にグレーで文字が描かれている。
その下には数字と“はい”と“いいえ”が描かれていて、鳥居はないものの。これでこっくりさんが出来そうだななんて思ってしまう。

これは一体何なのだろうかと思って二人を見上げると、咲が得意そうに胸を張った。

「アシェルは話さんけど、言葉は理解しとるやろ?なるべく首振りでできる会話をするようにしとるけど、いい加減会話できんと困るやろうなーっち思ってね。本来は学習用やろうけど、今回のは意思疎通目的ばい。光れーっち思いながら指で触ると光るはずやけ。それで言いたいことがあったら教えて貰えたら——。」

「……しゃうぇれうよ……?」

アシェルの発した言葉に二人の目が見開かれる。

必要に駆られなかったので声を出さなかったし、メイディー邸でもほとんど声をあげることはなかったので気にしていなかったが。
そういえばお世話してきた小さな子は、そろそろある程度意味のある言葉を喋っていたような気がするなとも思う。

「……え……。なんで。なんで喋ってくれんかったんよー!未熟児っち聞いとったし、大人やった記憶もあるし。なんなら今の薫の身体っち死体やったわけやし。言葉も理解しとるけ発語が遅くても仕方ないのかもーっち悩んどったんよー!!薫のばかー!うちの心配を返せー!」

「あぅ……めぇ。まわりゅぅ……。」

がくがくと咲に身体を揺さぶられ、慌てて健斗が引き剥がしてくれる。
ここで目覚めてからずっとアシェルと呼ばれていたのに、間違えて薫というほど取り乱しているらしい。
先程と違って、今回は間違えていると思う。

くらくらする頭を押さえながら、平仮名の描かれた板に指を滑らせる。

咲は光れと思いながらなんて抽象的なことを言っていたが、予想通りこの文字盤は魔道具だった。

魔力を流すことで流している間だけ文字が光り、指が離れることで魔力の供給が止まって光が消えるようだ。
光りはじめた時には示した音も喋ってくれるらしい。

《いままで しゃべる ひつようせいを かんじなかった まだ うまく しゃべれない》

「まだって……そりゃそうやろ。1歳なんやし、上手く口がまわらんくても仕方ないって。」

「そうそう。それになんも喋らんと口の筋肉も発達せんばい?っち、なんでアシェルが意外そうな顔するんよっ。三度目のニューゲーム状態やろ!?」

《このころ あまり しゃべって なかった おなじとし くらべる あいて よく しゃべるこ きにしたこと なかった》

「あーそういえば乳兄妹がおるんよね?……ふぅ。分かった。とりあえず、なるべく喋るように。声出す練習にもなるけね?……ちなみに、もしかしてもう歩けたりする?」

咲の問いに頷く。

つかまり立ちでプルプルしていた時期はとうに越してしまっている。

普段はベビーベッドの上で過ごしている。
それ以外は二人の膝の上か食事用の椅子に乗せられるだけなので、ハイハイも歩行練習もしていないのだ。

一人で暇を持て余している時に、ベッドの上で一人で練習をしていただけである。

いずれ自力でトイレに行くためにと思っていたのだが、母乳を飲むことが無くなったらオムツ交換も無くなってしまった。

曰く、この世界の排泄は毒素を体外に排出するためのもので。食事は消化されて魔力に変換されるんだとか。
母乳は近いとはいえ他人の魔力なため、排泄が必要になると言う理屈らしい。

トイレトレーニングが無くなったことを喜べばいいのだろうか。
排泄行為が無いのは不思議な感覚だが、楽と言えば楽である。

「……よし。甘やかしすぎたっちことやね。出来ることはちゃんとすることっ。失敗しても気にせんき、なんでもトライしてちょーだい。それと、そろそろお散歩とかもしようか。まだちょっと小さいきかなっち思っとったけど。気にせん方が良さそうやね。」

咲は一人で何かに納得し結論を出したようだ。

咲も健斗も子育て経験はあるが、未熟児の育児をしたのは初めてだ。
施設に居た頃にお手伝いくらいはしていたが、付きっきりだったわけではない。

成長速度も、発語や活動も。どれくらいのことが出来れば問題ないのか、指標が曖昧だった。
個人差があることも理解していたし、元々薫は大人しかったので、これがアシェルの成長速度でゆっくり成長していると思っていたのだ。

それでも心のどこかで、元の身体が死体だったせいで不具合があるのかもしれないという不安も消えなかった。

「っちことは、靴とか着替え用意せなやな。どれくらいこっちにアシェルがおるかにもよるけど、そろそろ外部にお披露目するか?」

「あーなんかすっごい急かされとるよねぇ。でもさぁ。変に担がれたりせんやろうか?いつまでかは決まってなくても、アシェルは戻らないかんやん?余計なことに巻き込みたくないんよねぇ。」

「それは俺もやけどさぁ。これ以上伸ばすのも難しいやろうし。」

「まぁね。……あぁ、アシェルは気にせんでいいきね。ひとまず、最初はお医者さんに会わせるけ。それから服作る人に来てもらって、お出かけ服作りやね。アシェルはお人形さんみたいやき、着せ替え楽しみやねっ。ふっふっふ。嫌がっても無駄ばい。ふっりふりのお姫様ドレス、色々着せてみたいんよねぇ。」

「しゃき、きたりゃいい。じゅぼん。」

「はいはい、ズボンもね。男装も女装も楽しめるとか、楽しみやね。あ、うちらのことはパパとママっち呼ばなダメばい。そのへん五月蠅い人がおるきさ。」

咲自身がふりふりドレスを着る気はないらしい。
いつも二人はラフな部屋着といった感じで、咲はロング丈のワンピースを着ていることが多い。

咲は綺麗系なので、フリフリのドレスよりも大人っぽいシルエットのドレスの方が似合いそうだ。

お披露目という嫌な予感のするワードが聞こえてきたが、二人はこの世界でどういう位置づけにいるのだろうか。

アシェルに分かるのは、“古都”と同じ文明水準や生活様式なのだとしたら。
かなり裕福な家庭だろうということだ。

平民であればもっと狭い家に住んでいるだろうし、それに布の手触りも違うだろう。
なにより、新しい服を作るために人を呼んだりはしない。

となるとそれなりの富裕層になるはずなのに、両親の呼び方がパパとママで良いのだろうか。
“古都”の両親と混ざらない呼び方なのはありがたいかもしれない。

面倒くさい身分ではありませんようにと願いつつ、1歳の誕生日が過ぎたのだった。


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