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title #3 "Welcome, Mr. Another World!OYOYO ” 幕の内 25/?
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"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 25/?
「(魔法)嫌いなのに、行く度に強制的に関わらなきゃいけないのは気に入らんだろうし、あの見ていておも ・・・ いや、可哀そうな姿を見れば“やれ”とはいえないわよね」
「今回の事だけじゃ無くて、まああんまり好きになるとはおもえないわよ。袖すりあうも“多少”の縁の覚えは良くない。
「あのマジックガントレット(魔法の籠手)だろう。アイツがああなってる原因」
朝まで夜勤であったらしく、寝不足と疲労で襲い来る睡魔に抗えず、机に投げ出された腕の籠手を枕にしている。
「好きでないけど、アレないと同居人がご飯がろくに食えないからって持たされているらしい」
同居している先で家賃替わりにおさんどんをしているらしいが、同居人の二人?が大食いで家事が全くダメなので、家の事は彼女が一身に引き受けている。それ自体はいいのだが、買い出しが大変らしい。
「街からあんな離れた一軒家で、食材運ぶのだけで大変らしい」
「食材の宅配サービスは配達員がビビって来てくれないって嘆いていたもの」
荒れ地に立っている庁舎の裏に転がってる殺生石等曰く付き物件にアイテムのメッカか銀罪状態のお陰?で霊能力者だって嫌がる心霊スポット状態で、定番の電子機器や車の調子が悪くなるって事で、定期運航のバスはおろか、タクシーも乗車拒否される。
なら歩荷でも雇う事も考えたが、生きてるもので行きたがるのは相当なワケアリでなので、金さえ払えば何でも運ぶってブラック運送でお馴染み紅帽ですら話も聞いてくれない。
仕方が無いので買い出しは彼女がやっているが、何しろ体力が無いので、仕方なしに借りてる筋力を上げる魔法の籠手を使っている。
「流石に魔法アイテムは心霊現象じゃ壊れないからって使わされてるんだけど、これがとんだ欠陥品だよな。クレームで返品・返金処理どころか健康被害で訴えられるぐらいに」
正式名称:金剛石の籠手は神話時代のアイテムで、神が人間に与えたものなので魔法使いでもない人間は魔力など殆ど持ってないので、籠手は純粋な触媒で魔法力によって体力を一時的にブースト掛ける。分かり易く言えば体の中のエネルギー物質を燃焼に適した物質に変換する。
普通のマジックアイテムならエネルギー源は魔力であるが、これはあくまで使用者の体力増強である。
「聞こえはいいけど、ステロイドやヒロポンみたいなもんじゃないか。疲労物質さえ酸素やグリコーゲンに替えて、外気の代わりにニトロとか過剰発火促進物質を入れて異常燃焼させてるだけだ」
「おまけに疲労物質ってのは体の安全装置なのよ。これ位以上無理すると体壊れるからって疲労物質で筋肉を収縮させてブレーカーを落として痛覚すら麻痺させる。それを更に燃やすって、やってることは筋肉増強剤+ヒロポンよ」
「疲労を感じさせない体にして、無理から動かすって戦争御用達の悪魔の薬(ヒロポン)だな」
「一時的に能力上げるって展開は漫画やアニメじゃ燃える展開だけど、現実はキビシー」
量産車で世界初の車両用スーパーチャージャー(強制過給機)積んだポルシェは発動スイッチに“30秒以上使用禁止”と書かれていて、それ以上使うとエンジンがぶっ壊れたらしい。ヒロポン(メタンフェタミン)はそれを無制限にやる薬なのだ。
「欧州で周り中に戦争仕掛けた国が電撃戦やったけど、電撃戦は早さが命って兵士に不眠不休を強いる為にメタンフェタミン配って、疲労感を麻痺させて心拍機能と脳内麻薬を無茶苦茶あげたみたいなもんだろう、あの籠手」
敵にやられるより、薬の所為で死んだ奴の方が多かったなんて言われるぐらいらしい。
「じゃあ、あの籠手もそうなのかな」
「ん~ヒロポンは覚せい剤って言うように眠らない様になるらしいけど … 」
心配になってチラリと見ると ガーガー寝てる。
「それは大丈夫みたいだな」
ヤクチュウになると猜疑心が強くなり、誰も信用できなくなるらしいが、見ると無警戒に寝ている。
「警戒心の欠片もないで、なんか幸せそうだぞ」
動物に例えると仰向けで両足を広げて寝ている状態だろう。
「腹が立つほどね … 」
ぷく ぷ~ パン
今時ベタに花提灯を膨らませ、それが爆ぜる。
「コイツこれでも女子か。昭和時代の酒飲んで寝入ったオヤジじゃねえか」
そんなユーレーが中にはいるんだろうと思った。それにしても幸せそうに無邪気に寝ている。
「なんか言ってたぞ。ずっと周りが蛇の巣みたいなところにいたんで、前は塒(ねぐら)でもオチオチ寝ていられなかったけど、今は学校で寝ても変なのいないから安心して眠れるって」
動物は寝ている時と糞を垂れている時が一番無防備であるので、広いサバンナから狭い動物園に連れて来られて可哀そうって言われるが、もし言葉を話せたらゆっくり寝れるから動物園の方がい良いって言うんじゃないかって話だ。
「塒って家だろう。家でも落ち着けないって、アイツ貧民窟とか戦場とか弱肉強食のジャングルに住んでたの?」
「貧民窟とジャングルは知らないけど、変なのに狙われてるんで、嘉手納にある美軍の演習場に隠れて住んでいたとか」
「ホントか?確かにあそこは入ったら撃たれてもコッチの政府は関与できんし、不発弾もゴロゴロだろうからマトモなオツムしてるなら追いかけてはこんだろうけど。いること自体がアブねえぞ」
あそこは軍事教練で行かされたが、そこかしこに立ってるプラカードに〖Warning! Shots will be fired!(警告!撃つぞ!)〗と書かれたいたし、森の中に無縁仏の十字架が立っていた。聞くとK-9(軍用犬)の墓って言っていたが、犬の墓にワンカップとかチョコレートお供えるかと思った。犬なら生きてる時食った事も飲んだことも無いだろう。どんな犬だ。
「それよりアブナイのに狙われた事あったんで逃げ込んだんだって」
「あそこに?あのなか人工物は建物以外無いから緑一色だぞ、直ぐ見つかって不審者かテロリストだって撃たれるぞ」
不審者が入ったら分かるように赤外線探査装置積んだヘリもたまに飛ばしているし、K-9連れた警備員も回ってる。
演習地に天日干してあったギリースーツ(偽装服)をちょっと借りて、あれは隊員が使っていたヤツだから敵だと思われなかったとか。更に泥を纏って逃げ込んでいたらしい。お陰で息を潜め森に紛れて時間を稼げて反撃の時間を持てたとか。
「ギリースーツは借りパクで、こっち迄持って来たんで途中追っかけられた時も助かったんだって」
「森に隠れ、国中を逃げ回るってランボーにキンブル医師かな」
その時の経験が後に役に立ったらいんだけど、どこで役に立ったんだか聞いたら笑って誤魔化していた。なんか口留めされているらしい。
「追手からの追跡に、死中に活を求めるってって比喩はあるけど、本当にやるのか」
「まるで“隠し砦の三悪人”の雪姫か、“バスカヴィル家”のステープルトンみたいね」
シャーロックホームズ“バスカヴィル家の犬”じゃ、犯人が追うホームズを振り切ろうと底なし沼の点在する荒れ地の中を逃げて、流石の名探偵も諦めたとあるが、その犯人はそれで溺れ死んでる*。
「逃亡も命がけね。毒ガステロやって捕まってない逃亡犯いるけど、あの世に行ってるから、もう捕まらないって言われてるとか」
「でも、それでも追いかけてきたんだって」
「どんだけ恨まれたら死を賭して追いかけて来るんだ。アイツ何やったんだ」
強制収容所で囚人を特別待遇でもてなしたのか。それなら追ってくるのも分かる。あの追跡組織は諦めないからな。
それでも追いかけてきた敵は、予め美軍の情報部に母国の機密を探ってる連中が軍施設に侵入すると伝言して罠を張らせ、そこに飛び込むように仕向けると、追ってきた組織は綺麗さっぱり消息が途絶えたらしい。
「ああ、逃げたんじゃ無くて、誘い込んだんだ」
自分じゃ勝てないので、初めから怪物の狩場に誘い込んで敵を始末してもらう作戦だったとか。
「性悪ううう」
「弱者が生き残る為には強者を使うのよ。小魚が鮫に就かず離れずってするように」
デスピサロを操るエビルプリーストみたいにと嘯く。
「それより探っていたら美国に消されるような情報をなんでアイツが知ってるんだっての。その方が怖いは」
「ウサギには鋭い牙も爪も無いけど、絶滅せずに生き残ってるんは、その大きな耳があるからだとか」
「アイツが兎?女子だから美国だから英語にするとバニーガールって言うけど、プレイメイトみたいに色っぽくないぞ」
兎はうさぎでも、ヴォーパルバニー(首狩り兎)*だろうと言うと、クラスの連中も同意する。
「あれは無害で無力に見えてもアブナイ。学校に夜中忍び込んで馬鹿が、飼育小屋のウサギを殺して遊ぼうとしていたら、中にアレいたらどうなる?」
シーン
ちょっと考える。
あははははと乾いた笑いが起こる。その加害者候補の気持ちになると怖い。異能格闘バトル漫画みたいにその場ではスッキリ決着はつかないで、絡めた真綿で首を絞められるように反撃されるのを想像する。のほほのして、基本のらりくらりで躱すが、諦めてくれないと本気でタマを取りに来る、やるときは殺るヤツだ。
「反撃など出来ない哀れな怯えた可愛い兎を思ったら暗闇に目が赤く光る。まるで出崎統作画の暗がりの森で仲間とはぐれたガンバが鉢合わせしたのは探していた仲間のボーボ ヨイショ ガクシャ イカサマ マンプク アナホリ カリック等じゃ無く、目を赤く光らせたノロイであったみたいな絶望を味わうかも」
「長い 長い 長い」
皆が突っ込む。
「それにコアなアニメファンどころか原作厨じゃないと分らんキャラとシュチュエーション* … わたし達は分かるのが悲しいけど … それはいいとして本人が怖いってワケじゃない」
「アイツ自体の戦闘力はLV1でヒノキの棒どころかハリセン程度だけど」
周りが怖いのだ。精神攻撃や弱みを握りに来ると防御の方法が無いユーレーも怖いし、あの娘を懐柔するためなら人死になど何とも思わないだろう連中も怖い。そして、怖い本命が同居人らであった。
「アイツ龍センパイも鳳センセイも餌付けしてるって話だし」
彼女はバイト経験多種多様で、ユーレーってデータベースの恩恵?で取り合えずはなんでも出来るので重宝されているとか。
「免許も習った覚えも無いのに軽軍用機の操縦から、管理栄養士にペットケアアドバイザー(愛玩動物飼養管理士)に漫画の作画担当とか、なんでもござれ」
「管理栄養士は分けるが、他は … 確かにペットケアアドバイザーは役に立つような」
ペットになるかどうかは知らんが、一応ドッチも動物だ。
「ペットって言って大丈夫なのかな?あれは人間の尊厳ってモノが壊れるような気がしたけど」
以前それで酷い目?にあったので言葉を濁す。あんな事件の所為でどうも彼女に強く出れない。それは被害にあったクラスも同じらしく、皆教室の地べたに転がされてしまった。戦ってではなく、親愛の情であったが、まるで犬がアルファに従う様に手なずけられてしまった。
「言わないでよ。あれは嫌な事件だったわね」
これ以上の言及はお互い脛に傷持つものなので、アレはなかったことにして話を戻す。
「何の話だっけ … ああ、アイツがぐーすかとよく眠れる事だったな」
熱帯ジャングルかサバンナにいる野生動物なのと、比喩ではあるがそんな中で生きてのを察する。
「野生の小動物って周り中敵だからけで、気を抜くとあっという間に食られるだろう」
熟睡できるのはナマケモノぐらいで、あれは襲われたら起きてようが寝てようが関係無いので、諦めて熟睡を楽しんでいるとか。
「なんか似て無いか。アイツ自力での反撃は諦めてるぞ」
「そんな中で動物カメラマンとかが行くと、寄ってきてぐっすり眠る奴もいるらしい」
動物カメラマンは自分達を食わないと分かっているので、時には自分の命より大事な子供まで預けて、親は狩りに行ってくるって任せるとかあるとか。
「俺らは動物カメラマンかな。まあ、興味あって見てるから似たようなもんか」
「自分に危害を加えないって信頼してくれてるんじゃない」
「それは … なんか嬉しいな」
男としてはちょっと引っかかるものがあるが、まあ普段軽口に辛辣であるが、実は気を許してくれているとは素直に嬉しいとクラスの男共もほんわかした。
「だから信頼を裏切っちゃだめよ」
「それは大丈夫だ。なあ?」
クラスの男子を見ると、薄く頷くだけでバツが悪そうだ。
「お前らまさか ・・・・・・ 考え直せ」
アレに手を出す … 爆弾抱えて火事場ウロウロするようなもんだと、今週クラスの掃除当番として心配する。
「本当にやめてくれ。せめて今週は」
研修に行かされた部隊じゃ戦場に場慣れするために新兵は死体処理を任される。その時使ったのと同じ死体袋は教室の掃除ロッカーにもあった。多分何かの悪い冗談で置かれているだけだと思いたいが、あれに級友は入れたくないもんだ。せめてお役御免の来襲以降にしてほしい。ロッカーから死体袋を取り出して、誰か予行演習するかと聞く。本番の時入る奴はもう生きて無いから練習は主にコッチ側だけの為だが。
「ああ、そうだな」
確かにそうだなって空気が流れ、空気に絆された(ほだされた)気の迷いだって事になった。気の迷いが無ければ女子として魅力無いのかと、それも彼女に失礼だと思ったが・・・。
「あんたはどうなのよ」
「俺はいいわ … 」
少し考えてつぶやく。
「後の世 呪物となるものは持たず」
「! … あ~あ」
なんかわかったって表情を受かべるが、少し意地悪したくなる。
「あんた少しはアベレージ高いと思うよ。あの娘意外と押しには弱いわよ」
推して押して押しまくれば、手に入れれるかもと誘うと、困ったようだが満更でも無いと言う様に笑う。
「碧い鳥は空を飛んでるからいいんだよ」
「碧い鳥?あれが」
クラスの連中も“アレ”がと苦笑する。
「違った。あれは凶鳥(まがどり)かもしれんが」
それか虎鶫(鵺の元ネタの鳥)だと言う。
「鵺の鳴く夜は恐ろしいぞ*」
「鳴かして見せよう杜鵑(ほととぎす)じゃないんだ」
鳴かして見せよう杜鵑とは、綺麗な女性を床で鳴かすって隠語である。
「だからあれは鵺だっての。もしかして九尾狐かもしれん。あれでも女子だからな」
荒れ野にあった九尾の狐を封印していたとされていた殺生石をあの二人が割ったとか聞いた。
それで大きな騒ぎになったのを思い出す。
イタコの婆さんや祈祷の連中はいつ死出の旅に出てもいいように終の身支度をしているとか聞いた。
「大げさだよね。石が一個割れただけだろう」
犬山倍達だって炭治郎だって割ってるんだ。あの二人が草野球の素振りが当たって割れたと聞いても別段驚かん。
「封印が解けたっていうけど、別に出てきたって話は聞かんよな」
「鵺は知らないけど、九尾の狐は出てきたんだって」
伝説の禍々狐じゃないと言う。
「なんでそんな事知ってるんだ?」
「知り合いになったんで、今度本家も遊びに来るとか聞いた」
「はっ? … 今なんて言った」
「だから石に封印されていたのはもう会ったんで、今度は本家か元祖か総本山が遊びに来るんだって」
「ちょっと待ってくれ。今の言動だと、封印されていたのと、本家とやらは別口なの」
「うん」
そうらしい。
「どういうことだ」
「つまりわたし達と同じよ」
九尾の狐の正体は、遥か過去に地球に訪れた異世界からの旅行客らしい。今の自分達と状況的に同じとか。
「じゃあ俺らの先輩さん?」
「違うのは九尾さんは許可取らずに勝手に来て、適当な現地人の意志を無視して勝手に改造人間(依り代)にして、取り憑いて“法律 人権 何それ美味しいの”状態で好き放題暴れたんで国が滅びそうだったって事ぐらいらしい」
今は一応地球人の人権は認められて、破壊活動は禁止されているが、昔は19世紀の西洋諸国の植民地みたいに「ヒャホー これから毎日現地人(〇人)の村を焼こうぜ」状態で誰も止めなかったらしい。
「それは誰から聞いた」
「あそこで寝ているヤツから聞いた」
チラリと見るが、物騒な話を他人事みたいに幸せそうに寝ている。
「それは世迷言か血迷った妄言とか妄想とか、いつもの映画の話じゃ無いの」
「歴史の闇ってヤツかしら」
どうやら本当の事らしい。その被害者視点のカミダーリのパブリックビューイング*で見せてくれたので多分本当らしい。
「ちょっと待ってくれ。ちょっと待ってくれ。ちょっと待ってくれ」
相当大事な事なので三度言いました。
「アイツがカミダーリ(視覚化されたお告げ)を他人に見せる事が出来るのは俺らも知ってるから、じゃあ本当の事か」
「強力な魔力によって体は滅びたんで、死にたくないって手近に居る人に取り憑きまくっていたんであの石に封印されていたんだって」
体は滅びたが、九尾の狐なんて神に類する力を持っていたのを一度でも魂に宿したので、しばらく余剰エネルギーで同じぐらいの力を持ったとか。
「一般人どころか抵抗力ある俺らだって抵抗出来ない、タチの悪い“体を寄越せ”悪霊だな」
改造(魂の器の耐性施術)もされていない人間に耐えれるはずがないので憑かれた人間直ぐに死に、その内適合者が見つかるだろうと次から次と乗り移り、結局は万単位で死んだらしい。
「昔の人口で、万単位死ねばそりゃ国滅びるって言うわ」
そんなのが封印から解かれた。
「大変じゃねえか。同じことされたらウチの国ただでさえ少子化で人口減ってるのに、万単位で死人出たら、俺らの将来年金が大事だぞ」
男子は慌てるが、事情を知ってる女子はどこ吹く風だと落ち着いていた。
「大丈夫だって」
「落ち着いている場合か、だ だいじょう … ぶ?」
「アイツが説得 … 説得か。多分説得したんで大丈夫だって」
「あ アイツが アイツが アイツが … じゃあ大丈夫か」
信じる根拠は無いが、それで女子が納得してるならそれでいいやって思った。
「そんな悪霊の総本家みたいなのをどうやって説得したんだ」
『体を寄越せ~~』
『うるせええええ』
ガス ガス ボカ ボカ ボカ ボカ
とびかかってきた凶悪そうな黒い影をぶん殴る。
ゲス ゲス ゲス
タコ殴りにヤクザキックでボロボロにしばきたおす。
「アイツ幽霊相手は無敵なのよね」
反抗の意志を全て叩いて砕いて折って大人しくさせたらしい。
「何その内弁慶ならぬ、幽霊弁慶みたいな単能主義者」
ボコ凹にした相手を地面に座らせて、説教したら正気に戻ったらしく自分の行いを反省させた。
自分の行いか、自分の境遇か、ただたんに殴られて怖いか知らんが泣き止まないので、しばらく自分と一緒にいて、心残り晴らして成仏するならって約束でアイツのユーレーに名を連ねたらしい。
「アイツそんな漫画描いて酷い目に会っていたから、チート展開嫌いって言っておきながら、自分はとんだインチキだったな」
「わたし達もそれ突っ込んだわよ」
「なんて言っていた?」
「そんなモン誰からももらってない。多分多分場数踏んだからだって」
「場数」
この世に落ちて来て、ずっとそんな連中と体の奪い合いが毎日。連中何が気に入ったのか分らんが、この体が欲しくて一年365日24時間年中無休の皆勤賞。数万数十万の連中と戦って勝ち残ってきたので連中との戦いだけはベテランの猛者とか。
「確かに九尾もその他に手ごわい奴もいたけど、コッチにはそんな連中相手にしてきた場数がある」
地中海性気候の土地で、雨も降っていないのにトレンチコートを愛用していた警部が相手にするのは知能犯で、それ以上の天才と呼ばれた相手でもあった。
対して自分は凡人だが、犯罪者が場数を踏むといってもその数は限られている。しかし自分達警官は毎日毎週毎月毎年、下手すると何十年犯罪者と向き合う。
「ちゃんと仕事をしてれば経験はかけがえの無い武器になるんだって」
何しろ警官は失敗が許さるので何度も経験出来るが、犯罪者は一度失敗したらしばらく犯罪に手を染められないから経験を積めない。自分も悪霊との戦いは日課だったので今更相手が札付きでもビビらない。負ければ死ねるだけだと、気楽なもんだから怖いモノ知らずで行けたらしい。
「なるほどね … ん、じゃあアイツに憑いてるユーレーって元は悪霊の類だったの」
そうらしい。全員ぶん殴って調伏させたらしい。
「だから連中借りてきた猫状態で何もしないんだ」
てっきり守護霊だと思ったら、襲う側であった。
「一番弱そうな人間だから体を奪えると思って甞めていたら、とんでもない猛者だったなんて、絵にかいたような“ざまあ”展開ね」
「アイツ自分(精神)を殺そうとした連中とよく仲良く?やってるよな。殴り合って友情が芽生えたなんてジャンプじゃないんだから、そんなタイプじゃないだろう」
本人に殺されそうになった遺恨は無いらしい。人なんか恨んでる時間が勿体ないし、恨みは心を燻らせるのを、その“連中”から教えられたとか。
「それにあの娘偶に言ってるでしょう“愚か者の恨みは深い”って。いつまでも人を恨むってのは愚か者の証だって気をつけてるらしい」
自分が本当はどうだかは知らんが、出来れば愚か者にはなりたくない。でも愚か者かもしれない。ではどうするか。愚か者で無い“フリ”をすればいいのだ。だから昔の恨みは忘れる事にしてるらしい。
「じゃあ、“だろう系”小説とかで、追放されたり冷遇されたりして、“ざまあ”展開をやってる主人公は愚か者か」
「あれは、そういうのを好き好んで読んでるのがそうじゃない」
「気を付けよう」
「気を付けた方がいい。自分に関わりなくても、例え不幸になるのが順当な不埒者でも、そんな事を願っている心を飼ってると精神が歪になるんだって」
しかも自分で行動を起こさず願うだけってのが、陰に籠るから心を燻らせるとか。
「人の悪口をずっと言ってると、脳が他の刺激じゃ快楽物質出さなくなるんだって」
仕方なく麻薬中毒者みたいい、ずっと悪口を言うようになり、他人の不幸でしか幸せを感じなくなるから、あんまり他人の悪口を言ったり、呪いの呪詛を心に持たない方がいいと教わったらしい。
「アイツに?」
「らしい」
アイツに取り憑いて改心?して成仏した(元)悪霊のお言葉らしいので真実味があると笑う。
「恰好つけてるけど、アイツ元々昔の事を忘れるじゃんねえか」
事情はあるが、アイツは忘却が酷い。だから忘れられるんだと、俺たちはそんなに綺麗に恨みは忘れられないとボヤく。
「それも言っていた。自分のポンコツ頭も役に立つだろうだって」
何故か威張っていた。
「それは威張って言う事か」
「能動的でも受動的でもいいんだって。愚か者か知らないけど、愚かな行いをしなかったなら心が腐っていても … 死んだら花馬車で迎えに来て天国に連れて行ってくれるんだってさ」
「花馬車?なんで花馬車が出てきたんだ」
「昨日成仏したのが、ソッチの宗教信者だったらしくて、そんな事つぶやいて成仏したんだって」
「迎えに来たの?」
「いや、普通に消えたって」
「来ないんだ。まあ花馬車なんて日本に無いだろうからな」
パトラッシュが引いていたような牛乳運んでいたリアカーじゃダメかと笑う。
「本人も興味持ったんで、見れるって楽しみにしていたんでガッカリしたとか」
「アイツ天国なんか信じてる程敬虔深かったっけ?」
「敬虔の度合いは知らないけど、天国はどうでもいいけど、花馬車には乗って盗賊に襲われたいんだって」
異世界モノ漫画でそんなシーンばかり描いていたので、一度ぐらい乗って襲われてみたいらしい。
「花馬車襲うって蜂とか熊かな」
人間の盗賊は襲ってくれないだろうと思う。相変わらずアイツは天然だからと諦める。
「しかしあのユーレー達って元は悪霊の類だったんだ」
話したことは無いけど、アイツ経由では気の良い連中だった勘は受けた。自分の体を奪おうとしていた連中だって事をわすれているのか。だから恨みは忘れるって事かと思い返す。
「だから九尾が襲ってきても大丈夫だったのか」
「らしいわよ」
「アイツもしかしてラスボスじゃないのか」
「何の?魔王かなんかの」
「なんでもいいんだけど、そんだけの力あるなら漫画やアニメなら最後は戦うって展開じゃない」
「味方だと思っていたのに、実は敵の元首クラスだったとか、それは楽しそうな展開だけど、どんでん返しあるかな」
クラスの皆も考て、まだグースすか寝ている姿をチラ見する。
「あった方が人生楽しめけど、アレにありそうかな?」
「よくも裏切ったな~!」
とか言って見たい気持ちがあるけど … まんまと騙したと嘯き高笑いをするアイツの姿を想像する。何故かエナメルボンデージファッションに鞭を持っている姿を想像する。
フルフルフル
皆が力ない笑顔を浮かべ、手と首を振る。
「ないな」
「無い」
「ないわ~」
「期待はするけど、無いな」
大体がアイツの目標は、今の異常な状況を綺麗さっぱりリセットして“普通”に成る事で、その関連する力を全て無くしての普通のJKとして暮らしたいだ。
「俗物な俺たちとしては勿体ないな」
望めば“世界を自分の手のひらに”って魔王とか暗黒教団とかが夢見る力が手に入るのに、それをお釈迦にしたいらしい。
「隣の芝生は青い」
「皮肉なもんだな。俺らは退屈な日常が嫌で、新しい力を得たいとこの学校に来て、満点とは言えんが、それなりに力を得られた」
それとは逆にアイツはその力を失くしたいと思ってここに来たらしい。
「俺らは何を得たんだろうな。何の為にこうしてるんだろう?」
自分で決めた事であり、もう終わってしまった事であるので悔いても仕方ないがつい、その事を考えてしまう。
(どうして自分はこうしているんだと)
人は自分の行動に理由付けが欲しいものだ。そして、例えまやかしでも理由があれば自己正当化出来る。
最前線の塹壕からの出て行きゃ機関銃で撃たれると分かっていても突撃出来たり、体に爆弾を仕掛けて敵を巻き添えにする時も、祖国の為とか神様の為とか本当はどうでも良い理由をつけて自分の行動を合理化しようとする。
「俺らはこの手で何を掴んだんだか」
ジッと手を見る。頑健で力強く、鉄さえも切り裂ける鋭い爪が見える。
「さあ~。波乱万丈じゃない」
「それは、ちがいねえ」
少なくとも故郷で合格が決まっていた普通科高校に通ってれば体験できない事が今は経験出来てる。
「あと恩給の権利もゲットだぜ」
生きてればだけど。
「それは夢のようだ」
それは素直に嬉しい。
「あと、これは特典かどうかは知らないけど」
「ナニ?」
コツコツと歩いて止まり、机を水滴で濡らす … 涙かと思いきやテカテカの涎で濡らしている眼下の黒い塊を指指す。誤って触りたくないトイレのハンドドライヤーのように遠巻きに、
「“コイツ”に出会えた」
少なくともここに来なければコイツとは一生出会えなかった。
「 ! 」
「 … 」
ちょっとみんな考える。
「そ そりゃ夢のようだ」
それは確かにって空気が漂う。
ぷつ
ぷはっ
あははははははははっはははははっははは
教室が爆笑に包まれた。人間止めた代償がコイツに会えたこと。それは笑う。
笑うしかない。
むにゃ
響く渡る歓声に顔をあげる“コイツ”。
「あ ああ もう ホームルーム終わったの~ ねむ~~」
ジュル ツルツル ジュポン
口から垂れた涎を啜ると、机に垂れた涎の水たまりが口の中に戻っていく。
うわっ
「汚ったねええ!」
思わずドン引きするクラスメイトら。
(ちがう ちがう 絶対ちがう)
そんな理由であって(成って)たまるかと、自分の人生の矜持を守る為に否定した。
そこまでの愁嘆場(見物人にとって)だったようだ。
title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”
幕の内 25/?
end
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*カミダーリのパブリックビューイング カミダーリとは主に神が人間(巫女やユタ)に自分の知っている知識を授ける事。携帯で写メール送ってみたいなもの。 普通は神をおろした人間だけが見れる、映画のキネトスコープ(今でいうバーチャルボーイ方式)であるが、それを複数に見せることをパブリックビューイング(大衆鑑賞)
*コアなアニメファンどころか原作厨じゃないと分らんキャラとシュチュエーション ガンバの冒険はテレビ版は仲間を数を見ている子供が混乱しないように数を下減らしているが、このはなしでは原作に忠実に数を足している。
*ヴォーパルバニー(首狩り兎) モンティパイソンに出てくる洞窟に出てくる首狩り兎 あまりのインパクトにコンピューターゲーム ウイザードリィにて出演を果たす。可愛い顔をしていて、HPが満タンでも一撃で即死(斬首)を繰り出して来る怖いヤツ。
*隠し砦の三悪人”の雪姫 国を戦で失った姫と侍大将、それに雑兵二人が、隣の友好国に逃げ込もうとするが、当然その二国の国境は敵国によって厳重に封鎖されていたので、滅ぼした国を経て逃げ込もうと的中突破を狙った。
*『バスカヴィル家の犬』ジャック・ステープルトン シャーロック・ホームズシリーズの長編小説の犯人 遠縁の資産家の遺産を狙う為に由縁のある犬の呪いを装い相続者を謀殺しようとした。最後はホームズに犯行を暴かれ、誰もおってこれない底なし沼の広がる沼地を逃げたがその後行方不明になる。
*触媒とは、それ自身は変化せず化学反応の速度を変化させる物質であり、反応を促進する役割を持ちます。触媒は活性化エネルギーを下げることで反応を効率的にし、低温での反応や特定の目的の反応だけを起こすことが可能になります。身近な例としては、体内の酵素や自動車の排気ガス浄化装置の触媒、光触媒空気清浄機などがあり、工業分野や環境問題への応用も進んでいます。AI資料
*「ジュラル星人の人類抹殺計画並みに遠大で胡乱で迂遠な方法だな」 チャージマン研の悪役ジュラル星人の作戦は一応社会に迷惑ではあるが、最終目標である人類抹殺には、いつまでかけるつもりだってものばかりであった。
*あなただけ今晩は 1963年 新米警官が惚れた売春婦に警官だから付き合えないし、他に客を取ってほしく無いと変装して大金持ちのフリをして頑張る話。ラストシーンはオマージュが多数つくられた程の大とんでんがえしで有名。
*神の雷を恐れ、桑原 桑原と唱える。 昔カミナリは桑畑におりないと言われていたので、自分は桑原だから落とさないとカムフラージュしたらしい。
*鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい 横溝正史『悪霊島』のキャッチコピー
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*ビッグX 1963年 薬物投与で巨大化して戦う どうも戦時中のメタルフェタミンをドイツ軍が兵士にあたえていたのをヒントにそういう設定にしたようである。ビッグXの制服も独軍モチーフにされているようだ
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